カテゴリー: Journal

8月1日

Journal 02.8,2021

午前はデスクワークをして、午後は友人の紹介で料理関係のデザイン会社の方に会って写真を見てもらった。夕方は三茶で藤原さんと打ち合わせとお喋り。ゆうや君も誘ったけど来なかった。「多分、あの人、武術行ってるんだろうね。」って、二人して笑った。

仕事の話をちょっと相談して、藤原さんの彼氏の話を聞いた。「彼とどれくらいなの?」「どこで出会ったの?」こないだ私も一緒に仕事をした阿部さんの紹介なんだそう。安倍さんの行きつけの珈琲屋さんの男の子。そんな話って現実にあるのか。何て素敵な話なんだろう。

「私、昔は突撃タイプだったんですけど、彼とは本当、少しずつだったんですよ。」

少しずつ?!どうやって手を繋ぐの?とか、どうやって男女の関係になるの?とか、何でもかんでも子供みたいに疑問を投げかけた。最近、頭の隅で考えてた不安や疑問。もう、恋は出来ないんじゃないかって。夜中に電車に飛び乗って会いに行くとか、戻ってこないメールに一喜一憂するとか、今日が明日が何であろうと好きが一番の恋愛至上主義だった過去の私は胸のトキメキを何よりも最優先にして生きてた。32歳で元夫と出会ったのが最後。あれから長い間、恋はお休みしてると思ってたけど、何だか本当にそうなのかなぁという気持ちもあった。だって、「今から会いに行きたい!」って深夜にメールがあっても、今の私なら断る。だって寝たいもの。それに、朝から晩まで電話やLINEが鳴っても、いちいち喜ばない。そっと通知オフにすると思う。

20代の後半で10年お付き合いした方との家を出てから、パッと恋をして別れてを何度か繰り返して、とても健やかな恋愛体験を謳歌した。長い恋愛も短いそれも、情熱的でとにかく翻弄されてしまうあの体験が私の中では恋の黄金時代かの様に勘違いしてるのは、新しい場所への不安な気もした。いつだって、新しい明日は怖い。中学校に上がる時のドキドキ感と不安感の不安な方だと思う。きっと。

だから、藤原さんの徐々に近づいていったという恋愛。私もちょっとやってみたくなった。確実に完全に、若い頃の私とは見てくれだけじゃなくって、中身もすっかりと変わった。だから、今の私に合った恋愛の仕方があってもおかしく無い。

ポテトフライ

Journal 30.7,2021

昨日、パリのマユミちゃんから手紙が来てた。ポストを開けると、真っ赤な封筒。あの瞬間が堪らない。嬉しくって部屋に帰るまでに何度も封筒を見る。ああ早く読みたい!

手紙には、パリでの生活が毎日が楽しい。この街の人が好きだって書いてあった。パリの人と日本の人は全然違う。よくそういう話を教えてくれる。私は日本が好きだからここに住んでるけれど、まゆみちゃんのお陰でパリの人がどんどん好きになっていく。会社の役員は男女平等にいるとか、道で転んだらあっという間に若い人もおじいちゃんも助けてに来てくれるとか。同じ時間を同じ人間が生きてるのに、世界っていう場所は本当に面白いなぁって思う。

私達文通の面白いことの一つに、書き言葉に限り、同じ名前で呼び合ってる。よくチャットでふざけるのだけど、それが気づけば名前になった。だから、いつも一人称で会話してるような感じ。「ちゃみへ。ちゃみ、元気?ちゃみより」こんな具合に同じ名前の人間がパリと東京で会話してる。離婚した時に思った事の一つに、名前が変わる事からのアイデンティティの崩壊があった。そして、この世に名前があることを呪った。みんな同じ名前でいいじゃん。みんな鈴木か木村でいいじゃん。何なら、下の名前すら要らない。もう誰なんだか検討つかない私に付けられた宙ぶらりんとなった名前。だからというか、一人称は一緒に包容されてるようで、そして相手への愛着がまるで自分の事のようにも聞こえて嬉しくなる。まるで家族になったみたいに。だから、そもそも何かを分断する名前なんて大して必要じゃ無い気がしてる。

今日はやたらと「私は今日は仕事で、」とか、「最近、ぼくは忙しくって」とか、「私は一人で頑張ってきたから、」とか、要件をさっと言えば良いのに、枕詞にアテンションを付けてくるメッセージが多かった。 “私って人は頑張ってるんだよ!”って、私に主張されてもなぁと、面倒な気分になる。私に言ったらお菓子の一つでも出てくると思っているのかな。

個性ってもう産まれちゃった時点で有ると思う。だから、敢えて自分はこうなの!って訴えて来なくても、みんな違うし、みんな頑張っているし、みんな大変だし、あなたも大変だろうけど、私も大変。いつも仕事の話を枕詞に付けてくる子に限って、ひつこく競争したく無いって言う。すごく自分を守りたいんだろうなって思う。

だからさ、やっぱりみんな同じ名前になればいいのに。そしたら、あの面倒な枕詞メッセージはこの世から消えるだろうし、彼らの不安も失くなるんじゃないかな。みんな同じって思えば、怒りも不安も最小限。それよりも、楽しい話をしようよ。

7月23日

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", Journal 23.7,2021

夕方、長野のカナちゃんからダンボール一杯の野菜が届いた。嬉しい。嬉しくて、ちょっと泣いた。嬉しい。昨日もだけど、何だか誰かの優しさに生かされてるって感じる。嬉しい、ありがとう。

早々にベッドに入ると、うとうとしてた。パッと目が覚める。完全に夢の中でフラッシュバッグした。心臓がバクバクして、あの日なのかいつなのか今日だけど時空の狭間みたいになる。携帯の着信が鳴った。どうしよう。慌てて、携帯を開いても着信履歴がない。もしかして。助けなきゃ。

慌てて姉に電話した。ヤバイ。お願いだから出て。頭がパニックになって携帯を上手に操作できない。次の行動にうつりたいのにアプリがどこにあるのか全くわからない。落ち着こう。キッチンに行って水を飲もう。

“グーグルで着信音鳴るけど、履歴がない。” を調べる。うん、携帯の誤作動だよね。次にフラッシュバッグと一瞬、パニックになったのは、昨日までの22日までの緊張感が理由だろう。怖いことは一つもない。全部、一人劇場だよ。姉から電話が鳴った。「どうした?」話をすると、笑ってた。大丈夫。何も怖い事はないよって。「それに、私もニコが死んだ時は誰も居ない家で誰かに大声で叫んでてさ、今思うと完全にありゃ病院行きだね。確実に。」二人でキャーキャー言って笑った。ただ、感情が哀しみや恐怖にコントロールされてるだけ。それだけだよねって。

私、いまだに自分が犠牲になってでも、あの男を助けようとする思考が残ってる。電話が鳴った瞬間「何とかしなきゃ。」と、咄嗟に思った。なんて事だろう。22日は昨日に終わった、一年前の22日も終わった。もう、大丈夫。心臓をバクバクさせる理由なんて、怖い事だって現実には一つも無い。

翌朝、姉からLINE. 英語で書いてあった。訳すと、来年の今日はもう昨日みたいな日は来ない。あなたに違う生活がある事を私はわかってるから。って。

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『わたしを選んでくれる人』7月23日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

ギターが好きな俊彦さんと等々力渓谷で朝一番の散歩をする約束をした。南口に9時集合。写真とは180度逆の、ワイルドではなく、真っ白のマショマロみたいな男の子だった。ボンボンだなぁと、しみじみ。

うちも負けず劣らず、箱入りの箱入りの、マトリョーシカくらい大事に育てられた。今となっては、その育て方どうかしてるよって思う。いい大人になるまで母は一切お金の話はしなかったし、愛と勇気を持ち女性らしく凛として生きなさいとだけ教えてくれた。けど、そのお陰で姉と私は、大層な世間知らずになった。そうして悪い男の言葉を本気で信じる馬鹿娘達は人生の中盤に大ゴケした。母の所為じゃ無いと、姉妹で口を揃えて言う様にしてるけど、あの育て方は、ねぇと愚痴る日もある。

ボンボン俊彦を見て思った。この子もマトリョーシカかもな。母からの愛情が溢れてる感じがした。渓谷を歩きながら、ボンボンが別れた彼女の愚痴をこぼし始めた。「半年で別れました。仕事が忙しくて一ヶ月も連絡しないって、人としてこの人ダメだなって。連絡ってどんなに忙しくたって出来る訳ですし、あり得ない女ですよ。」理由が本当に仕事なら、今も二人は愛し合ってるんじゃ無いかな。そこに愛が無くなっただけの話で、あなたが心から彼女を好きなら、今でも不服なら、話し合えば良かったのにって思った。それにしても等々力渓谷の素晴らしさたるや。東京とは思えない。なんて気持ちがいいんだろう。自由が丘に移動してカフェでお茶をしてから、カジュアルなイタリアンでランチをした。ボンボンが二軒目に行きたいと会計を始め、早々に店を出て鰻屋さんへ。忙しない男だなと思った。よしみさんは素敵だ。肌が綺麗だ。落ち着いてていい。腕が細い。どんな男がタイプ?僕の家でカレーを作って欲しい。一緒に動物園へ行きたい。彼の話はマショマロみたいに中身の無い話ばっかりで面白く無かった。ただ、渓谷もイタリアンも鰻も最高だった。

