カテゴリー: 洋食

ジェノベーゼパスタ

洋食 16.10,2021

ああ、疲れた。色々な作業が全然終わらない。あっという間に土曜日が終わって、明日は講義。つい数日前が日曜日だったのに、また日曜日だ。時間が早すぎる。どうかしてるよ。

朝、講義の教材としてる本を15分読んだ。内容は “心の抵抗” について。何かしらの心の痛みだとか、しっくりとこない時の不満足な気持ちについて、それは時として苦しみを受け入れたく無いという抵抗なのだそう。本来は生きる為に備わったシステムなのだけど、それが過度に続くと自らを苦しめる事となる。無意識に抵抗している事に気付いてみましょうというエクササイズだった。今日一日を通して、割と簡単にあちこちで捕獲。私の場合、抵抗は基本的に家の中にはあまりいない。梃子の散歩の時とか、スーパーまで歩いている時とか、外出時に何かを見た時に誘発し現れる事がわかった。過去の苦しみの欠片を見つけてばっかりで、本当にいい加減にしなさいよと思っているのに、触覚がざわめき苦しみを見つけてくるらしい。そして、わざわざ自ら見つけてきた苦しみに抵抗を起こす。

厄介だな。大きな恐怖や苦しみは生きる為に私から出て行ってくれないけど、ハッピーに生きる為にはあり過ぎても困る。「はい、抵抗!見つけた。」抵抗を捕獲する度に心の中で大きく言った。「抵抗見つけました〜。」「ていこ。」「梃子」、ん?。てこって言うと、心にパッと花が咲いた。抵抗が起きても、梃子って言うと、パッ。パッ。次々と花が咲いた。

悪魔達との最低な過去を見つけて抵抗する度に、抵抗と言わずに梃子と言い続けた。どうして、私、あんな酷い事を言われたり、されたりしなきゃいけなかったんだろう?!いつしか花畑一面に広がる梃子の温もりの中で私は怒ってた。今日も負けないよ。

やっぱり世界は愛由来の何かで出来てると思う。

ジェノベーゼパスタ
パスタ
バジル
オリーブオイル
パルメザンチーズ
にんにく

きのこスパゲッティとカボス

洋食 08.10,2021

“人生とは、何かを手放すとまた新しい物がすっと入ってくるもんだ。”と、よく言うけれど、半ば諦めてたベッドルームの照明問題。前のライトが失くなってから二日。ハイパーにパワーアップした素敵なライトがやってきた。夜な夜なネットであちこちを探し回っている中で、急にふっと思い出した。「あ、そういえば、春にブルペンで素敵なライトを見たな。」直ぐにネットで調べて、ブルペンに電話。「テーブルライトありますか?」「ありますよ。」「あの、なんとか熊みたいな名前の。」「稲熊ですね。有りますよ。」工場にもネットにも、一点物で作ってるライトの在庫は生産自体もしばらくお休みだと書いてあったけど、店にはあるとの事。編集の野村さんがブルペンで素敵なフロアライトを買ったという話を思い出して直ぐにLINEして値段を聞いてみる。むちゃくちゃ素敵な藤のフロアライト の写真が送られてきた。テンションは、だだ上がっていく。「ブルペンとの別注のライトが可愛いですよ。」「そうなんですね!今から行って来ます!!」何だかいい予感しか無い。ずっとずっと探してきたライト。ようやく今日こそ出会えるかもしれない。長い長い旅だった。

「テーブルライトを見に来たんです。」「こちらのか、別注のはこちら。しばらく作らないので、これが最後の一つです。」「別注の方で!」迷いもせずに別注で決まった。すっごくバッチリな風貌だった。他のライトの事も色々とお話を聞いた。ビンテージの16万のも欲しかったけど、さよなら。今日は無理。もう二度と会えない素敵なライトにお別れをしてウキウキで重いライトを持って青山へ向かう。こんな事ってあるもんだ。まさかのラストワン。こんな近くにあったなんて!

「マックスマーラ前にいるよ」と後藤さんからLINE。行きつけの古着屋へ連れて行ってくれた。私の今年の冬の目標は素敵なユーズドデニムに出会う事。古着先輩の後藤さんと一緒にビルの一室にあるショップへ入った。まるでプレスみたいなショップ。デニムが沢山。中にはガラスケースにも入ったデニムも。「女らしいデニムが欲しいんです。」幾つかデニムを試着して、8万のビンテージデニムもちゃっかり履いて、お気に入りの一本を見つけた。古着先輩と仲良く店員さんがお喋りしてる。そして凄い話を聞いてしまった。「デニムは一生物だからね。」ライトを買ったばかりで今日はお買い物はなぁと思っていたけど、一生物なら仕方ない。母もよく、一生物と良い物に関しては買うべき時に買いなさいと言ってたし、それに今日後藤さんに会えるのが楽しみで仕方無かった。だから、きっと今日は特別。嬉しい日だから買ってしまおう。

大荷物で歩いて数分の居酒屋さんへ。古着先輩が直ぐに予約を取ってくれた。そして、後藤さんの新しい恋の話をたっぷりと聞いて、最高にハッピーな夜を過ごした。こんなに幸せな事ってあるだろうか。嘘みたいな毎日の話を、嘘みたいな現実の光景を、ニンマリしながら話してたと思う。だけど、きちんと過去の苦しみも持ってる。だから今が楽しくて仕方ない。そんな気もした。過去のあの時はそれに必死で通り過ぎてしまった事も、今だから思い返せたりする。過去は過去だからってバイバイじゃない。過去は今に繋がってるし、それが今を作ってる。最悪だった事も最高だった事も今を作ってる。

