Journal 01.1,2017

食卓が好き、イートニューミー は私が作った料理の写真です。

母は料理がとても上手でした。
うちでしか食べた事がないような料理が沢山あって、だけどなんか恥ずかしくていつも秘密にしていました。キャビアのことも、ラザニアのことも、土瓶蒸しに、テリーヌに、ピンク色の寿司飯、ミートローフのことも。きらきらとひかる食卓がとても美しくてその光景が大好きでした。

炒り卵ご飯と味噌汁と柿

朝食 21.10,2021

ベッドの中ではパンと決めてたのに、キッチンでお湯を沸かしていたら無性に胡麻油で炒めた少し甘めの炒り卵が食べたくなった。時間は7時過ぎ。なんて平和な朝なんだろう。朝陽も最高だし、寝坊万歳!

息を止める様に仕事を片付けて夕方。ちょっと休憩しよう。お茶を飲んで、ぼーっとすることに決めた。あ、まゆみちゃんに手紙を書こう。書き途中だった手紙を開くと日付は10月10日。嘘でしょ。私の10日間、何処へ。10日前の手紙を読み返すと、超苦しい日に書いた手紙で、梃子が死んじゃう的な事が書いてあった。手術まで数日。梃子は死なないよ。大丈夫。麻酔が切れたら最高に痛いだろうけど、大丈夫。私がついてるから。

来週が過ぎたら、ようやく仕事の色々も落ち着く。梃子の手術をして、一週間もしたら誕生日だ。昨年は近所のしみるさんと今むと下北沢でご飯した。雨の日で、帰宅してからダイニングテーブルの紫陽花を撮ったな。何年も一緒にいた人がいなくて、悲しかった夜。あの家の夜の事を思い出すと苦しくなる。だけど、毎晩がそんな夜だった。

この1年は何だかどうだったのかな。自分でもよくわからない。とにかく生きるしか無いって感じだったのかな。恋の一つや二つしてみたかったけど、想像よりずっと私の全てが傷んでてそれどころじゃなかった。デートをしても気持ち悪くなったし、怖くなったし、好意を抱かれると嫌いになった。何とも難しい。離婚協議を進めてる中で兄が言ってた「アイツはこのままだと逃げ勝ちだよ?」1年前はそういう問題じゃ無いよって思ったけど、今思えば、そうかもねって思う。あの頃の私には裁判する体力はこれっぽちも残って無かったし、誰かが傷つくのを見るのも嫌で、裁判はやらないと懇願し続けた。

次の新しい歳はどんな事が起こるんだろう。来年の今日はどんな気持ちで日記を書いてるんだろう。結婚して1年目から書き始めた日記。あれから6年。長い長い6年だったな。この6年は色々が起きた。全く書けなかった日記も書けるようになったし、料理写真を初めたし、本が読めるようになって、心の病やそういう世界に生きる人の事に詳しくなった。結婚も離婚も経験したし、大切な人が他界して、死ぬ事について沢山考えた。慕ってた友人はいなくなって、新しい友達が増え、梃子とは大の仲良しになった。

10日前より今日はずっといい。だから、きっと来年の今日は今日より良くなってる筈。多分。きっと。じゃないと困る。

サーモンの塩麹丼

夕飯 20.10,2021

今日は朝から辻堂で撮影。遠かったな。それに寒かった。午後は新宿で一本お仕事、編集はお久しぶりの高木さん。相変わらず可愛い。高木さんは外見からカルチャーが溢れてる可愛いむすめ。

そして、恵比寿で打ち合わせして、帰宅して打ち合わせして、ようやく晩御飯。昨晩に漬けておいたサーモン。昨日の私、有難う。あんたはエライ。

一番最後のzoom会議。メンバーは富山のささやんなっちゃんご夫婦、フミエさん、山若君。このメンバーで作品を作る為に少しの期間だけ一緒に生活をする。フミエさんとはこないだ一緒にお泊まりしたし、山若くんとも昨年に小豆島で雑魚寝みたいなのをした。どんな事が起きるんだろう。どんな風な生活が待ってるんだろう。すごくすごく楽しみ。今日もさっさと寝よう。

芋煮

Journal 18.10,2021

朝の5時からバタバタとやってたのが、もう夜。今日は流石に疲れがどんと来て、いつもの乗り過ごしも中々な酷さ。夕方、気づいたら中野のホームに停留中の車内でハッとした。ここ何処?って。水曜日は近所のみっちゃんと夕飯。それまで頑張ろう。最近、私の周りで幸せな話が多くてニヤニヤしてる。何だかじわじわと嬉しさがこみ上げてくる。

今日は寝よう。色々がぱんぱんて頭が破裂しそう。梃子の手術日も決まった。頑張るとかじゃなくって、色々やるしかないよね。

ソース焼きそば

Journal 17.10,2021

早朝に起きて仕事を片付けて、講義を受けて、また仕事を片付けて昼食を食べて、ようやく休日だ!と思って家を飛び出ると、何語だかわからない言葉で喋る若い女の子が近寄ってきた。一生懸命に話してる言葉は日本語だったみたいだけど、彼女は中国人らしく、携帯を貸して欲しいと言ってる。2時間も短パンにサンダルのパジャマみたいな服でここにいるのだそう。話が全くよくわからないけど、何も持って無くて、友人が鍵を閉めて家を出ちゃったんだそう。どうゆうシュチュエーション?と思ったけど、とにかく可愛そうだったので携帯を貸した。

乗りたいバスの時間があっという間に過ぎた。その女の子は「どうしよう?」しか言わない。この寒さの中あと何時間待つ気なんだいって、もう15分くらいここにいる私の方がイライラしてきた。「警察が直ぐそこだから、お金借りて家に帰るのはどうかなって思うんだけど?」「もしくは、今からバイト先に向かう。」「もしくはネットカフェで手当たり次第連絡をあちこちに入れてみる。」どれも不採用で、どうしようしか言わない。ずっとインスタの友人にメッセージで「ナタリーだよ!」と名前を送ったり、出ない電話をかけ続けてる。

私の休日。数時間の休日がどんどん終わっていく。一緒にただ待ち続けるべきか否か、すごく迷ったけど、携帯をどうにか返して貰う事にした。ごめんね。私ならここで待ってるだけっていうのはしないと思う。だから、立ち去る方を選んだ。その代りに、彼女とバイバイしてから、彼女がメッセージを送ってた友人らにどうして私の携帯からメッセージを送ってるのかと、今彼女が困っている事、彼女が立ちすくんでる場所の住所を送った。バスの中での数十分は仕事をしようと思ったけど、彼女のSOSを送り続ける事で終えた。

絶妙な気持ちのままバスを降りて、銭湯へ。久しぶりのサウナ!気を取り直し意気揚々とサウナへ向かったけど、サウナはぎゅうぎゅう。少し待ってから入る事にした。ドアを開けると肉の塊みたいなのが二つ、床にゴロンと虫の交尾みたいにどっからどこまでがそれで、あれなのかわからないのがあった。これ何?!黒いパンツを履いたまるで双子みたいにそっくりの筋肉質の怖そうでイキってるお婆ちゃんが二人。こ、怖い。さっと一回戦目を終えて、二回戦目。肉の塊は、別々らしくて、別々に出て行って、また別々に入ってきた。イキってる双子も出たり入ったりしてとにかく目線が怖い。肉塊の片方が私の足元でゴロンと寝そべった。嘘みたいな光景だよ。大きな肉の塊がどすんってここにある。今にも私の身体に吸着しそう。こんな休日嫌だ。

だんだんと妙な光景の理由がわかってきた。これは、サウナ陣地取りの戦だったんだね。帰ろう、お家へ帰ろう。私が出る時、若い女の子が隅で申し訳なさそうに座っていた。

受付のアイシャドウのブルーが2cmくらいある50代の女性に「スタンプ集めますか?」って言われたけど、断った。

ジェノベーゼパスタ

洋食 16.10,2021

ああ、疲れた。色々な作業が全然終わらない。あっという間に土曜日が終わって、明日は講義。つい数日前が日曜日だったのに、また日曜日だ。時間が早すぎる。どうかしてるよ。

朝、講義の教材としてる本を15分読んだ。内容は “心の抵抗” について。何かしらの心の痛みだとか、しっくりとこない時の不満足な気持ちについて、それは時として苦しみを受け入れたく無いという抵抗なのだそう。本来は生きる為に備わったシステムなのだけど、それが過度に続くと自らを苦しめる事となる。無意識に抵抗している事に気付いてみましょうというエクササイズだった。今日一日を通して、割と簡単にあちこちで捕獲。私の場合、抵抗は基本的に家の中にはあまりいない。梃子の散歩の時とか、スーパーまで歩いている時とか、外出時に何かを見た時に誘発し現れる事がわかった。過去の苦しみの欠片を見つけてばっかりで、本当にいい加減にしなさいよと思っているのに、触覚がざわめき苦しみを見つけてくるらしい。そして、わざわざ自ら見つけてきた苦しみに抵抗を起こす。

