カテゴリー: Journal

ポークカレーと糠の古漬け

Journal 10.4,2021

一昨日に青山での取材が終わったのがお昼すぎ。「カレー食べない?」一緒にいたミオちゃんに聞いたら、蔦という喫茶店に連れて行ってくれた。店に入るとマスターとミオちゃんが楽しそうに話してる。お父さんが昔からの常連で、ミオちゃんは物心ついた時からお父さんにおねだりする時とか、お父さんとお喋りする時はここに来たんだそう。フードメニューは三つ。クロックムッシュかトーストかカレー。私達はカレーセットを頼んだ。蔦は全部が美味しかった。カレーも店の雰囲気もすべて。寝起きのベッドの中でぼんやりカレーの事を考える。冷蔵庫に玉ねぎと肉があったな、ポークカレーを作ろう。紅茶を淹れて、キッチンで玉ねぎを炒め始めた。

荒く切った林檎を水と一緒にミキサーにかける。飴色玉ねぎに、ニンニクと生姜を加えて炒める。そこにトマト缶を入れて水分を飛ばしねっとりペースト状になるまでゆっくりと炒め、同時に隣のフライパンで肉をやき、余った油でクミンの香りだしをする。トマトの方にカレー粉を入れてなじませて、林檎、肉とクミン、カレールーをひとかけら、コンソメ一個を入れて弱火で煮込む。仕上げにソースと蜂蜜で味を調整して出来上がり。最近は、糠の古漬けをおしんこに添えるのが気に入ってる。すっぱくっていい感じとなるから。

夕方、兄のとこの長男カイトが授業が終わる頃に大学で待ち合わせ。私は入学式のプリントを渡して、カイトからは兄が漬けたラッキョウとカボス胡椒を受け取った。学校どんな感じ?友達できた?とか、たわいもない話をしてバイバイ。中村さんに友達の事を伝えたかったから、歩いて5分の所にあるスノーショベリングへと向かった。

ドアを開けると、中村さん。あれ、痩せてる。話を聞けば、毎年恒例のラマダンをやってるんだそう。確かそうだ、この時期になるとやってたな。気分はむちゃくちゃいい感じだって。そんなご機嫌な中村さんに、友達が亡くなった事を伝えた。みるみると目に涙が溢れていく。哀しい顔をして私の話を静かに聞いてた。コロナだったし2年くらい彼女には会ってないかもって。そこから、彼女の話をした。こういう時間が大事な気がして、特に隠す事もなく彼女に想う事を互いに自由に話した。後は死ぬって事についても。中村さんは友達を何人か亡くした経験があるのだそう。話は何だか尽きなくて、ソファーにどっぷりと腰掛けてまた話し始めた。

死ぬ話から、生きる話になって、どう生きたいとか、どう思ってるかとか、最近の気に食わない社会の事やお金って何とか、話題は一連の流れだけど破茶滅茶で、そのまま携帯の話になった。私は携帯の無意味なメッセージのやり取りほど世の中で飽き飽きしてるものは無いと思ってしまって、最近は極力離れる事にしたと話すと、中村さんはとっくにヤメてるって。それに、LINEのアイコンは人から言語力を失わせてるから危ないと思うなぁって言ってた。私もアイコンの存在について変なやつだなぁって思ってたからちょっと嬉しかった。気づいたら20時過ぎ。ちょっと寄ったつもりがあっという間に夜。何時間、お喋りしてたんだろう。何だか頭を掻き混ぜたみたいな時間だったな。楽しかった。あーお腹すいた。帰ろう。

味噌鍋

Journal 06.4,2021

友達が亡くなった。午後、プリントしてて、不意に最近元気かなって思い出した矢先だった。電話を切ったら、涙がどんどんと溢れて、床に転がって泣いた。このままだと哀しみに喰われちゃいそう、外に出よう。涙を拭って家を飛び出したら、雨が上がったばかりのコンクリートがひんやりしてる。通りを歩いても、歩いても、まるで地に足がついていないみたい。

いつしか彼女と疎遠になっちゃって、その理由も本当にくだらない理由だった。どうしてあの時、私は怒ったんだろう。私が怒らなかったら、彼女が辛い時に私は少しでも支えになれたかもしれなかったのに。私の最低な離婚の話なんかを聞いたら、少しだけ楽になって、時には笑ってくれたかもしれない。どうかお願いだから、失った時間は戻らなくてもいいから、少しでも助けになりたかった。なりたい。

すごくいい子だったのに。いい子過ぎると人に騙されちゃうよって、そんなにいい子にならないで怒っていいんだよって、お母さんみたいに口を酸っぱくして伝えてた。やっぱり、おかしいよ。悪い事をする人は今を飄々と生きてるのに、彼女みたいな人がどうしたら苦しんで死ななきゃいけないんだろう。世界にとっていい子は必要な筈だよ。

帰宅してもずっと慌ててる。3年前にニコちゃんが死んだ時みたい。何をしていいのかわからないし、何もする気になれないけど、何かしなきゃいけないと思って身体がじっと出来ない。とにかく夕飯を作ろう。キッチンに立ったけどわからない。前にたまちゃんに貰った、とり野菜味噌っていう鍋の素を見つける。富山の実家ではよく食べるのだそう。冷蔵庫の野菜と冷凍庫の肉や魚を、とにかく切って鍋に放り込んで、鍋の素を入れてグツグツと煮る。何となくニンニクも沢山放り込んだ。さっきからずっと胃がキュッとする。食べよう。哀しい日はとにかく食べよう。私はどんなに辛くても食べれる女だから。

ビールをあけて、何杯もお代わりした。

フリージア

Journal 03.4,2021

誰かを好きになりたいなって思う。
理由の一つは忘れたいから、理由の一つはわからない。今日は早くに起きて納品を終わらせる。それから幾つかやらなきゃいけない事を片付けてお風呂に入った。午後は人に会う約束をしてる。化粧も髪も下着も服も、誰かの為にはやってない。全部自分の為。会いたい人がいる。だけどもう二度と会えない。身支度をして家を出る。

どうしてどうしたら、どうして今にいるんだろうって思う。同じような事を12才くらいの時に考えた事があったな。どうしてを何十回、何百回とやったけど、ずっと今だった。きっとあの時は恋をしてたんだろうなって。初恋かな。隣のクラスの開成中学校に行くって言ってた斎藤くんが好きだった。私も同じ、皆んなと違う中学校に行く事になってた。好きなのに、すごく好きだけど、好きな友達とも好きな場所も全てが変わってしまう。新しい場所への期待や希望もあるけど、今あることがあっという間に消える瞬間がくる。あの時に、捨てることを捨てられることを覚えたのかな。

結婚なんてしない方がずっとずっと幸せだったな。
心は安心した様に錯覚するだけで、周りに世界に認められた様な気持ちに勘違いするだけで、結婚した方が不幸せだった。結婚の奴隷みたいになって、結婚しない不安定なままの私たちの方がずっといつもがお互いに一生懸命で楽しかったな。