勉強してる心理学のコンパッションで近しい考えがある。最悪とバイバイしないほうが幸福になれるという人間の心理について。私達人間には苦しみを優しさや愛情で癒す力を持っている。自分の苦しみにその力を向けられるのは他人ではなくて自分。だから、過去とバイバイしたら、癒せなくなってしまう。先生の考え方で色々な言い方があるけれど、チャンスだと云う人もいた。自分を癒せるチャンスだって。そんなチャンスは要らないよとも思ったけれど、誰しもが人生に置いて必ず出会える物。それをどうかよく受け取ってって云う意味なんだろう。

帰宅してお風呂に湯をはってる間に、パンツ一丁で脚立に乗って仮でつけてたIKEAのシーリングライトの撤去と、新しいテーブルライトの設置をした。いつだったか姉が言ってたな。「家の色々な事、男手が欲しい時は特に、ニコが死んで居ない事を辛く思うよ。」って。私はいつも一人でやってきたと思う。ダブルベッドも一人で担いだし、家のDIYも全て一人でやった。3度くらい一緒にした引越しも全て一人でやった。どうしてかな。大変な時にいつも俺は忙しいと出かける元夫が作ったのは犬小屋くらい。梃子は全く見向きもしなかったし、何度も板のささくれで指を傷をつけて、本当に悪魔な代物だと思ったのを覚えてる。だから、パンツ一丁でライトを別の部屋に綺麗にバッチリな感じで取り付ける事も、明日やろうじゃなくってささっとやれる。男仕事を出来る。これが私の特技かもしれない。

お風呂から出て、ベッドルームの最高な塩梅の調光を眺めた。調光は二段階。二段階目の暗い感じも素晴らしい。ぼーっと見つめていたらそのまま朝が来た。ハッピーすぎる夜だった。

明太スパゲッティー

洋食 29.9,2021

昼過ぎまでバタバタと仕事を終えて、午後過ぎに新宿へ行く。どうしても見たかったGANNIのリサイクルダウン。デンマークは環境問題への意識がとても高い。デンマーク出身のGANNIのデザイナーの考え方がすごくユニークでずっと気になってる。だから、とにかく試着してみたかった。ついでにH&Mもチェック。こちらもリサイクル素材の洋服をチェックしたかったから。洋服の仕事だとか、環境の何かをしてる訳でも無いのに、平日の午後から一体何をやってるんだろうと思うけど、何だかすごくいい時間。それもこれも料理家のフミエさんと出会ってから。

フミエさんは一言で表すなら自由な大人。子供がいて、優しい旦那さんと三人家族。料理家としても立派に活躍されてる。私が結婚で得た物は不自由と責任だった。それは自然と今までの人生で学び習得してきた結果であり、フミエさんの様に自由な女性に出会うチャンスが無かった事もある。家庭を放棄する女性は見かけるけれど、それは私にとって自由とは思えなかった。だけど、フミエさんと一緒にいると、とにかく毎日が楽しかった頃の私の日々を思い出す。興味のままに、好きなことを存分にやる。私が結婚の、男の奴隷になる前の日々の事。過去を否定したいわけじゃないけど、重い鎧を下ろした事を改めて感じてる。

新宿から帰って、ベランダで再生用の土作りの作業を始めた。夏に育てた野菜の古い土をふるいにかけて、根っこを取り出す作業。面白くない作業だけど、ラジオを聴きながら日が暮れるまで続けた。そして、ワインを沢山飲んで、早い夜に早々にダウンしてしまった水曜日。何時間寝たんだろう。すっごく気持ちが良かった。夢もなんだか沢山見たけど、覚えてない。飲みすぎた。

ラザニア

洋食 26.9,2021

日曜日は何もしないデー。そう思った矢先、月曜納品の仕事が昨晩にきていた事を思い出す。あーあ。どうしよう。出来れば今日はデスクには座りたくないな。月曜は撮影だし、今日やっておいた方がいいよね。うーん。いいや、月曜の朝にやろう。最近、作業の日数が殆どないような仕事がちょくちょく来る。どうしてだろう。私、意外と毎日忙しいんだけどな。

だって今週はよく働いたし、もの凄く疲れてるし、そんな果ての日曜日だもの。今日やりたくない、やらない理由を並べてベッドに潜った。本を読んだり、ネットしたり、ラジオを聞いたり。昼食をとった後、吸い込まれるような睡魔に襲われる。目を覚ますと16時を過ぎていた。近所に住むライターの石塚さんに教えてもらったVegan菓子の店へ行こう。帰りにオオゼキで夕飯の買い物をしよう。

のんびりと歩く。寒いな、今日。今夜はラザニアにしよう。昨日作ったトマトソースの余りでミートソースを作ろう。

お休みにしたけど、どうしても書きたくてフミエさんとのプロジェクトの記事を進めた。すいすいと3本書いて、ご満悦のままにまた寝た。お休みって最高。

兄の柚子胡椒としらすとキノコのクリームスパゲッティ

洋食 21.9,2021

ベランダのゴーヤカーテンを撤去した。だけど、本当はもっと楽しみたかった。けれど、青虫が大量発生して地道な駆除に時間を費やすくらいならと撤去を決めた。青虫には申し訳ないけど、野菜達の被害も考えると早めの決断が必要。ベンチに置きっぱなしだったラグにまで巣作りを始めていた青虫達を箸で摘んだ。ごめんね。ここは駄目なんだよ。青々しい緑のカーテンから溢れる朝陽が本当に好きだったな。寂しいよ。だけど、秋分だし、夏とさよならしよう。

