カテゴリー: 旅の食事

地獄蒸し

旅の食事 05.2,2022

午前は周ちゃんの昔の職場やお世話になった民芸のお店、同僚の働いてるギャラリーに顔を出した。「熊谷さん!!」行く先々で久しぶりの再会に喜ぶ声を聞いた。わっと周ちゃんの周りに人が集まって結婚の報告を聞く度に皆、目を丸くして驚いていた。この街で暮らしてた周ちゃんは愛されてたんだ。私の知らない過去の周ちゃんを知ったような気がして何だか嬉しい。民芸の店にいた70歳くらいのお母さんは嬉しそうに店を出る最後までずっとニコニコしていた。「熊谷さんはほんとに優しい子だからね。」私だけに教えてくれた。そして、「お祝いに小鹿田焼の湯呑みをどうぞお好きなのを持っていって。」とプレゼントしてくれた。ただ周ちゃんの隣にいるだけなのに、周ちゃんへの優しさが私の方へ溢れてくる。

夜は宿で地獄蒸しを食べた。店の前で買った野菜や魚介を温泉の蒸気で蒸すだけの料理。ここの温泉は飲泉すると少ししょっぱくて、出汁のような味がある。蒸した料理はそのままだったり、カボスポンズをつけて食べた。部屋で美味しんぼの大分編を読もうと思って宿の本棚から借りてきたけど、直ぐに飽きてしまって眠りについた。周ちゃんは色々な本を読んでから寝たみたい。

無防備に布団に横たわったままに眠りにつくのは久しぶり。朝になったら電気は消えて、本もきちんと布団の横にあった。