カテゴリー: 夕飯

舞茸天ぷら

野菜, 夕飯 02.3,2023


確定申告を終えたところで母から電話が鳴った。「来週みんなでスキー行かない?周三さんも一緒にどうかしら?」私はフリーランスだからいいけど、周ちゃんは一応会社員だ。「急にはむりだよ。」と言い電話を切った。

普通になりたい。小学校の時の私の願いはたったひとつ。みんなと同じがいい。家族が好きだけど、うちのご飯も大好きだけど、なんだかうちはみんなと違う。私が着てる服も、家で食べるご飯も違う。家族で旅行へ行くために学校を休むのも、本当は少し気が引けた。勉強しなさいなんて言われた事は無かったけど、子供がお金の話なんてしちゃいけないと何度も叱られた。

特別に大金持ちだったわけじゃないけど、父も母も手に職があり独特な教育だったことは確かだったと思う。みんなと同じになりたいと望む私の気持ちに父は1%も寄り添うことなく「みんなが右へ行くなら俺は左。」と言った。案の定、真夏のキャンプは千葉の一番端っこにある海辺にキャンプへ行くのが恒例になり母曰く、父の我儘に家族は散々振り回されたのだそう。

けど、私から言わせて貰えば、母と祖母の買い物に付き合うために何十回と学校を早退させられたのは、ボンゴレビアンコに釣られたわけじゃない。子供だった私に選択肢は無かったからだ。

LINEにミオチャンからメールが入った。”よしみちゃん、スキーとかスノボーやる人?”思わず、”デジャヴ?”と返した。そして、月末にスキーと温泉に行くこととなった。”これ、仕事だからね!” ミオチャンと雪山ではしゃぐ私達を簡単に想像できる。ミオチャンはいつも画面から出てきたような風貌だけど、雪山では何色の髪なんだろうかと考えてみたりした。

ミオチャンのお父さんはスタイリスト?みたいな仕事をしていたらしく、服の仕事はするなと散々言われて育ったと聞いたことがある。もしかしたら、子供時代に青山で子供同士の私達はすれ違っていたかもしれない。ミオチャンはお父さんに連れられて、よく蔦という喫茶店に通っていた。私も母の稽古で毎週のように骨董通りを歩いていた。

ミオチャンに前に連れて行って貰ったことがある蔦。青山学院から直ぐのところにひっそりとある喫茶店。昨日、ミオチャンのインスタで蔦の店長が亡くなったことが書かれていたけど、何て声をかけていいのかわからなかった。数ヶ月前に会った時にマスターの体調が良くないことも聞いていたけど、言葉が塵も私の中から出てこなかった。会った時に話せたら話そう。答えはそれにした。

たまたま出逢ったミオチャンとは、いつしか友達になったけど地方出身の友人達とは違うここだけの距離感みたいなものがある。子供の時にミオチャンみたいな子が近くにいたら、私はもっと違う子供時代を過ごしていたんじゃないか。うちの家族のことを秘密にしないで済んだ筈だし、恥ずかしいとか、目を逸らさずにすんだかもしれない。

過去の事を言ったって仕方が無いけど、未だにそんな友人を求め続けるなんて、私はどうしてそんなに過去にいたがるんだろう。人は変われるけど、変われない。

最近の大学の勉強では、私自身を実験ターゲットとして色々を模索してる。やっぱり私は変わろう。過去に悪気がないことはわかってる。それなら、変わったらいい気がした。

夕飯

夕飯 19.2,2023


昨日はシンジくんには会えなかった。

編集の成田さんがせっかく誘ってくれたのに。周ちゃんが以前に通ってた接骨院の先生のところへ駆け込むと「絶対に安静にしてください。背中ぎっくりですから。」との事だった。

「本当にごめんね。すごく会いたかったんだよ。」
「よしみちゃん。結婚おめでとうー!」
「あ、そうそう!私、結婚したんだよ〜。」
「若のおかげだね。幸せそうで何よりだよ。」

接骨院を出て痛くて亀みたいな速度で歩きながら電話をかけると、久しぶりのシンジくんは小豆島でお世話になったシンジくんのままで元気そうな声だけが聞こえた。離婚が成立する直前の大変だった時、とにかくその優しい人柄に癒された。島で会うまではまさかそんな話をするとは思わなかったけど、シンジくんは結婚も離婚も経験者で長く暗く辛い時間の事もよく知っていた。だからか、一緒にいるだけでほっとしたというか、あの時間は特に側にいてくれた事が何よりの救いだった。

それに、シンジくんは私と同じ蠍座で誕生日はうちの兄と姉と同じ10月30日。勝手にシンパシーを感じて傷だらけのひりひりとした心を温めていたようにも思う。

泥みたいな身体をなんとかひきずって朝から現像を始めて昼頃に送り、別の仕事のデーターも急いで納品。昼食をさっと流し込み、13:59ダウンロードしたzoomで14:00から大学のオンライン個別相談に滑り込んだ。申し訳ないと思いながらもこっちのビデオはオフにしたままで。

背中の激痛で起きれなかった朝から、なんとかデスクワークをこなして、オンライン相談も時間より早く切り上げ、接骨院。なのに、結局そのまま周ちゃんに迎えに来て貰ってUターンだなんて。わたし、何やってんだろう。馬鹿みたい。シンジくんが久しぶりに東京に来たのに。あまりに情けなくて、ああ、最悪。だとか、もう嫌だ。みたいな言葉を吐き捨てたくなったけど、ぐっと飲み込んだ。くだらない。不幸を呪うほど愚かなものはないと思うから。大変な時こそ、先ず一番にすることは心の声を聞くことではなくて、最悪な現実を少しでもいいから変えること。月曜日も大事な撮影がある。痛くて撮れないなんて絶対に嫌だ。

シンジくんに会いたかった。新しい仕事の話も少し聞いたけど、もっと話したい。声を出して笑うのが辛くて、背中にズキッと痛みが響く度に肩をくすめて手短に話した。元気になったらまた連絡をしよう。久しぶりに色々な話がしたい。

ホルモン炒め

Journal, 夕飯 17.2,2023

朝から撮影。背中がおかしい。歩くだけでも痛いし呼吸しても痛い。来週まで乗り切れるのだろうか。勉強も月曜から休んでいるし、朝が来たと思ったら晩が来る。

今回の撮影は私にとっては条件の悪さは過去一で、苦手とするライティングが主となる。自然光が十分に入らない北窓のぬったりした光が朝から晩まで連続する中で料理を綺麗に見ようとするには大体想像するしかなかった。こないだ写真家の松村さんが三脚を立てたらいいよ。と言ったアドバイスも呆気なく惨敗。想像している以上に三脚を立てるスペースがなかった。

考えているのは料理のことじゃなくて、どうしたら自然光みたいな光のライティングとなるか。現場が穏やかであることが何よりの救いだし、大先輩達との仕事はとにかく勉強になる。なのに、私の心は落ち込んでる。もっと料理に感動したいともがき続けてる。今回の仕事は特に込めた想いも強いからだろう。我が儘な気持ちを捨てられない。

それに反して背中の激痛は日に日に増していく。やばいかもしれない。背中の激痛と共に頭痛も始まってきた。もっとハードな内容の撮影は過去にもこなしてきたのに、今回は確かに、先週に姉が言ったようにこれはチャレンジそのもの。

