昼食

Journal 20.6,2022

お昼を過ぎる頃に料理の下ごしらえが終わって庭のバジルをたっぷりと収穫した。今日は久しぶりに朝から夏日。梅雨の合間の晴れだからか、すごく気持ちがいい。顔を真っ赤にして家に到着した後藤さんとマサくんに冷えたビールグラスを出して4人で乾杯。周ちゃんはいつものノンアル。食卓から見える部屋中にある不思議なものに興味津々のふたり。いつの間にかそれは日常になってしまったけれど、確かに周ちゃんの不思議なものたちは奇妙だ。やたらと大きな木のスプーンとか、何に使うのか検討がつかない形をした網だとか、初めて見るようなものばかり。周ちゃんはひとつひとつの品を嬉しそうに紹介していた。周ちゃん曰く、リビングのテーマは食だそうで、食にまつわる世界の色々な道具が置いてある。それは古いものから新しいものまで。今日だけじゃ終わらなそうな長くておかしな説明に後藤さんは終始笑い、マサくんはふむふむって感じで頷いていた。

日が暮れても食卓にライトをつけて話は続いた。麦酒からワインへ、そして珈琲に切り替えて、次にお茶を入れてと話は尽きること無く続いた。運命のようなものは信じたくないと常日頃から口酸っぱく私には言い聞かせているけど、後藤さんに池尻の居酒屋で15年ぶりに会ってから数年。私達は結婚を捨て、それぞれの新しいパートナーと食卓を囲んでる。あの夜に会えたのに理由があるとしたら、今言えることはありがとうしか思いつかない。元夫が日に日に手に負えなくなっていき、私の沈み切った顔が友人達をどんどん遠ざけてゆく中で後藤さんは躊躇うことなく家に駆けつけてくれた。今日他愛もない話が出来ることが、一緒に熱々のジェノベーゼパスタを頬張り、持ってきてくれたメロンが喉をするりと通ってゆく時間がただとにかく優しい。優しすぎて危うく気づかないくらいだった。こんな日が私達の間をあたりまえのように流れていくなんて。

お祝いにくれたやちむんの水差し。私も周ちゃんも水差しが好き。だから出掛け先で美しい水差しに出逢っても簡単には買わない。ミントを活けた水差し、なんて素敵なんだろう。

今日の献立ー
スパイス煮卵
わさび菜のサラダ
胡瓜とひき肉の酢大蒜の炒め物
青柚子と白味魚のセビーチェ
黒酢とナンプラーの照り焼きチキン
ポテトフライとサワークリーム
家と近所の野菜でカポナータ
家のバジルでジェノベーゼ