厄介だな。大きな恐怖や苦しみは生きる為に私から出て行ってくれないけど、ハッピーに生きる為にはあり過ぎても困る。「はい、抵抗!見つけた。」抵抗を捕獲する度に心の中で大きく言った。「抵抗見つけました〜。」「ていこ。」「梃子」、ん?。てこって言うと、心にパッと花が咲いた。抵抗が起きても、梃子って言うと、パッ。パッ。次々と花が咲いた。

悪魔達との最低な過去を見つけて抵抗する度に、抵抗と言わずに梃子と言い続けた。どうして、私、あんな酷い事を言われたり、されたりしなきゃいけなかったんだろう?!いつしか花畑一面に広がる梃子の温もりの中で私は怒ってた。今日も負けないよ。

やっぱり世界は愛由来の何かで出来てると思う。

ジェノベーゼパスタ
パスタ
バジル
オリーブオイル
パルメザンチーズ
にんにく

兄の焼いたスコーンと食パン

パン 15.10,2021

昨日、カイトと駒沢の駅近くで待ち合わせして、兄の焼いたパンを受け取った。紙袋には、プレーンスコーン、チョコレートスコーン、食パン、それにチーズとニンニクのオイル漬けが入っていた。朝食はいくつかのパンをオーブンで焼いてお茶を淹れて食べた。

テコは朝から声が出ない。昨日の病院で鳴き続けたんだろう。だけど、手術前のチェック検査は良好で、癌の転移も見られなかった。たったの11年の人生で3度目の手術って、こんなに小さな体なのに。人間の様に話せないからただ耐え続ける方を選択するしかないのだけど、前を向くしか選択が無い人生ってどんな感じなんだろう。

今日は朝からミオちゃんと取材。ミオちゃんと会うのは久しぶり。撮影は8時から夕方まで。合間に色々とお喋りした。編集の羽賀さんとも初めて色々と喋った。同棲の話になって、好きな人でも一緒に住みたくないし、結婚も別にって話す羽賀さん。30歳前半の今の生き方はとってもユニークに聞こえて、魅力的だった。同じ物を持っていても、お金とか仕事とか色々が大体は似た様な物であっても、何かが足りないと感じる人もいれば、もう足りていると感じる人もいて、色々な女がいる。

仕事の合間に韓国のフェミニストの本を買った。内容は少し暴力の事も含まれてる。夜、少しだけご飯を食べながら考えてた。きっと暴力の度合いにもよると思うけど、暴力って最初は心臓が張り裂けるくらいに怖いけど、行動の一つと捉える様になると怖く無くなる。段々と慣れて麻痺してくるんだよなぁって。それに、初めて暴力を振るわれた時に真剣に相談した元夫の友人に「そんなのは二人でやってくれや。」と、関西弁で言われた事を思い出した。こんな事を相談してしまって、ああ、私って恥ずかしい女って申し訳なくなったのを覚えてる。9年くらい前の事。当時だって暴力は悪い事だったけれど、今よりもずっとずっと古い時代だった。

何だか今日は考えてた。女の生き方とか、色々。

朝ごはん

朝食 11.10,2021

昨日は完全に飲みすぎた。最悪な朝だ。2時間後には講義が始まる。空っぽの冷蔵庫から豆腐と乾いたネギを出し、乾燥ワカメを入れて味噌汁を作った。ご飯は冷凍をチン。オカズを作ってる時間も無いし、胃袋が求めてるオカズもわからない。梅干しにしよう。

とにかく身体がどんよりしたまま講義は進んでいく。変な緊張やワクワクが無いお陰でスローペースで淡々と講義に集中。今日はバッグドラフトについての話もあった。バッグドラフトについては本で読んだ事があったけど、やっぱり講義を受けて本当に良かったって実感。本で読むそれよりもずっとずっと鮮明に見えた。昨晩、「死にたい」を連呼してたのはやっぱりバッグドラフトだ。過去への依存じゃなくて、前進の合図だった。泣きながら帰宅した私はお風呂に入った後、そのまま夜更かし。珍しくネットでドラマを見だして、ケタケタと笑って寝た。元気を出さなきゃ!と思ってやったわけじゃなくって、自然な成り行きの行動だった。死にたい人がする行動じゃない。

バッグドラフトは、火災の現場で起きる爆発現象の事をメタファーとしてるそう。固く締まった扉をどうにかこうにか開けても、炎が立ち上がった部屋は、外から入った酸素の所為で爆発を起こす。世田谷線の車両の中で一気にドカンと溢れ出た私の爆発。その中には会いたいとか、話したいとか、そんな気持ちも含んでた。だけど、じゃあ会ってどうすんのさ。と冷静となった今、改めて聞きたい。

どんなに酷いストーリーだって、結末は待ってる。感想を述べてみるなら、爆発後は案外スッキリ。炎の中でじっとしてたんだろうね。熱かったろうよ。辛かったろうよ。苦しかったろうよ。私、お疲れ。酷い事をされたからって、ずっと泣いてても仕方がない。トラウマも仕方ないけど、トラウマしてても仕方ない。時々また起こったとしても、仕方ない。散々酷い現実も見ちゃったし、戻せないよ。諦めよう。

講義が終わって二日酔いの怠さにベッドでゴロゴロしてた時に電話が鳴った。動物病院からの着信。「先日の病理検査の結果ですが、腫瘍は癌でした。」テコのお尻にあった小さなイボは癌なんだそう。淡々と話をして、次の予約を入れて電話を切った。少しだけネットで調べた。段々と実感が湧いてくると、涙が溢れてきた。離婚で大変だった時、テコは食事を受け付けなくなったり、血便を出したり、ベッドから出てこない時期もあった。変わり果てた生活の中で私と一緒。ギリギリだったんだと思う。あの頃、姉と毎日電話して泣いていたから、今だにLINE電話の音が鳴ると不安がる。新しい家での生活が始まって、ストレスでまたおかしくなっちゃうんじゃないかって不安がいっぱいだったけれど一ヶ月もすると直ぐに家中を走り回るようになった。離婚してから心に決めた事がある。絶対にテコを不幸にしない。あんな酷い人生を送らせた事を心の底から後悔してるから。

泣くのをやめた。
私が泣くとテコは心配する。だからもう悲しまない。泣かない。今日の講義で面白い話があった。痛みは勝手に起きるもの、自然に湧いてきてしまうもの。だけど、苦しみは痛みに抵抗しなければ、そのうちに消滅する。痛いと必死に怖がって、必死に現実を抵抗するから、意識は痛いをしっかりとフォーカスオン。痛みの渦中へ、ドボン、さらに深くドボン、ドボンと鏡の鏡の鏡の中みたいに堕ちていく。

素晴らしい講義だなと思って目をキラキラさせて聞いていたと思う。よくよく考えてみたら、テコが死んだ未来からタイムスリップして今日に会いに来たのなら、怖くもないし、悲しくもない。寧ろ一緒にいれる今が最高に幸せってなる。だから、サヨナラする日が来るまでは、最高にハッピーな日だけでいいんじゃないか。私はテコが大好き。私達は一緒にいると最高に幸せな気分になる。それできっといい。だから、今日もたっぷりと愛情を注ぐ。そして癌はとっとと取ってポイだ。

何だか可笑しいくらいに、チャージされてきてる。苦しい過去もトラウマも正直面倒。これ以上、私の人生の邪魔をしないでくれと思う。私は今、テコのサポートしなきゃいけないのだから。


10月9日

Journal 10.10,2021

今日は、先月デートしたトモさんと夕飯。話が盛り上がって結構飲んでしまった。トモさんは、私を面白い大人だと終始褒めてたけど、その発言に関しては面白く無かった。

彼が私の世界が広いって言うのは、私がゾンビのいる世界みたいな場所に一度でも降り立ってしまったからだと思う。それは素敵な大人とは異なってる。3度くらいの不倫の末の離婚なら、もっと瑞々しい熟女になれたかもしれないけど、そういう類のものとは全然違う。

夜の22時ちょっと前、ガラガラの世田谷線。NYの路上でライブするアリシアキースの唄を聴きながら心の中で死にたいと連呼して泣いた。次の誰かが出来るまで、又は出来ないまでなのか、この喪失感や虚無感はやってくるのかな。久しぶりのこの世の果てみたいになった。これって、もしかして執着?だけど、何だか違う気もする。

チキンカレー

カレー 10.10,2021

金曜日も中途半端なままに終えた。さっきまで頭がパンクしそうだったし、なんだかやるせなさで一杯だったけど、お風呂に入ってワインを飲んだらケロっとした。今日の失敗も新しい仕事の猛烈な量のニューな色々も、全部受け止めたという事で良しにしよう。足が地面に食い込むくらいに受け止めたと自負してる。だって、あれもこれも全部初めてだったじゃん。

朝に悲鳴をあげるようにパリのマユミちゃんに連絡。「チャミどうした?」「夜に話せる?」色々が落ち着いた頃、2杯目のワインと一緒にビデオ通話でお喋りした。パリはお昼。マユミちゃんはランチを食べてた。顔を見るのは1年ぶり。最後に会ったのは2年前。コロナが始まる頃にパリで。