夜に帰って、少し酔っ払ってる。こないだイマムが買ってきてくれたビールを飲みながら、私にへばりつく梃子を抱いて天井をずっと見た。数メートル先のそこにあるのに、空みたいに天井を長い時間見たと思う。どうして失くなったんだろう。

ホルモン丼

Journal 25.3,2021

今日も何だか料理気分じゃ無い。昼は簡単に焼きそばを作って、夜は買ってきた食材で常備菜ように、キノコのオイル煮、ブロッコリーのボイル、甘酒を作って、夕飯は大蒜の芽とホルモンの丼を作る事にした。完全にPMS突入。だけど、先月に比べたら天と地の差くらい楽。べったりと床に張り付いた感じはあるけど、全然。こんな事になる前と同じくらいか、それよりちょっと辛いくらい。チョコレートを食べながらカフェインレスの紅茶にお湯を足して何杯も飲んだ。不思議な物で生理の時に限って刺激的な物を欲する様に思う。お酒とか甘いお菓子とか、コーヒーとか。1日が長い。きっと辛いからだろう。

ジェーンスーさんのラジオで、リスナーの悩みに対して、女の生き方がNetflixやアマゾンプライムで勉強出来るからって言ってたの思い出して、Netflixでドラマを見る事にした。刺激的な描写がとにかく辛い。前は全くそんな事を感じなかったのは、きっとこれは絶対に現実に起こらないと思って見てたからだろうって。エンターテーメントとしてはもう見れない。私の全身がうづく。殴った人は殴った手がどうして自分を突き破ったのかを覚えている様に、殴られた人は殴られた皮膚が心を破裂する感覚を覚えてる。暴力だけじゃない。人を騙したり、脅かしたり、意地悪をした感覚も同じ、した方もされた方もしっかりと全身が覚えてる。映画や本は生きる糧になる素晴らしいものだと思うけど、ちょっと刺激的なストーリーは私にはあまり要らない気がする。元気になる為に見たのに何だか重たくなった。

あーあ、写真をやらなかったら、あの生活を続けていれたのに。夫の病気の症状がいい時と悪い時を、天国と地獄みたいに行ったり来たりしながら、いつもの既婚者の友人が周りにいて、夫の悪口をセリフの様にリピートする生活の中にいれた。同じ様な悩みの中で励まし合う。結婚とそれを支える環境はハッピーセット。中身なんて関係ない。貧乏でも夢が叶わなくても、もう私はいい歳だからって、これが嫁としての幸せなんだって信じてあの場所にいれた。どうして、今、ここにいるんだろう。PMSなのはわかってる。どんどんネガティブになるだけ。こういう気持ちは心の声でも何でもない、バランスが崩れてる心身が怖くて過去に退行する時になる不安そのもの。もう今日を終わりにした方がいい。PCを閉じて寝よう。

ホルモン丼
シマチョウなどホルモンミックス
ニンニクの芽
雑穀米

キャベツと豚肉の水餃子と黒酢のスープ

Journal 20.3,2021

” 離婚して良かった。”
蔦屋まで歩いている時だった。

前の家から近くてよく通ってた代官山蔦屋。あれから怖くて行けなかった。ゆっくりと本が読めて、料理本が洋書も含めてとにかく沢山ある。都内でいい本屋さんはきっと沢山あるけど、これだけ私が読みたい本が揃っていて、座って読めるのはここだけ。行きたかったけど行けない。もしかしたら、もう一生行けないかも。あんなに気に入ってたのに。池尻大橋や中目黒が正直怖い。風がぴりっとしていて、背中がぞわぞわしてしまう。トラウマが離れるまで、あと何年かかるんだろう。そう思ってた。大坂上のバス停を降りて、歩き始めて5分も経たなかったと思う。よく歩いていた通りを同じ様に蔦屋へ向かって歩く。

コロナで仕事が前より減って、体調を崩して仕事を少しお休みして、写真ってものから少し離れたのが良かった。1年ぶりにじっくりゆっくりと自分の撮って来た写真を見る時間が出来て、人にゆっくりと見てもらう時間を貰って、私の撮った写真が見えてくる。どうしてこうやって撮ったのか、どうしてこの時にここでヤメちゃったのか、何でこの色にしたのか。自分の事なのに他人事のように気づいた何かに驚いた。あの場所にいたら見えなかった。とにかく撮りまくる時間しか無かったし、自分の撮ったものと向き合う時間なんて全く用意されてない毎日。ダメな夫だから私がやらなきゃって。妻である事に必死だった。写真の時間を犠牲にしてる事もどこかで気づいてたかな。家族ってそういうもんじゃ無いのに。一緒に食事をして、一緒に暮らして、家族である事を楽しむのが、私は家族だと思う。頑張るものでも必死に支え合うものでも無くって、今を一緒に楽しむ為の団体。腹もたつし考え方も性格も違うから喧嘩もするけど、とにかく一緒にいて楽しい。コロナが終わったら、私の育った家族みーんなでご飯する日を想像するだけでにやけてくる。その日は絶対に腹が割れるのはもう決定。そうゆう団体活動に愛を感じてる、家族だなって。

夫が酒に溺れるのと同じ。私は妻である事に溺れてた。一緒にいたい、夫を愛してる。それが答えだと信じて気付こうとしなかったな。嗚呼おぞましい。あの時の私に言ってやりたい。「残念だけど、欲望に負けてるよ。とにかくまぁ耐えてるし、その根性だけはものすごいと思うけど、自分の人生から逃げちゃってる。目の前から手を離して、いっぺん背後の暗闇に下落して下落して、底に着いたら頭をかち割っておいで。」ってね。だけど、結局のところ、底に着いてグシャっと全ては飛び散ったかな。右手にカメラ、左手に梃子。私がぎゅっと抱えていたのは2つだけ。家も仕事も友達も家族もあの世界にあったものは飛び散って消えた。

兄のように慕ってる雑誌の編集長をやってる栗さんに一度目に大暴れした時と、その一年後にまた始まった事を相談をした。その時に、「よーよは、せっかく起動に乗って来てるのに、いい写真が撮れなくなるよ。」って。何だか今その意味がしっかりとわかる。どんな事があっても根性で乗り越えられるって思ってたけど、違う。あの場所にいたら、夫といれたけど、私はどんどん写真が見えなくなってた。見えなくなればなる程に見失っていく自分。自分でいる以上、自分を失くしたら苦しくなるのは当たり前。何だかな、こう来たかーって。大どんでん返し。私は写真が好き。それが全ての答えとなった。だけど、何だかようやく生きてるって感じがする。今日に不幸を選ぶのも、不満を言う口を止められなくなるのも自分。選んだ相手のせいじゃ無い。誰かに何かされたからでも無い。大雨みたいにある日突然に誰しもにやってくるようなもの。答えはそんな所には無くて、人生っていうのは想像を絶してる場所にちゃんとある。それに、落ちたら、とことん掘れっていう言葉があるけど、もうこれ以上は無理って思ってた場所よりずっとずっと今は深い所みたい。そして、何だか知らないこの場所が楽しい。よく自分でもわからないけど、そう気づいたら離婚して良かったって想いが空から降って来た。

