午後からりりさんと池袋の中華で約束。今日はりりさんの夫となった陸さんもくる。陸さんに会うのは初めて。りりさんが結婚を悩んでいた時にビデオ通話で周ちゃんと3人で話し合ったことがある。いつだったか覚えてないけれど、今の家に越してきてそう経っていなかったからきっと昨年の春あたり。メールでは二人に相談したいことがあると言っていたけど、もう心にはしっかりと決意が見えていた。ただ突然に起こった現実に心を激しく揺さぶる動揺をどうにか形に声にしたかったんだろうという感じに見えた。それに、結婚への決意はりりさんらしくて、いつも通り真っ直ぐな彼女そのものだったことに安心したというか、嬉しかった。
そもそも、りりさんも私も結婚を強く望んでいた訳じゃなかった。いきなり現れた結婚を思わず飲み込んでしまったような感じに近い気がしてる。勿論、後先考えてる余裕もないし考える気もなかった。りりさんがどうだったかはわからないけど、本当にあっさりと私達は結婚をした。時々思う。少しだけ私とりりさんは似てる。自分の事はよくわからないけどそう感じる時がある。
私と周ちゃんが到着する少し前に二人は到着したようだった。陸さんは写真よりもずっと大きくて少し驚いた。笑顔はまだあどけなかったけど、丁寧で律儀でどこから見ても芯があるとゆうか、ちゃんとした大人の男だった。リリさんのお母さんが気に入るのもわかる。もし、私に娘がいて陸さんを連れてきたら、私だってピザと寿司を出してしまう筈だ。よく食べてくれる姿を見ているだけで嬉しくて泣いてしまうかもしれない。それに、陸さんを好きになった一番の理由はりりさんの事を何度も尊敬してると話していたことだ。りりさんはすぐに泣いてしまうけど、自分に嘘をつかない。小さい身体でどうにかこうにか思いきりに生きようと前へ進む潔い生き方は私も好きだ。陸さんがそれをちゃんと知っていたとゆうか、きちんと言葉にして彼女の事を語ってる姿がかっこよかった。
何かが出来るとかスゴイみたいな事よりもずっと、どうにもならないその人の中で精一杯に生きてる方がずっと魅力的に見える。有名とか仕事とか、美人だとか金持だとか、その人を示すサインにはなるかもしれないけど、魅力を量る値にはならないし、人間の魅力はそんなもので量れる程につまらないものじゃない。何年も前から年収800万以上の人と結婚したいと言っていた友人達は独身をずっと更新してる。お金は大切。あればあるだけ困ることはない。けど、人間の面白さはお金で量れないとも思う。周ちゃんにそんな女達の話をすると、子供みたいな答えが返ってくる。「えー。それって、愛じゃないじゃん」って。その通り。けどさ、みんな本当に愛が欲しくて結婚してるんだろうか。それぞれのそれぞれなりの勝手な言い分で愛を語ってるだけだったりもしないか。子供が欲しいとか、そろそろ結婚したいとか、仕事がしたくないとか。結婚してないと恥ずかしいみたいなのもあるかもしれない。けど、それが人生になるのだから理由は何だっていい気もしてる。ただ、面白くないと意味がない。愛よりも前の話、面白いか面白くないか。そしたら年収なんて正直どうだっていい。
夕飯は茸鍋。〆に太い武蔵野饂飩を煮込んで食べた。