2時間ちょっとダラダラとお喋りして、通話を切った。悲鳴の理由については半日も経ったから、もう私の中には殆ど残っていなかったし、ささっと聞いて貰った。話さなくても良かったかなと、人の悪口を言ってる様に聞こえて少しだけ後悔もした。先週の心理学の講座のホームプラクティスで、過去の苦い経験の程度を選んでトレーニングするものがある。「あまり苦しみの強いものは選ばないで下さい。もし大丈夫そうなら、もう少し苦しいものを選んで下さい。」日常に落ちてる様なライトな苦しみで試みる。「あ、全然何も感じない。」次にハードな苦しみと、苦しみの段階によって心の温度が変わるのを体感しながらトレーニングを行なっていく。

苦しみの大きさを測るうちに、苦しみにはサイズがある事がわかった。色や形、苦しみの種類で名前をつけたりして観察を進めていくと、苦しみが色々な箱に整理されていく。そうして、不必要な苦しみは捨てて、必要な分は取っておく。それは、これからもっと観察しなきゃいけないから、まだまだ苦しすぎて手放せないもの。

なんだかすごく面白いトレーニングだった。苦しみは面白く無いけど。




きのこスパゲッティとカボス

洋食 08.10,2021

“人生とは、何かを手放すとまた新しい物がすっと入ってくるもんだ。”と、よく言うけれど、半ば諦めてたベッドルームの照明問題。前のライトが失くなってから二日。ハイパーにパワーアップした素敵なライトがやってきた。夜な夜なネットであちこちを探し回っている中で、急にふっと思い出した。「あ、そういえば、春にブルペンで素敵なライトを見たな。」直ぐにネットで調べて、ブルペンに電話。「テーブルライトありますか?」「ありますよ。」「あの、なんとか熊みたいな名前の。」「稲熊ですね。有りますよ。」工場にもネットにも、一点物で作ってるライトの在庫は生産自体もしばらくお休みだと書いてあったけど、店にはあるとの事。編集の野村さんがブルペンで素敵なフロアライトを買ったという話を思い出して直ぐにLINEして値段を聞いてみる。むちゃくちゃ素敵な藤のフロアライト の写真が送られてきた。テンションは、だだ上がっていく。「ブルペンとの別注のライトが可愛いですよ。」「そうなんですね!今から行って来ます!!」何だかいい予感しか無い。ずっとずっと探してきたライト。ようやく今日こそ出会えるかもしれない。長い長い旅だった。

「テーブルライトを見に来たんです。」「こちらのか、別注のはこちら。しばらく作らないので、これが最後の一つです。」「別注の方で!」迷いもせずに別注で決まった。すっごくバッチリな風貌だった。他のライトの事も色々とお話を聞いた。ビンテージの16万のも欲しかったけど、さよなら。今日は無理。もう二度と会えない素敵なライトにお別れをしてウキウキで重いライトを持って青山へ向かう。こんな事ってあるもんだ。まさかのラストワン。こんな近くにあったなんて!

「マックスマーラ前にいるよ」と後藤さんからLINE。行きつけの古着屋へ連れて行ってくれた。私の今年の冬の目標は素敵なユーズドデニムに出会う事。古着先輩の後藤さんと一緒にビルの一室にあるショップへ入った。まるでプレスみたいなショップ。デニムが沢山。中にはガラスケースにも入ったデニムも。「女らしいデニムが欲しいんです。」幾つかデニムを試着して、8万のビンテージデニムもちゃっかり履いて、お気に入りの一本を見つけた。古着先輩と仲良く店員さんがお喋りしてる。そして凄い話を聞いてしまった。「デニムは一生物だからね。」ライトを買ったばかりで今日はお買い物はなぁと思っていたけど、一生物なら仕方ない。母もよく、一生物と良い物に関しては買うべき時に買いなさいと言ってたし、それに今日後藤さんに会えるのが楽しみで仕方無かった。だから、きっと今日は特別。嬉しい日だから買ってしまおう。

大荷物で歩いて数分の居酒屋さんへ。古着先輩が直ぐに予約を取ってくれた。そして、後藤さんの新しい恋の話をたっぷりと聞いて、最高にハッピーな夜を過ごした。こんなに幸せな事ってあるだろうか。嘘みたいな毎日の話を、嘘みたいな現実の光景を、ニンマリしながら話してたと思う。だけど、きちんと過去の苦しみも持ってる。だから今が楽しくて仕方ない。そんな気もした。過去のあの時はそれに必死で通り過ぎてしまった事も、今だから思い返せたりする。過去は過去だからってバイバイじゃない。過去は今に繋がってるし、それが今を作ってる。最悪だった事も最高だった事も今を作ってる。

勉強してる心理学のコンパッションで近しい考えがある。最悪とバイバイしないほうが幸福になれるという人間の心理について。私達人間には苦しみを優しさや愛情で癒す力を持っている。自分の苦しみにその力を向けられるのは他人ではなくて自分。だから、過去とバイバイしたら、癒せなくなってしまう。先生の考え方で色々な言い方があるけれど、チャンスだと云う人もいた。自分を癒せるチャンスだって。そんなチャンスは要らないよとも思ったけれど、誰しもが人生に置いて必ず出会える物。それをどうかよく受け取ってって云う意味なんだろう。

帰宅してお風呂に湯をはってる間に、パンツ一丁で脚立に乗って仮でつけてたIKEAのシーリングライトの撤去と、新しいテーブルライトの設置をした。いつだったか姉が言ってたな。「家の色々な事、男手が欲しい時は特に、ニコが死んで居ない事を辛く思うよ。」って。私はいつも一人でやってきたと思う。ダブルベッドも一人で担いだし、家のDIYも全て一人でやった。3度くらい一緒にした引越しも全て一人でやった。どうしてかな。大変な時にいつも俺は忙しいと出かける元夫が作ったのは犬小屋くらい。梃子は全く見向きもしなかったし、何度も板のささくれで指を傷をつけて、本当に悪魔な代物だと思ったのを覚えてる。だから、パンツ一丁でライトを別の部屋に綺麗にバッチリな感じで取り付ける事も、明日やろうじゃなくってささっとやれる。男仕事を出来る。これが私の特技かもしれない。

お風呂から出て、ベッドルームの最高な塩梅の調光を眺めた。調光は二段階。二段階目の暗い感じも素晴らしい。ぼーっと見つめていたらそのまま朝が来た。ハッピーすぎる夜だった。

栗ご飯

和食 04.10,2021

一週間前に、いやもっと前に買った栗がずっと冷蔵庫に入ったまま。いい加減に栗ご飯を作ろう。休日も休日じゃなく過ごして、今日が何曜日なのかわからない状態の中で必死に栗を剥いた。3日くらい台風がきて、どこも行けなくなればいいのに。そんな気分。

今日すべき仕事があるのはわかってる。けど、あれもこれも、生活の中で溜まってしまった事を片付けることにした。1日くらいやらなくたって、何一つ世界は変わりゃしないよね。せっかくだからと思って近所のみっちゃんに栗ご飯をあげに行って、ワインを買って帰った。

ベッドルームのライトは今日からIKEA。朝にとりあえずでつけたもの。夜になって初めて気づいた。見てるだけで悲しくなるような光景じゃん。なんだろうこの感じ。最悪だ。調光感が最悪だ。IKEAが悪いんじゃなくって、この部屋にこの調光感がたまらなく嫌な雰囲気。部屋に入るのも嫌だったから、寝る直前までリビングでライトの本を読んで過ごした。「本当に最悪だ。」もう、おちおち探してる場合じゃない。たかが調光。されど調光。拘りはそんなに強い方では無いけれど、私の生活においてこれは死活問題。

アップルパンケーキと梅ジャム

パン 03.10,2021

今日は心理学の講座の初日。人生初めてのズーム授業。18人の人が画面に映ってる中で自己紹介するのはすごく緊張した。年齢も性別も住んでる場所も全然違う。職業については心理職の人が半数以上で、関連した仕事の方もちらほら。アウェイ感たっぷりの私は連れてこられた猫のような気分で端っこに座って授業を覗いた。

楽しいと言っていいのかわからないけど、むちゃくちゃ楽しい。リアル体験を例に出す話では、ちょっと苦しそうな話も聞こえてきたけど、とにかく見るもの、触れるものが楽しい。これからどんな9週間になって、その9週間の後の私はどんな視野で世界を見るんだろうって思うと、すごくワクワクした。だけど、しきりに講師からは注意喚起が促された。学びの中で冒険している感覚があるうちは大丈夫。だけどその先には絶対に行かない事。安全な場所からは離れないようにって。私の離婚の事を話した上で受講参加を認めてもらった旨があったから、本講義を受ける前にも何度もその件については連絡が来た。