最悪と言えばやっぱり最悪だし、諦めたくないのならばやるしかない。だから、どうにかしてライティングを組まなきゃ。人生なんてだいたいうまく行かないもの。

寄せ鍋

和食, 夕飯 13.2,2023

“電話するなら4時間以内にして。”

L.Aは夜。日本は午前11時。
「あのさ、昨日の電話、夜中の1時だから。」
電話に出た姉が最初に言った言葉。
「ごめんごめん。最低だよね。」電話の向こうでヘレナが変な顔をしてる。
「ヘレナどうしたの?」

ヘレナはL.Aに戻ってから体調を崩したらしい。日本で病院へ行ったけど薬の内容を調べるとどうやら抗生物質じゃなくてただの痛み止めだったと怒っていた。

「それで、周三のこと?」
「違うよ。周ちゃんのことは特に何もないよ。性格なんて変わらないでしょ。変えるものでもないし。昨日、ハンドルの向きについて注意を受けたけど、面倒だからハイハイって聞いてたよ。別にそんなものでしょ。」
「それで?」

姉は大体いつもわかってる。何もなくたって姉には電話したいし、する時もあるけど、私からかけてくるっていうのは何かがある時なのだそう。半年くらいモヤモヤしていた仕事での人間関係のこと。自分の気持ちをどう整理したらいいのかわからなくて聞いてもらった。

人を信じたいし出来る限り自分ができることをしたい。だけど、信頼をしてる人が、その人にとって良くしてくれる人の悪口を言ったり、自分の成果の事ばかりに夢中になっていたり、そんな場面に出くわす度に虚しい気持ちになった。「あ、。」って、テーブルに並べられた出来立ての食事が誰かのお喋りで冷たくなっていく瞬間みたいに、すーっと。

それに、
離れていく自分の心が何だか悪いことをしているような気がしてどう収めていいのかわからずに宙ぶらりんのまま、時間がぼんやりと流れていった。時々思い立っては手帳にもう離れよう、みたいな事を書いてみたりするけど、結局、笑顔でこたえてしまう。

「あのね、いい人っていうのは損をするんだよ。うちはやり過ぎるからよくない。世の中、人を使おうって人が沢山いるんだから。ちゃんと自分の身は自分で守らないと駄目。だけどさ、今回それがわかっただけ良かったじゃん。今がよしみのチャンスだよ。こういう時はチャンスだから。あと、嫌なやつとか、その人に対して悪い言葉は絶対に使っちゃ駄目だからね。悪口も絶対駄目。」

さっきまで散々悪口を言ってた姉。「別に悪い人じゃ無いんだから、もうやめてよ。」と言っても止めなかったのに、私の悩みをあっという間に消していった。悪い言葉は使いたくない。悪くも想いたく無い、だからずっとどうしていいのかわからなかった。

誰かの助けになりたい。シンプルな想いだと思っていたけど、とても難しい気持ちみたいだった。自分の身を守ることはとても大事なんだという事もよくわかったけど、いつも誰にでも不審に思って表面だけでやるようなコミュニケーションも嫌だ。

なんだか、最近すごく仕事がしたいと思う。
小さなコミュニティーでいい。信頼のおける人とだけ気持ちのこもった仕事が出来ればいい。今までの考えが薄れてきてる。仕事が大きくなればなるほど出会う人も増えていくし、社会も必然的に広がっていく。昨年までは離婚の傷や自分の生活を整えることで精一杯で私の色々は内側に向いていたけど、最近はもっともっと外へ出てみたいと思うようにもなってきた。

色々な人に出会って、色々な人と仕事して、失敗したり嫌な想いをしたりしながらも、片一方だけがじゃなくて、互いに明るい未来を一緒に見れる仲間を見つけたい。

「よしみ、スペース空けときなね。」
「なんか怪しいじゃんそれ。宗教みたいだよ。」
「本当にそうだから。あ、って何か嫌な感じを受けた気持ちは正しいから。ちゃんと離れる勇気を持つ。そうやってスペース空けると、別の新しい人に出会えるよ。今は超チャンスだから!頑張ってね。その人には感謝だね!!じゃあね。」

それから、ちょっと気づいたことがある。最近勉強してる社会心理学でのこと。胸にひかかっていた誰かのことがわかっていく気がした。それはきっと近い未来に東京で暮らしていて良かったと思うことの一つになると確信さえしてるくらいに。人が沢山いる東京だからこそ出会えた人々。

人を無下にする人たちにも一連の繋がりを見つけてる。好み、話の傾向、仕事の仕方、対人関係など、いくつもの行動が一貫している。これは性格ではなくて何か原因があるって事だろう。そして、そこはなんだか寂しい場所にも見える。

もし、私の心がその人たちにされた事で仮に傷ついていたとしても、それで、そこで、終わりでいい。だって仕方がないことだから。

塩麹サーモン丼と味噌汁

夕飯 05.2,2023


朝食を急いで食べて梃子の散歩へ出た。私は昼から久しぶりに睫毛パーマをしに駅前に行く。周ちゃんは高校の同級生と新宿で食事の約束をしてる。

「散歩、俺がさっと行ってくるよ。」と、周ちゃんが言ったけれど、私も行くからと支度を急いだ。先週の殆どは少し朝が忙しくて家の周りしか行ってあげれてない。いつもなら裏山か神社か私がダムと呼んでる貯水池のどれかをぐるりと回るコースなのにさっとなんて梃子が可愛そうだ。

「今、生理なの?」
「そうだよ。」
周ちゃんが歩きながら聞いてきた。

昨晩、寝ている私の背中をさすっていたらしい。吸水パンツを履いていたからそれで気づいたのだろう。Nagiの吸水パンツは水着みたいだから直ぐにわかる。何年か前に買ったもので今のは違うのかもしれないけど、分厚くてあきらかに普通のパンツじゃない。理由は何にせよ、好きな男にただ歩いている時に生理なのか聞かれたことは初めてだったし、それがあまりにいつもみたいに流れていくことが不思議で嬉しかった。

生理は特別な日だし、面倒で何だか隠したくなるような日なのに、そうじゃなく思えたことが特別に感じる。この気持ちをどう、なんて説明していいのかわからないけど、最近の周ちゃんがすごく好きだ。

コストコのサーモン

和食, 夕飯 29.1,2023

朝から梃子を連れてコストコへ向かった。顔より大きなサーモン。値段は5500円。「今日はサーモン手巻き祭りにしよう!」分厚く切ったサーモン。普通の日曜日に祭り。なんだかとっても楽しかった。

夕飯

和食, 夕飯 17.1,2023


今日は朝から撮影。車で行くか迷ったけど結局やめた。あれだけ文句を言ってた電車移動だけど、車の怖さを考えると電車も悪くない。やっぱりどれだけ都内での生活が便利だったか、東京での生活はタクシーと完全にセットだった。だけど、車を運転するようになってから、どこへ行くのも苦じゃなくなったし、遠いい場所にも行きたくなった。不思議なもので、便利さよりも不便さを選んだのに、世界がずっと広がった。田舎に移り住んだ友人たちが口を揃えて言う事だけど、本当にその通りだ。