週末に会おうとメッセージを頂いてた方が何人かいたけど、やっぱり断った。気軽に返事をするのはやめよう。当たり前の話だけど、興味を持ってから会った方がいい。帰り道の電車の中でフォトグラファーの宮川さんから「ヤム邸、行きましょう!」と、LINEが入った。「めちゃくちゃ行きます!日曜日どうでしょうヤム?」と返答。「日曜日行けますヤム!」と宮川さん。「ヤム!」と私が返すと、「邸!」と宮川さん。この人、本当に賢いんだよなぁとつくづく。私のおふざけへのレスポンスが抜群だ。日曜日、下北沢の旧ヤム邸。楽しみだな。

朝食

Journal 18.7,2021

今日は何となく朝からお米の気分。炊きたての米に、糠漬けとメカブと酢煮卵に赤紫蘇の塩漬け。冷蔵庫に入ってる色々を並べる。昼は久しぶりの外食。

7月11日

Journal 11.7,2021

朝起きると、お酒も昨晩の余韻も残ってた。身体は二日酔いでグッタリと重いけれど、楽しい時間を思い出すと浮き立ってしまうような感じも半分。今日は写真家の広瀬さんと蓮井さんの展示を見に行く約束をしていた。明大前の駅前で待ち合わせ。昨年に広瀬さんは難病を患った。その時に私は心を患ってた。あの一年はお互いに連絡は全く取って無かったと思う。今の場所に引っ越して、身体も心もすっかりと元気になった頃に連絡を取り合う様になった。「元気そうじゃん。」「元気そうですね!」出会って直ぐに同じ様な言葉を掛け合ったと思う。

元気そうだけど、全然違う雰囲気だった。同じだけど違う。きっと私もそうなんじゃないかなって思った。とりあえず、お互いに帰還。生きてここにいる。

色々とお喋りして展示を見に行って、そこで蓮井さんも交えてお喋り。蓮井さんは彗星の如くイギリスから帰国し、若くして一線で活躍された写真家。海外で得た経験が良くも悪くも自分の人生を左右したみたいな話をしてた。私の師匠の様な静かな雰囲気を勝手に想像してたけど、全く違かった。後に広瀬さんに伝えた言葉で言えば、良質なイカれてる素敵な人。とても魅力的な人だった。動きはクラゲみたいでまたそれも魅力の一つに見えた。

それに、全く想像していなかった苦い何かのことも知った。もの凄く苦労したり、もの凄く悔しくて堪らない何か。

私も写真を始めてから、そこそこ嫌な経験はあった。バカにされたり、嫌な事を言われたり。だけど、帰って冷たい缶ビールを思いっきりに喉を流したらスッキリする程度のもの。元夫の病が強くなり始めた時に、人生で初めて身体の奥からふつふつと怒りが沸騰していくのを感じながら写真を撮った。もの凄い怒りだったと思う。こんな人生を生きている自分が悔しくて情けなくて死にたいと思う自分に怒りで爆発しそうだった。とにかくとにかく当てもなく色々な人に写真を見せて、息をつく間も無く働く事に専念した。家でじっとしてアレを怯える恐怖よりも進めない恐怖の方が怖かった。本当に死にたいと思ったから。

前の様な、昨年の鬱の様な、死にたいはもう無いけれど、私は安全で平和な生活を手にしたけども、今も寂しさは拭えない。どうして今の今だって寂しくなってなきゃいけないのかわからないし、悔しい。誰より信じてた家族に家族を目の前で紙を破るみたいにビリビリと、思い出も信頼も愛も長い間かけて丁寧に積み上げた色々を全てをビリビリと簡単に粉々にする男の様を私の記憶は手放してくれない。

今朝、展示に行く前に心のどこかで考えてた。私はもう写真は無理かもしれない。だけど、蓮井さんのいつかの悔しさを知ったら、ぱっと晴れた。もう終わった事なのに安全なのに、今でも疲れ切ってしまう日が当たり前の様にやって来て、悔しさや怒りもしっかりと込み上げてくる。捏ねたパンをずしりと重くて厄介な生地を全力で的中させてやりたい。

帰りがけに、「今度3人で飲みましょう」ってなった。今日は展示に行って本当に良かった。すごく素敵な人だった。もっともっと話がしてみたい。

トウモロコシご飯

Journal 11.7,2021

一昨日に編集のリリさんからメッセージが入った。話があるから会いたいとの事。先月あたりからお互いに日程が合わなくて会えなかった。内容はきっと彼の事だろう。

「トウモロコシをカレーっぽく炒めるのと、トウモロコシご飯どっちがいい?」
ビールはもう2本目くらいだったと思う、16時から飲み始めて、そろそろ夕方を過ぎようとしてる頃に聞いた。「私、トウモロコシご飯が大好きなんです!」にこにこと満面の笑みのリリさん。米を炊く準備をし、昼にカツオをたたきにして、冷やしていたものを薬味と一緒に皿に並べる。捌いておいたイカをワタとニンニク醤油と一緒に焼いて、冷蔵庫で冷やしておいたトムヤム風サラダを出して、昨日の豚汁を温めた。リリさんの声に耳を傾けながら、時々、相槌を打ちながら話しを聞く。料理はどんどん出来上がっていく。りりさんは、始めはさめざめと泣いていたけど、気づけば肩を揺らして思いきりに泣いていた。「いっぱい泣いて。泣いていいよ。」ティッシュの箱をテーブルに置いた。

リリさんはよく泣く。感情を表現するのがすごく上手。彼女は弱い自分が嫌だって悪く言うけど、私は彼女のそういう所が好き。今日も好きだなぁと思って見てた。人前で泣けるって気持ちがいいよ。

色々な恋や愛がある。その人に似合ったって言ったら変かもしれないけど、ある日に突然にそれは初めからわかってたみたいにやってくる。それは、辛かったり嬉しかったり苦しかったりの色々が一つの場所にぎゅっと混在しててどうしようも無い。相手の子は、私もそう思うけど、たぶん心の病を持ってる。愛や恋が病に絡んでいく。解けなくなる前に、絡もうとしてた何かを自分で上手に彼女は解いたんだって思った。上手な失恋だった。ずっと今もティッシュで溢れる涙を拭きながら泣き続けてる。

病とか外見とか仕事とか思想とか宗教とかファッションとかカルチャーとか、その人を成立させている何かというのは沢山あって、だけど恋に落ちる場所はその中のどこかじゃない。もっともっと深い場所にある何かな気がしてる。もしかしたら目を閉じて、隣に座っているだけでもそうなるのかもしれないとも思う。目で見えない物に全身が触発されてゆくから。私が最後に恋をしたのは9年前。一瞬で恋に落ちた。理由は一つもわからない。終わった理由もわかってるけどわからない。

泣き止んだリリさんと色々な話をした。結婚観とか犬の話とか、編集の成田さんの話とか。彼の恋愛について勝手に私達なりの意見を述べ始める。そして、どれだけ私達が彼の事を好きかっていう話で盛り上がった。二人でいると時々出る話題。私はこの話題が結構気に入ってる。今日はきっと校了でヒーヒー言ってるだろうから、応援メールを送ろうとなった。数十分後、成田さんから連投でメールが入ってる。内容はラブばかり。リリさんが電話をかけると、校了は木曜日に終えて、数ヶ月ぶりに羽を伸ばしてるとの事。今は電車の中だと言ってるけれど「ラブでしかない!」を連呼し続けてる。次に出る言葉は、「愛」その次は「ラブ」。そして「ラブでしかない!」相当に酔っ払ってる。楽しそう。本当にこの人もこの人も好きだ。

22時を過ぎてリリさんが帰った。お風呂に湯が沸くと同時にインターホンの画面がパッとついて成田さんが立っている。隣には笑顔のリリさん。二人の終電までお喋りは続く。朝が早かったから少し眠くなったのでソファーに移動して二人の話を聞いてた。なんていい夜なんだろう。ほんとに、ラブでしかないと思う。

7月3日

Journal 03.7,2021

昨晩、久しぶりに姉と電話。1週間ぶりくらいかな。お腹が抉られるかと思うくらい笑った。

「あのね、またスピリチュアルな話しちゃうけどさ、わかってるんだよ。ぜーんぶこれから上手くいくから。」
「出たー!斎藤一人と細木数子で、斎藤数子!!」

「こないださ、知り合いの方があなたに必要だからって急にビジネスカードをデザインしてきてくれて、ビックリしたよ。お金払うよって言ったら、あなたには頑張って欲しいから要らないって言うの。信じられる?だからさ、大丈夫。これから私たちどんどん良くなるから大丈夫。いつも言うけど、私には見えてるんだよ。」
「それ、斉藤数子な話じゃん!」


「ヨシミさ、昨年の今頃、彼の誕生日の時、大変だったよね。今を見てみなよ。」
「うん。昨年の今頃だね。春からの数ヶ月であっという間に彼は彼じゃなくなった。地獄だった。」

「病気だったね。」
「うん。病気。」
「うん。本当に病気だったよね。」
「病気。」

同じ言葉だけをお互いに何度か繰り返した。あの日々の出来事を、あの苦しみや恐怖を、病気って言葉以上にはもう話したく無かった。

自分で自分の身体をぎゅぅっと締め付けてゆく感じがする。何となく、また、あの戻ってこれない錯覚になる。後頭部が疼く。明日の朝、髪の毛がごそっと抜ける気がした。多分そうなる。恐怖じゃなくて、出来はじめのヘルペスが口の周りでピリピリと疼くみたいに確信のある前兆だった。

AM5:00、ぱっと目が覚めた。髪の毛は未だくっついてる。どうやら、私の神経は結構完璧に正常に戻ったみたい。あるのはやっぱりトラウマか。一昨日に撮った映像の編集を始める。楽しい。あっという間に昼になって外出する時間。あれだけ毛嫌いしてた映像。撮るの怖い、とすら思っていた映像。この半年で驚くほどに私にフィットした。自分の事って本当によくわからない。