今日はお休み。身体に溜まった乳酸や、ぎゅっと詰まったままの脳疲労を緩和させたい。朝はフジモンに一昨日に貰ったキャロットケーキを食べながら、仕事のメールとかをパッパッと終わらせた。頭がずっとぐらぐらしてる。昼食にスパゲッティーを食べてソファーに横になる。1時間ちょっと昼寝をして、干していた洗濯物や布団をしまって、ゴーヤカーテンの撤去に小1時間。あっという間に夕方が来た。

夕飯の塩麹鍋をつつきながら、セカンドウェディングっていうameba TVの番組を見た。離婚してる男女が、再婚をする為にマッチングして結婚をしようという番組。私も企画でマッチングをしてる。けど、正直ピンと来ない。いい人そうな男性は沢山いるけど、恋には落ちない。番組を見ながら、やっぱり私は恋に落ちないなぁって思った。一体、恋って何なんだろう。あんなに恋をして結婚したのに、あんなに大好きだったのに、離婚した。けど、きっとマイコさんみたいにいきなり来るんだろう。けど、それは私にも来るのかな。それとも来ないのかな。

やっぱりどこかでまた裏切られたらって怖い気持ちがある。だけど、問題は裏切られるかどうかじゃなくって、信じる事なんだと思う。私だけじゃなくって、誰しもが決まった明日なんて持ってない。いつでも最悪は自由気ままにやってくる。だから、怯えるよりも信じて未来を明るくしておけば、もしまた最悪な事が怒っても、最低な事をされても、大丈夫って言い聞かせて前へと進めば自分が用意した明るい場所にきっと行ける。

今日も月が明るい。いい夜。

胡瓜とバジルのジェノベーゼ

洋食 09.8,2021

バジルのジェノベーゼばっかり食べてる。こないだ八百屋で買ったヘベスを絞って食べたら、中々の美味しさ。この美味しさ、誰かにわけてあげたい。

胡瓜とバジルのジェノベーゼ
胡瓜の細切り
バジルと青唐辛子のジェノベーゼ
素麺

スパゲッティー

洋食 12.7,2021

長らく遅れてようやく来た生理。まさかの子宮頸癌の検査の日と当たるなんて。数ヶ月前から予約してたのに、どうしてこうなんだろう、先生と話したいことだってあったのに。なんだかな。7月の生理が遅れて一体PMSはいつ終わって、いつまでそれとも今日まで続いてるのか、心も体も不明な数日がようやく終わったと思えば、要らない血が身体から出て行くのもそうだけど、ジャスト検査日に始まった以外においては今回の生理は何だか嬉しい。

やっぱり、微妙にバランスが崩れてたのかな。ずっと寂しかったな。確実に悔やんでた。あーヤダヤダ。あの日常を止めようと決意したのは私だよ。何を勝手に過去にトリップしちゃってるんだか。この選択を活き活きとさせたいなら、過去は過去にしなきゃいけなのに。蝉の声を聞いた。夏の夜の香りを嗅いだ。いちいち、8年間のどこかの記憶からある日が出てくる。呼んでないよ。やっぱりPMSだな。ただ、PMSじゃなくてもそうでも、その気持ちがあるから出てくる。仕方ないこと。


” 悔やむなら、後悔しないで反省して、末広がりになっていきましょう。” 散歩中に聞いてたyoutubeの和尚さんの話。私はPMSの度に過去にトリップする。まさに水前寺清子さんの、二歩下がって、また進むの、二歩だ。もう、後悔も反省も何が何だかわからないくらいやったけど、こう思えばいいんだ。私はちゃんと末広がってる。一歩が十歩になって、百歩になって、千歩になったら、そこそこ広がってる。

PMS、終わったから今日からステップしよう。またどうせ来月トリップするから。ステップを稼ぐ事が最善なんだ。きっと。

トマトとシャケのスパゲッティー

洋食 21.5,2021

カメラの点検のついでに、大場さんに教えてもらった森山大道さんの映画を観に行った。映画館、何年ぶりだろう。最後に見たのは映画監督をやってる友人にチケットを貰った、万引き家族だった気がする。六本木で元夫と見た。1回目の酒乱が始まって間もない時だった気がする。いつもの様に待ち合わせした場所に夫はいなくて、待てども待てども時間だけが過ぎ、メールも既読にすらならない。今思えば、アレは病気の一つだったのだろう。完全なる躁状態。映画館の前で突っ立ったままでいると、開始直前に電話が鳴った。「俺はビジネスで忙しいんだよ!」電話が割れる様な声で怒り狂う夫。たったの数時間前に「じゃあ、後で。」と言って出かけて行ったのに。躁状態の時はよく出てきた、ビジネスっていうワード。いつもの酒場での飲酒もビジネス。友人とのお茶もビジネス。女性とのLINE交換もビジネス。全部ビジネス。ビジネスだから、俺の邪魔をするなとよく怒り狂ってた。

双極性障害についてはよく知らなかった。だけど、カウンセリングを勉強してる友人に、夫の事を不意に相談した時に指摘された。もしかしたら、って。もうどうにも出来なくって、心療内科へ夫がアル中かもしれない!と駆け込んだ時に言われたのは、アル中もそうだけど、双極性障害の方が強く出ているとの事だった。ああ、そうかって。ようやく納得が出来た。双極性障害を調べると、どれもこれも夫の話をしてるのかと思った。世の中には、売れないミュージュシャンをリスペクトする酒場があるみたいで、そこでは、いつもいつも同じ顔が集まり、同じ酒を飲み、同じ話が飛び交っていた。中目黒の一角。きっと悪い人はいないと思う、だけど彼等は元夫が暴れるのを好んで見てた。彼等にとって夫はスターであり、夫にとってもそこは輝ける場所だった。