撮影は時間よりもずっと早く終わった。今日はリンネルの編集の佐々木さん、あと先日に初めてご一緒した森本さん。森本さんは勝手に中山美穂に似てると秘かに毎度思ってる。佐々木さんはいつも丁寧で優しくて的確で、現場はダントツで早い。一緒に仕事をしてきて嫌なことは一つもないし、とにかくスムーズ。あっという間に撮影が終わる。こないだも思ったけど、やっぱり編集者っていうのはすごい。何がすごいかは上手く説明出来ないけど何だかすごい。すごく料理が上手みたいなものと似てる。ちゃちゃっと物凄く美味しいものを作ってしまう感じ。こないだ編集の成田さんと話していても思ったけど、仕事をする相手で私の仕事が変わる。変な話、私のギャランティーが下がってもいいから、いい編集さんがついてくれる仕事がいいとさえ思う。それくらいに仕事が変わる。現場での楽しみも、出来上がるものだって変わる。

前の私ならこんな風に考えられなかった。だけど、今は完全に何をするかより誰とやるかの方がずっと大切。こんなにも私ってのは変わってしまうものかと思うけど、それくらいに仕事への執着が失くなりより一層に仕事が好きになった。仕事だけじゃない。仕事を一緒にしてる人が好きになった。今日も楽しかったな。夕飯は時間も無かったし、冷蔵庫にあるものをとりあえず出した。あとは冷凍浅利と蒟蒻で炒め物を作った。今井真美さんの本で読み、いつか作りたいと思っていたもの。思ったよりもずっと美味しくて周ちゃんは結構気に入ってるみたいだった。

浅利と蒟蒻の炒め物 今井真美さんのレシピをアレンジ
冷凍の浅利
蒟蒻 薄めに短冊切りをしてから正方サイズに切る
大蒜・生姜のみじん切り 大さじ1くらい
醤油 大さじ1/2
味噌 小さじ1
みりん 大さじ1/2

発酵白菜鍋

夕飯 16.1,2023

今朝、ひとり書き初めをした。正月に周ちゃんと家庭の抱負について書いたけど、自分の書斎にも今年の抱負を貼りたかったから。今年は頑張りたい1年。何を頑張るか。好きな事を好きなように思いきりに頑張りたい。誰かの為にも頑張りたい。大学も目的はまだ不明だし大学院で研究してみたいとか余りに安易な考えしかないけど、今のところ楽しみ半分、不安半分。とりあえずやってみようと思う。未来を考えてしまうと色々が不安になるし、私の性分的に不安になると楽しくなくなってしまう。だから半紙には、”目の前の事だけをやる”と書いた。

朝方にデスクライトだけが光る真っ暗な部屋の中で夢中になって勉強していると不意に我に返る時がある。私、何やってるんだろう。朝の5時半、多分、私の知ってる殆どの人々はまだ今日を始めてない。完全無敵な私だけの時間な筈なのに後ろめたいような寂しいような説明のつかない気持ちになる時がある。そんな時の私を安心させてあげたいと思いながら何枚も何枚も気がすむまで書いた。

私がどこに行きたいのか私もわからないけど、一度目の結婚の時のようにもう二度とどこかに縛りつけたくない。こうなりたいとか、こうでありたいもパスだ。ふわふわの柔柔な綿飴みたいだけど、いざ口に入れたら一気に溶けるような感じがいい。それってどんな人なんだか想像つかないけど、とりあえずいい感じそうな気はしてる。

発酵白菜鍋 藤井恵さんのレシピを少しアレンジ
発酵生姜 すり下ろした生姜をヨーグルトメーカーで発酵させたもの
白菜
豚肉
春雨

牡蠣と水菜のおろし鍋

冬の料理, 和食, 夕飯 10.1,2023

L.Aの姉から電話が鳴った。「最近どう?」「退屈してる。」本当にその通りだ。大晦日も正月も楽しかったけれどとっくに飽き飽きしている。家に縛り付けられてるような気分だ。最近の周ちゃんが嫌だとは言わなかった。「本当に退屈してるんだよね。」あくびを何度もした。「手の届かない所にあるライトを変えてくれる人がいたらいいのに。」「あっちゃん。それ、いつも言うね。」「結局さ、その役割をしてくれる人が欲しいだけかな。」「そうじゃない。それでいいんだよ。結婚なんてさ、良くも悪くもないでしょ。」「まあね。」大体いつもこんな話になる。「だってさ、こっちで一人で子供育てて、色々やって。全部自分で決めなきゃいけないでしょ。前は全部ニコが決めてくれてたでしょ。」「最高じゃん。そんな最高な事ないよ。自分の人生だもの。全部自分で決めたいよ。」「確かに。」「だからやっぱり彼氏がいいよね。」「そうだね。」結婚を選んだ私が堂々と言えることじゃないけど、彼氏っていう存在はパーフェクトだ。結婚が駄目ってわけじゃなくて、彼氏ほどバランスとれた関係性はない。姉はしばらく彼氏なんて要らないと言った。仕事忙しいし、私、男が出来たらハマっちゃうじゃんって。ごもっとも。今日は周ちゃんのことで特別うんざりしてる。さっさと寝よう。

夕飯

夕飯 09.1,2023

今日は午前から車で周ちゃんと梃子と都内までおつかい。途中、練馬にあるコンビニエンス高橋でランチ用にサンドウィッチとコーヒーを買い、新宿の先にある民藝のお店へ。友人へのプレゼントに小鹿田焼のうるかつぼを探してる。本当は池袋の近くにある小鹿田焼専門のお店へ行くはずが残念ながらお休み、急遽民藝店へ行くことにした。家を出て5分もたたないうちに周ちゃんからアクセルとブレーキを気をつけるように注意された。いつもなら素直に聞いてるのに、今日は何だか無性に腹が立って言い返した。「出来ない人に出来ないって言ってるようなものだよ。練習する為に乗ってるし、失敗しないようにものすごく気をつけてる。そんなに細かく注意しなくてもいいじゃん。」理由はわかってる。今日はいつもと違うスニーカーだから。アクセルとブレーキの踏み込む強さがいまいち掴めない。周ちゃんはきっと忘れてる。合宿免許の時にニューバランスはソールが厚くて運転が怖いからVANSを送ってとお願いしたことを。今日はニューバランス。いつまで経ってもVANSでばかり運転しちゃいけないと思って履いてきた。怖かったけど、これも練習だって。

信号で車が停まった時に周ちゃんが謝ってきた。「うん。」とだけ返答。今日はVANSじゃない事も言わなかった。周ちゃんの教科書を読んでるような真面目さが苛々するとか、もっと男らしくどんと構えていてよ。なんて事も言わなかった。そんな意味の無い話をしても仕方が無い。結局、そんなのは私の妄想だ。周ちゃんは周ちゃんでしかない。世の中に私の理想通りの男なんてのはいないのだから。誰だって良い所もあって悪い所もある。私もそう、そんなもんだ。

結局、新宿の民藝は休みで中目黒のSMLまで行った。お昼はずっとお預け。そのままトンボ帰りでまた車に乗った。今日は何時間運転したんだろう。車を運転するのは好きだと思っていたけど、殆ど車では話さなかったしつまらなかった。梃子も何かを感じたのかずっと鳴いてた。だけど、途中で私の膝の上に座ると静かに寝ていた。なんだか面倒くさい。だから結婚は嫌なんだ。周ちゃんはいい人だと思うし離婚したいとは思わないけど、独身の友人に言って聞かせたい。結婚なんて本当に幻想だよって。最悪でも無いけど、最高でもない。どちらかと言えば独身よりも窮屈だし、長期戦の中で窮屈でいることに慣れてしまうか、いつまで経っても無駄な抵抗をし続けるマインドを掲げ続けるか。そんな選択を常に迫られている中で相手を一生好きでいるのは中々努力のいる作業だ。帰宅して近所のスーパーに缶チューハイを買いに走った。夕飯は適当に作った。