夜は久しぶりに映画を見た。”そんな彼なら捨てちゃえば” 。作家の鈴木涼美さんがラジオで面白いと言ってたのを思い出して見ることにした。男と女、カップル、既婚者、様々な恋愛が交差する物語。あちこちの箱をひっくり返した様にコロコロと変わるシーンに、笑ったり泣いたりした。次々と幸せになっていく男女。何だか寂しくなる。私にはもうあの時間は来ないのかな。あんなに信じてたのに無くなっちゃうんだもんな。映画の中のカップル達への祝福と虚しい気持ちが混ざる。

それにしても英語がよく聞こえた。先月からまた英語の勉強を始めた。姉と英語で話す様にして、毎日、英語日記を添削して貰ってる。たった数週間の成果。すごい。全然、前に進んでないと感じてしまう日々に最近はもう私は亀でいいよと諦めてる。亀の一歩もステップ出来ない日はデスクの一番上の引き出しを開けて、テープで止めてある黄色の付箋を見る。ドラえもんなんて出てこないし、そういうのもう信じない。”ゆっくり、じっくり、確実に。” 半年前に書いたぺらっとした紙切れが何百回と私を救った。数週間でこんなに英語が聞こえるようになるなんて、自分が思っているよりもずっと私は進んでるのかもしれないな。

斎藤数子の言う通りかも。きっといい事がある。大丈夫。どんどんいい事がやってくる。きっと今は登山中。とにかく信じて登るしかきっと道はないんだ。抜けなかった髪をポニーテールに結わいて、登ろう。


6月30日

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", Journal 30.6,2021

朝からちょっとまた二日酔い。そして、何だかちょっとむしゃくしゃしてる。作品を終えてスッキリしていい筈なのに、急に寂しさがやってきた。何だろうこれ。すごく寂しくて虚しい。何もする気が起こらないし、色々が厭。特に昨日は少し駄目だった。何とか済ませる事だけ済ませて、ベッドで20時くらいから悶えた。本を読むのも億劫。辛うじて出来ることは携帯をオンにしたりオフしたり、その繰り返し。何かを見たいわけじゃ無いけど、ただそれだけをしてた。私の最悪はどんどんライトバージョンな最悪になってきてるし、今までの色々に比べたらこんなのヘッチャラなんだけど、どうにもこうにもペチャンコに潰れたタイヤみたいな感じ。

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『わたしを選んでくれる人』6月30日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

「海いつ行きますか?」NAOさんにLINEした。「就活を始めたので、来週以降でもいいですか?」おいおい、昨日のグイグイは何処へいった?昨日とは打って変わって何だかちょっと素っ気ない。まだ付き合ってもいない男に勝手に一人猛スピードで激しく期待を抱いてしまう私が一人ポツンとしている。

夕方にまたNAOさんからLINE。「やっぱり自分のやりたい事は店だなってわかりました!」???どういう事だろう。「コミュニティーセンターが作りたいんです!」よくよく聞くと、学大の通ってる幾つかのバーの様に、面白い大人が集まって、自分の好きなことを表現できて、地域に根ざしたコミュニティーの場を作りたい!と目をキラキラさせて私に宣言してる。あー。あー。ああ、そうか。非常に残念な思いで私はペッチャンコになった。「未来というものは、不安だけど見えないから未来であって、それは自分の想像を遥かに超えたものになるから安心して。」ちょっと前に将来が不安だと言うNAOさんに送ったLINE。ごめん。あの言葉を撤回するつもりは無いけど、ごめん。

私、あなたと同じ話をする男を100人くらい知ってる。その男達は、何もしないままにおっさんになって、今となっては別の太い理念のある場所に収まっている。男のロマンの一つなんだろう。店づくり。コミュニティーづくり。好きな人や好きな物だけを並べた場所。それを叶えたのが私の元夫で、叶えさせたのは妻である私。「この国は馬鹿なんだよ。だから俺は法律の抜け穴をすり抜けるんだ。」関西人の夫はドヤ顔でズルを重ねた。社会とコミュニケーションを取りたいと豪語する割に非社会的であり、意外と稼いだ小銭は全て自分の財布の中へちゃっかり閉まう。俺様のロマンだけの為に。支え続けた私の所には感謝でさえ返って来なかった。

「よしみさんどう思います?」色々と意見を聞いてきたり、紹介して欲しいとお願いしてくるNAOさん。おいおい就職斡旋所じゃ無いよ。やんわりした答えだけを返答して、携帯を閉じた。あなたの未来を否定したい訳じゃ無い。学大に素敵なバーが幾つかあるんだね。それもわかったよ。だけど、バーっていうのは大概にして地域に根ざしているし、そういう店は五万と世に存在しているもんだよ。変わった場所が作りたいって言うけど、どこもそれなりに個性がある。その中でも秀でた個性のある店にするには貴方が秀で無いと難しいんだよ。それが、店っていう場所なんだよ、それにそれはどんな仕事にだって当てはまると思う。「稼げなくてもいいんです!」なんて甘っちょろい夢は人様に迷惑をかけるだけだからお止し!なんて言わなかった。お金って言うのはただの単位みたいな物であって、実際にお金が回るっていうのは、人の想いや人の力が回るって事だと思ってる。私の人生経験においては。

ああ、悔しい。不覚にも27歳の男に恋に落ちかけた自分が悔しくて堪らない。ああ、もう嫌。NAOさんにとって私は良きアドバイザーだったんだろう。そりゃ親切だよね。だって年上のお姉さんだもんね。彼との未来を一瞬でも考えた私の想像力、怖い。怖すぎる。子供は1歳くらいに育ってた。

カーネーション

Journal 26.6,2021

午前に母から小荷物が届いた。段ボールの中には、胡瓜の苗と野菜やパンがぎっしりと詰まってる。それからクチナシの花が濡れたティッシュと一緒に丁寧に入れてあった。思わず溜息が出る。何ていい香り何だろう。テーブルの上には数日前に買ったカーネションがある。その直ぐ横に水を張った皿にクチナシを浮かべた。真っ白な花の先が所々痛んで茶色くなっていた。母は相変わらず私を心配してる。

朝から作品のプリント作業。進みは悪い。きっとPMSが始まってるから。仕事だとか、淡々とした作業なら問題なく出来るけれど、そうじゃない事が難しい。3年前の葬式の写真が出て来た。覚えてるけれど覚えてない写真に泣いた。姉が底なし沼を見るような顔でテーブルに腰掛けている写真。人の顔はあんな風になってしまうんだって。身体中の全ての血がどこかに居なくなってしまったみたい。とにかくそこにいるだけみたいな人が写ってた。

「来るなら、葬式も撮って。」姉から連絡が来てから、急いでL.A行きのチケットを二枚取って母と一緒に飛行機に飛び乗った。元夫には倒れたことも亡くなったことも話せてない。暴れて喚くだけでドラキュラみたいに朝陽と共にどこかに消える日々の中に、怖いよって、大切な人が死んでしまう事が怖くて堪らないよって、アレに言う場所なんてどこにもなかった。あの日の私は一体、どんな顔をしていたんだろう。姉を撮った私も、姉のようにそこに必死に立ってるだけだったんじゃないか。イかれていく夫の事はよく覚えてる。畳の上で首を絞められた事とか、仕事だと行って出かけたのに夕方には酷く泥酔してるとか、中目黒の通りで大声で喚き散らしたのもよく覚えてる。それまでは頭を叩いたり手を出す事が多かったけれど、顔の寸前でぐぅを止めるのはその頃から始まった。最初は怖かったけど、実際には殴らないから直ぐに慣れたと思う。急に始まった酒の所為で別人格になる夫を理解する暇もなく毎日が世界がバリバリと壊れていくのを必死に両手で押さえていた日々。L.Aでの葬式はその中にあった。

何だかな、PMSだからだろう。ここに寂しさがいる。だから色々が悲しくなったりしてるのかな。だけど、そのお陰で感じてる。古傷が疼くみたいに身体中で感じてる。あの日の事は忘れない。私に起きた現実も忘れないよ。母には感謝してる。すごく。

花ってどうしてこんなに綺麗なんだろう。

お弁当

Journal 04.6,2021

朝6時に家を出た。料理家さんの中島ふみえさんの料理を撮りにアトリエに行く。少し眠いけど、楽しみ。嬉しい。不思議なのだけど、最近どこかに行く事や、誰かに会う事が楽しみで仕方ない。ワクワクしてる。早く帰らなきゃ、スーパーに行かなきゃ、その間に仕事のメールを返さなきゃ、彼からのLINE電話がずっと鳴り響く。毎日を追いかけられる様に過ごしてた日々の中に、私って本当にいたんだろうか。最近のワクワクがとても不思議。

中島さんとの出会いは、元夫の店。正確に言うと、きちんと保健所に申請を出してやってる店じゃなく、バーだったり珈琲屋だったりスナック、居酒屋、雑貨屋と、その時々で業態が変わる祐天寺の駅から少し歩いた所にある3坪程度の小部屋。大きな看板の威圧感は少し異様で、平穏な街から浮いてる。中島さんとは珈琲屋だった時に出会った。そこで彼の勧めで仲良くなれた。