映画を観ながら、何だかボンヤリと色々を思い出す。映画館はいつも元夫と来てた場所だ。アレが来ない時期は、まるで別人で優しくて楽しい人だった。いつも肩を並べてポップコーンを齧りながら映画を一緒に見た。酒を飲めば飲むほどに、双極性障害は酷くなる。それだけは、天気が変わるくらいにハッキリとわかった。自分にとって誰が友達で、誰が大事なのか、よく考えて行動してと何度もお願いしたと思う。中目黒の酒場があなたの居場所なのかどうか、よく考えてと。

躁状態になるから、普段言わない様な口調になったり、大声をあげたり、喚いたり、しまいには手を出したりする。中目黒から帰る夫が、壁やテーブルを稲妻が走る様に叩くのも何度も見た。だけど、暴れて数分も経つと、何事もなかった様にケロっとしてる。毎日という場所は舞台で、そこで何役も演じてる様に見えた。いつしか、男という人間が発する強い力にも慣れて、男の大声も騒音程度に聞こえて、どうせ殺されはしない。これは私への甘えだとわかっていたから、目の前を受け止める事が彼への抱擁だと信じるようになったけど、違かったのだろう。

1時間くらい経ったかな。眠くて眠くて、二の腕をつねった。二の腕をつねりながら数十分が経ち。いよいよクライマックスだろうというシーンに入り、印刷所でどんどんと刷り上がっていく本たち。泣きそうになる。私の感動ポイントは製本だった。なんだかなと思いながら、映画館を後にする。世界堂で額装用のマットを注文をして帰宅。

遅い昼食に、昨日焼いた鮭をほぐして、トマトとナスと一緒にスパゲッティーを作った。

トマトとナスとツナのスパゲッティー

洋食 07.5,2021

ここ数日、プロダクト紹介用の映像を作ってる。すごく楽しい。先週にユウヤくんとうちで撮影した。テーマは家庭の中のストーリー。曲は姉にお願いしてる。2作品作っていて、一つは静かな曲。もう一つはワルツにして、とオーダー。最近、姉の曲がまた変わってきた。年始にお願いして即興曲を作り始めてもらった時は、とにかく重くて、重さの中に光が溢れるような曲もあったけど、聞いてて泣いてしまいそうになった。少し前からリズムが早い曲が増えてきた。焦っていたり、攻撃的だったり、気持ちの抑揚が感じられる曲。音をずらしてるような曲も時々あって、次の音にハマれなくて、階段を踏み外したまま、重力の通りにも出来ないで足と身体が幽霊みたいにこの世に浮遊していくような曲。ああ、今日は不安なんだね。彼女の心の内はバレバレだった。


今回はすごく良かった。”朝の5時に一気に作った” LINEにメッセージと曲が送られてきていた。とても潔い曲が多かった。例えるなら、曲を弾きに行っている感じ。

何だか、そうだよねって思った。歩くっていうのは目的があって歩く。ぼんやりと歩いていたら、いつまで経っても行きたいどこかには辿り着かない。道の途中でドラゴンボールに出てくるようなキントーンを貸してくれるような神様なんて現れないし、疲れて座り込んだって、白馬の王子様はいつまで経っても迎えに来ない。もう、若い時に経験出来た事は出来ないんだよな。歩くだけで君には可能性がある!みたいに言ってくる大人はもう一人もいない。だって私がその大人になったから。残念ながら、劣ろえていく身体を、劣ろいていく心や思考をしっかり持って、歩いて行くしかない。いよいよこれからが本線だなって気がしてる。そう、歩かなきゃいけない。自分の向かう場所を目指して。

映像の大場さんが、新刊のよしみさんの写真をとても褒めてましたよって成田さんから聞いた。嬉しくなって大場さんに連絡する。ずっと大場さんとお喋りがしたかったから嬉しい。けど、調子に乗った私が悪かった。とにかく私の写真の事を褒め称えてはいるけれど、同じ分だけ私の駄目な所を的確に言い当てた。「よしみさんは臆病だから、それは写真にとって致命的なんです。」臆病だからここまで来るのに時間がかかったのは現実の通り。やりたいと思って直ぐに人様の前で写真を撮る勇気も無ければ、自分の写真が人に見られる事だって恥ずかしかった。わかってるよ、大場さん。あなたのその鋭い嗅覚、すごいよね。

大場さんは一線で活躍されてる。そういう人に、とにかく、あなたの写真はいいんだよ。と褒められるのは勇気が出る。だけど、辛い。「崖から突き落とされて、ブラックホールに花束を放り込まれた様な気分です。」私の今の気持ちをメッセージした。

わかってる。わかってるけど、未だ傷も痛いよ。わかってる。全部、言い訳な事も。だって、私は臆病だから。

トマトスパゲッティ

洋食 24.4,2021

店を出たのが19時半くらい。夜風が気持ちいい。下北沢でイマムと仕事の話をしたあとに、藤原さんが合流して3人でお喋りした。藤原さんは3週間前に亡くなった友人をきっかけに出会った子。

通りに面したバーから人が溢れ、星野源さんの曲が爆音でかかってる。緊急事態宣言の前夜にぎゅうぎゅうの店で盛り上がるってどうゆう気持ちなのかな。家に帰ろう。慌しく光る街を通り抜けて家路につく。街の音を聞きながら帰った。色々な想いなのか考えなのかが頭の中を駆け巡る。いつもなら片付かない気持ちは片付けたいから通りに立ち止まってでも携帯なんかに書き留めるのに、今日はなんだかやめた。