夕飯
ご飯
具沢山の味噌汁
焼き鮭
昨日に作っておいた台湾風煮物
スーパーで買ったゲソ揚げ
納豆
残り物のアチャール

クリスマス

夕飯 24.12,2022

朝から大掃除。クリスマスソングが流れる中で私はキッチンをメインに、周ちゃんは1階と2階の窓や拭き掃除をしてくれた。夕方前に駅前に夕飯の買い出し。周ちゃんはお酒が苦手だけどフルボディーのワインなら飲めるのだそう。とは言っても、一杯だけ。じゃあ、レバーパテでも作ろうとレバーとバゲットを買って帰宅。

「周ちゃん、なにか質問して。」「どんなクリスマスがしたい?」「うーんと家族で集まって食事をするクリスマスがいい。」「じゃあ、今日だね。」「だってクリスマスってそういうものでしょ。」特別は要らない。美味しい食事やワインとお喋りでお腹が一杯に満たされるなら、それが最高なクリスマスだなと思う。

クリスマスの献立
塩豚のカルボナーラ
スペアリブのミネストローネ
樋口さんのレシピのレバーパテ
バゲットとチーズ
地場野菜のホットサラダ
スーパーで買ったチキン
柳瀬さんに貰った林檎でアップルクランブル
赤ワイン

こてっちゃん

夕飯 20.12,2022

今日は機材の修理に行きがてら、昨日漬けたキムチを新宿で編集の柳瀬さんに、青山で中西くんに、夕方に渋谷で今むちゃんに渡した。大量に漬けたキムチがあっという間に失くなってしまうのは少し寂しい気もするけど、美味しくできたものを誰かに食べて貰えるというのは寂しいよりもずっと嬉しい。それに、人に会う度に、今年もどうにか生きていたんだなと静かに嬉しくなる。たったの一度死にそうな経験をしたくらいで大袈裟だなと思うけれど良かったと安心してしまう。

最後に会った今むちゃんとは渋谷の駅前のDEAN & DELUCAでお茶をした。いつも通り少し遅れる私と、いつも通り時間丁度にくる今むちゃん。到着するとやたら大きなマグカップに並々のコーヒーを指でさして「これ、間違ったかな?Mなんだけど。」と笑ってた。私のは普通のサイズのカップに入ったMサイズのホットのアップルサイダー。「私のはMだよ。」エムとエルの発音をしながら笑いあった。秋にイタリアに行ってからパスタにハマってる今むちゃん。今でも毎日パスタを食べてるのだと嬉しそうに話してる。プロみたいな包丁が欲しいんだ、アルミのフライパンってなに?フライパンってそもそもいくつ必要なの?質問攻めの嵐だ。「ごめんね。話せる人がいないからさ、楽しくて。」「いいよ。来年はパスタツアーしようよ。」

今むちゃんのパスタの話がずっと続いた後に質問した。「あのさ、ちょっと悩みがあって。」「え、なになに。」「いや、なんか話しづらいんだけど。」「え、何。」「あのさ、うーんと。実は勉強がすごい楽しくて。きっと田舎暮らしを始めたり、東京を出たことも理由だと思うんだけど。」「うん。何よ。」「あのね、私、きっとこのままだと、勉強が楽しくて友達がどんどんいなくなると思う。」きょとんとした顔の今むちゃん。次に大笑いした。「なんだよ。それ、超面白いじゃん。」「えーちょっと待ってよ。私勉強が本当楽しいんだよ。けど、勉強すればするほどに、なんとなく遊んでた友人達の話が全然楽しめなくなっちゃって。前は、見てるだけで可愛くて仕方ないって感じだったのに。なんか。」「なんとなくって言っちゃってるじゃん。」「え?違う!友達だよ。友達は悪くない。悪いのは私が変わったんだよね。そうだよ。」

「わかるよ。僕もあるよ。いや、結構そうだよ。」「え?」それから、しっかりとひつこく説明した。今まではきっと楽しめていたのに楽しめなくなっちゃったとか。なんだか自分だけアウェイに感じちゃうとか。それで、寂しいってことも。「うん。わかるよ。けど、いいんじゃない?だって楽しいんでしょ。今。」「そうなの。だから相談してるんじゃん。すごく楽しい。心理学の勉強が本当に楽しい。勉強すればするほどに楽しい。どんどん世界が広がっていくし、社会学も哲学も生物学も色々と派生するんだよね。本当に楽しくて仕方ないんだよ。だけど、どんどん離れていく気がして寂しい。話が合わないっていうか。なんだろう楽しくなくて。私が悪いんだよね。」「うん。いいんじゃない。」

答えはきっと私も気づいていたんだと思う。静かに諭されて、そのまま心理学から進化論の話になっても、そのままに納得してた。「結局、人間は動物なんだよね。だから僕は動物描いてるんだよ。」今むちゃんが言った。「けどさ、人間の脳はどれだけ環境に影響を受けてるか知ってる?」「え?なにそれ。」そう、昨日に勉強していたこと。人間は遺伝的な影響も十分に受け取るけれど、どんな親に育てられ、どんな友達や恋人と過ごし、何を見て何を食べそれをどう心が捉えるか。そして、今いる時代の社会がどんな風に成り立っていたかなど、環境が人間としての性質に与える影響はとても大きいのだそうだ。そして、それを受けとる側の私達の個性にどう活かせるか。活かすっていうのは、きっと楽しいってことだと私は捉えてる。世界にはどうしても変えられないこともある、例えば丸い鼻や小さすぎる耳とか、それこそ親だって変えられない。だけど、その変えられない何かを覆すくらいに大きく変えることも出来る。それは今日そのもの。私が変わっていくのもきっと自然なこと。新しいものに出会えば、古いものが小さく見えたり、つまらなく見えることもある。そうやって人はどんどん進化していく。だから、寂しいけど、きっとこれでいい。「今は違うかもしれないけど、また一緒に楽しめる時もくるかもしれないし。それに、新しい友達作ればいいじゃん。」いまむちゃんが言った。

食卓

Journal, 夕飯 16.12,2022

今日は金曜日。昼に渋谷のスタジオで一本撮影。編集は瞳ちゃん。現場では久しぶりにライターでありヘルスケアの色々をご指導されてる石塚さんにもお会いした。和やかに撮影を終え、おにぎり弁当を食べて帰宅した。平和な日。

夕食

夕飯 23.11,2022


病院を出て、真っ暗な夜を車で走ってる時に車の中で静かに泣いた。あの時の夜みたい。ニコちゃんの葬儀の夜とか、離婚が決まって新しい家に引っ越した夜。心が剥き出しになって呆然とする夜。悲しいのか、苦しいのか、痛みが身体の何処にあるのかすらわからなくなる。ただ、夜だけがあって、私は途方にくれながらそこにいる。