彼には感謝してる事がある。一つに、結婚が料理を撮ろうと思うきっかけになった事。もう一つに、人に出会えた事。そんな事をアトリエからの帰り道に思い出した。

お土産に頂いたお弁当。帰宅して早々にほうじ茶を淹れて食べる。中島さんはヴィーガン料理の料理家。料理を作ってる姿は今日初めて見た。料理がどうして面白いのかって考えると、美味しいからは理由じゃなくって、その人の知恵を知るのが楽しい。どんな食材をどこで買ってきて、どうやって切って煮て焼いて、どう調味するか。その人の身の上話を聞くみたいに、静かに関心をして頷いて、ただただ嬉しくなる。料理って生きる希望だなぁってつくづく思ってしまうし、だから作っても作っても飽きない。その人の生きる知恵が詰まってる。見た目よりも中身が知りたい。綺麗よりも味が食べたい。中島先生のお料理。とても素敵だったな。

トマトとバジルの冷ソーメン

Journal 02.6,2021

夕方に母の誕生日プレゼントを渡す為に実家へ帰った。帰宅して早々に庭のチェック。ドロシーが昨年死んでから、母の家庭菜園力がメキメキと上がってる。大きくて、力強くて、家庭菜園の野菜とは思えない。中でもキャベツは圧巻。春なのに、ふわふわじゃないキャベツ。何層にもぎゅうっと巻かれて、一枚一枚の葉の主張が強い。茎の方から虫がわんさか出てきて、まぁ美味しそうな事!野菜ってすごいんだなぁ。母ときゃあきゃあ言いながら元気なキャベツを剥いた。実家って、何でこんなに楽しいんだろう。夜に姉から電話。「今日の夕飯何食べた?」早速チェックが入る。明日早いからと早々に切ると、一階で母の笑い声。あ、姉と電話してる。父はお酒をしこたま呑んで夢の中。家族って最高。

トマトとバジルの冷ソーメン
素麺
トマト
バジルたくさん
海苔
ツナ
オリーブオイル
麺つゆ

晩酌

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", Journal 01.6,2021

午後過ぎに帰宅して、夕方にテコの散歩へ行った。昼食はさっき食べたばかり。ぼんやりしてる。温かい風の中でフジモンとメールしながら歩いた。フジモンは大学でカンセリングを学んでいるから色々と詳しい。今はDV加害者プログラム・マニュアルという信田さよ子さんの本を読んでるのだそう。以前に信田さんの本に救われた事があったのを思い出した。

夫が暴れたり大声で喚いても、それを知ってる夫の友人・知人らは当たり前のように何も言わなかった事にずっと違和感があった。年に一度くらいしか会わない友人が、あなたは共依存なんじゃ無いの?と伝えてきた事があった。色々と何かがしっくりとこない感じの理由は信田さんの本でわかった。

熊田曜子さんの事件をニュースで見た時に思わず「お疲れ様。」と声が出た。問題はそれぞれに全く異なる筈だけど、私もご飯を100回どころじゃ無く捨てていた。つい最近も誕生日を家族で祝ったというインスタの幸せな投稿も不思議じゃない。私も夫が暴れる数ヶ月前に仲良く新婚旅行に行った。帰宅するのが怖いのもよくよくわかる。私は夜中が怖かった。最期は怖くて堪らない家でベッドに潜り、朝まで時計の数字が増えたり減ったりするのを眺めながら、チェーンを閉めて飲酒していない夫の帰りを待った。

元夫がよく通うバーに、彼が喚く時に使う言葉「NIDOTO AERU TO OMOUNAYO」とローマ字で書かれたステッカーが入り口のドアに貼ってある。私も何百回と言われた言葉。変わり果てた男の目を思い出す。そのステッカーを初めて見た時に胸がぎゅっと締め付けられた。

うちは病気からの間接的なDVだったけど、この問題が普通じゃ無い事に気づくのにかかった年月は8年。夫にこんな事は間違ってるからやめてと言い続けても、夫がそれを聞いてお酒をやめても、いつでも戻れる場所が準備されていて、世界は夫を見て何も言わず、世界は私を見て無視をした。

フジモンが女性軽視問題について、ちょっと気になっているって話をした。うん、わかる。そうだよね。私も信田さんの本で自分が共依存ではなかった事がわかって、その時に気づいた。これってもしかして社会問題の一つなんじゃないかって。

男だからお酒を浴びるように飲んで喚いても許された?男だから汚い声で誰かを罵って、偉そうな態度で大きな音を立てたり、何かを殴ってみたり叩いてみたり出来た?

もし、私がやったらどうなっちゃうんだろう。何百回と彼がやった事をたったの一回でも私がやったら、きっと二度とその店には行けない。家で暴れても同じ。きっと誰もが言うと思う。奥さんは一刻も早く病院に行った方がいいよって。

強い力や大声をあげて威嚇するのは、男の特権では無いし、女はそれを我慢する生き物じゃない。酒場でも家でも街でも公園でもどこでも、やっていい場所なんて、どこにも無いんだとわかった。女が専業主婦であった日本の社会背景が、男には権力があるという概念がDVやモラハラに化けた。「奥さんなんだから、彼を立てなよ。」とか、「奥さんなんだから、どんと構えて家で待ってなよ。」と彼らに言われても、疑問が心を突き刺していたのは、私が女だからで、彼といつでも平等でありたいと訴え続けたからだと思う。彼が自分のやった事を当たり前だと確信出来たのは、世界が許容してくれたから。


帰宅して早々にお風呂に入った。晩酌を作ろう。何だか何もしたくない気分。冷蔵庫は空っぽ。ぬか床を回しながら浅漬けの胡瓜とカブと茗荷を出す。残り物の麻婆豆腐と、冷蔵庫の奥にあったトマトを卵と炒めよう。半分残った柔らかいアボガドは、鰹節とマヨネーズで和えてディップにして味付け海苔で食べよう。ビールが無い。うーん困った。そうだ、新生姜の甘酢漬があったな。あれでガリ酎を作ろう。

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『わたしを選んでくれる人』6月1日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “
「お付き合いしたいってハッキリ言って欲しい?」
「まだよく知らないから検討させてください。」

一つ上の彼はフランクに私に話しかけてくる。テンポよくアプローチをしてくるけど、親切だから悪い気はしない。お酒が入れば、中学生みたいな話が始まる。「一番最後にキスをしたのはいつ?」この会話楽しいのかな。私は全くつまらないよという顔をした。

誰かに好意を抱かれる事は嬉しい。だけど、今が寂しいから一緒にいたいとは思いたくない。そうゆうのは駄目。冬は人恋しいと言って誰かとセックスばかりする女が友人にいたけど、彼女にはいつも彼氏がいなかった。寂しいを利用すると、女は不味くなるのかもしれない。隣で視ていても、彼女からはいい匂いが一度もしなかった。

ご馳走してもらって悪いなと思ったので、帰りに飲んだ事が無いという、駅前にあるブルーボトルコーヒーをご馳走する事にした。帰宅して、ひとりで麦酒をあける。

翌朝、企画担当の編集の山若君からメッセージ。「どうだった?付き合う?」「3%」。恋に堕ちたい度も3%あたりを行ったり来たり。私の中には未だ突然に消えてしまった夫がいて、彼はもうこの世にはいない事も知ってる。

マーガレット

Journal 22.5,2021

こないだ作ったトマトのチキン煮込みが冷蔵庫に入れっぱなしだ。何かちょっと味が足りなくてそのままだった。スープカレーにでもしようかな。昼間に少し煮込む。骨についたチキンは野菜と一緒に溶けていい感じだ。

午後、かーなさんの事務所に行った。彼女は獣医と保護犬のビジネスをしてる。ここ数年ずっとボランティアに興味があったから色々と聞いてみたかった。それに、事務所にいるという二匹のワンちゃんにも会いたかった。保護犬の事、ビジネスの事、動物との事。色々な事を聞いて、話した。保護犬のサイトを見ていた時の違和感についても話をした。ルールの厳しすぎる保護団体。もう殺処分が迫っているというタグのついた犬。ここは、本当に命を救う場所なのかな。可愛い犬たちの写真が沢山掲載されてるのに、気分が悪くなって閉じた事を思い出す。

彼女は明るい。事業の内容もすごく明るくて前向き。そして、何より犬が好きだって事が一番に伝わった。こういう事業が世の中を回してくれたら、どんどんと希望が生まれる。そんな予感がした。コロナの影響でペットを飼う人が増えているんだそう。だけど、会社にまた働きに戻るようになったら、ペットを不要とする人が出てきてしまうかもしれないと心配してた。私が思っているよりずっとずっと動物の事を残酷に、まるで人形みたいに扱う人が普通にいるんだって事を知った。

こないだテコの散歩をしてたら、テコに吠えてきた犬が飼い主に叩かれてた。そばにある缶のゴミを蹴って、怒って威嚇する飼い主。誰かに酷い事をする人は、左からまた同じ事がスクロールすればいいのに。犬を叩いたら、犬を叩く手が自分を叩くみたいに。

いい事をしよう。こないだ、吉川ひなのさんの本を読んで、ふむふむって思った。親にされた酷い事は私の代で終わらせるって書いてあった。本当にそうだなって心底思った。嫌な事を見ても、されても、連鎖させない。その世界を知ってるのなら尚更、逆を行く。逆っていうのは、もっともっといい世界の事。

薔薇

Journal 16.5,2021

夕方から今日は餃子会。CINRAのハルさんとBF。昨年まで一緒に連載を担当してた編集の棚ちゃんがくる。ちょっと前に台湾出身のハルさんカップルが家でご飯をご馳走してくれて、次はうちで!って約束をしてた。そしたら棚ちゃんとハルさんはお友達だと知って、じゃあ一緒にご飯しようとなった。

午前からゆっくりと下ごしらえを始める。こないだユウヤくんがテーブルクロスをアイロンかけてるのを見て、綺麗なクロスっていいなぁって思ったのを思い出してアイロンをする事にした。何だか気持ちがいい。こうやって、誰かに教えてもらった何かとか、誰かに聞いた何かが、生活の中にどんどん根ざしていく。