よくわからないけれど、すごく気分がいい。当たり前のように誰かの物になった自分が、当たり前のように別の名前を名乗っていた自分が、また当たり前のように別人になる。何だか役を演じてるみたい。変な感覚だけど、実感もきちんとあるのだけど、他人事に出来る感じ。不思議な感情。もう二度と来ないと思った夫の依存症がはっきりと始まったのが1年前。癌かもしれないってなって子宮内ポリープを取るために手術した時とか、自転車事故で血まみれになった時とか、20代前半、パリで荷物一つ持ってなくってトランジットを失敗してカードもキャッシュ1ユーロも持ってない色々が空っぽな深夜の空港に残された時とか、好きな人が倒れうずくまって脳梗塞で死にそうになった時とか、人生の中でちょっと待って!って、一旦フリーズしてしまう様な抱えきれない衝撃を受けた日はそこそこあったけど、全くもってそんな衝撃どころじゃなかった。人生は山あり谷ありだと言うけど、バイオハザードみたいにゾンビに大事な人が食われちゃったのに、その悲しみはまたゾンビになって現れるみたいな。この1年はまるで10年くらいの不幸話がたっぷりと詰まってる谷の谷の谷の連続だった。

果てしなく長かった1年、本を読まない私が沢山の本を読み漁った。もう世界のどこかで同じような不幸を経験した人が対処した術を探さなくても大丈夫。哀しかったり、苦しかった事はこれからきっと面白いことになる。どうしてそう思ったのかわからないけど、そんな予感がした。

トマトスパゲッティ
スパゲッティ
トマト缶
モッツアレラ
バジル
ニンニク
こんぶだしの素

鯖缶のトマトスパゲッティ

洋食 21.3,2021

携帯を見ると、夜中の2時を過ぎてた。梃子が雨に向かって吠えてる。こんな時間に目が覚めるのは久しぶり。しばらく梃子をぎゅっと抱きしめながら、カーテンの向こうで雨が鳴るのを見ていた。この家は本当に静か、安心する。段々と目の前といつかがシンクロする。あの長い夜に何の意味があったんだろう。キッチンには冷えた夕飯。帰ると言ってから、5時間、6時間はゆうに過ぎてる。メールをしても既読スルー。ベッドから窓辺にある時計を見るのがすごく厭だった。時間が重なっていく度に不安が募っていく終わらない夜。いつの日か、夫が帰らなくなった夜が続いたある日に時計を押入れにしまった。

少し寝坊して、7時過ぎに目が覚める。PMSはまだ来てない。むしろ今日も絶好調に楽しい。餅を焼き、厚く切った冷たいバターを乗せて、甘露醤油を垂らして食べる。山形に引っ越した編集のざおーとLINE。仕事の事を相談したり色々メッセージ。会いたいな。そんな矢先に兄とメッセージして、芋煮会の大宮くんともメッセージ。今日もとっても楽しい。

昨晩に読んだ河合隼雄さんの本の中で「生まれ変わるためには死なねばならない」っていう話があった。肉体的な死ではなく、心の死。人間は時に、きちんと死なないと次にいけない。間違って体が死んでしまう人もいる。自殺って事。それを心理士として、きちんと側で見ていてあげる、上手に心が死ねるよう。そういう感じの話だった。何だかわかるな。中途半端に生きてると生まれ変われない。いつまでもその場所でゾンビみたいに生きてしまう。だっていつだって死ぬのは怖いし、その先が見えないから死のうとは思えない。だけど、死にそうになると死んでもいいかもってなる時があって、死ねる。こんな話、誰が聞いてくれるんだろう。友達に話したらきっとまた、とち狂ったと思われるだろう。河合さんとお喋りしたいな。何だか明るい写真が撮りたい気分。ざおーと朝から不倫の話になった。山形と東京の昼顔について。あれはゾンビの成せる行為な気がする。いっぺん死んじゃえばいいのに。人生って楽しいよ、だって死ねるんだから。お腹空いたな、昼はトマトスパゲッティを作ろう。

鯖缶のトマトスパゲッティ
スパゲッティ
トマト缶
鯖缶
にんにく
春菊
みじん切りの玉ねぎ
ナンプラー

オリーブオイル

トマトとシャケのペンネ

洋食 12.3,2021

気分がいい。朝から近所の喫茶店でトーストをかじる。隣の夫婦がうるさい。特に男の方がお喋りで、喫茶店の点数付けを永遠に話してる。お喋りな男って本当に嫌い。

視界が開けたら、色々と頭が整理されてきてる。地面から離れなかった足がひょいっと上がった。あれもこれも、やってみよう。写真集の事で映像の大場さんとメッセージしてた。大場さんも写真集を作ってる。なんだかんだとメッセージをやりとりしてて、また視界が開けてくる。わかる。話がわかるな。私が悩んでる事もわかる。面白い人、大場さん。喋るようになって直ぐにこの人は好きだって思った。

新しい友達ができると、新しい世界が見えるから嬉しい。大場さんは友達は作らない主義だとか何だとか言ってたけど、私はもう友達だと思ってる。

トマトスパゲッティー

洋食 12.2,2021

金曜日は新月だから新しい事をするといいよってひとみちゃんが言ってた。ずっと出来なかった事をやろう。起きてすぐに戸棚に閉まってたお土産を出した。あかりちゃんに送ろう。LINEを開いて昨年に聞いた住所を探す。あの時の事がぽろぽろと出てきた。なんて酷い毎日の事を彼女に話てたんだろう。だけど、何だか、ほっとする。