すごく久しぶりの蔦屋。雑誌や本をじっくり読んで、懐かしい時間にどっぷり浸かった。トラウマは一向にやってこないし、すっかり忘れて読書にふける。最高だな。本って本当に素晴らしいよ。料理本も雑誌もどうしたらこんなに楽しい作りになってるんだろう。一気に気分が飛び抜けそう。何なのこの感じ。楽しくて仕方ない。本を作ってる人は偉い。どうかヤメないで、私のような人が路頭に迷うから一生続けて。不思議なもので、こういうウキウキって子供の時のまま、きちんと健在してる。ページを開く度にワクワクして、嬉しくて、楽しすぎてゆらゆらしてくる、もうゼリーに飛び込んでしまいそう!!久しぶりに竜宮城に戻った浦島太郎みたい。地上は狭くて息苦しくてバイオレンスでとてつもなく苦しかった。竜宮城、ただいま。写真、ありがとう。あなたのお陰。離婚して本当に本当に良かった。

よく嫌な人にも感謝するといいとか、ごちゃごちゃとした事を聞くけど、最低な事をした奴には感謝なんぞ出来ない。だけど、今が嬉しいとしたら、今日にありがとうかな。あと、代官山蔦屋と本を作ってる人に感謝。

キャベツと豚肉の水餃子と黒酢のスープ
[キャベツと豚肉の水餃子]
キャベツ みじん切り
豚ひき肉
生姜 みじん切り
餃子の皮
ごま油
塩・胡椒
[黒酢のスープ]
春菊 4当分くらいカット
えのき 2cmくらいにカット
黒酢 カップ1/2
鶏ガラスープ 大さじ1
片栗粉 大さじ1
水 カップ 3くらい

チキンカレー

Journal 14.3,2021

昼に成田さんとリリさんが家に来て、みんなでカレーを食べた。りりさんがお土産に変わった色のチューリップを買って来てくれて、成田さんはホワイトデーだからって、とらやの苺羊羹を買ってきてくれた。たいがい、恋の話をしてたように思う。二人は私よりずっとずっと若くて、これからきっと沢山恋愛をするんだろうなって想像したら、何だか嬉しくなった。私は大人になるまで、社会にあまり属さないで遊んでばかりいたし、仕事より恋愛の方が大事だと思ってたから、恋愛はそこそこ多い方な気がしてる。いつだって誰かが大好きだった。どうしても今すぐに会いたくって、夜中に会いに行ってしまったり、その人が気になって気になって仕方なくって何も手がつかないとか、四六時中、私の細胞の全てが大好きな人に犯される。結局のところ、あの経験が何に活かされているのか全くわからないけど、果てしなく酸っぱくてどうにも出来ない淡い感情は誰かを想ってるから見える。よくわからない場所に思い切りにダイブしてしまう勇気は、その衝動はイかれてるって思うけど、誰かを想う事は、恋愛をする事は楽しい。

昨日、どうして日本人はもう愛していないのに、不倫もしてるのに、離婚しない夫婦が多いの?って、台湾の子が口を揃えて言ってた。私は不倫もした事が無いし、夫を嫌いになって別れたわけじゃないから、その人達の心はわからないけど、何だか何でも、楽しみたいって思った。気持ちよく生きたい。きっと色々はどんどん失くなっていく、だけど、代わりに新しい物もどんどん入ってくる。

チキンカレー
アボガドとピクルスのサラダ
ブロッコリーと味噌マヨ
先週漬けた白菜キムチ

3月10日

Journal 10.3,2021

RiCEの撮影。楽しかった。
映像の大場さんも来て、ちょっと大人数の現場だったけど、そういうのも楽しい。帰ったのは21時前だった。

何だか、立て続けに仕事がキャンセルになったり、何だか上手くいかない事が続いた。こんだけ散々な目にあってようやく前向きになれた所に、私って本当になんだよー!って思ったけど、気にしない。気にしたって仕方ない。だけど、代わりにちょっと嬉しい事があった。撮影が終わると、色々な友達や知り合いから、たわいもないメールが沢山入ってた。たまたまだと思うけど、何だか嬉しい。

大場さんと撮影の合間に映像の話をした。「とにかく、写真もだけど、我流すぎて、映像の方に私が作ったもの見せたら、なんだこりゃーって言われちゃいそうです。本当に無茶苦茶で、楽しいけど技術的な事がわかりません。」笑いながら言うと、「技術とかは結構どうでも良くて、我流で形にしていった方がいいですよ!」大場さんが言った。何だか、納得。昔に飲食店を撮ってる友達がいて、湯気をフォトショップでつけるって聞いて、嫌だなぁって思った。写真は絵みたいなものだから、どうにだって嘘もつけるし、別に忠実に現実に近くなくてもいい。だけど、湯気が美味しいとは限らないし、作りたてがベストショットとも全然思わない。夕方に飲む冷たい味噌汁って美味しいし、鍋に残ってる冷たいカレーだって最高。ただ、時間が過ぎてだれてしまった野菜は不憫だし、伸びてスープを吸ってしまった麺も無愛想で申し訳ない気持ちになる。きっと映像も同じでいいのかも。我流で形にしていこう。下手くそだけど、下手くそが味になったらいいかもね。

青菜と柚子胡椒の焼きそば

Journal 09.3,2021

姉の鬱が酷い。
本人は気づいてない。自分はプチ鬱だと言ってたけど、完全に鬱状態だと思う。病院で鬱を診断されて、鬱の本を読んだり色々を知る事になって、鬱の人と接しても「鬱なんだ、可哀想だね。大変だね。」っていう風にはならなくなった。今まで持ってた印象とは全然変わった。寧ろ、身の回りに鬱症状だと思う人が沢山いる事に気づいた。だけど、私も含めてだけど鬱は風邪の様にいつしか自然に治る。人それぞれの症状だけど、定期的に鬱っぽくなる子を思い出してみると、例えるなら左利きみたいに、ただの身体の癖の様にも思う。それが何かの歪みで深い所まで行く事もきっとある。もしくは、私や姉の様に強烈なストレスが短期間でかかった時に起こる鬱。どちらにせよ、風邪と同じ。身体からのSOSみたいに、熱を出して身体を冷やそうとするみたいに、思考過ぎる身体を全力で止めてあげる。止まってしまうのは生きる為だと思う。毎日のその先、道端にそっと置いてあるみたいなのが鬱なんじゃないかな。誰でも人である限り、思考して感じる限りなる気がする。よく真面目で几帳面な人がなりやすいと言われる理由もわかる。思考する自分から寄り道出来ない人。回転をバラしてあげればきっと抜けられる。

だけど、姉はよく生きてると思う程に苦労をしてるし、頑張ったと思う。強いし、決して逃げたりしなかった。こんなに苦労しても腐らない人はまずいないと思う。ちっちゃいって言ったら失礼だけど、些細な悩みで腐ってる人なんて山ほどいるのに。だけど、別に人生、腐ったっていいとも思う。自由だから。選べるから。その代わり、私に愚痴らないでねって。愚痴は悪臭だから厭。いい香りのする人といたいから。

美味しい物を食べよう。美味しい物を食べてたら、美味しい香りがしてくる。育ちや教養、持ってる物が全てじゃない。だけど、自分を腐らせるような人は不味くなるに決まってる。