みんなで餃子を巻いて、お喋りして、いい夜。棚ちゃんは餃子のTシャツを着てて、すごく可愛かったな。ハルさんが薔薇をくれた。何色なんだろう。何色って言えないけど、すごく綺麗な色。

それから、普段はいい人なんだけどパワハラをする人が会社にいたんだよねって話になって「それは、いい人じゃなくって悪い人だよ」ってハルさんが言ったのが印象的だった。そう、みんな人間はいい人だと思う。だけど、悪い事をしたら悪い人になる。


ピーナッツバターサンド

Journal 15.5,2021

5時過ぎに目が覚める。昨晩はボンヤリしながら眠りについた。読書をしようと本を手に取ったけど、何だか億劫。そうして億劫なまま朝がやってきた。何だかおかしい。携帯でカレンダーを開いて調べてみる。あ、もしかして、もうPMSの時期に突入してるんだ。排卵日の後は、高温期になり気分は徐々に低下していく。今、その一途を辿ってるんだ。一昨日からの偏頭痛が止んだと思ったら、気持ちのダウン。そして何だか億劫になる。このサイクル。ようやく慣れてきた。それにしても、コロナが無かったら、一人の生活にならなかったら、自分の身体の事なのに気づけなかったな。痛みやそれ以外の色々は日常に溶けていたし、生理になった後にイライラの原因は生理だったのね、と自分に事後報告となる日々だったから。

あーやる気しない。今日はのんびりしよう。お湯を沸かしている間、なんとなくベランダに出た。毎朝、なんとなくベランダを散歩する。植物の新芽が出たかなとか、アブラムシが葉っぱの後ろに隠れていないかとか、恥から端までをのんびりと徘徊。よそのお宅から見たら、毎朝、早朝に何やってるんだろうって不信がられてるかな。空は曇ってるけど、風が気持ちいい。あ、ハーブティーを飲もう。

先週にひとみちゃんがベランダになってるハーブを見て、これハーブティー出来るよって教えてくれた。それから、時々ハーブを摘んでは飲んでる。

今日は、ラベンダーとセージ、ミントを選んだ。ネットで調べると、ラベンダーはリラックス、セージはホルモンバランスによるイライラが解消されるらしい。ベランダにパソコンとハーブティーを持って、テコはパンの欠片を持って、一緒に椅子に腰掛ける。昨晩に来てた、のむらさんのメールを開く。2年前は一緒の場所で話してたのに、今は遠くに離れて話してるなぁと感じる。別々のどこか高い場所にいて、そこから街を見下ろして、静かに何が見えるか話してる。

のむらさんの知り合いが先日に亡くなったと書いてあった。自分が思うよりずっと急に死はやってくるのかもねって書いてあった。うん。そう思う。今日の私に限っては、生きる事を頑張ろうとは思えないのだけど、そう思う。

ベランダでハーブティをすする。美味しいな。もう一杯お代わりをしてから、朝食を作ろう。いつもトーストだけど、今日は何故かパンは焼かずにピーナッツバターをサンドする。美味しくってパクパク食べた。

最近になって気づいた事がある。以前は、PMSを持つ女性は、生理になる度に感情がアップダウンするせいで、否応なしに豊かな表現力を身につけてゆく生き物なのだよなぁと考えていた。だから、女性っていうのは泣いたり、怒ったりするのが上手なんだろうって。だけど、ちょっと違うかも。表現力は確かに身につく。だけど、この問題に対する事象だ。本質はそこじゃないかも。

生理が始まり、その二週間後に排卵をする。そうすると一気に体温が上がり、脳内の神経伝達物質やホルモンが異常を起こし、身体や精神がどんよりとしてくる。頭痛、吐き気、腰痛、腹痛、不安感、イライラ、倦怠感など。私は薬は苦手だから飲まないけど、どんよりな身体には鎮痛剤、どんよりな心には抗鬱剤が効くのだそう。そして、抗鬱剤は幸せホルモン、セロトニンを増やす薬。鬱病の時に飲む薬と同じ。

そう、生理が起こる事で身体と脳が変わる。トースト派だった私が急にサンドイッチを作りベランダで食べ始める閃きはPMSらしい気がしてる。だって、PMSの時は、また違う私の脳になるから、いつも通りには出来ない、いつもなら我慢出来る事が出来ない、いつもなら哀しくない事が悲しいし、いつも食べない何かを急に食べ出したりする。それって、脳がもう一人の自分に変化する時間なんじゃないか。

それに、PMSの時は適当にご飯を作る事が多い。億劫だからなのか、後先を考えられない。それもいいんじゃないか。何かを作ろうなんて目指さないでいい。いつも通りからの脱却だ。苦しいのは、脳と身体が変わろうとして、違う行動を起こすから。けどそれって、新しい何かが見えるタイミングでもある気がしてる。

辛い事や苦しい事は悪くない。PMSが、あまりに酷い場合は病気が潜んでる可能性もあるから早々に病院にかかった方がいい。それに、トラウマとの相性についても最悪。蟻地獄みたいに、とにかく引きずり込まれるから、トラウマにはトラウマとして問題に向き合う必要がある。だけど、そうじゃない場合は、よくよく観察して見ると、結構面白いかも。不味い物を食べると、その不味さが苦いのか酸っぱいのか、舌がピリピリする、喉が焼けそうとか、身体が実体験を通すことで、どう不味かったのかが鮮明になる。どうしてかわからないけど、世界に色がつくと、不味かった経験はいつしか楽しいに加担してたりする。

不思議なのだけど、だから、あれ?そんなに悪くないかも。
苦しいも、いつもじゃない自分も、きっと怖くない。

ピーナッツサンド
6枚切りの食パン
スプレッドタイプのピーナッツバター

プリン

Journal 30.4,2021

朝起きて直ぐにプリンを焼いた。明日の撮影で使う予定のもの。柳瀬 久美子さんのレシピ、何十回と作ったんだろう。大好きなお菓子の本でボロボロ、ページに卵や砂糖がこびりついてる。エッセーみたいな料理本。今日気づいたけど、私、昔からこういう本が好きだったんだ。

午後は高野さんの紹介で新大久保に出来た、食のコワーキングという場所へ行った。沢山知らない人がいて、わからない業界の話ばかりで戸惑う。マスクの所為にしてあまり話さなかった。こういう場所に来ると、どれだけ自分がニッチな世界を拠点としているのかがわかる。当たり前にいる世界は、当たり前じゃ無いんだなぁと世界の事を感心してしまう。面白いなぁ。

帰宅してやっぱり思った。最近、ちょっと不思議な事が起きてる。そう、梃子がピョンピョンと跳ねてる事。歳のわりに遊ぶのが大好きだし、直ぐにはしゃぐ性格だけど、この家に来てからあきらかに変わった。家の端から端までダッシュするのは真っ直ぐに走れる距離が増えたからなんだろうと思っていたけど、兎みたいにピョンピョン跳ねているのはどうにも説明がつかない。嘘じゃなくって、夢じゃなくって、本当にピョンピョンしてる。もしかしてピョンピョンしてる?薄々気づいてた。そして、今日も。ピョンピョンしながら笑ってる。嘘じゃ無い。「そんなに嬉しいの?」って聞いてもピョンピョンしか返ってこない。

あっちの部屋からこっちの部屋にピョンピョン。そっちからこっちへピョンピョン。嘘みたいにピョンピョン。家中にご機嫌を撒き散らしてる。そんなに楽しい?そんなに嬉しい??

梃子に出会って10年。こんな梃子は見たことがない。梃子はプリンが好きかな。私は好きでも嫌いでも無いけど、何十回って作ってる。理由はプリンを作ると喜ばれるから。私も梃子と同じ。嬉しいことが好きなんだ。

梃子は元夫が調子の悪いときに小さな虐待を幾度と無く受けてた。それでも新しい生活は寂しいんだろうって不憫に思ってたのに、いつの間にか楽しんでる。

明日から5月!

チキンのトマト煮のグラタン

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", Journal 29.4,2021

朝から体調が悪い。カフェインレスのコーヒーを淹れて、気合いを入れてみるけど、やっぱり体調が悪くてベッドに入った。早い夕方にお風呂に入り、コーラを一気飲みする。夕飯は昨晩仕込んでおいたチキンのトマト煮にしよう。夜に友人が来るはずだったから作っておいたもの。今日は体調が悪くて断った。トマトのチキン煮込みに、グラタン用のパスタとチーズを入れて少しゆっくりグツグツさせて、お皿に盛って終わり。何だか体調が悪い日は甘えたいから。一つのお皿を抱えてスプーンですくい続けるだけ。そういう感じがいい。ぐちゃぐちゃになったパスタに、とろとろのチーズ。力まなくても私の中に優しく入って身体を温めてくれる。そうやってグラタンに甘える。

なんだかよくわからないけれど昨日から言葉が出てこない。体調はやや悪いけれど、心が空のペットボトルみたいに笑っちゃうくらいに軽い。なんだろうこの感じ。すーっごく楽。嬉しいもなければ悲しいも無い。こんなフラットな状態って変なの。シーソーならどっちにも傾いて無い真ん中。変なの。

今朝の夢も変だった。だけど覚えてない。ただ、シーソーの真ん中にいる感じ。


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『わたしを選んでくれる人』4月29日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

来週にサウナに行く約束をした。名前は忘れた人。けど、楽しみ!昨日、瞳ちゃんに教えてもらったウィズっていうアプリに登録。少々、晩酌が過ぎてよっぱらっての事。朝、ベッドの中で思い出す。あ、アプリ登録したんだった。開いて見るとメッセージがいくつか。朝から返信するのは申し訳ないかなって思ったけど、まぁいいやって思って返す。

