
今週も周ちゃんは忙しい。先週から始まった展示のプレス対応で朝は早く出かけて、夜も遅い。お陰で私はひとりの時間を満喫してる。
寒い午後、ネットで北海道行の航空券とホテルを探した。雨はずっと止まない。リビングがあまりに寒くて屋根裏から引っ張りだしてきたホットカーペットが温かくて気持ちがいい。
一昨日の夜に周ちゃんに話した。「来週の西表島はもう無理だし、西表島の秘祭に行けないならアイヌに行きたいの。」私から出た言葉に拍子抜けした顔をしてる周ちゃん。話を進めるうちに、だんだんと瞳が大きくなってゆくのがわかった。リゾート地とか、リゾートホテルが厭なこと。バックパッカーの旅みたいに、土地を歩いたり、ただ景色を見たり、その土地の人が食べるご飯を食べたい。旅っていうより、暮らすみたいにそこに居たい。きっと、昨日からの無理はしないと決めたことも手伝ってる。今は頑張りたくない。私のままでいたい。だから、どうか好きな場所で、好きなタイミングで息を吸ったり吐いたり、歩いたり休んだり、ただただ腰を据えて眠りにつきたい。私の小さな願いを伝えた。現地で別行動でもいいからとも付け加えた。周ちゃんは貧乏性だから、絞りだすくらいに全てを欲しがる。私は無駄遣いが得意だから、欲しい分以外のものは捨てても要らない。だから、きっとそれがいい。
本当のことは言わないで「私はゆっくりしたいから。」と言ったら、頷いてた。