3月5日

Journal 05.3,2023

午後過ぎに藤原さんと代々木八幡でワインを飲んだ。久しぶりの藤原さんは、髪がショートから肩下まで伸び、ロングスカートで駅前で待っている姿はしっかりともう誰かの奥さんって感じだった。

「前に会った時によしみさんから2月に結婚するって話を聞いて。それで私も6月に決めたんですよ。逆算したらいいんだって。先に結婚する日を決めるのいいなって。」「え?そうなの??」「はい。採用させていただきました〜。」嬉しそうに顔をくしゃくしゃにして笑う藤原さんが言った。

周ちゃんとは初めてのデートで付き合うことになり、その日にプロポーズを受けた。そして、翌週の土曜日に青山で結婚指輪をオーダー。指輪も結婚もすべては夢の続きか悪い冗談のような感じだったけれど、指輪が出来上がるのは2月でその日に結婚をしようとなった。

そんな嘘みたいな毎日が続いてる中、うちで藤原さんとしんちゃんとご飯を食べた時に結婚の報告をした。

「2月に指輪が出来るから、その時に結婚しようと思って。」

なんだかすごく嬉しかった。自分が誰かの人生に少しでも役に立てるだなんて。藤原さんは結婚して変わったと思う。すごく可愛くなった。前から超がつく程にいい子だったけれど、その藤原さんじゃなくなった。しんちゃんの事が大好きで、しんちゃんとの結婚生活が楽しくて心地いい。ただ隣でワインを飲んでるだけなのに、その幸せがじわじわと私にまで浸透してくるみたいで嬉しくなった。

それから、仲のいい友人と結婚が理由で離れてしまった事も聞いた。私も、離婚を機に離れた友人がいた。同じフォトグラファーをしてるアカリちゃん。彼女は親友だった。大好きだったし、大変だった時期は親身になって助けてくれた。けど、私が離婚することに賛成していない事も本当はわかってた。

藤原さんは哀しい話を笑いながら話す。きっと癖なんだろうけど、素敵な癖だなと思った。別に悲しみなんてリプレイする必要はない。辛ければ泣いたり怒ったりと感情を露にしてもいいけど、もうそれが過ぎ去ったのなら、あーあって感じで笑ってしまってもいいんだ。

帰りの電車でなんだかすごく周ちゃんに会いたくなった。