病気は恥ずかしい事では無いし、生きてるから病気になる。自然な事。それよりも、腐らない事の方がずっと大事に思うな。

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『わたしを選んでくれる人』3月8日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

土曜日に会う予定のKさんからメッセージがきた。時々しかメッセージのやりとりをしないKさん。やっぱり好印象だ。絵の展示に行って、とても面白い内容だったのでリンクを貼ってくれて是非という事だった。私は今夜は早々にベッドに入って読書をしています。みたいな返答をしたと思う。丁度、ミツミちゃんとアプリの事でLINEしてた。やっぱり写真は真だなって話とか、メッセージのやりとりがおかしな奴は会ってみたら、必ずヤバイとか。マッチング初心者としては、中々、学びとなる話を色々とご教授頂いた。それから、「そもそも、見ず知らずの人に何をメッセージしていいのかわからないんだけど?」って尋ねてみると、「会うまでの信頼感」と返答がきた。なるほど。確かに、人として関係性を上手に運べるかっていう事だ。納得した。それにしたって、写真やメッセージだけでその人のなりがそこそこ想像出来てしまうっていうのはスゴイ。身体っていう形や言葉っていうコミュニケーションツールがどれだけその人を表現してるのかがよくわかる。後は空気。空気をどう扱うか。気が合う人っていうのは一緒に同じ空気を感じれる。恋をしてきた人はいつもそうだったと思う。多分。だけど、だからって、それが何ってわけじゃない。恋は終わるものだから。空気が一緒でも違くても終わっちゃうからね。

3月7日

Journal 07.3,2021

朝から何だか胃炎。
天気もあんまりだし、しばらくベッドで過ごしてから仕事を始めた。昼は梅干しと昆布出汁に卵を落としたおかゆにしよう。作業を始める、何だか眠たい。梃子と一緒にベッドに潜った。1時間くらい寝たのかな。夢でどこかの部屋にいる。いつもなら、彼にまた酷い事をされたと怒ったり悲しんだりしてるのだけど、今日は私は彼とはもう別々だった。夢の中で私が一人になれたのは初めて。目が覚めて、なんだかすごく気分が良くて、横にいる梃子を抱きしめる。ようやく私は現実を理解し始めてる。夜もおかゆにした。

ベッドで開いたインスタで、美容家の神埼恵さんがインスタライブをやってた。バツイチで子供が3人。今は再婚してる。綺麗な人だな。これで45歳だなんて信じられない。ぼーっと見ながら、何だか思った。この世の中は苦しんでる人がきっと沢山いる。だけど乗り越えられるんだよな。この人がここにいるのは乗り越えたからで、そうやって綺麗になったんだろうなぁ。世界って面白い場所かもしれない。

神埼恵さんの雑誌のインタビューでいいなって思った話があった。読者からの悩み相談で、「悪い彼と別れることが出来ません。どうしたらいいですか?」っていう悩みに「この世には悪い男っていうのがいるけど、あなたの時間が無駄になるからさっさと退散しましょう!」みたいな回答だった。潔い回答に、ああ、この人は経験済みだなって思った。酸いも甘いも人生。綺麗な女は違う。姉から「やってみたけど、やっぱりマッチングアプリ気持ち悪くて無理!」とLINEが入ってた。そうだよ、気持ち悪いのは最初からわかってる。私だって毎回気持ち悪いと思ってアプリを立ち上げてる。だけど、どんな事でも初めては違和感の連続だし、直ぐにいい気分になんてなれなくて当たり前だと思う。マスクと同じ、直ぐに慣れるし、目的はマスクをつける事じゃない。そうわかったら、何とか気持ちとの折り合いもつく。いつだってここから逃げたいと思ってやるから怖くなるだけで、行きたいって思えば、きっと前に進める。

発酵白菜と塩豚の鍋

Journal 06.3,2021

サミットでビールを買って帰った。
冷蔵庫を開けるけど、なんだかな。とりあえずお風呂。昨日茹でたブロッコリーをマヨネーズにつけて、かじりながら冷蔵庫を眺める。先週に常温で漬けておいた発酵白菜。少し黄身がかかっていい色してる。一口食べてみると、最高に酸っぱい!今日は鍋だな。何日か塩漬けにしておいた塩豚が冷蔵庫の奥にある。一緒に発酵鍋にしよう。ビールを飲みながら、鉄鍋に塩豚を放置。一時間くらい煮込みながら、メールをする。2本目は酎ハイ。水が減ったところで、発酵白菜とその汁を鍋に入れる。あー勿体無いって思いながら入れた。本当はそのまま全部食べてしまいたい。今はちょっと酎ハイを飲みたいから、グツグツさせておく。もう少ししたら春雨を入れて、美味しい煮汁を吸わせよう。

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『わたしを選んでくれる人』3月6日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

来週にKさんっていう男性と本屋に行く約束をした。何か動き出さねばと思って、何となく誘ってみたら数日を置いて、行きましょうってなった。何だかとても好感が持てる。今日は私が勝手にやってるマッチングの方で、YSさんと表参道でお茶をした。朝、姉に今日はデートをしてみると電話で伝えると、姉は異常に楽しそうだった。「私もするから、そのアプリ教えて!楽しそうじゃん!」やっぱり姉妹だなって。何だかこの姉妹は阿保だけが取り柄らしい。どんなに傷ついても、どんなに酷い事があっても、振り子のように起き上がってしまう。散々色々な話をして、支度をするからと言って電話を切った。若い時は早くに死にたいと思ってたけど、最近は出来るだけ長く生きながらえたい。おばあちゃんになったら、姉と一緒に住みたいと思うし、友人でも一緒にいたいと思う子が何人かいる。お茶とか饅頭片手に、最高に楽しい時間が想像出来る。史上最悪に苦しかった事を笑いながら話すんだと決めてる。YSさんは写真通りの人だった。何だか我ながら、私は写真の仕事をしているのだなとご満悦だった。しばらく彼の顔を覗きながら、彼と誰かを比べる。もうこれはスタンダードな癖になるのだろうと、窓の外の空を何度も見た。まだまだ私は囚われてる。あの窓から地面に向かって飛び降りてしまいたい。全部忘れて誰かに会えたらいいのにな。

3月5日

Journal 05.3,2021

午後から市川で撮影。楽しかったな。
本当に写真があって良かった。写真は楽しい。それに写真の仕事で会う人も、仕事も。何だかとても穏やかになる。

姉から今朝LINEが入ってた。一昨日の夜中に離婚を後悔してる事を吐露した。「まだ彼の事、想ってるんだ。だけどリレーションシップがなかったよね。大事な事だよ。」姉からの返答。わかってる。私もそう思う。

今、まだ彼を想ってるのか、ただ今が苦しいから過去に戻りたくなるのか、正直どっちなのかわからない。企画で始めたマッチングでさえ、何だか後ろめたい気持ちになってしまう。もう誰とどうなろうが自由なのに。