色々が色々と動いて回ってる中で、講義も始まって、なんだか脳みそがショートしそう。バタバタと支度をして、冷たい白いご飯だけをばばっと頬張って、鎌倉へ向かった。数日前に週末はちょっと自然を見た方がいいと思って近所の今むを誘った。彼も無類の海好き。鎌倉の駅を降りるとザーザーぶりの雨。駅前のエクシオールで雨宿りしてると連絡が入る。友達のたまちゃんに聞いてたけど、本当におばさんみたいな髪の長さだった。いきなりショートになったおばさんの私。おばさんみたいな髪の長さのおじさん。なんなんだろうか。心理学の勉強を改めて始めた事を話すと驚いてた。そこから、脳の話とかになって、今むが読んでる細胞の話になって、雨が止んだから海外に向かいながらもハードにお喋りして、海岸に座りながらも、今度は動物倫理学とか環境の話とか、私がここ一年くらいほってる話をした。結局、穏やかな海の前で、美しい夕方の中で熱弁しあって、大変に疲労困憊して東京に帰る事に。「疲れた。」何度も言ったと思う。私が勝手に熱弁しただけなのに、今むは「ごめん。」って言ってた。

電車に乗ると、今度は今むの将来についての話を聞いて、どうしたらいいのか考えたりして、三茶の中華屋でビールを飲みながらまたさらに、その話の続きをした。とにかく、話しまくって疲れた。

男性の悩みを聞く事ってあまりないけど、男も女と一緒だなって思った。何とも、フルスロットな休日だった。

かかんの魯肉飯

エスニック 02.10,2021

早朝に起きて、仕事をばばっと終わらせて午後すぎに東北沢へ。家具屋数軒と、三茶のluikと薬局に寄って帰宅。気に入るようなライトはやっぱり無かったけと、luikでパンツとバッグを来月の自分の誕生日に購入。古着屋ってほんとに楽しい。

上原のグラフィオに向かうまでの道で急に過去を思い出して怖くなった。店に入る時に無意識でグレーの汚いバンが停車していないか確認してしまった。家を出てから携帯のWi-Fiか繋がらない。東北沢に降りてから胸のざわつきが止まらない。店を出よう。あまりに記憶に過敏となってるじゃん。私、なにやってんだろ。今の日常には殆どトラウマなんて無くなったのに、こんな街の隅にまだトラウマが残ってたんだ。想像が想像を超えて、警察を呼ぼうとまで考えてた。私が私をずっとずっと先回りして、私の安全を守ろうとしていた。もう絶対に裏切られる事もないし、もう絶対に酷い事をされる事もないのに。今日の今だって、ピュアな顔をして、ピュアそうな曲を歌って、ピュアだともてはやされて、あなたは天才だね、素敵ねって誰かにお金を貰って、ご機嫌に関西弁を東京に撒き散らしているんだろうと思うと、私の今の滑稽な姿が可笑しくて堪らなくなる。神様はやっぱりいないよね。私が一人勝手に過去の恐怖体験を紡ぎ続けてるだけ。困ったもんだけど、どうにもこうにも、恐怖が先行するとこの手が勝手に紡ぎ続けて止まらなくなる。私が今でも怯えているのは、一番にバイオレンスだったのは、人間が人間を貶める瞬間を見たこと。変な感覚だけど、その対象者はまさかの私だった。

街でタバコのポイ捨てをする男を見る度に思うのだけど、男の右上の空中が一枚の絵を切るように一部分だけパカってハサミで切ったように開いて、捨てた筈のタバコがそこからぽいっと降ってきたらいいのにって。やった事がやられる事となる。臭いし、火種がついていたら火傷しちゃうよね。”ねぇねぇ、わかるかな”っていつも一人で想像するだけで、実際には当たり前の様に立ち去る男の後ろ姿に溜息をつくだけ。

どうかやり返されてくれっていうわけじゃなくって、ループしてみて欲しいだけ。そしたら、もうやらないよね。きっと二度とやらないよね。

しらす丼

夕飯 01.10,2021

朝の5時、悪夢にうなされて目が覚めた。家族で食卓を囲んで、どうやら私が離婚した事について怒られていた。父はいつものように中立的でまともな事を言ってる。姉はいつものように私を詰めまくり。兄はそんな姉に賛同。母はあっちこっちの意見をそうねそうねと流されるまま。「あーもうウンザリなんだよ!どうして私が責められなきゃいけないの。」とにかく悪夢だった。現実は逆で家族は離婚を望んでいた。姉に限っては結婚当初から目をギラギラと光らせていた。”皮のコートが切れちゃった。”とインスタに投稿すると、すぐさま「やっぱりアイツに暴力振るわれてるよね?」とLINEが入るくらい。「そんな事あるわけないじゃん!酔っ払って転んだだけだよ。」と言ったけれど、実際には酔っ払った男に道路に投げられたからだった。場所はいつもの通り中目黒、深夜の出来事だった。「二度と傷つけない。」っていうのは、またやるっていう合図なんだと身を持って学んだとても複雑な経験。こんな事を知っていても嫁入り道具の一つにだってなりゃしないけれど、そういった類の病の人の行動と心の変化についてはそれなりの長期的研究結果を持っている。

私が家族に詰められた理由は一つ。寝る前にベッドルームのライトを探してたからだ。欲しいライトが9万円。大して仕事もしてないのに買おうか悩んでいた。何となくメルカリに出してたビンテージのライトが思いの外高額で売れてしまい、ベッドルームが暗闇となるのも時間の問題。引越しの時に慌てて買ったデンマークのビンテージライトだった。次に買うなら、値段などは気にせずに買おうと決めてたけど、今の私に9万円は酷い。またもやビンテージ。一点もの。この配色は超珍しい。一年くらいずっと探してるけれど、かなり掘り出し。買う。いや、買わない。買う。独り押し問答をしたまま眠りについたので、罪悪感が家族となって夢に出てきてしまった。けど、現実は現実。代案を考えよう。

何だかあっという間に夜。頭がくらくらする。アレもコレもやらなきゃいけないのに、アレもコレもが終わってない。完全にオーバーワークだ。20時前に母から電話。「何やってる〜?」「仕事。」「あらまぁ、暇してるかなって思った〜。」「いや、未来の仕事。今はお金は入らない。」「ふーん。携帯買ったんだってねぇ。」忙しさで頭が破裂しそうなのに、母は優雅にお喋りを続けてる。平和だな。放っておこう。

新しい携帯が今朝届いてから、またデジタルライフが始まってしまった。携帯のない方が平和な時間だった気もする。何だか、今日はすごく疲れた。ああ、もう返却期限が過ぎてる本も読めてない。

晩酌

夕飯 30.9,2021

朝、目が覚めて “緑を吸い込みたい”って思った。昨晩飲みすぎた所為で2時間寝坊。時計は6時を過ぎてる。あーあやっちゃった。けど、気分がいい。10時半の打ち合わせの前に色々と終わらせたい事がある。送っておきたいものもある。うーん。どうしよう。

ささっと支度をしてテコを連れて駒沢公園へ向かった。何とかなる。私は放置すると調子がいい。仕事でもそうだ。決められた何かよりも、自由演技の方がずっと得意。緑を吸い込んだ私は三倍速で仕事を終えるはず。私が私を信じれば何だって出来るよね。そんな言い訳をしながら、公園へ向かった。

公園に隣接したカフェのテラス席でモーニングを頼んだ。テコは膝の上に座ってる。携帯で少しだけ仕事を始めた。気持ちがいいな。曇ってるけれど、悪くない。「わん!」テコが急に大きな唸り声をあげて膝の上から飛び上がった。私の右手に合った携帯が宙を飛び、テコが威嚇したミルクティー色のカールヘアーがとってもお似合いな巨大なプードルは何食わぬ顔で颯爽と横切ると、携帯が地面にパーンって音と共に着地。慌てて携帯を拾うも、画面は真っ暗。電源を入れてもうんともすんとも。ああ、これは壊れたね。

夕方頃に近所のワタルさんが家に来た。コンポストを作りたいから手伝って欲しいとお願いしてたので、電動ドリルと貸してたポートフォリオを持ってきた。夏の間、ずっといつやろうか迷ってたコンポスト。秋がきて、ようやく今だ!と思えた。だって、いきなり悪臭とかしたら、きっと直ぐにやめちゃうから。ポツポツと降ってきた雨の中、ベランダのひさしの下であーでもない、こーでもないって言いながら自家製コンポスト作りを完成させた。DIY初心者とDIY初心者の産物。中々の出来栄え。

終わってから、昨日の残りのワインを飲んで、冷蔵庫に残ってるオカズをつまみに、色々とお喋り。仕事の愚痴から、猫の話、共通の友達の話から、この街の話になって、どれだけこの街が素敵かについて語り合った。それに、通ってる花屋が一緒で、ワタルさんは花屋のお爺ちゃんの真似をずっとしてた。家族経営の昔ながらの花屋さん。この街に遊びにくる友人は、もう一つのお洒落な花屋を勧めてくるけど、一度も行ったことがない。いつか行ってみたいなって思ってるって言うと、ワタルさんも「そうそう。」って言ってた。

いきなり師匠について写真家になってしまった私に同業の友人はまずいない。だから、ワタルさんは貴重な写真家仲間でもある。そして、うちのリビングにはワタルさんが新婚旅行で行ったネパールの写真が飾ってある。私もネパール地方の高山地帯へ行った事があるからちょっとわかる。あの場所に行かないと見えない景色の事。乾いた土や薄い空気の所為でどんどん不自由になっていく身体。非日常の現実の中にポンって落とされたままに、目の前にただ広がる景色と圧倒される恐怖、そして爽快感。もし、私がネパール地方への旅をした事が無かったら、多分、この写真を綺麗だって言ったと思う。だけど、綺麗だけでは形容が出来ないと知ったから、この写真がより一層好きになった。