梃子のお腹の皮20cmくらいのホルマリン漬けを先生が見せてくれた。梃子の知ってる乳首がいくつか水の中でふんわりと浮いていた。私がいつも撫でていたお腹にある乳首。私が大好きな梃子の。梃子に面会する前に周ちゃんに言った。「正直、この手術が本当にいいのかわかってない。」周ちゃんは出来るならば、手術はしようと最後まで一択だった。母や姉がこの手術を反対していた理由もわかる。犬の寿命からして、あと数年の命なのにわざわざ痛い想いをさせてまで手術をする必要があるんだろうか。そのうちにやってくる死。経験しないで死なせてあげた方がいいんじゃないか。周ちゃんの気持ちもわかる。一緒に考えて出した答えだ。だけど、生きていく中で痛みは少ない方がいい。

周ちゃんはすごく幸せに生きてきた方だと思う。辛い事も沢山あったと思うけど、人が死んだり、自分が死にそうになったり、そういう痛みを見た事がないんだろうと思った。自分から逃げられるうちはまだ幸せ。泣いたり悔やんだり頑張ろうとか明日があるなんて言えなくなる痛み。もう切り刻む所がないのにそれでもまだ痛めつけられる痛み。梃子はあんなに小さな身体なのに4度目の大きな手術。痛みは毎回新しい顔をしてやってくる。慣れるものじゃない。ただ、重なっていく。

梃子の痛みを想像するだけで身体のあちこちが疼いた。聞いたことの無いような声で鳴いて、抱き抱えると身体を押し付け私の胸から離れなかった。梃子の温もりがずっとそこにあった。この温度に何度、私は生かされたんだろう。一つ目の家族がなくなっても梃子だけはいてくれた。真っ暗な夜に怖くてどうしようもない夜に小さい身体が私を温めてくれた。名前の由来はてこの原理。初めて見た時に思ったこと。この子、こんなに小さいのに、わたしに大きな愛をくれる。

夕飯はスーパーのお惣菜。昨日のご飯と余ってた赤蕪の甘酢漬と納豆、ブロッコリーをボイルして蕪と牛蒡の味噌汁を作った。こんな事してはいけないってわかってる。答えがないこともわかってる。だけど、痛みに耐えられなくて、私は私を責めてる。

夕飯

夕飯 21.11,2022

生理がきた。生理が来ることがこんなに嬉しいのはきっと人生で初めてだと思う。直ぐに病院に電話して検査の予約をした。待ちに待った生理。確かに昨日はずっとアクビが止まらなかったし、もしかしてと思ったけど、女の人の身体って本当にすごいなと思う。夜に帰宅した周ちゃんに伝えると「昨日不機嫌だったのって、それが理由??」って。「違うよ!」周ちゃんの顔がどんどん曇っていく。「え、そうなの。じゃあ何で。」「また話すよ。二人の日記にも書いたしさ。大したことじゃないよ。それよりさ、生理がきて、ようやく身体が元に戻ったんだよ?痛みだってもう無くなるし。」周ちゃんは私の身体の事よりも自分の心の方が心配みたいだった。妊娠でどれだけ女性の身体に負担がかかるのか、男性は生理を一度も体験することが出来ない、痛みっていうのは共有できないものだし、仕方のない事だとはわかっていても、少し寂しい気持ちになった。

それに、結局昨日怒った事も同じようなこと。夕飯は昼に買った近所の野菜と冷蔵庫にあるもので作った。10月の食費に驚き何だか買い物に行く気になれなかった。

夕飯
魚介のトマトスパゲッティー
白菜のオリーブオイルとバルサミコのサラダ
焼き里芋と塩
赤蕪の甘酢漬け
砂肝と葱のナンプラーバター

ハヤシライス

夕飯, 洋食 18.11,2022

夕飯はハヤシライス、朝採れの春菊のオリーブオイルのサラダとからし菜の胡麻油とマヨの和えサラダ。採れたてが食べたくてサラダがふたつ。後は鰯のつみれの味噌汁と納豆。蕪と昆布の浅漬は出し忘れた。

結局、朝一番で大場さんには断りのメールを入れた。メールの前に大場さんからも、もう一人、テレビのカメラマンの助っ人が来ますとメールが入っていた。そのメールには関係なく断るつもりだったけれど、良かったと思った。昨日ひさびさに連絡した写真家の菱沼君。「菱沼くん、映像やってる?」と聞いたその答えは「今は福島で暮らしてます。」だった。こないだ朝井リョウさんの書籍で菱沼くんの写真が使われたとインスタか何かで見たけど、きっと今も菱沼くんらしい硬くて強い写真を撮ってるんだろう。東京に仕事に来たときは呑もうね!と約束した。

大場さんの事を周ちゃんにゆっくり相談したかったけど、昨晩はなんだか色々と忙しなく夜が終わった。多分、もう自分の中でわかってた。夜にベッドの中でも思った。何かの為にとか、誰かの為にっていうのはやめよう。それから、そうゆう言い訳も。

私は映像が好きで撮っているんじゃない、料理が好きで映像を撮ってる。だから、被写体がミュージュシャンなら本末転倒。ぜんぜん楽しくない。映像が好きなわけじゃない。こないだふみえさんにも言われた。「よしみちゃんが嫌なら映像はやらなくてよし。」って。あの時は少し心に何かが引っかかったけれど、答えは違う。映像については好きでも嫌いでもない。私が好きなのは料理。料理とか料理を作る人を見ているのが好き。大場さんには申し訳ない気持があったけど、なんだかすごく清々しい。

塩おでん

夕飯 18.11,2022

パリのまゆみちゃんからバースデーカードが届いた。女の人が裸で走ってるイラストが描いてある。なんとも海外らしい洒落たカード。このカードの理由は、いつも走ってるイメージの私らしいって。私が知ってる私は、直ぐにしゃがんだり、後ろ向きで歩いたりもすれば、大体は寄り道ばっかりだ。真っ直ぐに走れたらどんなにいいものかと誰かと比較しては少し自分のことが嫌になったり。けど、私の知らない私は走ってるのだとか。へぇ、そっかと思った。

昨晩に映像の大場さんから仕事を手伝って欲しいとLINEが入った。”技術的に不安があります。”と言うと、”僕もそうやって上がってきました。”とのこと。本当の理由はそれだけじゃない。心が動かない仕事を受けるのには抵抗がある。新しい何かを学ぶことが嫌なわけじゃなくて、私の時間が冷え切ったご飯みたいにこちこちになるのが嫌だ。感じないで仕事をする。そうゆう事も沢山やってきたけど、もういいやと思ってる。そういう時間は要らない。だけど、困っている大場さんの事は助けてあげたいと思って話を聞いた。代官山の駅前で40分くらい立ち話をした。

私は私のペースでいい。これをやっとけ、あれが得だ、世の中がそうだと言われたって、今の私がそう思わないのならば、そうじゃない。もし、未来に困ることがあれば、その時に考えたらいいと思う。失敗するのは私であって誰かじゃないのだし。それに、失敗なんて問題じゃない。離婚したらまた結婚すればいい、喧嘩したら謝って仲直りしたらいい。それでもどうにもならない時は後悔したらいい。後悔だって生きる為の大事な糧だ。