姉は彼が結婚式直前に気分で会社を辞めてきた事を嫌がっていた。私は仕事なんて重要じゃないよって伝えたけど、姉が嫌がってたのはそういう事じゃない。今になってわかる。家族の約束を平気で破るのも、嘘をつくのも、夜中飲み歩くのも、定職につかないのもそう。他にも沢山沢山あった。地方ツアーだという旅行も赤にならなきゃいい方だと言ってた。飲み友達に貰ったお金で隠れて作った会社や店の事も。保健所に通さない飲食店をやってるのもそう。家出してからは、CEOと名乗ってると聞いたけど所得税だって払った事がない。どうやったらCEOなんて言えるんだろう。とにかく夫婦で一緒に幸せになる話をしたかった。何度お願いしたんだろう。PMSからすっぽり抜けた私は、姉の一言でスルスルとまた色々がわかってくる。リレーションシップか。どんなに信じても、どんなに希望を持っても、そんな物は結局意味を成さなかったって事。

記憶を勝手に書き換えようとする私がいる。良く無いな。この事はきちんと清書してでも取っておこう。こないだ春名さんも言ってくれた。「私は覚えてるよ。」あの言葉も心にとても響いた。真剣に話を聞いてくれた人達が、今、私にくれる言葉はいい。

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『わたしを選んでくれる人』3月5日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

企画で始めたマッチングアプリは相変わらずサボってる。無理してまでメッセージを送る事に、げんなりして、げんなりしてる自分がまた嫌になった。3週間前に友人が数人遊びに来た時に、話の流れで友人がマッチングアプリに登録し始めた。マッチングアプリって、ひと昔前までは出会い系って言って、何だか卑猥なイメージがあった。だけど、今は違うんだって。20、30代の子は、ここで誰かと出会うんだそう。友人が始めたのは結婚を前提に、わりと真剣な交際をしようっていうアプリらしく、見ていて楽しそうだったので私も登録する事にした。早速友人に写真を撮ってもらう。企画の方とは違って情報もきちんと載せた。結婚したいかどうかはさておき、たまにご飯でも食べれる様な異性の友達が出来たらいいなって。今は恋をする感じも思い出せないし、恋をしたいとも思えないし、誰かに触れられることも少し怖い気がする。登録して直ぐに沢山いいねが来た。友人にもいいねが沢山来てた。それから数日、メッセージをやりとりし始めた人が何人かいる。自分の事をきちんと書いたからなのかな、変な事を書いてくる人もあまりいない。YSさんって人に「よしみさんは優しいね。」と言われた。それは、不倫とか浮気とか、遊んでるとかそういうのは好きじゃ無いっていう事を伝えた時の返答だった。もう誰かが、自分の知らない人でも、誰かが悲しむ何かは見たく無いって内容を書いたと思う。だから、そうゆう事は好きじゃ無いって。私がトラウマだと思って苦しんできた事が何だか肌に定着してきた感じがする。苦しい世界を見て、私の殆どがそれに囚われてしまったけど、いつしかこうやって自分の血や肉となっていく。私は別に優しい人なんかじゃ無い。ただ、本当にそういう世界が見たく無いだけ。そういう人が嫌だと思うだけの事。きっと理由があるとか、仕方ないとか、そういうのは知らない。想像もしないし弁護もしないし寄り添いもしない。もう苦しい何かや悲しい世界が見たく無いだけ。死んでも見たく無い。明るい場所にいたいだけ。

塩豚とキャベツの黒酢煮

Journal 28.2,2021

“大丈夫、大丈夫。”
デスクの壁に書いて貼った。

苦しい事を持っていても、不幸でいなきゃいけない決まりなんて無い。昨年に沢山の友人が「大丈夫だよ。大丈夫。」って言ってくれた。だから、きっとこの言葉が今、出て来たんだと思う。この家に引っ越して3ヶ月。あっという間。だけど、とても長い年月の様にも感じる。テコはこの家にすっかり慣れてくれた。

本を読む時間が出来て、本を読める位に心が落ち着ける様になって、ベッドに、食卓に、リビングにと読みかけの本が重なってる。今日は欽ちゃんの “ダメなときほど運はたまる” を読み終えた。タイトルが気に入って読み始めたけど、想像とはちょっと違う内容で、だけど何だか変で可笑しくて、とてもいい本だった。家族の話は泣いちゃった。多分、泣くところじゃないけど、うちの家族を思い出したのかな、家族っていいよなって思って涙が出た。それに、最後が一番良かった。

嫌な事があっても弱音を吐かず、いつも人にやさしくしていれば、運は自然とたまっていくの。ってとこ。

運がどうかじゃなくって、生きるってそうゆう事だよなって。だけど、本の殆どは運の話。何だかね最高な本、おかしかった。明日から3月、今日はいい夢が見れるといいな。

食卓

Journal 27.2,2021

夕飯のあと、綺麗な食卓だった。姉がボランティアを始めた。3つ目の裁判が終って色々が片付いた頃に、アルコール依存症だったBFとも別れた。ぐったりしてる姉に曲を作ってとお願いしたら、早速ラインに送られてくる。綺麗な曲。やっぱりピアノが一番好きだな。私もいつまでも苦しんでるわけにはいかない。だけど、未だに苦しいし彼がした事は最低だったと許せない気持ちがべったりとくっついて離れない。急に手にしたお金や何かは、家族を捨ててまで欲しかったんだろうか。病気や酒、暴力だけが理由じゃない。

姉がボランティアを始めたきっかけは、苦しいからだった。それに、誰かの役に立ちたいって。直ぐにマルコの学校に相談へ行き始めた。

2月は何だか前に進めなかったな。過去に苦しんだって仕方ない。そんなことはわかってる。身体は完全に元気を取り戻した。療養をちゃんと取った分、しっかり運動不足。一昨日、写真をやめたら離れられるのかなって考えてた。全く違う仕事したら、料理写真からも離れたら、もっと忘れられる、もっと楽になれる。写真集だって正直辛い、記憶を掘り返す様な作業になる。何で写真を撮ってるのかな。どうして、当たり前の様に撮り続けようって思うんだろう。考えても大した理由は出てこない。ただ、好きなだけ。

私が撮りたいからやるんだけど、誰かの役に立つ様な写真が撮りたい。

Journal 24.2,2021

「確定申告終わったら、早い夕方から鍋しよう。」近所のみつみちゃんと鍋をする事にした。サミットの前で待ち合わせて、具材を買って鍋と簡単なつまみをつくる。

みつみちゃんの恋バナで盛り上がる。むちゃくちゃ楽しかったな。恋が実ったら、私に駅前のクレープをご馳走するっていう約束をした。何クレープにしようかな。バナナか苺かで迷うけど、春のうちならやっぱり苺かな。

寄せ鍋
ブロッコリーとバンバンジー
スナップエンドウのナンプラーマヨ
発酵野菜のおしんこ

晩酌

Journal 21.2,2021

横浜で仕事。ほんの数カット。1時間くらいで終わって、久しぶりに会ったハルさんとお茶をする。たぶん、2年ぶり。前に会ったのは清澄白河のTABF。

新しい名刺を渡して、離婚した事を伝えた。あの苗字が嫌になったから、苗字は捨てる事にしたって事も。今日から直ぐによしみさんって呼んでくれる、ハルさんは台湾人。日本は結婚する時に女性が名前を変えるのが普通。だけど、離婚すると女性は苦労する。その事について、変だよねって。台湾は夫婦別性。子供はどちらかの苗字を名乗る。

