塩おでん

夕飯 18.11,2022

パリのまゆみちゃんからバースデーカードが届いた。女の人が裸で走ってるイラストが描いてある。なんとも海外らしい洒落たカード。このカードの理由は、いつも走ってるイメージの私らしいって。私が知ってる私は、直ぐにしゃがんだり、後ろ向きで歩いたりもすれば、大体は寄り道ばっかりだ。真っ直ぐに走れたらどんなにいいものかと誰かと比較しては少し自分のことが嫌になったり。けど、私の知らない私は走ってるのだとか。へぇ、そっかと思った。

昨晩に映像の大場さんから仕事を手伝って欲しいとLINEが入った。”技術的に不安があります。”と言うと、”僕もそうやって上がってきました。”とのこと。本当の理由はそれだけじゃない。心が動かない仕事を受けるのには抵抗がある。新しい何かを学ぶことが嫌なわけじゃなくて、私の時間が冷え切ったご飯みたいにこちこちになるのが嫌だ。感じないで仕事をする。そうゆう事も沢山やってきたけど、もういいやと思ってる。そういう時間は要らない。だけど、困っている大場さんの事は助けてあげたいと思って話を聞いた。代官山の駅前で40分くらい立ち話をした。

私は私のペースでいい。これをやっとけ、あれが得だ、世の中がそうだと言われたって、今の私がそう思わないのならば、そうじゃない。もし、未来に困ることがあれば、その時に考えたらいいと思う。失敗するのは私であって誰かじゃないのだし。それに、失敗なんて問題じゃない。離婚したらまた結婚すればいい、喧嘩したら謝って仲直りしたらいい。それでもどうにもならない時は後悔したらいい。後悔だって生きる為の大事な糧だ。

帰宅してまゆみちゃんに返答を書いた。”なんだか今日はすごく迷ってるよ。” 今の気持ちをだらだらといつも通りに綴った。大場さんの事もだし、新しくやってみようと考えていたことも、よくよく考えてみると誰かの為ばかりで私は楽しめていない事に気付いたり。それに梃子の手術。来週に予約を入れてるけど、人生2度目の癌の手術だなんて。淡々と書いた。最近手紙を書きながら思うことがある。まゆみちゃんがこの手紙の封を開けるのは、ずっと先のいつか。今、私が悩んでいることはどうにかなってる。人生なんてそんなもんだと思うと、迷ったり悩んでる自分を少しだけ放棄出来るようになった。どうしようなんて考えは3度くらいループすれば十分。だったら夕飯の献立を考える為に料理本を眺めてる方がずっといい。

今夜は塩おでん。先日に料理家の角田さんに本当に美味しいですよと聞いた。台所で角田さんの塩の料理帖という本を開き、塩おでんの頁にやかんを置いて、大根を切るところから始めた。おでんがぐつぐつと煮えていく。今夜も冷えてきたな。あっという間に冬がやってきた。