帰宅してまゆみちゃんに返答を書いた。”なんだか今日はすごく迷ってるよ。” 今の気持ちをだらだらといつも通りに綴った。大場さんの事もだし、新しくやってみようと考えていたことも、よくよく考えてみると誰かの為ばかりで私は楽しめていない事に気付いたり。それに梃子の手術。来週に予約を入れてるけど、人生2度目の癌の手術だなんて。淡々と書いた。最近手紙を書きながら思うことがある。まゆみちゃんがこの手紙の封を開けるのは、ずっと先のいつか。今、私が悩んでいることはどうにかなってる。人生なんてそんなもんだと思うと、迷ったり悩んでる自分を少しだけ放棄出来るようになった。どうしようなんて考えは3度くらいループすれば十分。だったら夕飯の献立を考える為に料理本を眺めてる方がずっといい。

今夜は塩おでん。先日に料理家の角田さんに本当に美味しいですよと聞いた。台所で角田さんの塩の料理帖という本を開き、塩おでんの頁にやかんを置いて、大根を切るところから始めた。おでんがぐつぐつと煮えていく。今夜も冷えてきたな。あっという間に冬がやってきた。

発酵生姜の鍋

夕飯 15.11,2022

昨日食べる予定だった発酵生姜の鍋。朝にヨーグルトメーカーのスイッチを入れ忘れて、発酵出来なかった生姜は今夜の夕飯となった。長芋とシラスのグラタン、人参のラペ、マカロニサラダを作って、周ちゃんの親戚に頂いた練物を焼いた。後は周ちゃんが柚子を絞ってポン酢を作ってくれた。近所で採れた濃い味の柚子と東京で作っているキッコーゴ醤油。この組み合わせが何とも最高でシメの乾麺にまでかけて一滴残らず綺麗に食べた。

今日は先週に初めてお会いした料理家の角田さんと。編集は佐々木さん。ライターは森本さん。やっぱり料理のお仕事が好きだなと思う。料理を作る人がそれも、食卓の為に作る人が。撮影を終えて、角田さんにこないだ聞けなかった話や出されてる本の話を聞いた。出来ることならこの時間を独り占めしたいと思うくらいに聞きたいことが沢山あった。角田さんは、行政の仕事で東京の農作物を広める仕事をしている。多摩地方の農家さんのお話や、私も同じく移り住んだ武蔵野の土地で最近感じている、舌を通して知った地場野菜の美味しさや存在について。この歳になって野菜の概念がガラリと変わった。私が今まで食べてきた野菜がまるで違う食べ物なんじゃないかと感じてしまうくらいに。

料理を通して、それは別に料理を作ることだけを意味せずに、ただ人を豊かにしたい、きちんと自分の声も大切にしながら。そんな角田さんの想いは、まるで自分ごとかのように私の胸を熱くした。私がいた東京では見えなかった世界だ。今はまだ右も左もわからないけれど、ひさびさに新しい場所を歩いてるような気分。20代の時に初めて訪ねたロンドンとか、初めて訪ねたNYとか。

夕飯

夕飯 10.11,2022

午前にパルコカードを作って、アルパカのセーターを買った。それから世界堂でレフ用のスチレンボードとペーパーを買い新大久保へ。料理家のふみえさんとネパール料理屋のアーガンで待ち合わせ。アーガンはミサちゃんに教えて貰ったお店。ふみえさんは髪をバッサリとショートに切ってなんだかとてもすっきりしてた。この半年でどんどん髪が短くなっていくふみえさん。それでなくても軽快で心地がいい人なのに、どんどん軽くなっていく気がした。

ふみえさんからハーブティと、氷見のHOUSEHOLDのふたりから預かってるというお土産と昨年に撮影したカタログを受け取った。私は今朝、無人販売所で買った原木なめこを渡した。今度の撮影の話から、最近のお互いのこと、色々な話をした。人の悩みを面白いなんて言ったら失礼だけど、私からは絞っても出てこないような、ふみえさんの悩みはふみえさんらしくて興味深かった。けど、実際にふみえさんは困ってるし、そんな自分の癖が嫌だと感じてるし、変わりたいとも望んでる。それに反して、私が持っていないそれは、いつも羨ましく魅力的なふみえさんの要素の一つだ。ふみえさんのようになれたらどれだけ強く生きられるのだろうと時々思うくらいに。

人って不思議な生き物だ。もう今のままでも十分に満たされている筈なのに、自分には無いものを望んだりする。新宿に三越伊勢丹に行くと欲しいもので頭がいっぱいになる。地下の食品から、コスメ、洋服と、お金が幾らあっても足らない。だって冬だからクリームが必要だし、だって仕事用に汚れてもいいよう黒いけどお洒落なコートが欲しいし、。明日の私を満たしてあげる為に必要そうなものは数えきれないくらいある気がしてしまう。どうしてこんなに止めどなく欲望が湧いてくるものかと、時々うんざりもするけど、湯船に使った時だとか、スープでお腹が温かくなった時とか、陽だまりにいる時なんかに気づく。今は十分に満たされてるって。ふみえさんには申し訳ないけど、ふみえさんは今のままで十分過ぎる程に素敵だし、変わらなくてもその魅力はこれからも絶えず拡がってゆくものだと思った。

帰りに銭湯に寄って、久しぶりにサウナに入った。帰り道に携帯を開くと周ちゃんからLINE。”足を挫いたから病院へ行きます。”それ以上もそれ以下も書いてない。帰宅したのは1時間以上経ってから。左足が包帯ぐるぐる巻になって帰ってきた。「何で連絡してくれなかったの?交通事故にでも遭ったのかと思ったよ。」と言うと、「俺だって大変だったし、そんなに怒らないでよ。傷ついてるんだよ。」と、真剣な面持ち。目は冷たくて硬ってた。周ちゃんは痛みに弱い。そして、それを飲み込むまで少し時間がかかる。そして、それは星の光のようで、私の所にやってくるまでにはタイムラグがある。寂しかったり、少し苛ついたりもどかしかったりもするけど、それが、私達だ。私が選んだ、誰かと生きるとゆうこと。私に出来る事は速く連絡するように促したって変わらない彼の声を、ただそっと信じて待つだけ。私達はただ法的契約を交わしただけで、私には彼を変えてもいいなんて尊厳は持てない。持ちたくない。

夕飯
原木椎茸のオーブン焼き
赤蕪と小松菜の蒸したもの
塩豚
長芋と豚の醤油麹バター焼
ほうれん草のおひたし
納豆
ご飯
原木なめこの味噌汁

夕飯

夕飯 09.11,2022


昨晩飲んだピルの副作用が酷くて午前はリビングでうめいてた。午後は薬が馴染んだのか体調はすっかり戻った。夕方に久しぶりに俳優のゆうちゃんからLINE。ゆうちゃんは前の家から5分くらいの所に住んでいる。最後に会ったのはうちでたらふくビールを飲んだ時。一時期タクシーを乗る度に画面の中にいるゆうちゃんを見かけていたから、そんなに久しぶりな気はしていなかったけれど、確かに、もう1年は会ってない。引っ越したことを伝えるととても驚いてた。結婚したことは言ってない。

夕飯
昨日の鍋の残りで茸のクリームスープ
キャベツのペペロンチーノ
柿と洋梨とモッツアレラのサラダ
ブロッコリーとしらすのオイル蒸し
ニラ玉
納豆

茸鍋

和食, 夕飯 08.11,2022

「今夜は皆既月食見ながら夕飯を食べよう!」朝に周ちゃんと約束をした。夕飯、何がいいかな。秋の味覚を堪能できるようなご飯を1日中考えていたけど、中々決まらない。夕方の病院が混んで、結局帰ったのは18時過ぎ。せっかくゆっくり夕飯を作ろうと思ったのに、皆既月食始まっちゃう。