それに、自分は結婚するかどうか考えてないとも言ってた。長年付き合ってるパートナーがいる。だけど、大切な人と必ずしも結婚する事が自分にとってメリットだとは思わない。それよりも自立した関係でパートナーといたいし、台湾は2人に1人は離婚してる。結婚も離婚も特別な事だとは思わないって。

台湾人は家族や食卓を大事にするって聞いた事がある。家族が揃って食卓を囲む。私が一番好きな時間。気になってその事についても聞いてみた。だけど、離婚する事と、家族を大事にする事は違うよって。ハルさんの言う通りだな。それは全然違う。

昼頃までお喋りをして、一緒に東京に帰った。

日本の女性の生き方はやっぱり海外に比べて閉鎖的に思う。アメリカの姉と話しても、ヨーロッパの友人と話しても、日本はってなる。東京で沢山の女性に出会ったと思う。日本の中心都市だけど、日本はって言うのによく当てはまる。時代はどんどん変わっているけど、まるで逆光してるみたい。どうしてなんだろう。どうして皆が同じ方向を見て同じ方向へ行こうとするんだろう。本当にそこは明るいのかな。

苗字を捨てた時に自分が誰だかわかんなくなったあの感覚がまだ残ってる。私の育った家族は大好きだけど、明らかに今の私に旧姓はマッチしてない。完全に着せ替え人形みたいで、着せられた紙の服はずれてる。結婚でも無い、家族でも無い、じゃあ私は一体ってなるけど、今を幸せに感じてる。まだ過去を拭い切れはしないけれど、寝不足で真っ黒だった顔はすっかり晴れたし、スーパーに夫の世話にと走り回らないないでいいし、忙しすぎて苛々が爆発するのを抑える事もなくなった。それから強がらないで良くなって、私は妻だからって安堵を掴みながら背筋を伸ばすのもやめた。そう思うと、楽だし、幸せだし、独りになってすごく気持ちがいいと感じる。

それに、夫がいた方が寂しかった。夫が嘘をついて帰らない夜は飛び切り寂しかった。
結婚って一体なんなんだろう。何だか、やみくもに結婚っていいよって言ってきた自分が恥ずかしくなる。結婚は別にしなくてもいいやって思った。

2月17日

Journal 17.2,2021

たまちゃんが作ってくれた鍋を食べてる途中だった。一瞬で全身が硬直した。心臓が今にも破れそう。夫と関わる全てから離れた筈なのにどうして。

夫の友人に会ったんだそう。私を心配してるだの、なんだのって。そのまま、夫についての話は続いていたけど後はあまり覚えて無い。とにかく器の中の何かを口に運んで、運んで、「その人は嫌いな人だから。」と伝えた。

その友人は暴力の事はずっと知ってた。だけど、それ以上は何も考えたくない。

今までの人生で酷く傷つく事は沢山あっても、人を信じたく無いと思ったのは初めてだと思う。

平穏な毎日が一瞬でまた真っ黒に襲われる。二度と関わりたくないし名前を出すだけで吐きそう。あの世界には二度と関わりたく無い。

共依存の本をぽつりぽつりと読んでる。夫婦や親子関係における共依存は、日本の文化背景がある事。それは生きる為に必要だったから備わった感覚なんだと。

いつも夫の名前や、子供の話ばかりを続ける友人達の顔が数人思い浮かんだ。中には私に共依存を教えてくれた子もいる。母であり妻であるから耐える事が、家族の幸せになる。女性がそうしないと生きられない時代があって、そうゆう親を見て育った女の子達は自ら我慢とゆう選択を選ぶようになるのだそう。

「病気だから仕方ない。」「子供の為だから仕方ない。」「私は妻だから。」それが共依存の答え。その言葉の上澄みからは平和な音が聞こえる。

父親に殴られて育った男の子は、暴力を権力として、自己表現の一つとして、親から学んだ生き方を自分もやる。弱者を殴る。女や子供を。

彼もそうだった。お酒が入った深夜、強そうな人には悪態でさえつかなかったけど、タクシーを乗ると直ぐに運転手に激憤した。家につくまで私は通りに光る街灯を見ながらじっと黙った。翌朝に話せば、空のごめんねだけ。いつも。

私は自分の世界を捨てたんだ。
依存したくなかったから、捨てた。本を読んでわかった。それに共依存は生きる術だって事も。決して非難するような事じゃない。世界は、生のある全ての物は、明日を生きるために今がある。病気でもそうじゃなくても、それは問題じゃない。その人にとって生きやすい方を選んだって事。お酒を飲み続けて死んじゃったら、そう生きたかったから。可哀想なんじゃない。やめられないのも生きる為。そしてそれを支えるのが役目だと信じるのも生きる為。

よく誰かが、私は夫の世話を焼いてばかりいると言ったけど、本当はそうじゃない。私は、フェアになりたくて、自立して欲しくて、彼を放った。その度に彼は私に助けてとお願いしてきた。子供みたいに立ち上がる私の裾にしがみつく。何度も何度も、断った。誰も知らない事。どうして助けたの?と聞かれるけど、べったりと助けてきたわけじゃない。何百回と悩んで突き放した。

明日は朝が早いからと家路についたけど、帰り道は寒くて真っ暗だった。すごく厭な夜。お風呂に入って、髪を乾かしてる時に思い出す。「よーよは、幸せな家庭に育った人なのだから、幸せになって。」雑誌の編集長をやってる兄の親友、栗さんが言った言葉。うちの家族の事をよく知ってる。全てじゃないけど私が苦しんでた日々を知ってる。離婚する前はこの言葉に後ろめたさがあったけど、今は私に勇気をくれる。

朝になったらきっとこの暗闇は明ける。

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『わたしを選んでくれる人』2月17日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

すっかり嫌気が指してたマッチングアプリ。あれから、何だか不透明な自分を説明出来ない事にわかんなくなってた。自分の世界を捨てて誰かに会うって言われても、やっぱり今の私は違う世界にいる。正確に言うなら、写真と梃子だけ連れて新しい世界にやってきた。友達もそうだと思う。同じ友達もいるけど、離れた友達もいる。二度と通りたく無い道や、二度と会いたく無いと思う人もいる。だから、写真や梃子の話が出来ないと自己紹介がうまく出来ない。明るい話をするには、これからの話をするなら、そうゆう話がしたい。最近は和食の料理人と、何やってるかわからない会社員の人とメッセージを時々やりとりしてる。世界は簡単に変えられない。だけど変わる時もある。