一緒に幸せになりたかったな。
普通の夫婦だった毎日の事を思い出してほっとしてる。喧嘩だって嫌に思った事は無かった。病気さえ無かったら、今日の日だって一緒にいれたのに。どうかな、どうなんだろう。私はいたかった。何だか最近の自分が嫌で嫌でたまらなくて、世界に色々に否定的だった。前に進んでる筈なのに、一向に元気になれない。嫌気がさし始めた私は世界に悪態をつき始めた。だけど、こういうのよく無い。危うく彼に渡された真っ黒な何かを誰かにパスしようとしてた。家族や友人だけじゃない、知らない人にだって一欠片も渡せない。親に大事にされなかった子供が自分の子供にまた虐待をするように、負を連鎖する事に意味なんて無い筈。私の所に回ってきた真っ黒。せっかく死ぬ思いで決断したのだから、悪い事に使うなんて絶対に嫌だ。それに、死ぬ思いで決断する事を頑張れって背中を押してくれた人達に私が黒くなっちゃ申し訳ない。

今日から始める新しい事は、明るく生きるって事にしよう。
また直ぐに真っ黒がじわりとやってくるだろうけど、そしたらまた同じ事を思い返すだけ。微々たる前進でも前進する。明るく。元気に。どうか明るい場所が少しでも増えますように。それは私だけじゃなくって彼にも。

ワカモレとコロッケ

洋食 26.12,2020

朝起きると、姉や、母から、クリスマスのメッセージが届いてた。姉は、やっぱり結局アメリカ人だ。「ママに聞いたけど、今日は友達と過ごすんだよね?」クリスマス、一人で過ごすなんてありえないんだろう。母には嘘をついて、友達とって言ったけど、姉には素直に言った。「しばらく一人でいたいから。やる事色々あるし。色々と片付けたいから。」

夕方、何となく姉の顔が浮かんで、夕飯にワカモレを作る事にした。
ワカモレとコロッケ。コロッケは思いつき。いびつなコロッケの山。なんだかコロッケの山が見たい気分だった。

姉の家の近所に人気のメキシカンレストランがある。
いつも予約でいっぱいで、2回行った事がある。「ここのワカモレが本当に最高に美味しいんだよ!」ワカモレって大概美味しいよね。って思ったけど、今までのワカモレはワカモレじゃないよって思う程に最高なワカモレだった。残念な事に、東京で食べるワカモレは毎度ワカモレに失礼な気持ちになってしまう。だってフレッシュじゃない。全然違うよ。

何となくの材料で作るワカモレ。まだまだだな。
もう一度、レシピを聞こう。確か、店の人に聞いたって言ってたな。一度、姉の家でパーティした時に作った気がする。

今年も後一週間。
明日も好きな物を食べよう。

残り物のグラタンライス

洋食 21.12,2020

南瓜の煮物と、米ナスを焼いたもの、こないだ作って置いたミートソース、実家から沢山もらったチェダーチーズを冷たいご飯の上に乗せて、オーブンへ。残り物のグラタンライス。勝手に命名。ジンジャーエールをごくごく飲みながら、頬張る。

新しい年を目の前にして、いい予感がしてる。だけど、何かに後ろ髪を引かれてるような気持ちがどこかにある。後ろを振り向くと、それがどこかにさっと隠れるように。

しばらく一人で過ごそうと思った。クリスマスも忘年会も無し、年末も一人でいよう。今がとても大事な気がしてる。寂しいから友達とパーっとじゃなくて、言葉に出来ない時間を大切にしたい。そのうちに、きっと消えてしまうから。苦しいとか、悲しいとか、寂しいとか、そういう気持ちは決して悪い気持ちじゃない。きっと来週に生理が来たら、また過去に帰ってめそめそが始まるだろう。だけど、きっといい。そうやって少しずつ、少しずつ、ひとりで進みたい。

それに、もし一人じゃなかったら、グラタンライスなんてへんてこな料理作らない。

きっとこれが最期、ここから逃げたくない。

夕飯

洋食 11.12,2020

無心が続いてる。
日に日に元気を取り戻しているけれど、ただ、安心して眠れる。安心して朝が来るって思うだけ。何だか、記憶が記憶を失くそうとしてるみたい。

夜にやっちゃんが泊まりに来る。
お酒を飲んで、時々、私から出る汚らしい言葉が厭になる。

そういう世界はもう見たくないんだから。私を攻撃してくる人がいたって非難したくない。誰かを悪者にもしたくない。自分でも友達でも、そういう声をもう聞きたく無い。理解が出来ない事があったっていい。だけど、ジャッジなんてしなくていい。

恥ずかしくて、情けない夜だった。

夕飯
ひよこ豆のトマトスープ
焼き長芋とパクチーの炊き込みご飯
赤蕪の酢漬け
胡瓜とディルのレモンマヨサラダ
切り干し大根と梅干しの和え物

葡萄

スープ

洋食 10.12,2020

明日はやっちゃんが遊びに来る。スープを作ろう。
アメリカに行った時に、誰かの家に呼ばれた時に食べるようなスープ。たいがい、こういうスープを食べる。野菜たっぷりのシンプルなスープ。

明日の為に作ったけど、食べたくなって食べちゃった。
身体が温まる事って、すごくほっとする。

もう、寝不足で胸が切れる想いで仕事に行かなくていい。いつまたやってくるか、わからない恐怖に怯えなくていい。涙も流さなくていいし、男の声が家中を喚き散らす事もない。誰かの帰りを待って、胃が痛くならなくてもいい。朝陽の中で、私とテコだけのベッドで、何だかほっとする朝が来るなんて、想像もしてなかった。

夜、ミオちゃんに教えてもらった映画を見た。クレイマークレイマーっていう映画。家族が壊れて、また新しい形の家族ができる映画。ダスティンホフマンが果敢に毎日を明るく生きようとしてた。私もきっと新しい家族を今、作ってる。