メッセージが二人くらい返ってきた。一人はなんだっけ、よくわかんないけどプロフィールの文章が素敵だから弟子になりたいって。どうぞって返す。

一人は近所に住んでる笑顔が素敵だった料理家。バツイチで、犬好き、好きな映画はシェフっていうアメリカ映画。シェフで好きなシーンがいくつかあるから、嬉しくなってその事を伝えたらトントンと話が続いた。離婚の話になって「地獄だった。」とのこと。

私の苦い話はあまりしないと決めてたけど、彼も自分の面白くない話はあまりしたくないと言ってたけど、言葉がスルスルと聞こえてくる。だよねぇって思った。それ以上は、話さないで聞かないで頷いた。

刺された傷が治ったとしても、刺された傷跡は消えないみたいに「未来は自分次第だよ」なんて羽ほどに軽い言葉を離婚を知らない人は言いたがるけれど、悪い言葉じゃ無いのは知ってるけれど、その言葉はあまりに軽くってふわりと飛んでゆく。これからこの傷跡は刺された事を服を脱ぐ度に思い出すんだよって喉まで言葉は出かけて、止める。

彼のプロフィールに書いてあった「一人でも楽しいから、結婚願望が強いわけじゃないです。」ごもっともですって思った。もし、私がまだ離婚未経験だったら、なんて身勝手な男だ!と思っただろうけど、そういう事じゃない。これ以上、自分は傷を負いたくないし、見知らぬあなたにも負わせたくは無いんです。だって痛いから。そんな風に聞こえる。だってバツイチだから。本当に一人でいたかったら、傷を負った時点で人間やめて山なんかに閉じこもって、アプリなんてやらないよ。仕方ないよ、生きいなきゃいけないんだもん。だから誰かを愛したくなる。それが人間ですよねって思った。来週に気分が良かったらお茶でもしようって約束をした。

チキンのトマト煮のグラタン
鶏の手羽元
玉ねぎ
ほうれん草
トマト缶
ナンプラー
ニンニク
オリーブオイル
チーズ
グラタン用パスタ

4月26日

Journal 26.4,2021

昼にミオちゃんと渋谷で取材。今日も暑かった。ギリギリに到着。「お疲れ様でーす。元気?」とミオちゃん。「うん。まぁまぁ。」と私。いつからかわからないけど、私はミオちゃんに甘えがち。すぐに疲れたとか、お腹空いたとか、酒が飲みたいなどなど、撮影中でもいつでも心の声を放出する。もちろん、「終わったらね!」とかとか、さっぱりとなだめてもらう。

渋谷に着くまでに、姉からyoutubeが送られてくる。これは強制的に見るハメとなるやつ。今日は斎藤ひとりさん。全然聞きたくないけど、飛ばし飛ばし聞いて、いいかげんに辛くなってやめた。今の私はまぁまぁだから、残念だけど優しくなれるような気分じゃない。「宗教みたいじゃん。」神様をそんなに信じてないクリスチャンの姉に意地悪なメッセージを送る。

撮影で戴いたコーヒーとチーズケーキを食べながらミオちゃんとお喋り。私がカフェインレス生活をしてる事を告げ、これは仕方ないからと戴いたコーヒーをガブガブ飲んだ。最高に美味しい。坂元裕二さんのドラマについてミオちゃんに教えてもらう。通称この恋というのがいいらしい。だけど、色々と辛いからキツイよって。私はカルテットを見るのがキツイって話たら「どこで泣く?」と、ミオちゃん。「わかった。カルテットをもう一周するよ。」私はカルテットで停留。この恋を見れる日は遠いい。残念だけど最高の離婚も舞台が中目黒だからはるか彼方。

冷蔵庫にある残り物で早めの夕飯をさっと食べて、だらりと長いPMSのせいで全く手につかなかった色々をやろうとデスクについた。淡々と作業を終わらせる。自分の作品のポートフォリオをまとめる。イートニューミーの写真。昨年の5月18日の唐揚げからプリントが止まったまま。あの日に唐揚げを作った理由も覚えてる。夫がおかしくなっていく毎日に不安になって気持ちをぶつけた事があった。だけど、直ぐに私が悪かったと彼の好物の唐揚げを作って、私が間違っていたんだと自分に言い聞かせた。まさかまたアレが始まる筈は絶対に無いって。私が信じてあげないでどうするって。唐揚げの次の日も、その次の日も、その次の日も次も次も全部覚えてる。怖かった。すごく怖い毎日だった日の写真たち。写真を整理しながら泣いた。胸を何かがえぐってる。もう嫌だ、やめたい。こんな作業きつすぎる。時々現れる前の家の断片を横切りながら、嵐の中を折れた傘を持ちながら歩くみたいに前進した。それにしたって私はよく食べてる。あの時は一気に6kg痩せたのによく食べてる。とにかく生きようと必死だ。写真を見ても、よく見ても、哀しみばっかりが湧き上がって来るだけで、料理の味が思い出せない。

夜、野村さんへnoteに新しい作品を更新した事を伝えたくてメールして、少し愚痴った。そこにも書いた。こないだ姉にも同じ事で怒った。努力なんてしたってどうせ空っぽになるだけだし、全力で信用しても簡単に裏切られるし、手に入れても失くなるだけ、残念な程に世界に呆れちゃってるのに、今、ご飯が美味しくて仕方ない。悔しいけどご飯が美味しいって。

ポークカレーと糠の古漬け

Journal 10.4,2021

一昨日に青山での取材が終わったのがお昼すぎ。「カレー食べない?」一緒にいたミオちゃんに聞いたら、蔦という喫茶店に連れて行ってくれた。店に入るとマスターとミオちゃんが楽しそうに話してる。お父さんが昔からの常連で、ミオちゃんは物心ついた時からお父さんにおねだりする時とか、お父さんとお喋りする時はここに来たんだそう。フードメニューは三つ。クロックムッシュかトーストかカレー。私達はカレーセットを頼んだ。蔦は全部が美味しかった。カレーも店の雰囲気もすべて。寝起きのベッドの中でぼんやりカレーの事を考える。冷蔵庫に玉ねぎと肉があったな、ポークカレーを作ろう。紅茶を淹れて、キッチンで玉ねぎを炒め始めた。

荒く切った林檎を水と一緒にミキサーにかける。飴色玉ねぎに、ニンニクと生姜を加えて炒める。そこにトマト缶を入れて水分を飛ばしねっとりペースト状になるまでゆっくりと炒め、同時に隣のフライパンで肉をやき、余った油でクミンの香りだしをする。トマトの方にカレー粉を入れてなじませて、林檎、肉とクミン、カレールーをひとかけら、コンソメ一個を入れて弱火で煮込む。仕上げにソースと蜂蜜で味を調整して出来上がり。最近は、糠の古漬けをおしんこに添えるのが気に入ってる。すっぱくっていい感じとなるから。

夕方、兄のとこの長男カイトが授業が終わる頃に大学で待ち合わせ。私は入学式のプリントを渡して、カイトからは兄が漬けたラッキョウとカボス胡椒を受け取った。学校どんな感じ?友達できた?とか、たわいもない話をしてバイバイ。中村さんに友達の事を伝えたかったから、歩いて5分の所にあるスノーショベリングへと向かった。

ドアを開けると、中村さん。あれ、痩せてる。話を聞けば、毎年恒例のラマダンをやってるんだそう。確かそうだ、この時期になるとやってたな。気分はむちゃくちゃいい感じだって。そんなご機嫌な中村さんに、友達が亡くなった事を伝えた。みるみると目に涙が溢れていく。哀しい顔をして私の話を静かに聞いてた。コロナだったし2年くらい彼女には会ってないかもって。そこから、彼女の話をした。こういう時間が大事な気がして、特に隠す事もなく彼女に想う事を互いに自由に話した。後は死ぬって事についても。中村さんは友達を何人か亡くした経験があるのだそう。話は何だか尽きなくて、ソファーにどっぷりと腰掛けてまた話し始めた。

死ぬ話から、生きる話になって、どう生きたいとか、どう思ってるかとか、最近の気に食わない社会の事やお金って何とか、話題は一連の流れだけど破茶滅茶で、そのまま携帯の話になった。私は携帯の無意味なメッセージのやり取りほど世の中で飽き飽きしてるものは無いと思ってしまって、最近は極力離れる事にしたと話すと、中村さんはとっくにヤメてるって。それに、LINEのアイコンは人から言語力を失わせてるから危ないと思うなぁって言ってた。私もアイコンの存在について変なやつだなぁって思ってたからちょっと嬉しかった。気づいたら20時過ぎ。ちょっと寄ったつもりがあっという間に夜。何時間、お喋りしてたんだろう。何だか頭を掻き混ぜたみたいな時間だったな。楽しかった。あーお腹すいた。帰ろう。

味噌鍋

Journal 06.4,2021

友達が亡くなった。午後、プリントしてて、不意に最近元気かなって思い出した矢先だった。電話を切ったら、涙がどんどんと溢れて、床に転がって泣いた。このままだと哀しみに喰われちゃいそう、外に出よう。涙を拭って家を飛び出したら、雨が上がったばかりのコンクリートがひんやりしてる。通りを歩いても、歩いても、まるで地に足がついていないみたい。

いつしか彼女と疎遠になっちゃって、その理由も本当にくだらない理由だった。どうしてあの時、私は怒ったんだろう。私が怒らなかったら、彼女が辛い時に私は少しでも支えになれたかもしれなかったのに。私の最低な離婚の話なんかを聞いたら、少しだけ楽になって、時には笑ってくれたかもしれない。どうかお願いだから、失った時間は戻らなくてもいいから、少しでも助けになりたかった。なりたい。

