
今日はひさしぶりに周ちゃんと梃子と山へ行った。山と言っても神社の裏にある小さな小山。年始にだるま市がやっていた水天宮。晴れた日は、遠くまで青い空が広がり、山や小さく見える家々もとても清々しくて気持ちがいい。だけど、寂れて忘れさられたような場所でもあった。ひとりで散歩に来たときは、神隠しにでも遭ってしまいそうで少しひやりとした空気を感じたりもした。だけど、先日の祭でとにかく驚いた。この神社は日本橋に次いで大きな水天宮らしく、この街では普段見ないような人集りに何だか夢の続きでも見ているかのような光景だった。周ちゃんは仕事でいなかったけど、見せてあげたかった。喜ぶ周ちゃんの顔が目に浮かぶ。今日はいつも通りの静かな山を歩いた。梃子は嬉しそうに走ってる。
お昼は昨晩作った豚汁とご飯で昼食をとった。今夜は料理家の角田さんと国立で約束してる。一番の目的は周ちゃんを紹介することだけど、私が会いたいというのも本心だ。特別に何か話したいわけでも、何かを聞きたいわけでもないけど、角田さんといると世界が広がる感じがして純粋に楽しい。本人は自分は変だからと言うけど、全然変じゃない。すごく強くてすごく弱い感じが私はとても人間らしくて一緒にいるとこっちまでいい人間になってしまうような気がするからなのか、その魅力に没頭してしまう。
周ちゃんと角田さんは直ぐに意気投合したみたいだった。周ちゃんがいると私は一言も喋らないでいい。こういう時間はそんなに嫌いじゃない。姉の後ろにいた子供の頃みたい。そもそも、そんなに自分のことを喋らなくていい。聞いているだけで見ているだけで十分。二人の話を笑って聞いてビールを何度かお代わりした。
楽しい夜だった。