今を大切にするしかないんだ。




茄子のミートパスタ

洋食 06.10,2020

パスタを食べて昼寝をした。
最近、何か一つ作業をしたら、休む。これを繰り返してる。大丈夫だと思っても、思った様に身体が動かなくなるから、大事をとって休み休み。ぼんやり目が覚める。14時58分。ぼんやりしてる。

今、なんだっけ。起きて洗面所へ向かう。あ、遅刻だ。どうしよう。確か15時過ぎに家を出る予定だった。鼓動がばくばくと全身で鳴ってる。どうしよう、私、今日撮れない。床にへたりと座った。落ち着け、落ち着け。ゆっくりと深呼吸する。私が今立っている場所は、ぎりぎりの場所。一歩間違えると直ぐにまた落ちてしまう。だけど、大丈夫。深呼吸して。下を見ないで。落ち着いてそこから離れれば、いつもの場所にいける。大丈夫。大丈夫。

ゆっくりと起き上がる。深呼吸を繰り返す。大丈夫。私、支度10分で出来るから。何も考えないように支度を済ませて家を出る。あ、風が気持ちがいい。あーあ、遅刻だな。

目の前で電車が行っちゃった。あーあ。何だか思った。世界は怖くない。虚しくて仕方なかった世界も、本当は虚しくないのかもしれない。夫との生活の中には行き場の無い寂しさたちが何も言わずにいた。それはもしかして今と変わらないのかもしれない。今でもやり直せそうな気がする。だけど違う。わかってる。夫は変わらない。変わるのは私。もう怖くない。

茄子のミートグラタン

洋食 30.9,2020

抗うつ剤2日目。昨日に引き続き吐き気が止まらない。日中はずっと眠くて変なあくびが出る。畳にひいた布団でごろごろする。太陽が当たって気持ちがいい。隣でやっちゃんが来月に行く沖縄のツアーを取ってくれてる。何もしたくない。胃痛と吐き気と光の中で溜息ばかりが出てくる。本当に疲れた。

夕飯に茄子のミートグラタンを作る。上手に出来た。グラタン綺麗だな。

色の無いパスタ

洋食 24.9,2020

今日はトレーニングの日。
10日間くらい、ウェイトオーバー食をサボってる。「頑張らない。」「無理をしない。」「ゆっくりゆっくり。」姉とアカリちゃんから入るLINEの言葉を忠実に守ってる。食べたく無いから無理して食べない。そして、また痩せた。

「菊地さん、食事増やしましょうね!」先生が笑顔で言う。

何だか今日は貧血気味でふらふらした。気分が悪くてトレーニング中もぼーっとする。早くお家へ帰ろう。雨も降ってる。

帰宅して、パスタを作る。真っ白な色の無いパスタを作った。何だかうんざりした。うんざりしながら食べる。人生って本当にうんざりする。9月の記憶が殆ど無い。苦しい事もあんまり覚えてない。

目が覚めたら何かをしよう。今日は何か出来そうな気がする。

トマトとモッツァレラのスパゲッティ

洋食 20.9,2020

5日前の事、夕方に夫が大阪でレンタカーを借りたようで、その通知が私のgmailに入る。心臓がばくばくして、ぎゅうっと全身を締め付けた。昨日と同じだ。不安の渦の中に堕ちる。堕ちてゆく体がどっかにいっちゃう。目の前に世界があるのに、頭はここに無いみたい。胸騒ぎが止まらない。すごく怖い。少し時間が経って落ち着いた頃、直ぐに友人に連絡する。「病院に行きたい。行ってもいいのかな。」

今日はアカリちゃんと笑って食卓を囲んでる。
姉が数カ月前に言ってた。「大丈夫。絶対に大丈夫。ある日、嘘みたいに抜けるから。今までの事が何だったんだろうって日が絶対に来るから。絶対に来る!ほんとだから。絶対に、来る。」うん。あの日より今日はずっと楽。色々も急に抜けた。

夫の酒に気づいたのは4月。夫が友人に会社を作って貰った月。今思えば、きっと後ろめたかったんだろう。急に背中を向けて寝出したのもこの頃。人が変わった様に毎日忙しいと言い、目を合わせなくなった。理由は音楽だと言ってた。邪魔しちゃいけないと思って、「頑張ってね。」と言い、殆ど家には寝にだけ帰るようになった夫の夜食を作るようになった。2ヶ月くらい。殆ど顔を合わせて無い。その1ヶ月前はいつも通り、毎日の様に一緒にいた。結局、私が会社の事を知ったのは6月。もう完全にお酒が始まった頃だった。多分病気もしっかりと始まっていた。私が反対するわけないのに何で話してくれなかったんだろう。この8年間、彼の未来を明るく支えてきたつもりだったのに、私は彼の妻になったのに、こういう裏切りってあるんだろうか。

何年か前、あれは今思うと完全に鬱の季節だった。夫は数ヶ月もの間、世界から身を隠す様に家に引きこもった。「死にたい、音楽をやめたい、何もしたくない」。私が仕事だとか買い物に出ると電話が鳴る。甘えた声で夫が言う。「どこにいるの?今すぐに帰ってきて。」着信は数十件と夫の名前が連なり、酷い時には10分もしないうちに次の電話が鳴った。私への依存は日に日に増していく。何かが間違ってる事がわかった。だけど、これは私達だけの秘密にしておこう。私は彼を救える。いや、救う。

「一度きりの人生なのだから何だっていい。悪い時があってもいいよ。ただ、自分が好きな事をして欲しい。あなたは大丈夫。私が想っているから大丈夫だよ。」ベッドに堕ちていく夫に何度も何度も伝えた。何度も何度も。

