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レバーパテとトースト

パン, 24.1,2022

昨晩早く寝た所為で夜中の2時に目を覚ました。周ちゃんは寝ぼけながら「お腹大丈夫?」と、私のお腹をまださすってる。確か寝る時もさすってくれてたような気がする。昨日、ランチにキーマカレーを勢いよく食べてしまった。お肉が苦手なのにキーマなんてものを食べたのが悪い。夜にはすっかりと胃腸の調子が悪くなった。目をつぶりながらこの子はなんて優しい子に育ったもんだと思った。男の人って男の子に見える時がある。女の人はないのだけど。

朝ごはんを食べてから、周ちゃんはソファーで梃子を膝に抱えて仕事をしてた。私はベッドルームで今揉めてる案件についてADのしみるさんに電話で相談にのってもらっていた。お昼が近づくと、慌ててそれぞれ出かけた。今日も寒いな。電車の中で案件のゴタゴタにどんより気分に浸ってると久しぶりにのむらさんからのメール。以前に撮影した写真の使用許可をお願いしていたメールの返信だった。のむらさんはゲイだけど所謂ゲイっぽく無い。エンジェルって感じ。私達はちょっと色々とあって離れちゃったけど、とびきり大好きな人。メールを開封しただけで一気に温かい風に飲み込まれた。結婚の事は大切な人には会って伝えるようにしたいと決めていたけど、しばらく会えなそうな気がしてメールで伝えた。直ぐに「おめでとう!」との返信。のむらさんが彼氏のミッチーに「ねぇねぇ、よしみさん結婚するんだってよ!めでたいねぇ。」なんて言ってる様子が浮かんだ。のむらさん、元気そうで良かった。”こんな時に出会えるって凄いね。” って書いてあった。そうだな。離婚もだけど、結婚も、自分が意図しない場所に流れてきちゃったって感じ。まさかここ?!みたいに。

帰宅してポストを開けると深緑の封筒が一通。パリのマユミちゃんだ!この瞬間が何とも嬉しい。信号が三連続で青になったくらいに嬉しい。今日の手紙も最高にラブリーな内容だった。どうやら、私が結婚を報告した手紙と、周ちゃんと付き合ったよと言う報告の手紙の順番が逆で届いたらしく、恋してる私がいいねと書いてあった。今日は質問コーナーがある。質問は二つ。一つは最近読んだ本について。もう一つは、しばらく誰かに恋したり、一緒に生活をしてないけど、それってどんな気持ちなんだろう?っていう質問だった。今は暑い場所に行きたくて、日本に帰っちゃおうかなとか、バリは生活しやすいと友達に聞いてバリに行っちゃおうかな、いや別の国かなと考えてるような私には誰かを好きになるとか責任持てないなぁって。風呂上がりに、缶チューハイをぐびぐび飲みながら読んだ。いいよ、いいよ。すごくいい。誰かを好きになる事と、自分が好きな事をするのは全然違う国の話よ。一緒に生活するには生活がしやすいようにルールを設けたり、気を使ったりすることもあるけれど、それと自分の好きを失う事は全く話が違う。彼氏だとか夫が、休日はデートをしたい!と言っても、なんとなくそんな流れになりそうでも、毎週はハッキリ言ってやめて欲しい。だって一人で部屋で本を読んだり、日記を書いたり、梃子と遊んだり、思い立ってマフィンを焼き始めたり。時にはいきなり旅に出てもいいと思う。意図しない自分と遊ぶ時間はすごく楽しい。今日もいつもの居酒屋で、今日もいつもの喫茶店で、今日もいつもの街を同じように手を繋いで歩くような週末はホッとはするけど、退屈。だって、愛しているっていう気持ちは別の所にきちんとある。マユミチャンへの返信用の便箋を出して、”質問の回答です。魅力的なあなたが最高に好き。”と書いた。

一人の夜。最高だな。あー最高に幸せ。今日は早く寝よう。

レバーパテ
レバー [血合いを包丁でとっておく]
ウィスキー
牛乳
バター [レバーと同量]
オリーブオイル

レバーを牛乳に浸しておき、水気を拭いて、フライパンで焼く。温かいうちにバターと一緒にミキサーで攪拌して、タッパに入れて冷蔵庫で冷やし固める。



塩豚のホワジャオスープと焼いた卵

, 冬の料理, 中華 19.1,2022

今日はスッキリと目が覚めた。やっぱり早寝早起きはいい。昨晩は周ちゃんと電話しなかった。周ちゃんとの時間も楽しいけれど、やっぱり私の時間が好き。外は未だ暗いままで朝はしばらく来なそう。白湯を飲みながら色々を進めた。気づいたら9時過ぎ。慌てて支度をして駒沢公園へ映像の編集で使う為に空を撮りに出かけた。公園に着く頃には白い雲が辺り一面に広がってる。あーあ、なんだよ。帰ろう。