すごくいい子だったのに。いい子過ぎると人に騙されちゃうよって、そんなにいい子にならないで怒っていいんだよって、お母さんみたいに口を酸っぱくして伝えてた。やっぱり、おかしいよ。悪い事をする人は今を飄々と生きてるのに、彼女みたいな人がどうしたら苦しんで死ななきゃいけないんだろう。世界にとっていい子は必要な筈だよ。

帰宅してもずっと慌ててる。3年前にニコちゃんが死んだ時みたい。何をしていいのかわからないし、何もする気になれないけど、何かしなきゃいけないと思って身体がじっと出来ない。とにかく夕飯を作ろう。キッチンに立ったけどわからない。前にたまちゃんに貰った、とり野菜味噌っていう鍋の素を見つける。富山の実家ではよく食べるのだそう。冷蔵庫の野菜と冷凍庫の肉や魚を、とにかく切って鍋に放り込んで、鍋の素を入れてグツグツと煮る。何となくニンニクも沢山放り込んだ。さっきからずっと胃がキュッとする。食べよう。哀しい日はとにかく食べよう。私はどんなに辛くても食べれる女だから。

ビールをあけて、何杯もお代わりした。

フリージア

Journal 03.4,2021

誰かを好きになりたいなって思う。
理由の一つは忘れたいから、理由の一つはわからない。今日は早くに起きて納品を終わらせる。それから幾つかやらなきゃいけない事を片付けてお風呂に入った。午後は人に会う約束をしてる。化粧も髪も下着も服も、誰かの為にはやってない。全部自分の為。会いたい人がいる。だけどもう二度と会えない。身支度をして家を出る。

どうしてどうしたら、どうして今にいるんだろうって思う。同じような事を12才くらいの時に考えた事があったな。どうしてを何十回、何百回とやったけど、ずっと今だった。きっとあの時は恋をしてたんだろうなって。初恋かな。隣のクラスの開成中学校に行くって言ってた斎藤くんが好きだった。私も同じ、皆んなと違う中学校に行く事になってた。好きなのに、すごく好きだけど、好きな友達とも好きな場所も全てが変わってしまう。新しい場所への期待や希望もあるけど、今あることがあっという間に消える瞬間がくる。あの時に、捨てることを捨てられることを覚えたのかな。

結婚なんてしない方がずっとずっと幸せだったな。
心は安心した様に錯覚するだけで、周りに世界に認められた様な気持ちに勘違いするだけで、結婚した方が不幸せだった。結婚の奴隷みたいになって、結婚しない不安定なままの私たちの方がずっといつもがお互いに一生懸命で楽しかったな。

夜に帰って、少し酔っ払ってる。こないだイマムが買ってきてくれたビールを飲みながら、私にへばりつく梃子を抱いて天井をずっと見た。数メートル先のそこにあるのに、空みたいに天井を長い時間見たと思う。どうして失くなったんだろう。

ホルモン丼

Journal 25.3,2021

今日も何だか料理気分じゃ無い。昼は簡単に焼きそばを作って、夜は買ってきた食材で常備菜ように、キノコのオイル煮、ブロッコリーのボイル、甘酒を作って、夕飯は大蒜の芽とホルモンの丼を作る事にした。完全にPMS突入。だけど、先月に比べたら天と地の差くらい楽。べったりと床に張り付いた感じはあるけど、全然。こんな事になる前と同じくらいか、それよりちょっと辛いくらい。チョコレートを食べながらカフェインレスの紅茶にお湯を足して何杯も飲んだ。不思議な物で生理の時に限って刺激的な物を欲する様に思う。お酒とか甘いお菓子とか、コーヒーとか。1日が長い。きっと辛いからだろう。

ジェーンスーさんのラジオで、リスナーの悩みに対して、女の生き方がNetflixやアマゾンプライムで勉強出来るからって言ってたの思い出して、Netflixでドラマを見る事にした。刺激的な描写がとにかく辛い。前は全くそんな事を感じなかったのは、きっとこれは絶対に現実に起こらないと思って見てたからだろうって。エンターテーメントとしてはもう見れない。私の全身がうづく。殴った人は殴った手がどうして自分を突き破ったのかを覚えている様に、殴られた人は殴られた皮膚が心を破裂する感覚を覚えてる。暴力だけじゃない。人を騙したり、脅かしたり、意地悪をした感覚も同じ、した方もされた方もしっかりと全身が覚えてる。映画や本は生きる糧になる素晴らしいものだと思うけど、ちょっと刺激的なストーリーは私にはあまり要らない気がする。元気になる為に見たのに何だか重たくなった。

あーあ、写真をやらなかったら、あの生活を続けていれたのに。夫の病気の症状がいい時と悪い時を、天国と地獄みたいに行ったり来たりしながら、いつもの既婚者の友人が周りにいて、夫の悪口をセリフの様にリピートする生活の中にいれた。同じ様な悩みの中で励まし合う。結婚とそれを支える環境はハッピーセット。中身なんて関係ない。貧乏でも夢が叶わなくても、もう私はいい歳だからって、これが嫁としての幸せなんだって信じてあの場所にいれた。どうして、今、ここにいるんだろう。PMSなのはわかってる。どんどんネガティブになるだけ。こういう気持ちは心の声でも何でもない、バランスが崩れてる心身が怖くて過去に退行する時になる不安そのもの。もう今日を終わりにした方がいい。PCを閉じて寝よう。

ホルモン丼
シマチョウなどホルモンミックス
ニンニクの芽
雑穀米

キャベツと豚肉の水餃子と黒酢のスープ

Journal 20.3,2021

” 離婚して良かった。”
蔦屋まで歩いている時だった。

前の家から近くてよく通ってた代官山蔦屋。あれから怖くて行けなかった。ゆっくりと本が読めて、料理本が洋書も含めてとにかく沢山ある。都内でいい本屋さんはきっと沢山あるけど、これだけ私が読みたい本が揃っていて、座って読めるのはここだけ。行きたかったけど行けない。もしかしたら、もう一生行けないかも。あんなに気に入ってたのに。池尻大橋や中目黒が正直怖い。風がぴりっとしていて、背中がぞわぞわしてしまう。トラウマが離れるまで、あと何年かかるんだろう。そう思ってた。大坂上のバス停を降りて、歩き始めて5分も経たなかったと思う。よく歩いていた通りを同じ様に蔦屋へ向かって歩く。

コロナで仕事が前より減って、体調を崩して仕事を少しお休みして、写真ってものから少し離れたのが良かった。1年ぶりにじっくりゆっくりと自分の撮って来た写真を見る時間が出来て、人にゆっくりと見てもらう時間を貰って、私の撮った写真が見えてくる。どうしてこうやって撮ったのか、どうしてこの時にここでヤメちゃったのか、何でこの色にしたのか。自分の事なのに他人事のように気づいた何かに驚いた。あの場所にいたら見えなかった。とにかく撮りまくる時間しか無かったし、自分の撮ったものと向き合う時間なんて全く用意されてない毎日。ダメな夫だから私がやらなきゃって。妻である事に必死だった。写真の時間を犠牲にしてる事もどこかで気づいてたかな。家族ってそういうもんじゃ無いのに。一緒に食事をして、一緒に暮らして、家族である事を楽しむのが、私は家族だと思う。頑張るものでも必死に支え合うものでも無くって、今を一緒に楽しむ為の団体。腹もたつし考え方も性格も違うから喧嘩もするけど、とにかく一緒にいて楽しい。コロナが終わったら、私の育った家族みーんなでご飯する日を想像するだけでにやけてくる。その日は絶対に腹が割れるのはもう決定。そうゆう団体活動に愛を感じてる、家族だなって。

夫が酒に溺れるのと同じ。私は妻である事に溺れてた。一緒にいたい、夫を愛してる。それが答えだと信じて気付こうとしなかったな。嗚呼おぞましい。あの時の私に言ってやりたい。「残念だけど、欲望に負けてるよ。とにかくまぁ耐えてるし、その根性だけはものすごいと思うけど、自分の人生から逃げちゃってる。目の前から手を離して、いっぺん背後の暗闇に下落して下落して、底に着いたら頭をかち割っておいで。」ってね。だけど、結局のところ、底に着いてグシャっと全ては飛び散ったかな。右手にカメラ、左手に梃子。私がぎゅっと抱えていたのは2つだけ。家も仕事も友達も家族もあの世界にあったものは飛び散って消えた。

兄のように慕ってる雑誌の編集長をやってる栗さんに一度目に大暴れした時と、その一年後にまた始まった事を相談をした。その時に、「よーよは、せっかく起動に乗って来てるのに、いい写真が撮れなくなるよ。」って。何だか今その意味がしっかりとわかる。どんな事があっても根性で乗り越えられるって思ってたけど、違う。あの場所にいたら、夫といれたけど、私はどんどん写真が見えなくなってた。見えなくなればなる程に見失っていく自分。自分でいる以上、自分を失くしたら苦しくなるのは当たり前。何だかな、こう来たかーって。大どんでん返し。私は写真が好き。それが全ての答えとなった。だけど、何だかようやく生きてるって感じがする。今日に不幸を選ぶのも、不満を言う口を止められなくなるのも自分。選んだ相手のせいじゃ無い。誰かに何かされたからでも無い。大雨みたいにある日突然に誰しもにやってくるようなもの。答えはそんな所には無くて、人生っていうのは想像を絶してる場所にちゃんとある。それに、落ちたら、とことん掘れっていう言葉があるけど、もうこれ以上は無理って思ってた場所よりずっとずっと今は深い所みたい。そして、何だか知らないこの場所が楽しい。よく自分でもわからないけど、そう気づいたら離婚して良かったって想いが空から降って来た。