あと、今日は氷見の宿の夫婦とフミエさんと打ち合わせをした。画面に映る全員が大好きって思いながら喋るのは、とっても気分が良かった。打ち合わせが終わって、フミエさんと色々な細かいやりとりをしてると、「ワクワクしてやばいです!」とメールが入る。私もまさにそんな気持ちだったから「私もです!」と返した。

明太スパゲッティー

洋食 29.9,2021

昼過ぎまでバタバタと仕事を終えて、午後過ぎに新宿へ行く。どうしても見たかったGANNIのリサイクルダウン。デンマークは環境問題への意識がとても高い。デンマーク出身のGANNIのデザイナーの考え方がすごくユニークでずっと気になってる。だから、とにかく試着してみたかった。ついでにH&Mもチェック。こちらもリサイクル素材の洋服をチェックしたかったから。洋服の仕事だとか、環境の何かをしてる訳でも無いのに、平日の午後から一体何をやってるんだろうと思うけど、何だかすごくいい時間。それもこれも料理家のフミエさんと出会ってから。

フミエさんは一言で表すなら自由な大人。子供がいて、優しい旦那さんと三人家族。料理家としても立派に活躍されてる。私が結婚で得た物は不自由と責任だった。それは自然と今までの人生で学び習得してきた結果であり、フミエさんの様に自由な女性に出会うチャンスが無かった事もある。家庭を放棄する女性は見かけるけれど、それは私にとって自由とは思えなかった。だけど、フミエさんと一緒にいると、とにかく毎日が楽しかった頃の私の日々を思い出す。興味のままに、好きなことを存分にやる。私が結婚の、男の奴隷になる前の日々の事。過去を否定したいわけじゃないけど、重い鎧を下ろした事を改めて感じてる。

新宿から帰って、ベランダで再生用の土作りの作業を始めた。夏に育てた野菜の古い土をふるいにかけて、根っこを取り出す作業。面白くない作業だけど、ラジオを聴きながら日が暮れるまで続けた。そして、ワインを沢山飲んで、早い夜に早々にダウンしてしまった水曜日。何時間寝たんだろう。すっごく気持ちが良かった。夢もなんだか沢山見たけど、覚えてない。飲みすぎた。

とろろ蕎麦

和食 28.9,2021

こないだ100%蕎麦粉の蕎麦を買って大失敗したので、山形の美味しそうな蕎麦を買うことにした。大好きな山形と書いてあるから、きっと美味しい筈。

ラザニア

洋食 26.9,2021

日曜日は何もしないデー。そう思った矢先、月曜納品の仕事が昨晩にきていた事を思い出す。あーあ。どうしよう。出来れば今日はデスクには座りたくないな。月曜は撮影だし、今日やっておいた方がいいよね。うーん。いいや、月曜の朝にやろう。最近、作業の日数が殆どないような仕事がちょくちょく来る。どうしてだろう。私、意外と毎日忙しいんだけどな。

だって今週はよく働いたし、もの凄く疲れてるし、そんな果ての日曜日だもの。今日やりたくない、やらない理由を並べてベッドに潜った。本を読んだり、ネットしたり、ラジオを聞いたり。昼食をとった後、吸い込まれるような睡魔に襲われる。目を覚ますと16時を過ぎていた。近所に住むライターの石塚さんに教えてもらったVegan菓子の店へ行こう。帰りにオオゼキで夕飯の買い物をしよう。

のんびりと歩く。寒いな、今日。今夜はラザニアにしよう。昨日作ったトマトソースの余りでミートソースを作ろう。

お休みにしたけど、どうしても書きたくてフミエさんとのプロジェクトの記事を進めた。すいすいと3本書いて、ご満悦のままにまた寝た。お休みって最高。

すだちの味噌汁うどん

夕飯 25.9,2021

身体が重すぎる。今週ずっと重い。火曜日に休みを入れたのに重い。疲れが溜まりに溜まってる。今日は朝からフミエさんの所で撮影。身体を引きずりながらカメラを持ってアトリエへ向かった。渋谷駅での乗り換え、目の前に身体には不恰好な程に大きなリュックを中年の女性が背負ってる。横には同じ背丈の女性が黒いスーツケースをガラガラと押しながら喋ってた。週末の朝から、この人達はどこへいくんだろうか。あ。後ろ姿の寝癖とカラーリングで渇いた髪。私が親友だと思ってた子だ。アル中で不倫を繰り返して、外では奥さんの悪口ばっかり言ってた男を愛し続けた友人。私は元夫だけに伝えたけど、彼女の夫が嘘を平気でつく事が好きじゃなかった。一昨日、携帯の電話番号を消したのは何か虫の知らせだったのかな。前を真っ直ぐ向いて、平然とした顔でホームへ走った。ホームについても、奥の奥の方へと進んで列車に飛び乗った。

ふと思い出した。月曜日に会ったスタイリストのマイコさんは元夫の店に遊びに行くこともあるし、元夫の元彼女とも普通に友達関係だしって。私には無理。だけど、そんなに恐れる事って無いのかも。声をかけた方が良かったのかな。けど、今、彼女にかけられる言葉が出てこない。笑顔で久しぶりだね!なんて言えないよ。離婚届を出す前夜にされた事が許せないとは思ってない。今思い出してもただ心が震えるだけ。それ以外だって、おかしな出来事が彼女の優しさとミックスして何が何だかわからない。ただ、確実な事は、彼女の夫と私の元夫は友人で、彼等はアル中で彼等は心の病気を患い、世界に悪態を吐けずに嫁に悪態を吐いた。似た者同士の夫と、似た者同士の嫁達だった。「新しい家に遊びに行くね!」彼女は一度も来ることがなかった。

ホームまで走ったからか、時間よりも少し駅に早く着いた。フミエさんに一本メールを打つ。「ちょっと身体がどんよりしてるから、駅前でカフェイン取ってから行きます!少しだけ遅れます。」いつもと違う道へ入る。そこは拓けた商店街で全くいつもとは別の顔の街があった。何だか不思議。フレッシュネスバーガーに入ってカフェオレを頼んだ。もし、世界に急に不安になったとしても、急な何かに心が壊れそうになっても、一呼吸置けば大丈夫になる。昨年に起きた過度なストレスで起きた心の転落で学んだ事。今は心身共に健康だけど、安全運転の為に守ってる。これは世界平和に繋がると思ってるから。例えば暴力を振るわれた子供が自分の子供へも暴力を振るう事があると言われるけれど、私は愛する人にも世界にも絶対に悪態なんぞつかないと決めてる。闇を知っても、闇はここで二度と陽の目を浴びなくていい。そんなもの、世界には必要ないものだから。

3分くらい休憩して、カフェオレを飲みながら少しだけ仕事の事を片付けた。さぁ、行こう。今日も写真を撮ろう。

ありがとう、アカリちゃん。さよなら、アカリちゃん。


トマトスパゲッティー

Journal 24.9,2021

今日はカウンセリングの日。前回の宿題は気づいたら忘れてた。”周りや世間の価値観を基準にではなく自分が心地よい選択をする、まずは自分の日々の選択に意識すること。他人軸になってるかどうか俯瞰してみて。” 数週間前にカウンセラーさんの言った言葉。だけど、選択は得意だよ。だって写真を撮る仕事は選択のしっ放し。瞬時に良い選択をする事でご飯を食べてるようなもの。結局その宿題はやらなかった。

今回はどうしよう、何を相談しよう。私の心のケアは心理学で事足りる様になってしまった。うーん。そうだ。パートナーについて聞いてみよう。「こんにちは。よろしくお願いします。最近はとても調子がいいです。今でもトラウマはしっかりと持っています。けど、今はそことは違う新しい場所にいて、一緒にいる人も仕事も、色々が毎日とても楽しいです!それで、。今日聞きたいのは、パートナーについてです。」離婚してからガラっと人間関係が変わった。一緒にいた友人達が嫌いになったわけじゃなくて、小学校から中学校へ上がった時みたいに景色がパッと変わったみたいな感じ。以前の友人達と交代でもするかのように新しい友人達は笑顔で「Hello!! 」って声をかけてきた。そして、新しい友人は、何時間もカフェやLINEで昨日の話や腹の底の話はしない。まだ誰もわからない未来の話を会った時だけ教えてくれた。だけど、パートナーはどうなんだろう。これは私のトラウマの一つ。男性不審になったのもそう。私の過去の追憶の中から相手を探してしまうんじゃないか。カウンセラーさんに今の私が出会う人や世界の事、パートナーに対する不安について話した。

「めっちゃええやん!スゴイ!」カウンセラーさんは言った。凄く喜んでる。なんだかとにかく凄いのだそう。私が前回から変化した事がそんなに嬉しいんだ。シンガポールにいるからなのか、歓喜の言葉の中には英語も含まれていた。「よしみさん、じゃあパートナーの話、始めるね。まず、ちょっと質問させて!よしみさんにとって愛の定義って何?」「安心、安全、平和です!暴力を振るう、家庭が安まらない、喧嘩ばかり。そうゆうのはもう嫌です。」