昼食

Journal 14.2,2021

昼前に駅前でひとみちゃんとルイちゃんと待ち合わせをして、みんなで近所の神社に参拝。辺りが暗くなるまで、美容の話か恋の話とか、永遠にお喋りは続く。

何も考えずに、わっと友達と騒ぐ時間って大事だなって。楽しかったな。

昼食
カリフラワー、カブ、人参のぬか漬け
人参のドライの柿の和え物
ウドのフルーツ漬け
菜の花の醤油麹和え
豚キムチ
台湾風煮物
塩豚と大根
雑穀米


ひとみちゃんが持ってきてくれたワイン。
ルイちゃんが持ってきてくれたメルシーベイクのケーキをデザートに。

2月13日

Journal 13.2,2021

夕方、アカネちゃんに会いに家からバスで20分くらいの所にあるSISTER MARKETに行く。店ではやっちゃんと待ち合わせをしてる。数年振りのアカネちゃん。嬉しいな。バス停から小走りして店に向かった。久しぶりの買物。嬉しいからお金なんて気にしないで好きなものを買おう。別にいいや。楽しい時に買物するといいって聞いたし、嬉しい場所で買った物はその先もずっと嬉しい物になる。

店に併設してるカフェで三人でお茶をした。アカネちゃんの上の娘が未だ赤ちゃんで腕の中にいた時、上原のマンションの一室にあるお店で出会った。あれから13年だねって盛り上がる。13年前の私は、師匠に就いてアシスタントをしながらNHKでバイトみたいな事をしてて、自転車で家に帰る途中に時々遊びに行った。ちょっとだけ私の報告をすると、アカネちゃんが自分の話をしてくれた。初めて聞いた話。アカネちゃんの子供時代の苦しかった事。それから、ずっとその苦しみが大人になっても残ってたけど、ここ数年は本当に幸せだよっていう話。だからどんな事があろうとも、時間っていうのは解決してくれる。これは本当だからねって。

それに、私はよっちゃんの選択が良かったと思う。向き合うのは自分だから、それは彼にしか解決出来ない問題。今、一緒にいれなかったっていう事はお互いに違う場所に行ったっていう事だよ。

久しぶりに会ったのに、言葉がよく聞こえてくる。何でだろう、すごく嬉しい。

L.Aのブランドのピンクのパンツと、カーキのコーデュロイの帽子、NYのデザイナーの赤いビーズのブレスレットを買って、ブレスレットはそのまま着けて帰った。最近はinstaでラジオをやってるんだそう。私の番組はすっごいくだらないんだよーって笑ってた。

ありがとうね、アカネちゃん。

フレンチトースト

Journal 11.2,2021

昨日は久しぶりにメイムさんに髪を切ってもらった。半年ぶり。毎月のように美容院に行ってたのに、変な感じ。まるで髪の毛の存在を忘れてたみたい。朝目覚めて、ベッドの中で携帯を見る。L.Aの姉から庭で採ったグレープフルーツでジュースを作る動画が送られてきてた。Parisにいるまゆみちゃんからは、雪が降った街と鳥と散歩してる犬のお尻の動画。ベッドの中で、世界の今を見る。平和だな。

冷蔵庫に賞味期限が昨日までの卵が入ってる。朝ごはんはフレンチトーストにしよう。

今日は何も考えない。

フレンチトースト
6枚切の食パン
バター
テン菜糖
卵2個
蜂蜜

朝と昼の間のご飯

Journal 10.2,2021

午後から日本橋で仕事。何だか今日は穏やか。天気がいいからかな。終わったら、近所のたまちゃんも誘ってみんなでBASEMARKのAWの展示会に行こうって話してたけど、たまちゃんがお腹が痛くなって、ミオちゃんも仕事だったし、私も何となく図書館に予約してた本を取りに行こうって思ってやめた。

この街に帰ってくると、ほっとする。あたりは真っ暗だけど、踏切の途中に立ち止まったサラリーマンが今にも終わりそうな夕陽を携帯で写真を撮っていた。こんなにも毎日が平和なんて、ちょっと不気味なくらい。おかしい感覚だと思うけど、少し物足りない毎日に未だ慣れない。よくわからない何かを必死に解読しようとしてた毎日に、思い通りには全くいかない毎日に、途方の暮れる毎日に、何かを置いてきたみたい。夜なのに真っ暗なのに、深く深呼吸するみたいにべたっと身体が安心してこの街に落ちていく。

予約してた本は二冊。スティブンショアーの写真集と、臨床心理士の信田さよ子さんの共依存についての本。なんだか、なんでだかわからないけど、臨床心理士みたいな心理学に関する仕事か、写真の仕事か、17才の時に未来に希望を抱いた私は二つの選択肢で人生を考えた。心理学ならアメリカに行きたいとも考えてた。フロイトに憧れて左腕にフロイトの言葉を入れたのもその頃だったと思う。あれから何回恋をして、何回引っ越しをしたんだろう。時間がこんなに経ったのに同じような事を考えてる。

心理士の夢はさっさと捨てたけど、手にしている本を借りたのは8年も依存症の人と過ごせた自分が共依存だったんじゃないかって気になったから。誰もがしない選択を敢えてした自分に後悔しているし、もし病気への知識があったら彼を救えたんじゃ無いかと後悔してる。だから、苦しむ時間がここに未だあるのなら、もう少しだけ、どうしてなのか知ろうと思った。私はこの先、きっと一生、後悔し続ける。だから逃げたく無い。

雑穀米
ポークカレートパクチー
えのきとわけぎの味噌汁
納豆
蒟蒻の炒り煮

2月3日

Journal 03.2,2021
『わたしを選んでくれる人』2月3日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

一昨日の夜にシマさんっていう音楽関係の仕事をしてる人とメッセージを始めた。音楽の仕事をしてるって聞いて、嫌だな、怖いなって、三歩くらい後ずさりしたと思う。近所のドラッグストアでかかってる有線、男性が甘ったるい声でリズミカルに歌う声に吐き気がする。耳に蓋をして何も聞こえないふりをして急いで買い物するのも、なんだかもう嫌だった。

「最近、音楽を好きになりたいんですよ。」シマさんにメッセージした。

シマさんは本当に音楽が好きそう。長い間、音楽が好きで、音楽とずっと一緒に生きてる感じだった。ライブとか仕事とかアーティストの話とかを話してた。この企画で、私は私の世界を捨てて誰かと出会うっていう趣旨があったから、私は、私の話をしないように私の話をした。写真が好きとか写真を撮ってるとか、写真の話は一切しないで、家で仕事してて、晩酌が好きだって事を伝えた。シマさんと話を進めるうちに、段々と音楽が怖くなくなってくる。シマさんの世界は音楽。素敵な世界だった。

目玉焼き

Journal 01.2,2021

雪が溶けるように、少しずつ少しずつ何かが消えていく気がした。そして隠れてた何かが見えてくる気がしてる。出張続きで身体がずっと重かったけど、ようやく普通の毎日になってきた。やっぱり心と身体は繋がってる。身体が辛い時は心も一緒にダウンするみたい。人間って本当に単純。

料理家のみなくち先生のところで買ったフライパン。すごく可愛い。ガチャガチャとすぎて行く時間を失った毎日がなかなか慣れない反面、道具をじんわりと愛でるような時間が出来た事が嬉しい。