今、夫の弱さにお酒とお金と権力が注がれていくのがわかる。何だか嫌な予感がする。勢いよく溢れないといい。思いっきりに注がれたものが溢れ散って底にいつまでも鎮座する不味いビールみたいになりそうだ。きっとまたあの場所に留まる気がする。変わり果てた夫の恐怖に怯える私がいるのに、ついもう一人の夫を心配する私がいる。

とにかく色々と後悔してる。私も悪かった。わかってる。救おうと必死になったのも、私の心を押し殺して我慢したのも私だ。ここまで私を追い詰めたのは私だ。彼がしてきた事は人がする事を超えていたけど、両手を広げて受け取ったのは私。愛だと勘違いした。8年前の無知な私がした行い。アルコール依存症も、双極性障害も、鬱も、依存や、色々。あまりに色々。世界には愛だけで乗り越えられない物が存在する事を知らなかった。全力で信じてても、死ぬほど想っても、世界は自分の思い通りになんてならない。死ぬ時はいつだって簡単にその日が来る。

中目黒に夫が仲良くしてる居酒屋があって、よく一緒に夕飯を食べに行った。夫はお酒が入り苛つくと、カウンターの下で私に何度も肘つきをした。「痛いからやめてよ!」強く言った。私は夫の隣にいるようになってから、どんどんと強そうな女になっていった。泣いたり、辛そうにしたり、弱みを露出することは、私達のリレーションシップから反してた。酒が入って強くなる夫に、走ってついていく私。誰も気づいてくれなかったんじゃなくって、私がきっと隠した。きちんと、痛いし、悲しいよって声を出せば良かった。そうしたら、きっと誰かが私達を助けてくれた筈だ。夫の事も私の事も庇う必要は無かったんだ。弱い私達の事を助けてくれる人はいたと思う。あの酒場にはいなくても、どこかにきっと。

今日は朝から雨予報。ずっと手をつけられなかった夫の荷物を片付ける。遅い昼食は大好きなトマトとモッツアレラのスパゲッティ。

ポモドーロ

洋食 06.9,2020

9月まで頑張ろう!そう思って8月はとにかく笑った。嘘でも笑った。全然面白くなくても笑った。そうやって8月は何とかすぎて、9月が数日を過ぎた頃に急に寂しくなった。8月はとにかく笑うと決めていたけれど、9月の事なんて全く考えていなかったから。9月にぽんと放り出されて、とぼとぼと歩き始めたら道が無くて立ちすくんだ。夫からの来るはずの連絡も無い。こんな事を想うのはどうかと想うけれど、死にたいって思った。これがどういう意味なのかわからないけど、無くなりたいみたいな感じ。この世界から消えたい。そういう感じ。命を粗末にするとかそういう話じゃなくって、とにかく朝から晩まで毎日の毎時間の中から消えたい。お願いだから消えたい。そういう願い。

取材で貰ったトマト。畑になったトマトは真っ赤で嘘みたいな色だった。太陽がとても強い日で、ずっとここにいるんだって思ったら、なんだか凄いなって、凄い生命力だなって胸が熱くなる。ぎゅっと手で潰してフライパンの中へ放り込む。水分を飛ばしていく。パスタを入れてオイルと一緒に乳化する。トマトが濃くて美味しい。とっても美味しかった。

ポモドーロ
いただいたトマト
にんにく
オリーブオイル
パスタ

胡椒

ベジジャーマンポテト

洋食 25.8,2020

会う人、会う人に痩せたって言われるのが嫌だなぁって思ってた矢先、友達から送られてきた写真を見てびっくりした。「これ、私?」紙ペラみたい。すごく怖くなって、私、やばいかも。事の重大さに初めて気づいた感じだった。

食べようって思っても、食べても、食べたように思っていたけれど、気づけば夜だった。家族がいなくなるっていうだけで、私は拒食症みたいになってしまうんだ。哀しいだけで人間はどんどん薄くなっていくのか。へぇって思った。人が死ぬっていうのは、そんなに難しい事じゃないのかもしれない。そんな気がした。そういえば、生理も止まってた。

2年前の夫の酒乱の時は変貌する夫を目の前に、もうこの現実を見たくないから死にたいって何度か思うことがあった。だけど、今はそんな事は思わない。絶対に死にたくない。ネットで “太る、ジム” で検索をすると、中目黒に太る為のジムを見つけた。中目黒は夫が毎晩呑み歩き、女たちと遊び、キャバクラへ行く場所だから行きたくない。だから、家から5分のパーソナルジムに決めたけど、ちょっと高かった。「11月の誕生日までに太りましょう!!」先生の笑顔がきらきらしてた。

谷口家に貰った、おばあちゃんの作った馬鈴薯でベジジャーマンポテトを作る。マヨケチャにタバスコたっぷりで食べた。夕飯の後にジャーマンポテト。いい流れだと思う。私は太って、身体も心もふくよかになって、幸せいっぱいな誕生日を送るって決めた。

しらすと若芽と茗荷のスパゲッティー

洋食 01.8,2020

梅雨が晴れた!
太陽と青空が広がっていく中で洗濯機をじゃんじゃん回した。気分は最高!朝は絶好調だったのに、数時間後に高い高い崖から谷底へ突き落とされた。始まったPMS。ストレスで生理が止まっていたから、ようやく普通にきてホッと一安心。生理ありがとう〜。なんて思ってたのに。久しぶりの生理は、私の溜まった色々を思いっきりに流しているみたいだった。何をしてもどうしても哀しくて仕方ない。じっとしてるのも辛い。夫の家出もようやく慣れてきた筈だったのに、自分を責め出した。午後、新調したメガネは取りに行き青山で友達に会った。友達がパリって呼ぶ店に入って、ビールとよく冷えた白ワインを飲んで少し心が落ち着く。友達はずっと最近の恋の話をしてた。