「じゃあさ、その安心な人ってどんな?安全な人っていうのは?平和な人は?具体的に教えて。」パタリと私の言葉は止まった。うーん。どんな人だろう。安心、安全、平和。スローガンは決まってるのに、具体的な人間像が見えて来ない。高3から10年付き合った彼の顔だけが浮かんだ。

「私はね、自分が自由でいれて、相手も自由で入れる事。けど、一緒に居ない時間でも相手を愛おしく想える。これが私の愛の定義。これは人それぞれ違うものだから。宿題ね。とにかくいっぱい考えてトップ3を決めて。誰かとデートする時、ニュートラルに自分の気持ちをしっかり観察してみる。それでまた頃合いを見て話そう。よしみさんと話して、今日めちゃくちゃ興奮したよ。有難う!」

カウンセラーさんが無邪気に喜んでる姿が嬉しかった。カウンセラーさんのお陰で私は色々を見つけられているのに、カウンセラーさんが私を見て喜んで、それを見て私が喜んでる。可笑しい光景。母が子供の頃、原っぱで喜んではしゃぐ飼い犬のジョンによく言ってた。「ジョンー。そんなにぐるぐる回るとバターになっちゃうよ〜。」って。あの日の母やジョンやバターの事を思い出した。


9月23日

Journal 23.9,2021

急の暑さなのか、なんだか重い一日。今日は家で作業。色々がまた色々とガシガシと進んでる。なのに、今日は頭も身体も重い。参ったな。

午後から鎮座ドープネスさんの映像の編集。鎮さん、本当に可愛い。編集作業をしながら、可愛いを連呼。男って可愛いよなぁ。女の可愛いは表面的に覆われたものを指すけれど、男の可愛いは内面から溢れ出るような無邪気さ。危うく恋でもしそうになるくらいに可愛い。素敵な人だったな。

久しぶりに心の中に嫌な何かが滞ってる。ここ数日、ちょっと前から少しだけ感じてた事。大切だと思っていた友人、決して悪い人じゃない。だけど、心がざわつく。その理由を探すのは嫌だったけれど、何が嫌なのか言葉に出してみようと決めた。

何がどうしてどんな時に私は苦しい気持ちになったんだろう。シーンを回想して見ると、結婚してた時の私を見ているみたいだった。

いい友人が沢山いる。一緒にいて、楽しくなる友人、仕事の話が出来る友人、励まし合える友人、いつも新しい何かを教えてくれる友人、勇気をくれる友人。年齢は関係ない。年上でも年下でも大好きな友人が沢山いる。だけど、その友人の中には不幸が上手な子もいる。不幸っていうのは大なり小なり誰にも必ず起きる出来事。よくよく考えてみれば、不幸が上手な子は、不幸な顔が群を抜いて上手い。朝でも夜でもいつだって上手い。そんな友人を見て、そんな話を聞いて、まるで結婚してた時の自分を見ているようで苦しかったんだ。

答えがわかったらすごくスッキリした。それに、ずっと連絡の来ない友人の携帯電話の番号を消すことに決めた。彼女は私の離婚を支えてくれた友人。親友だと思ってた。だけど、彼女も元夫みたいに一番大変だった時期に消えた。離婚するまで彼女は必死で私を救おうとしてくれてた。どうしたら私達夫婦が離婚しないで済むのか。私が夫の事を愛してるならって。

今読んでる心理学の本で面白い内容を見つけた。まさに今の私に作動してるのは、本に書いてある脅威システムそのものだ。幸福な体験よりも脅威な体験を察知しやすいというのは生物的に生きる為の脳が身体を守る為に備わった脅威システムとなっている。だから、嫌な現実が起きれば、きちんと脅威システムが作動する。私にこの度発動していたのは、過去のトラウマの中にいる自分を今に見つけてしまった事だ。過去の私みたいに不幸な顔をした人を現実に発見して、全身で疼いた。首の後ろがぎゅーっとつままれたみたいに、喉の奥で悲しみをこらえた時みたいに、目の前で起こる恐怖に麻痺していく自分を無視していく瞬間に起こる全身の感覚が蘇える。起きた出来事を決して誰にも言えなかった過去の私は、不幸な顔をして沢山のサインを世の中に振りまいた。そんな以前の私を現実の中で見つけてしまった。友人の顔の中に。

だから、わかった。私にはシステムの一つとして生きる為に脅威システムが増えちゃった。だから、心身の健康の為にも不幸な顔が上手な友人とは離れる決意をしよう。システムが緩和されたら、またご飯でも食べに行ったらいい。これは私の問題。健康で安全で平和な生活を送る為のこと。

兄の柚子胡椒としらすとキノコのクリームスパゲッティ

洋食 21.9,2021

ベランダのゴーヤカーテンを撤去した。だけど、本当はもっと楽しみたかった。けれど、青虫が大量発生して地道な駆除に時間を費やすくらいならと撤去を決めた。青虫には申し訳ないけど、野菜達の被害も考えると早めの決断が必要。ベンチに置きっぱなしだったラグにまで巣作りを始めていた青虫達を箸で摘んだ。ごめんね。ここは駄目なんだよ。青々しい緑のカーテンから溢れる朝陽が本当に好きだったな。寂しいよ。だけど、秋分だし、夏とさよならしよう。

今日はお休み。身体に溜まった乳酸や、ぎゅっと詰まったままの脳疲労を緩和させたい。朝はフジモンに一昨日に貰ったキャロットケーキを食べながら、仕事のメールとかをパッパッと終わらせた。頭がずっとぐらぐらしてる。昼食にスパゲッティーを食べてソファーに横になる。1時間ちょっと昼寝をして、干していた洗濯物や布団をしまって、ゴーヤカーテンの撤去に小1時間。あっという間に夕方が来た。

夕飯の塩麹鍋をつつきながら、セカンドウェディングっていうameba TVの番組を見た。離婚してる男女が、再婚をする為にマッチングして結婚をしようという番組。私も企画でマッチングをしてる。けど、正直ピンと来ない。いい人そうな男性は沢山いるけど、恋には落ちない。番組を見ながら、やっぱり私は恋に落ちないなぁって思った。一体、恋って何なんだろう。あんなに恋をして結婚したのに、あんなに大好きだったのに、離婚した。けど、きっとマイコさんみたいにいきなり来るんだろう。けど、それは私にも来るのかな。それとも来ないのかな。

やっぱりどこかでまた裏切られたらって怖い気持ちがある。だけど、問題は裏切られるかどうかじゃなくって、信じる事なんだと思う。私だけじゃなくって、誰しもが決まった明日なんて持ってない。いつでも最悪は自由気ままにやってくる。だから、怯えるよりも信じて未来を明るくしておけば、もしまた最悪な事が怒っても、最低な事をされても、大丈夫って言い聞かせて前へと進めば自分が用意した明るい場所にきっと行ける。

今日も月が明るい。いい夜。

晩酌

夕飯 20.9,2021

新宿で朝一番に機材を返却して埼玉のふじみ野へ向かう。今日は中島芙美枝さんの撮影。昨日の疲れが溜まってる。全身がずしりと重い。けど、今日撮ったら明日からは家にこもれる。梃子ともずっと一緒にいれる。

昨晩は倒れる様に寝たから、朝は案外早く起きれた。ベッドで10分だけ読書してここ数週間読み続けていたコンパッションの本を読み終えた。こんな分厚い教科書みたいな本をよく読めたなぁと自分に感心。来月から始まるワークショップの前に別の著者の本も読んでみたい。とにかく知りたくて仕方がないみたい。本から学ぶ心理学の知識がどんどんと私を潤していく。

待ち合わせより1時間遅れて現地へ到着。長閑な場所。遠くに畑がいくつか見える。お墓の前を通ると御線香の香りがふんわりと漂ってた。フミエさんに出会ってから、写真を通して沢山の世界を見せて貰ってる。私の人生では出会わなかった事や人に出会う事が増えた。そして、今日もまた一人。面白い女性に出会った。

畑に行くタクシーの中でお喋りしたスタイリストのマイコさん。畑に着く迄の時間にたわいも無いお喋りで到着する予定だった。どこから始まったんだろう。引っ越しをよくするっていう所かな。私もマイコさんと同じ。結婚するまで賃貸の家を更新した事が無かった。そこから、ペットがいて家探しが大変、「私も!」。バツイチだから、「私も!」。池尻に住んでて、あの街はうるさいし落ち着かないから、「私も住んでました!あの街、騒がしいし空気悪い。」。そして歳も同じ。なんだろう、この感じ。畑を見学して、そして駅に戻るタクシーでもまた沢山お喋りした。元夫がミュージュシャンで、働かなくて、結婚してたのは4年。可笑しいくらいに止まらない奇遇が痛快。こんな事ってあるんだ。