帰り道に松陰神社の商店街にあるお花屋さんへ寄った。店番をしてるお爺ちゃんを見る度に近所のフォトグラファーの渉さんがお爺ちゃんの話し方のマネするのを思い出してちょっとおかしくなる。「チューリップ下さい。すみません、一本でもいいですか?」「いいよ〜。150円ね。」チューリップの札には200円と書かれてるけど、いつものように少しまけてくれた。「この花、ちょっと短いの。いる?三本あげるよ〜。チューリップにはちょっと合わないけどね〜。」結局、4本の束のお花を抱えて家路に着いた。紫色の綺麗なお花。名前を聞いたけど忘れちゃった。何だか可笑しいな。

帰り道はインド人がやってる肉屋の通りを入って小さな公園の裏を通るのがお馴染みのコース。そして真っ直ぐと通りを家の方へと向かう。この道も何回歩いたんだろう。少しでも家が華やぐようにとお花を買い始めたけど、寂しいとか怖いとか不安だとか、私が1年の間に落としてきた色々がまだこの通りに残ってるみたいで少し頬が冷たく感じた。

帰宅して昼食を食べながら姉と電話をした。兄の事だとか、結婚とか夫婦とか、色々な話をした。最近姉がハマってる後ろ歩きについての話もした。「後ろ歩きで坂を登るのが超難しいんだけどさ、頑張って登り切るでしょ。最近は登れるようになってね。それで前へ向いて歩くと、すっごく楽に歩けるんだよ!」「あっちゃん。それは後ろ歩きしてたからだよ。」「違うよ!超歩きやすいんだってば。すっごく快調なんだよ。色々が。」姉の事はよく知ってるけれど、沢山の事をまだまだ知らない。とりあえず嬉しそうだからいいや。とにかく沢山笑った。それから、結婚がいいもんじゃ無いって話もした。うん、これから二度目の結婚をしようとしてるけれど、そう思う。結婚はいいもんじゃ無い。

兄は幸せだったと思う。どうして元気が無いのか姉は少し聞いてるようだったけれど、結局姉妹の推測でしかない。ただ、姉も私も結婚に苦しんだことがあるから、その虚しさが少しでも想像できる気がした。妻になる。夫になる。父になる。母になる。役を担うのは簡単。どうにかして頑張ればいい。だけど、難しいのは役に自分が喰われないようにすること。頑張れば頑張ってしまうほどに喰われていく気がしてる。嬉しい楽しい苦しい悲しい、色々な時の自分が気づいたらどんどんムシャムシャと。いいよって言ってないんだけど、家族が夫が妻も一緒になって食べてる。誰も意地悪してやろうなんて一切思ってないし、それって生きる為に必要だったりそうじゃなかったりなんだけど、私の栄養が私が生きる為のそれが気づいたら底をつくまで喰われていく。「お腹空いたから今すぐ何か作れる?」「ご飯もう作らないでいいよ。作ってなんてお願いした?」「全部別々でいいから。好きにさせて。じゃなきゃ離婚でいい。」「今日は早く帰れるから一緒に食事しよう。」「お土産に醤油買ってきたよ。」家に居たり居なかったりがよくわからない元夫の口から出る言葉は全くよく理解出来なかった。抱きしめられたり突き飛ばされたり。とにかく私を蝕んでいった。あの頃の私は何を担っていたんだろう。今でもよくわからないけれど、戸籍には妻だったと書かれてる。

電話を切ってから少し考える。姉はしばらく一人で生きたいって言ってた。誰かを想うことで自分を失ってしまう時間が来るのはもう嫌だって。私もそう思う。だから誰かと一緒になりたいとは思わない。結婚はするけど、ずっと別々でいたい。周ちゃんが家族の何かを担おうとしたり、それで苦しんでしまったりしたら、どうかここから離れて下さいとお願いしようと思う。離れて欲しく無いけど、切り離された場所は露わになって私は生きづらくなるかもしれないけど、それでもいい。それがいい。

塩豚と大根のスープ 按田餃子の按田さんのレシピ
塩豚 [豚肉に5%の塩を揉み込んで数日冷蔵庫で寝かせる]
大根
生姜
花椒

マグロ丼とレバー炒め

17.1,2022

周ちゃんと会って沢山の話をした。久しぶりに形のある周ちゃん。当たり前だけど肌が温かかったし、声は呼吸と一緒になって聞こえてくる事に少しドキドキとした。3週間ぶりの周ちゃん。色々を知ってるのに、知らないような感じもした。

