塩レモン寿司

夕飯 11.5,2023


今日も周ちゃんは朝から寝てる。基本的に食事はしないし、トイレへも起きてこない。スープを作ったり、バナナジュースを作ったりと色々してみてるけど、少しだけ飲んで、また死んだように寝てしまう。昨日よりは笑顔が増えたし、顔色もずっと良くなった。だけど、状況はそんなに良くない。目を開けるとぐるぐると見えるもの全てが回るらしく、目は大体閉じてるか、時々少しだけ開ける。

「ああ、まじか。」梃子の美容院へ行く時間に合わせたように窓の外で強い雨の音がした。一瞬、自分の運の悪さに、。とも思ったけれど、そんなこと考えてる時間だって今はもったいない。美容院までの道のりは、狭いうねうねの道路。交差点の入りずらい角。そしてスコールみたいな大雨。まさにイヤの3乗。本当は自転車で行く予定だったけれど、こんな大雨じゃ無理。ダメだ、。考えただけで怖くなる。梃子を抱き抱えて車に飛び乗った。いつもなら「周ちゃん一緒に行こうよ」ってお願いしただろうけど、あんな周ちゃんを連れていくわけにはいかない。大丈夫。きっとなんとかなる。

なんだか気持ちが落ち込んでる。いや、落ち込んでるというか、いっぱいいっぱいだ。3月からこんつめてやってきた勉強は来週、再来週提出のレポートで一旦ゴール。勉強の進みが日に日に遅れてる。ただ私が焦ってるだけなのか、どんどん勉強の難易度が上がってるから進み具合が悪いのか、理由はきっと色々だと思う。それに、昨日は殆ど勉強できなかった。だけど、周ちゃんの所為には絶対にしたくない。ちゃんと計画を立てて、バッファーも十分に作っておいたんだから。私が悪い。それに、勉強が嫌っていうんじゃなくて、時間がどうやったって足りないのが問題だ。ずっとずっと走ってるのに、変わらない景色。途方に暮れかけてる。

そして、ついでと言っちゃなんだけど、右腕がプチ腱鞘炎みたいで痛い。もうイヤでイヤでイヤ。心理研究法も全くわからない。7冊以上の関連本を回し読みしてるけど、一体何なんだろうか。丸めてちぎって放り投げてやりたいくらいだ。

夕方、目を覚ました周ちゃんに少しだけ尋ねてみた。「ちょっと話してもいい?」目をあけると辛いけど、話すことは出来るよと相談に乗ってくれた。「なんか、うまく進まなくて。先生の言ってることが全然わからないんだよ。設問の意味を捉えられないの。」「そうか。それは難しいね。だけどさ、それがテストな以上、必ず答えはあるし、そう決めてやるといいんだよ。」

周ちゃんはすごい。解けなくて悩んで苦しんでいたけど、そうじゃない。問題は出来ないことじゃなくて、どこに向かいたいかだ。出来ないことばかりに気持ちがひっぱられていた。ゴールは必ずある。再来週には全てのレポートも終わってる。というか締め切りが終わってる。答えはあるんだ。あと、時間もない。これも答えの一つだ。

ああ、zaraに行きたい、勉強が出来る人になりたい。