深い話まではしなかったけれど、離婚についての話は頷ける事ばかりだった。その後の孤独や自由の扱い方、女として生きる術、バツが付き否応がなしに身に付いた世界への眼差しの話とか、輪郭をなぞるまでもなく、アレとかソレとかで話が出来そうなくらい。そして、マイコさんは先週に友人の紹介で出会ったフォトグラファーといい感じなんだそう。3年ぶりの恋で、明々後日は誕生日。彗星の如く現れたその人の話を嬉しそうに話てた。

気づくとベッドで寝落ちしてたみたいで12時くらいに目が覚めた。トイレへ行った帰りにカーテンの隙間から見えるベランダに影が見えた。え!?どういうこと?驚いて外へ飛び出す。まるで夜の海にいるみたい。月明かりが煌々と街を照らしてる。なんて綺麗なんだろう。しばらくベンチに座って月を眺めた。昨日は車窓から月を見たな。鎮さんと見た月がずっと前の事みたい。月明かりが勿体無いくらいに色々に光を当ててる。

すっごくいい日だった。晩酌、ちょっと飲み過ぎた。



アップルパンケーキ

朝食 20.9,2021

最近ハマってるアップルパンケーキ。塩も砂糖も入れない。気分でパルメザンチーズを少し表面にふる。地粉の甘さを感じる程度の調味が丁度いい。

今日はMV風のショートムービーの撮影。昨日はあんなに早くにベッドに入ったのに、どうしてだろう。全然寝付けなくて、夜中も何度も起きたし、3時位に目が覚めて、全然寝てないじゃんって目をつぶりながら焦った。体力が無い私にとって寝不足は大敵。あっという間に朝が来て、支度をして8時過ぎの電車で鎌倉へ向かう。どんな有名人が現れたって、私の無関心な反応についてアシスタント時代に師匠にお墨付きを頂いたくらい私は緊張しないタイプだけど、きっと寝れなかった理由は珍しく緊張したんだろう。

鎮さんが現場に来たのは少し遅刻して13時20分。軽く打ち合わせをして、直ぐに撮影に入った。MV風なんて初めて。それに、そもそも映像で人を撮るのは初めて。しかも、歌ってるシーンを撮る。どうなっちゃうんだろう。けど、やろう。準備はきちんとしてきたし、どう撮ったらいいのかもわかってる。ただ、初めてなだけ。

最初のシーンを撮り終えて、次の現場へ向かった。楽しい。アシスタントをしてくれてるミカちゃんも、ショータさんも皆んながよく動いてくれてる。いい現場だな。今朝、寝不足なままにバスを待って、電車を待った。朝のちょっと冷んやりした空気の中で不安を余所にちょっと可笑しくなった。なんていい朝何んだろう。

殆ど寝れずに夜から暗闇にベッタリと付き合ったまま新しい今日を始める。そう言えば、私、寝不足は慣れっ子だった。換算したらそんな1日を1年や2年くらい軽く費やしてきたかもしれない。男の酒気が滞る部屋を出て、朝陽を浴びながら機材を持って撮影に出かける。また裏切られちゃったんだなぁ。胸がキリキリするけど、背筋を伸ばして歩こう。あの朝も、あの朝も、きっと希望に満ちてた。けど、今日の朝は緊張して寝不足だなんて、幸せな朝。人生って本当に可笑しい。

二つ目の現場。段々と色々が打ち解けてきたり、会話も少しずつ弾んで、もっともっと楽しくなる。鎮さんは想像とは全然違う人だった。事前にチェックしたMV。見れば見るほどに感心。かっこいいなぁ。沢山のMVに出てる。当たり前だけど、音楽が好きなんだなぁ。歌が好きなんだなぁって。「歌詞のカンペ作りますか?」って聞くと、「見ちゃうから要りません。」って。ちゃんと歌いたいのがよくわかった。ミュージュシャンの夫と8年も共に生活をしてきたのに私は音楽の何を見てたんだろう。あの男は「僕、ミュージシャンなんです、メジャーデビューをしたんですよ。」って会う人会う人に言ってたけど、何だか音楽でも写真でも、そうじゃない色々でも、何者かになろうと必死になる人って何がしたいんだろう。前はそれが夢を叶える誠実な行為なんだと思ってたけど、じゃあその夢って一体何なんだろう。鎮さんは全然そういう感じじゃなかった。

たったの半日一緒に過ごしただけで詳しい事はわからないけど、あの男の音楽とは違かった。帰りの電車で、シュワちゃんがトレンディーだとか、紹興酒の話とか、車窓から見える月が綺麗だとか、そんなたわいも無い話をしてバイバイしたけど、全然違かった。

少し前から感じ初めた事の一つに、どんなに仕事で疲れてもイライラとしなくなった。疲労困憊で足が上がらないよーってなっても、それより、あー楽しかったぁってほくほくしてる。焼き芋みたいに、ふわっと温かい何かが口の中に立ち上がるみたいに。今日は本当に楽しかった。

晩酌セット

Journal 18.9,2021

あっという間に今週も終わり。何だか今日は頭が爆発しそうに疲れてる。ワンプレートのご飯を見ると、どうしてもバイキングとかファミレスのお子様ランチを想起しちゃう。だからあまり好きじゃない。だけど、今夜はもうとにかくお皿を選ぶのもお皿を洗うのも嫌なくらい疲れてた。大皿に作り置きのおかずを盛りながら、もう後戻りはしないよと誓った。

今週は色々な事が進んだり決まったり進みそうだったり。来月から中央大学の先生の心理学の講義を受ける事となった。明日は何とMV風の撮影。なんてこった。そんなタイミングで藤原さんの紹介で会った映像会社の方に映像用のライトを貰ったのは水曜日。そういえば月曜日に思い立って髪をバッサリと切った。ロングヘアーに伸ばしていたけど、どうしてかな。気分はそこそこいい。昨年の私が聞いたらビックリ仰天すぎる色々が、何とか手の中に収まりながら進んでる。

離婚直後も何度も、いや何百回と思ったけれど、彼を病から救えなかった自分を責め続けた。そんな気持ちも忘れて秋の心地よい風を感じる様になると、今度は、ごめんねって思うようになった。今の私なら、病の知識を持った私なら彼の症状に何とか対処できたかもしれない。じゃあ、今の私ならどう対処しただろう。そんな意味の無い事を考え、止める事を繰り返してる。

私が苦しんだ色々を彼は今どう受け止めてるのか。彼は逃げるように家から消えたけれど、それは自分が悪い事をわかってたからだ。私が信じれば信じる程に、待ってると言えば言う程に、家庭に帰れなくなったんだと思う。多分、自分の身を守る為に私を裏切るしか無かったんだろう。そりゃ、私にとっては苦しい話だけど、彼も苦しんだ選択だ。そしてお金をくれる飲み友達やお酒の欲望も手伝って、捨てる方を選んだ。楽になりたくて離婚を選んだ。彼は逃げるのが得意なんじゃなくって、ズルをしたり、誰かを裏切る事で、彼の生きる道を繋げてきた。最良の選択が誰かにとって最悪なだけ。私が出会った時も、出会って数年経った時も、何度も誰かを裏切って前へ進むのを見てきた。

「大丈夫だよ。」
何度も言った。一杯言った。背中をさすって、怯える彼を温めて、「大丈夫だよ。一緒にやり直そう」って。

結婚は死ぬまで生涯を共にするパートナーを選び、同じ戸籍を持って、夫婦として楽しく家庭を育むものだから、私達は離婚して正解だった。今の私なら、あの彼とは結婚生活を送れない。法を犯す事も、道徳的な倫理感が欠如してる事も仕方ないよとは思えない。暴力とか人を騙すとか。やっぱり駄目だと思う。人を悲しませたり、傷つけたりもよくない。そんな結婚生活は楽しく無い。仕方ないよとは思わない。

「お願いだからやめて。」何百回と言った言葉を、彼は何百回と聞いて苦しんだろう。だから、今はごめんねって思う。悪い事をしていいって話じゃなくって、彼は彼なりに大変だったと思う。9月の頭に会ったのが最後。もう一年会ってない。たまに何処かで会いそうな気もする。だけど、もう多分、私達は二度と会わない。また誰かを裏切るんだろう。それが病の所為なのか、性格の所為なのか、答えはきっと両方で、そこはきっとただ寂しく見える。また、私の様な仕方ないと思う女が現れるんだろう。

私も本当に仕方の無い女だった。そこに愛はあったけど、愛を超えた場所にはもう残ってなかったな。砂漠みたいな場所で一人ポツンと座ってたと思う。

明日は早いからもう寝よう。私の人生なんて失敗だらけだし、失敗なんてお茶の子さいさい。それよりも、楽しい撮影だといいな。

晩酌セット
買ってきたイカの寿司
胡瓜のチリソース
竹輪と胡瓜のマヨ和え
鯵の南蛮漬
白茄子の煮浸し
ビーツのマリネ
納豆
すだち日本酒サワー

パンケーキと梅ジャム

Journal 15.9,2021

昨日は千葉の大原で撮影。特急列車で東京駅から1時間。途中、10年付き合った彼が住んでいた駅を通過したけど、まるで見知らぬ駅だった。今日は映像の大場さんも一緒。途中移動の車の中で、色々とお喋りをする。いつしか勝手にお兄ちゃんの様に慕ってる大場さん。今作ってる写真集の話を熱く話してる。前の私ならきっと胸がジリジリしたと思う。「私は今逃げてるから出来ないんですよ。」ぽろっと口から出た自分の言葉に驚いた。私の言葉に「僕は作品から逃げないんです。」って大場さんが言った。それは別に嫌味でも何でも無くって、大場さんは逃げない人だから。