帰国したら話したい事が沢山あった。その1つが結婚の形について。確か周ちゃんがデンバー辺りに滞在していた時だと思う。結婚についての事を色々と調べて、私の人生ならどうしたいのか、心の事も過去の事も、これかの事も色々と考えて周ちゃんに今の気持ちを電話で伝えた。「事実婚が良かったけれど、法的がいいって思ったの。」法的結婚には色々な問題がある。それに、アレは私のアイデンティティが崩壊した最低なもの。

だけど、よくよく調べていくうちにわかった事は、結婚制度というのは税金の恩恵を受けられるように定められているものであり、それに対し事実婚は想像していたよりずっと社会的には未だ認められていなかった。婚姻関係を証明する方法についても、公正証書を作ったり、住民票の記載を夫婦としてみたり、他にも色々と面倒そうに見えた。それに同性婚の様に事実婚を選ぶしか無い場合を除いて、法的結婚を否定したいというネガティブで且つ強い意思が必要に思えた。

アメリカの場合、フランスの場合、そんな話もした。周ちゃんの家族はアメリカにいる。私もそう。心のオアシスとも言えるような友人がパリにいる。私達はそれぞれに色々な結婚の形を知ってるし、それが結構いいとも聞いてる。それはとても希望的な話で自由そうで新しくて、なんなら魅力すら感じてた。だけど、私達が今を生きている場所は日本。色々な形は知ってるけど、私達はこの国の法や社会の中に身を置いてる。だから、希望ではなくて、私たちの今の話をしようって。周ちゃんは、私が結婚について調べてきた事や想いを綴った大学ノートを眺めながら、じっと静かに考えてる。時々、何かを書き込んでる。家で分厚くて難しそうなタイトルの本を読んでる時の顔と一緒だ。何だか少し緊張した。顔を上げて私の目を見て言った。「うん。つまり、法的結婚ということでは!」

事実婚でもなく、パートナーでもなく家族になろう。法的、社会的に血縁関係を結ぶことが私達にとっての結婚という形となった。たぶん、色々なメリットデメリット以上にきっとその想いが強かったように思う。子供の有無は関係ない。結婚というよりも、未来にしたい事の話をしていた。愛し合ってる。それとは別の個人的で二人だけの未来の話。

「買った指輪はいつにつける?」私の質問に「え、直ぐにつけるでしょ。」と周ちゃん。2ヶ月前の話。結婚の日取りも決まってない時だった。本当に結婚するかも半信半疑のまだ出会って2週間くらいの金曜日。「指輪を取りに行った日に結婚したらいいんじゃない?」「え?!」周ちゃんは突拍子の無い様な事を平然と言う事がある。その思考回路がどうなってるのかさっぱり検討もつかないけれど、いい風に連れ去られた時みたいに、そっかってなる。結婚しようと言い出した時も迷う事なく返事をした。結婚は怖いし嫌いだったけど、いい予感だけがした。というわけで、青山に指輪を取りに行った日に渋谷区役所で婚姻届を出す事となった。本籍の場所を引っ越し先にするかどうか考えたけど、この先ずっとそこに住むかわからないし、何の思い入れも無いから明治神宮にした。あの場所は気持ちがいいし縁起が良さそうだし、青山から区役所に行く途中にあるし、参拝した時に住所借りますって伝えたらいい。それに、戸籍謄本が必要になった時とかも便利そうだねって。不思議なもので、1つが決まるとあとはスイスイと5分くらいであっという間に色々が決まった。それに、周ちゃんには言わなかったけれど、離婚してから時々明治神宮に行くようになった。もしかしたら直ぐ側の脱毛サロンに通い出した事も理由の一つかもしれない。神様は信じていないけど、祈りたかった。明日を好きになるために祈ろうと思った。

今日はオオゼキでレバーが安かった。鮪が食べたかったから、夕飯は酢飯を作って鮪丼とお味噌汁。レバーはパテにして、心臓の部分はカレー粉とソースで炒めてみる。思いの外最高な塩梅。ああ、美味しい。どうしようってくらいに美味しい。周ちゃんに食べさせてあげたいな。

レバーのカレー炒め
レバーのハート(血合いを取り、牛乳と水、塩を混ぜたものに30分漬け込んで臭みを取る)
オリーブオイル
カレー粉
ウスターソース