椎茸の焼売を作って蒸し器で蒸して、魚介のパスタに柿とバルサミコを使ったパスタに茸のスープ?・・。なんとなく考えていた献立はやめて、1時間くらいで出来そうなものに変更。一つ目のコンロに茸鍋の準備をして、二つ目に砂肝と青葱たっぷりのコンフィーを、もう一つのコンロで銀杏をフライパンで炒った。あとは昨日作った蕪の煮物、納豆、ご飯を準備した。

「ただいま〜。」周ちゃんが帰ったのは19時過ぎ。「始まってるよ!」急いでベランダに上がって空を見上げる。「すごいね。」「うん。すごい。地球と月と太陽が一直線にこれから重なるんだよ。」毎年、何年ぶりだとかいう夜空を見上げてる気がする。昨年もスーパームーンと皆既月食が同時に起こる夜があった。夜中に目が覚めた時、カーテンから溢れてくる光に驚いてベランダに出ると、見たことがないような明るい夜だった。離婚から半年くらい経った、まだ心が痛くて仕方なかったころのこと。夜はタクシーの音がする度に元夫なんじゃないかと真夜中と記憶がシンクロして胸の鼓動が止まらなかったけれど、月が明るくて、隅々まで白く光って見える世界にほっとした。

姉から新車を買ったよとLINE。2023年モデルのワーゲンの写真が送られてきた。車には赤くて大きなリボンがついてる。自分への誕生日プレゼントらしい。先月の交通事故では結局車は大破しちゃったけど、身体に問題はないし、新しい車の事を結果オーライと言ってた。なんだか流産から不正出血が続いていて、気持ちが少し晴れなかったりもするけど、そんなに心配することはないのかもしれない。病院からは生理をリセットするというピルが処方された。妊娠でつくづく思ったけれど、女であることは本当に大変だ。子供は私と周ちゃんのことなのに、女の体を持っているだけで、さまざまな身体的困難を強いられる。

枝豆

夕飯 22.10,2022


久しぶりに編集の柳瀬さんとお仕事。「よしみさん、日記見てますよ〜。実は前に私の事を書いてあって、キャプチャーしたんです。」女性の方から時々言われる。実はこっそりと見てるんですよって。そう言われる度に少し浮足だってしまう。仕事用のHPに日記を掲載するなんて馬鹿だなとも思うけれど、以前のついつい体裁を整えてカッコつけてしまう私があまり好きじゃなかったし、もういいやとどこかが吹っ切れて、家の食卓写真と一緒に日記を書くようになった。どうせ服の下はみんな裸なんだしと。

一人目の旦那さんの事を書いていた時はファンだという女性から忠告を受けることがあったり、見たくもない感じのメッセージが来る事もあった。私自信わかってる。私は普通に偏ってる。みんなと同じように普通であり偏りもある。いつも笑ってるような人なんかにはなれないし、口から意地悪が勝手に出てくる日もあれば、自分勝手に当たり構わずジェラシーを蒔き散らす事もある。こんな自分は嫌だって思うくらいに、気持ちが悪い感情がどうにもならなくても書く。それに、ずっと離れてるりょーこちゃんが「よしみちゃんの日記、いつも見ているよ。元気そうだね。」と、連絡をくれる度に安心して、また書こうとなる。朝でも夜でも、私の隣に座り、そっと話を聞いてくれているみたいで。完全に妄想なんだけど、なんだか一人じゃない気がしてまた書く。

今日の現場は穏やかだったな。人って面白いなと思う。誰と一緒にいるかで見える世界が変わる。柳瀬さんの現場はコジコジワールド。ずっと笑顔でニコニコ笑ってる柳瀬さんを見ていると、こっちまでニコニコしてしまうし、ユルイ空気感がじんわりと現場を温めてく。私の知ってる限り、だいたいのおじさんはメロメロになる。それを見るのも結構すき。そうして、日本橋の街を歩きながら写真を撮り、柳瀬さんの新しい恋の話を聞いたりして、新宿で会期中の写真家の中野さんの展示へ向かった。

ギャラリーに入ると、写真家の広瀬さんの名前が記帳されていた。「広瀬さん、今どこですか?」「もう、電車だよ。」「すごい運命的なニアミスじゃないですか!」直ぐに電話を鳴らしたけど、声しか会えなかった。なんだかんだと30代前半から仲良くして貰ってる広瀬さん。今は子育てで忙しいみたいで、作家活動は少しお休みしているみたい。だけど、今が楽しいって言ってた。中々子供が出来なかったけど、ある時に急に出来たのだそう。「俺の年齢だと1%の確率だよ!」としきりに言ってた。あの時は全く妊娠の事を知らなかったから右から左だったけれど、今なら隅々まで溢す事なくしっかりと話せる。2周くらい周りギャラリーを出ると、シティーボーイです。って顔に書いて有りそうな感じの男の子が座ってた。「え?中野さん??」「ああ、お久しぶりです。」「嘘でしょ。全然違うじゃん!」中野さんは元自転車のなにかの選手だったけど、写真家になった。8☓10という大きな箱みたいなカメラを背負って秘境の温泉を撮る写真がとても力強くて、この人はただもんじゃない。と直ぐに好きになって、友達になった。何年か前のアートブックフェアでのこと。「だから、家の中の写真なんだ。じゃあ、この裸かは彼女ってこと?」「ちゃんと彼女に出していいか聞きました。」「偉いね。」中野さんは写真を撮る為に会社をやめてタクシーの運転手になったけど、コロナでしばらく会わなかったこの3年、恋に堕ち、同棲を始めた人生初の彼女と一緒にいる時間が惜しくて写真を撮るのをやめた。「絵なら、遠くに行かなくてもいいし。いつでも書けるし。あと、絵は自分の物に出来るから。だから欲しい物があっても、買わなくても満足するんです。色々と閉じ込めておけるというか。」なんだか、やっぱり中野さんが大好きだなと思う。最近、有名な美術館に作品が収蔵されたのに、今は恋がしたいから、写真はやめた。そして、彼女はスタイリストのアシスタントなのだとか。超ど真面目の中野さんがシティーボーイの成をしていた理由がようやくわかった。

人生ってそういうものでいい。恋だとか愛が一番でいい。広瀬さんも立派な写真家で、中野さんもだけど、ふたりして、写真の中でぐつぐつといい感じに煮込まれていたけど、潔く火を消した。

「なんていうか、すごく安心するんです。」携帯カバーの中に彼女と撮ったチェキの写真を見せてくれた。昨年の大晦日に過ごしたどこかの旅先での写真。中野さんにとって写真は見たことが無いものを撮る行為だったそうで、だけど絵は違うって。私は逆で、見たことが無い景色よりも、写真になにかを希望してるというか、祈りみたいなものを、きっと込めてる。普遍的なもので在ればあるほどに、重なった背景に胸が熱くなる。

面白かったな。すごく。それに、柳瀬さんの恋の話もだけど、なんだかいい日だった。兄から送られてきた黒豆の立派な枝豆を茹でて、枝豆だけを見て食べた。世界は愛や恋に包まれていたけど、周ちゃんとは昨日から喧嘩してる。好きになればなるほどに、相手に求める事が増える。自分の思い通りにしたいわけじゃないけど、より近づきたいと思えば思う程に、上手くいかなくなる。