夏に初めたカウンセリングを受けてから、ぎゅっと掴んで離さなかった手を離せる様になった。私が病に転落したきっかけが元夫だったとしても、彼の為にと私を全力で消耗させてきた事に全く気付けなかったのは私な訳で、もう二度とそんなことはしちゃいけないと思ってる。だから、今も作品から逃げ続けてる。同じページを開いたまま季節も変わった。気合いで乗り越えたらいい。負けたくない。やってやる。口癖の様に使ってきた掛け声を全て捨てた。それに、負けたくないっていう作品になるのも嫌だ。「これが出版したら、私は訴えられるかもしれないよ。」編集の山若くんに半分冗談、半分本気で言った言葉を撤回したい。結婚生活を作品にするって云うのはそういう事じゃない。決して男への復讐となる様なものにしたくない。だから、私は私を置いてけぼりにしちゃいけないって。苦しみを口に含んだまま吠えたら、熱くて痛々しいものが出てきちゃう。落ち着いて、私の声で話したい。

帰りの車で編集長の稲田さんと色々とお喋りした。稲田さんが出身の関西の話から、関西弁の話になった。他県から東京へ来て、大概の人は方言と標準語を使い分けるのに、関西弁を敢えて使う選択をする人の自己主張の強さと言葉の持つ強さへの策略を感じるよねって、だから、僕は標準語使いますって。何とも鋭い視点だなと思う話だった。私は80%策略にハマったタイプの人間だったから関西弁にもっていかれながら、その策略に薄々気づいていた20%の自分が歓喜した。そこからテレビでやってたドーパミンの話になって、その番組があまりに面白くて写メを撮ったんだとアイフォンで写真を見せてくれる。スワイプしてテレビ画面を大きくして見せてくれたけど、部屋にテレビがある風景の写真が見たいって思った。遠目に見えたその写真は、何だかすごく良かった。

生活の節々、当たり前の至るところにその人が写るのも写真な気がしてる。写真の中身をじっくり観察したいわけじゃなくて、そこに目を向ける眼差しにその人の愛らしさの匂いみたいなものを感じる。だから、いい。写真の見方は十人十色であると思うけれど、やっぱりいい匂いのする写真が好きだなって。

今日もすごく楽しかった。お昼に食べたイワシフライもすごく美味しかった。

パンケーキと梅ジャム [チベットで体調を崩したときに永遠に食べていた食事]
小麦粉
豆乳

パルメザンチーズ
リンゴ
梅ジャム

すだち饂飩

Journal 13.9,2021

昨日のすだち蕎麦のリベンジで、今日はすだち饂飩。やっぱり蕎麦の方が美味しい。次は蕎麦にしよう。昨晩の食卓でシミルさんと藤原さんに来週の撮影の心配事を少しこぼしたら、何が不安だったのかが少しわかった。私の不安、モヤモヤを閉まっておかないで、オセロの黒を白に変えていくみたいに、どんどん明るみに出していったらいいんだ。

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『わたしを選んでくれる人』9月12日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

私からも連絡を入れてないけど、編集の山若くんからも連絡は来ない。このマッチングいつまでやるんだろうか。段々、プライベート使用化して来てる。あわよくばいい人じゃなくって、いい人いないかなぁという感じで探し始めた。せっかくだから面白い人なんて気持ちは皆無。山若くんゴメンね。

今日は29歳の広告営業の陽平くんとお茶をして、テラス席でビールを飲んだ。29歳というのは大変不覚だった。年齢を見ずにマッチしてしまった。今日は断りたいなぁ。何度も何度も今日が来るまで考えてたけどついに後1時間という時間になり急いで支度をして下北沢へ向かった。駅にいたその男の子はどう見ても青年。「あーやっちまった。つき合わせちゃってゴメンねぇ。」と、心の中で呟く。一番盛り上がった話が脳神経の話。私の大好きな話がヒットしてフィットしてくれる人に会えるなんて!周りの友達に話しても、「へぇ〜。」「すごいねぇ。」カラカラの空気みたいな言葉が放出され、いつもならば一人寂しんぼ気分になる私と、脳のホルモンとか脳を刺激する薬の成分の話で大いに盛り上がった。11歳も歳が離れているのに思考回路が無茶苦茶似てる。こんな事ってあるもんだなぁ。大阪出身との事で、私が大阪の事に詳しいから驚いてた。だけど、元夫の事は言わなかった。地獄話しか出てこないから。何だか勝手に不憫に想い、心にさっとしまった。

私からしたら声変わりしたばかりの中学生に見えるけれど、彼には私はどう映ってるんだろう。「よしみさん、会った方がずっといいよ。年下からも年上からもモテそう。」上手なタメ口だなぁと感心した。私も見習って上手にタメ口で回答する練習をこっそりしてみる。帰りがけに不意に入った古着屋で陽介くんがネルシャツを羽織った。「それ、凄く似合うねぇ。」と、私。上出来。

先月あたりからまた何周か一掃して、新たなメンツとメッセージをノンビリやりとりしてる。一人、虫と自転車が大好きな私の大好物みたいな子がいる。美大出身の観光業で働いているタクマさん。彼の妹が今年の冬に双子を産むのだそう。うちの兄と姉は双子。私はジムニーの白が欲しい。理由は子供の頃に母がジムニーの赤に乗ってたから。自転車が大好きな彼は赤い自転車に乗ってる。みたいに、キャッチボールがポンポンと話題を飛ばしていく。一ヶ月徳島にある実家で生活をしながらリモートで仕事をしているのだそう。先週は青々とした美しい畑の写真を、一昨日は指の上にいるアゲハ蝶の幼虫を、今日は畑で採れたというお芋と、焼き芋と、カエルの赤ちゃんの写真が送られてきた。楽しさが写真から溢れてた。

夕飯

夕飯 11.9,2021

今日は藤原さんをADのシミルさんに紹介したくて、うちでご飯しようとなった。藤原さんが高井戸の商店街にある魚屋さんでお刺身を沢山買ってきてくれて、シミルさんはビールと最近近所に出来たパフェ屋のゼリーを買ってきてくれた。

今夜は、刺身とフミエさんに一昨日に戴いた搾りたての醤油、富山の郷土料理の臭木の煮物、万願寺とうがらしとオクラの梅味噌焼き、発酵白菜の餃子、スナップエンドウのナンプラーがけ、切り干し大根ときくらげの中華風。食後に富山と千葉の梨と葡萄に、シメにすだち蕎麦。それから最後にゼリーと麦茶。とにかく食べた。お腹がパンパン。

途中で仕事が早く終わったと、シミルさんの奥さんのタマちゃんがお酒を持って来てくれた。シミルさんはビールを一気に二缶飲んだ所でソファーでイビキをかいて寝てちゃってた。横にはテコがぴったりとくっついてる。気持ちよさそうだから放って置いたけど、タマちゃんに怒られて、のそのそと起きてくるシミルさん。

平和な時間。明るくて温かい感じ。
「いつ引っ越したんだっけ?」そんな話から1年前の池尻の家の話になって一気に胸がざわざわし始める。トラウマってすごいな。まるで瞬間移動したみたい。あの場所に立ってあの場所で感じた、叩いても喚いても誰にも聞こえない様な真っ暗な底みたいな場所で締め付けられる全身の感覚をみるみると思い出していく。ぎりぎりと全身が固く冷たくどうにも出来ないあの感じ。あの男を想うと、家族なのに怖くて堪らなくなる、私でも私の気持ちがわからなくなった日々の事。

だけど、今は違うよ。トラウマが私をまた襲おうとした瞬間に、私自身がさっと払い除けた気がした。目の前には友人達が食卓の光の中で笑ってる。テコはテーブルの下で友人達の足の間で嬉しそうに尻尾を降ってる。もうここにはあの日々は一つだって無い。全然、大丈夫。

この街が本当に好きだし、近所の友人も大好きだ。ここに引っ越して来て10ヶ月が経つけど、あの思い出以外は一度だって怖い思いをした事は無い。嫌なことも不満も何も無い。ただ、穏やかで安心な生活が全身を包んでる。怖くて胸がバクバクする事も足が震える事も無い。また騙されたんだって諦める夜も、男の酒気が充満した朝陽を浴びることも一度も無い。夫の中からエイリアンの様な別のおぞましい何かが出てくるのを傍観することも本当に何も無い。可笑しいくらいに無い。

先輩から朗報が入った。あれだけ恋はしばらくっいいやて言ってたけど、今日のデートが楽しかったって。来週の撮影が楽しみですねってショータさんからのメールも入ってた。うん、本当に楽しみ。可笑しいくらいに、ここは温かい。哀しい話だけど、人生で一番に愛した夫が消えて、私は幸せになった。

今日のお刺身、最高だったな。