高知県の朝

Journal 24.1,2021

目を開いたらいつも、新しい。そうしよう。何だか、ホテルで目覚めた時にそう決めた。疲れたら目をつぶろう。そして開いたらまたスタート。

茄子とトマトとモッツアレラと鮭のスパゲッティ

Journal 23.1,2021

出張で数日間、家を空けてた。
久しぶりの我が家、明日からの出張で梃子はずっと千葉に預けてる。家の中がとにかく静か。いつもの私がやってる独り言は、独り言じゃなくって梃子と話してたんだって気づいた。独りで話すのが何だか寂しくなった。私の声が壁に跳ね返ってくるみたい。

旅に出ると、気持ちが私から離れるのに今回は離れてくれなかった。山口県はとても自然豊かで、沢山素敵な場所や人を訪ねた。同行したライターの船橋さんとも色々お喋りして楽しかったし、ご飯も美味しかったし、新しい何かに触れる度に心が弾んだ。だけど、私はいつになったら楽になれるのかな。ゴールの無いゴールに向かって、急ぐことも無く淡々と歩いているみたいって、山道を揺られて走る車の中で何度も何度も思った。

「もう本当にいや。」

最近、私の心の口癖になってる。頑張ろう、とはもう何だか思えない。頑張っても変わらないから。逃げてもいいから、辛くてもいいから、弱くてもいいからあの場所にいても良かったんじゃないか。前に進む意味がよくわからない。進む事は出来るし、どうして進まなきゃいけないのかもわかってる。離婚して180度、世界が変わった。本当に良かったんだろうか。生活も友達も私がやろうとしてる事も私自身も変わった。山若くんに頼まれてるマッチングアプリも相変わらず、プラスチックな気分で続けてる。どういうつもりでこの人は私に「ご飯作って欲しいです。」ってメールしてるんだろう。会った事も声を聞いた事も無い。気持ち悪い。返信するのをやめた。

ポストにパリに住むまゆみちゃんから手紙が届いてた。まゆみちゃんの字を初めて見た。こういう字を書くんだ。彼女の筆跡は私の知らない一面でちょっとびっくりした。いつもクールだし、このコロナの中でもフランスで一人堂々と生きてる女の子だ。だけど、今日はずっとずっと子供に見えて、可愛いって思った。

冒頭に、2020年12月31日の夜に書いてるって記してあった。カードにぎっしり詰まった言葉は、まるで私へのラブレターみたいに感じて何だかすごく嬉しい。初めて会った日の事が書いてある。うふふって私が笑うのが良かったんだそう。2021年はうふふって笑ってね、って。私は自分がガハハって笑うのかと思ってたけど、うふふって笑うんだ。彼女が見ている世界は優しい。どうか、私はその場所にいれますようにって思った。カードは土に埋めると植物が生えてくるとフランス語のイラスト付きで書いてあったけど、しばらく側に置いておこうと思う。大事にしたい。

もう何も失いたく無い。誰も、誰かも、知らない人でも、もう哀しい世界は見たくない。溜息みたいに出てくるこの世の果てみたいな気持ち。こんなのはよく無いから、これが出る度に違う言葉を吐き出そうかなって考えてる。全然関係の無い言葉。「hello」とか。「would you like something to drink?」とか。心が拍子抜けしちゃような全然違う何か。

今日はちょっとだけ泣いてから寝よう。明日は朝一で羽田空港。こないだは、ターミナル間違えちゃったから、明日は間違えないようにしよう。

京都風たまごサンド

Journal 20.1,2021

昨日、上原にある永井さんの事務所にお邪魔した。写真を見てもらったり、永井さんの新しいプロジェクトのお話しを聞いたり、たわいも無い事をお喋りしたり。

人って、それぞれだなって。当たり前なのだけど、何年経っても何度会っても変わらない。穏やかな人、静かな人、楽しそうにしている人、真面目な人、真っ直ぐな人、優しい言葉を使う人、強い言葉を使う人、不安そうにしてる人、直ぐに怒る人、いつも誰かの話ばかりする人、自慢する人。永井さんは夢を叶える人。遊ぶみたいに夢を叶える。

考えてみたら、そうだ。永井さんの周りで哀しんでる人を見たことが無い。誰か困ってる人がいたら「哀しんでないで、僕らと遊ぼうよ!」って仲間にいれてくれる感じ。そういえば、15年くらい前に永井さんと仲良しメンバー5人くらいで一緒に幕張に写真を撮りに行ったな。人と写真を撮りに行ったのは、あれが最初で最後だったと思う。楽しかったな。

永井さんの家には8年飼ってる猫がいて、こないだ写真が3000枚もある事に気づいたんだそう。絶対にペットロスになるって言ってた。写真って辛いよねって話をした。写真って記憶を忘れさせてくれない。いいんだけど、時々すごく辛い。写真をやってない人が羨ましくなる。

キャベツの餃子

Journal 20.1,2021

いつもは白菜の餃子だけど、明日から出張だし冷蔵庫に残ってるキャベツで餃子を作る事にした。それに、昨日はお酒を我慢したから、今日は麦酒を気持ちよく飲もうって決めてたので絶対に餃子一択。作りながら、和え物をつまんで麦酒。餃子を巻きながら麦酒。私の餃子はたねに、ごま油をたっぷり入れるので黒酢だけで食べる。

ひじきご飯と目玉焼き

Journal 18.1,2021

「マッチングアプリして!」
編集の山若君から相談を受けたのは、小豆島のレストランで。あれから数ヶ月、本当にマッチングアプリをする事になった。私は私じゃなくなって、誰かと出会う。そういう企画。

何だか抵抗あるなっていう気持ちと、どんな世界なんだろうっていう興味。だけど、いいよって返事したからにはやろう。勇気を出して登録。写真が苦手だから、私の顔写真が携帯の中には殆ど無い。昨年に伊勢神宮に行った時の写真を思い出した。友達とのライングループからダウンロードして登録。

「自分じゃない人になって欲しい。」そういうオーダーだったけど、そもそも、今の私は自分が誰なのかわからない。ついこないだまで、私は別の姓をなのって、死んだら入る墓は大阪だったのに、今はまた別の名前だ。マイナンバーカードは、次の更新まで新しくならないみたいで、大きく表示されてるのは今の私の名前じゃない。備考みたいな箇所に米粒より小さな文字で、今の名前が書いてある。きっとあと6年間、マイナンバーカードを出す度に、私の名前は違うんですって備考欄の本当の名前の事を説明しなきゃいけない。だけど、一体、本当の私ってなんなんだろう。

午後、山若君と駒沢のスノーショベリングに中村さんに会いに行った。「マッチングアプリで誰かになって、と言われても、今の私は空気みたいなもんだから、既にもう誰だかわかんない。」って、二人に言った。だけど、その意味が理解出来ないって言われた。そりゃそうだと思う。私だって今の自分がわからないんだもの。上手く説明出来ないよ。

「今の私を例えるなら、理科室の端っこにある人体模型。半分出てて、ヒリヒリするでしょ。不安でしょ。半分無いよね。」中村さんは、それいいねー!って喜んでたけど、結局、二人には理解されないまま話は終えた。

マッチングアプリでメッセージが来る人との私との会話もよくわからない。私は誰と対話してるんだろう。よくわからない見えないメッセージのやりとりを続けてる。