すごく久しぶりの蔦屋。雑誌や本をじっくり読んで、懐かしい時間にどっぷり浸かった。トラウマは一向にやってこないし、すっかり忘れて読書にふける。最高だな。本って本当に素晴らしいよ。料理本も雑誌もどうしたらこんなに楽しい作りになってるんだろう。一気に気分が飛び抜けそう。何なのこの感じ。楽しくて仕方ない。本を作ってる人は偉い。どうかヤメないで、私のような人が路頭に迷うから一生続けて。不思議なもので、こういうウキウキって子供の時のまま、きちんと健在してる。ページを開く度にワクワクして、嬉しくて、楽しすぎてゆらゆらしてくる、もうゼリーに飛び込んでしまいそう!!久しぶりに竜宮城に戻った浦島太郎みたい。地上は狭くて息苦しくてバイオレンスでとてつもなく苦しかった。竜宮城、ただいま。写真、ありがとう。あなたのお陰。離婚して本当に本当に良かった。

よく嫌な人にも感謝するといいとか、ごちゃごちゃとした事を聞くけど、最低な事をした奴には感謝なんぞ出来ない。だけど、今が嬉しいとしたら、今日にありがとうかな。あと、代官山蔦屋と本を作ってる人に感謝。

キャベツと豚肉の水餃子と黒酢のスープ
[キャベツと豚肉の水餃子]
キャベツ みじん切り
豚ひき肉
生姜 みじん切り
餃子の皮
ごま油
塩・胡椒
[黒酢のスープ]
春菊 4当分くらいカット
えのき 2cmくらいにカット
黒酢 カップ1/2
鶏ガラスープ 大さじ1
片栗粉 大さじ1
水 カップ 3くらい

チキンカレー

Journal 14.3,2021

昼に成田さんとリリさんが家に来て、みんなでカレーを食べた。りりさんがお土産に変わった色のチューリップを買って来てくれて、成田さんはホワイトデーだからって、とらやの苺羊羹を買ってきてくれた。たいがい、恋の話をしてたように思う。二人は私よりずっとずっと若くて、これからきっと沢山恋愛をするんだろうなって想像したら、何だか嬉しくなった。私は大人になるまで、社会にあまり属さないで遊んでばかりいたし、仕事より恋愛の方が大事だと思ってたから、恋愛はそこそこ多い方な気がしてる。いつだって誰かが大好きだった。どうしても今すぐに会いたくって、夜中に会いに行ってしまったり、その人が気になって気になって仕方なくって何も手がつかないとか、四六時中、私の細胞の全てが大好きな人に犯される。結局のところ、あの経験が何に活かされているのか全くわからないけど、果てしなく酸っぱくてどうにも出来ない淡い感情は誰かを想ってるから見える。よくわからない場所に思い切りにダイブしてしまう勇気は、その衝動はイかれてるって思うけど、誰かを想う事は、恋愛をする事は楽しい。

昨日、どうして日本人はもう愛していないのに、不倫もしてるのに、離婚しない夫婦が多いの?って、台湾の子が口を揃えて言ってた。私は不倫もした事が無いし、夫を嫌いになって別れたわけじゃないから、その人達の心はわからないけど、何だか何でも、楽しみたいって思った。気持ちよく生きたい。きっと色々はどんどん失くなっていく、だけど、代わりに新しい物もどんどん入ってくる。

チキンカレー
アボガドとピクルスのサラダ
ブロッコリーと味噌マヨ
先週漬けた白菜キムチ

3月10日

Journal 10.3,2021

RiCEの撮影。楽しかった。
映像の大場さんも来て、ちょっと大人数の現場だったけど、そういうのも楽しい。帰ったのは21時前だった。

何だか、立て続けに仕事がキャンセルになったり、何だか上手くいかない事が続いた。こんだけ散々な目にあってようやく前向きになれた所に、私って本当になんだよー!って思ったけど、気にしない。気にしたって仕方ない。だけど、代わりにちょっと嬉しい事があった。撮影が終わると、色々な友達や知り合いから、たわいもないメールが沢山入ってた。たまたまだと思うけど、何だか嬉しい。

大場さんと撮影の合間に映像の話をした。「とにかく、写真もだけど、我流すぎて、映像の方に私が作ったもの見せたら、なんだこりゃーって言われちゃいそうです。本当に無茶苦茶で、楽しいけど技術的な事がわかりません。」笑いながら言うと、「技術とかは結構どうでも良くて、我流で形にしていった方がいいですよ!」大場さんが言った。何だか、納得。昔に飲食店を撮ってる友達がいて、湯気をフォトショップでつけるって聞いて、嫌だなぁって思った。写真は絵みたいなものだから、どうにだって嘘もつけるし、別に忠実に現実に近くなくてもいい。だけど、湯気が美味しいとは限らないし、作りたてがベストショットとも全然思わない。夕方に飲む冷たい味噌汁って美味しいし、鍋に残ってる冷たいカレーだって最高。ただ、時間が過ぎてだれてしまった野菜は不憫だし、伸びてスープを吸ってしまった麺も無愛想で申し訳ない気持ちになる。きっと映像も同じでいいのかも。我流で形にしていこう。下手くそだけど、下手くそが味になったらいいかもね。

3月7日

Journal 07.3,2021

朝から何だか胃炎。
天気もあんまりだし、しばらくベッドで過ごしてから仕事を始めた。昼は梅干しと昆布出汁に卵を落としたおかゆにしよう。作業を始める、何だか眠たい。梃子と一緒にベッドに潜った。1時間くらい寝たのかな。夢でどこかの部屋にいる。いつもなら、彼にまた酷い事をされたと怒ったり悲しんだりしてるのだけど、今日は私は彼とはもう別々だった。夢の中で私が一人になれたのは初めて。目が覚めて、なんだかすごく気分が良くて、横にいる梃子を抱きしめる。ようやく私は現実を理解し始めてる。夜もおかゆにした。

ベッドで開いたインスタで、美容家の神埼恵さんがインスタライブをやってた。バツイチで子供が3人。今は再婚してる。綺麗な人だな。これで45歳だなんて信じられない。ぼーっと見ながら、何だか思った。この世の中は苦しんでる人がきっと沢山いる。だけど乗り越えられるんだよな。この人がここにいるのは乗り越えたからで、そうやって綺麗になったんだろうなぁ。世界って面白い場所かもしれない。

神埼恵さんの雑誌のインタビューでいいなって思った話があった。読者からの悩み相談で、「悪い彼と別れることが出来ません。どうしたらいいですか?」っていう悩みに「この世には悪い男っていうのがいるけど、あなたの時間が無駄になるからさっさと退散しましょう!」みたいな回答だった。潔い回答に、ああ、この人は経験済みだなって思った。酸いも甘いも人生。綺麗な女は違う。姉から「やってみたけど、やっぱりマッチングアプリ気持ち悪くて無理!」とLINEが入ってた。そうだよ、気持ち悪いのは最初からわかってる。私だって毎回気持ち悪いと思ってアプリを立ち上げてる。だけど、どんな事でも初めては違和感の連続だし、直ぐにいい気分になんてなれなくて当たり前だと思う。マスクと同じ、直ぐに慣れるし、目的はマスクをつける事じゃない。そうわかったら、何とか気持ちとの折り合いもつく。いつだってここから逃げたいと思ってやるから怖くなるだけで、行きたいって思えば、きっと前に進める。

発酵白菜と塩豚の鍋

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", Journal 06.3,2021

サミットでビールを買って帰った。
冷蔵庫を開けるけど、なんだかな。とりあえずお風呂。昨日茹でたブロッコリーをマヨネーズにつけて、かじりながら冷蔵庫を眺める。先週に常温で漬けておいた発酵白菜。少し黄身がかかっていい色してる。一口食べてみると、最高に酸っぱい!今日は鍋だな。何日か塩漬けにしておいた塩豚が冷蔵庫の奥にある。一緒に発酵鍋にしよう。ビールを飲みながら、鉄鍋に塩豚を放置。一時間くらい煮込みながら、メールをする。2本目は酎ハイ。水が減ったところで、発酵白菜とその汁を鍋に入れる。あー勿体無いって思いながら入れた。本当はそのまま全部食べてしまいたい。今はちょっと酎ハイを飲みたいから、グツグツさせておく。もう少ししたら春雨を入れて、美味しい煮汁を吸わせよう。

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『わたしを選んでくれる人』3月6日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

来週にKさんっていう男性と本屋に行く約束をした。何か動き出さねばと思って、何となく誘ってみたら数日を置いて、行きましょうってなった。何だかとても好感が持てる。今日はインテリアコンサルのYSさんと表参道でお茶をした。朝、姉に今日はデートをしてみると電話で伝えると、姉は異常に楽しそうだった。「私もするから、そのアプリ教えて!楽しそうじゃん!」だって。

若い時は早くに死にたいと思ってたけど、最近は出来るだけ長く生きながらえたい。おばあちゃんになったら、姉と一緒に住みたいと思う。お茶とか饅頭片手に、最高に楽しい時間が想像出来る。史上最悪に苦しかった事をお腹を抱えながら話すんだろうな。YSさんは写真通りの人だった。目の前でパンケーキを頬張りながら楽しそうに話してる。だけど、私の目の前に座っているのは彼じゃない。窓の外の空を何度も見た。見知らぬ男といる度に私の目の前に座る夫。まだまだ私は囚われてる。あの窓から地面に向かって飛び降りてしまいたい。