ほくほくの枝豆。豆がとても大きかった。

夕飯

夕飯 09.9,2022

昨日の撮影での事を成田さんと互いにLINEした。こんなに嬉しくて楽しかったのは私ひとりだけなのかと思っていたけど、なんだ、成田さんもそうだったの!と、さらに嬉しさは膨らんでこみ上げてくるみたいだった。一日たった今日もまだ楽しい気分が続いてる。写真、やっぱりやっていて良かった。とにかく今日は嬉しかった。夕飯は昨日、ワタルさんに貰った野菜を使った。久しぶりに沢山料理をした気がする。

夕飯
海老と豚と香菜のワンタン
マッシュルームと今夏に作ったドライトマトのアヒージョ
檸檬とヤクナムのトウモロコシ炒めご飯
パプリカのサラダ
オクラのボイルとマヨ
納豆
庭の茄子の麹和え
トマトと生姜と茸の味噌汁



夕飯

夕飯 19.8,2022

今日からシェフインレジデンスの合宿。昼過ぎにフミエさんと、山若くんが家にやってきた。

夕飯

夕飯 14.7,2022

明日、免許の学科試験を受けるために早朝から試験勉強。ここ数日根詰めて頑張った。28歳の時にとった時は勉強なんて殆どしなかったのに。こんなに記憶力がなくなっちゃうものかと怖くなる。だけど、気持ちは万全。早く運転がしたいし、ドライブしてるところを想像するだけでワクワクする。

明日は出発が早いから、試験会場への持ち物を早めに準備しておこうと教習所卒業時に配られた資料を探した。え?ない。まるっと一式ない。ん??? 物は失くさない自信があるし、几帳面な方だし、何処に置いたかわからないなんて事はないのに。だけど、ない。置いておいた場所にない。えーーー!!急いで周ちゃんに連絡した。”大変なことが起きたよ!”

午後は近くのカフェで最後の追い込みの勉強をする筈だったけれど、もう完全に現実にノックアウトされた。もう嫌だ。最近、なんだか色々が上手くいってない。それもどれもが一緒になって、あれもこれもそれもどれも、やることなす事上手くいかないと駄々をこねる子どものようになった。「もう嫌だ。」何度も口に出して言った。雨が降る窓に向かって、マックのスクリーンセーバーに向かって、誰もいないリビングの先に向かって。とにかく、「もう本当に嫌だ。」と言い続けた。始まりは先月の仕事から。頑張ってる事だとか、自分が真剣に向き合ってる事が上手くいかなくなった時に、色々と反省したり改善したりする余地は十分に見つけられたとしても、再出発の旗を振って荒野に出た途端に嵐に巻き込まれるみたいな感じで、6月の終わり頃から、再出発を何度も繰り返してる。何度も嵐に叩きつけられて、もうドアを開けるのも億劫に感じてる。もう、いい加減にしてよ。写真なんか嫌だ。嫌、悪いのは写真じゃない。色々とひとり押問答してるうちにまただ。卒業証明書なんて再発行すればいいだけじゃない。面倒だしお金はかかるけど、それだけだよ。それなのに、度重なるちっちゃな不運たちに被害妄想だけが膨らんでいく。

来週から沖縄へひとり旅にでも行ってこようかな。旅はきっと私を癒してくれる。昨年のように。きっと。けどさ、昨年の今頃、私は半死にしていたわけじゃん。今の生活をみてみなよ。安心に暮らせて、ぐっすり寝てるじゃん。愚痴を聞いてくれる人がいるよ。毎日食卓を囲んで、作ったものを食べてくれる人がいる。何を言っちゃってんだよ。仕事でちょっと嫌なことがあったくらいの程度じゃん。それが続いたくらいで、私は死なないし、ビールだって飲める。ベッドは今夜も私をすっぽりと包んでくれるし、夫の胸に飛び込めば私をぎゅっと抱きしめてくれる。仕事のことだって、また好きな仕事をすればいいし、それが無いなら自分で探しにいったらいいじゃん。私の傲慢さたるや、恐ろしい。

それに、誰かを悪く想うことに心を痛めたり、会うたびにそう感じてしまう自分を非難したりしてしまったけれど、それも結局のところ私の我儘だ。タイプじゃない男だとか、面倒そうな男に言い寄られたら、めんどくさって思えるのに、どうして仕事だと好きにならなきゃ!とか、私の何処が悪かったんだろう?って、頑張っちゃうのだろう。しかも、自分が嫌だって思うことを相手はしているのに。それって、やっぱりおかしい。結局、私の問題だ。相手がどうこうじゃない。「うん。またご飯行こう!」心の中では2度と行かない〜って思いながら笑顔で断る男と同じでいい筈。「聞いてる音楽がダサくて嫌。」とか「ポジティブすぎてロボットみたいでつまらないんだよ。」何んて意地悪言うわけがないし、もっと分かり合おうと努力もしない。誘ってくれてありがとう。じゃあね。でいい。だって、私はあなたと一緒にいても楽しくないんだもん。

まとわりついてる埃をパンパン叩いてみると、あ、結構今って悪くないのかも。そんな風にも見えてきた。確かに上手くはいってないけど、今まで見えなかったことが見えてる。それに新しい仕事が始まりそう。それで、早速いまむを誘ってみた。こないだ仕事の事で励ましてくれて、この人と一緒に仕事がしたいなって思ったし、仕事で大切にしたいのはやっぱり信頼関係でいいんだって気づかせてくれたから。この人とだからやりたい。一緒にやれることを大事にしたい。ひとりなら不安になってしまうことも、誰かがいる、信じて貰えてるって想うだけで、私はより高くジャンプが出来る!先月末からどんよりモードだったけれど、今日もまた雨だけど、今度こそ梅雨明けでいい。

なんだか、新しく本が作りたいと急に思った。大好きなカップルの話。ふみえさんとの料理本の出版企画書を周ちゃんにブラッシュアップしてもらう中で、私が何がしたいのかが見えてきた。そう。私はあの人たちの本が作りたい。新しい企画書を作って、一緒に作ってくれる編集者を探そう。だってやってみるのはタダだし。それで失敗したらまた落ち込むのだろうけど、そしたら、またやればいいし。嫌になったらやめればいいし。時々、周ちゃんの胸を借りて、何かをチャージしてビールも飲んで、またやればいいじゃない。あのカップルの食卓は家庭に溺れていく私を救ってくれた。彼らは同じように誰かのことも救ってくれると思う。冷えていく心を見つけては温めてくれるはず。だから作りたい!

夕飯

夕飯 02.7,2022

久しぶりにのんびりと過ごした休日だった。自転車でちょっと先にあるアウトレットへ買い物に行って、ナイキで夏に履くサンダルを買った。国道沿にあるスタバで家族会議。夏休みは沖縄と東北へ、クリスマスはNYに、年末年始はL.Aで過ごそうかと話した。後は結婚した記念にいつ写真を撮るとか、家計簿についてとか。あと、旅行貯金をしようとか。それから、庭に向日葵を植えようとも話した。ありふれたような暮らしがずっとしたかった。ただ、一緒に夏を走っているだけなのに、嬉しくて楽しくて仕方がない。