7月8日

朝食 08.7,2023


周ちゃんの妹のみつきさんが昨日から泊まってる。コロラドからトランジットでオアフを経由してきたらしく、「せっかくだから、少しだけ海に入ってきました。」と言っていた。丁度、うちの姉もバカンスしにオアフにいたみたいで、二人でLINEでやりとりをしていたのだそう。知らなかったけれど、姉はみつきさんと仲がいい。姉からみつきさんの話を聞き、みつきさんから姉の話を聞く。最近yogaを始めたのは、姉に自分のことを大切にしなさいと言われたからだとみつきさんに聞いて良かったと思った。私の姉と義理の妹。そういう仲があってもきっといい。なんだかとても素敵に見えた。

朝食はパンをきらしていたので昨晩のトウモロコシご飯と、春に作った麦味噌の味噌汁、残りもののおかず、納豆。それからメロンやグレープフルーツを切って並べた。日本らしい朝食が久しぶりだったからなのか、美味しい美味しいって嬉しそうに食べていた。

食後になんとなく他愛もない事を話し始めたはずが、二人して目を真っ赤にしていた。周ちゃんはさっきまでキッチンにいたのに、いつのまにか2階に上がったようだった。みつきさんに初めて出会ったのは昨年の6月。あの時も姉とみつきさんは泣いてた。みつきさんは私と同じような時期に離婚して、子供が3人いる。

「お姉さんは大学の勉強、カウンセラーになりたいんですか?」みつきさんの日本語は少し変だ。周ちゃんは気付く度にその間違いを指摘するけど、変な日本語には慣れてる。姉にしろ、ヘレナにしろ、ちょっと変な日本語は日常的だから。だけど、その独特な話し方は心地がいい。日本人同士でも相手が何を伝えてるのか本当に全てをわかっているとは思わないし、わかってるでしょ。わかってますよ。みたいな感じが、時々疲れる。だから、一層のこと半分くらいわかってるよ。それぐらいがいい。後は優しさみたいなものでカバーすれば、もっとコミュニケーションはスムーズになるんじゃないか。自分の心のことすらしっかりとわからないのだから、ことこまかな了解より、その色さえ感じられたら十分なはず。

みつきさんは今でもカウンセリングに通っていて、認知行動療法で治療を続けている。心の葛藤のことや、過去の事も。少しだけ話を聞かせてくれた。私はカウンセラーになりたいと思ってるわけじゃないこと、心理学が勉強したいから勉強していることを話した。

「どれくらい病院とか、どれくらいかかりましたか?」みつきさんが私に聞いた。みつきさんは数回、同じ質問をしてきたけどそれはきっと私の返事がよくわからなかったからだろう。私もわからなかった。途中までは覚えてる。だけど、その先の記憶がハサミでチョキンと切ったみたいに途切れてるみたいにわからなかった。

「なんか、酷いこととか、、忘れてるみたい。」「わかります。」同じじゃないけど、みつきさんの夫も心の病気だった。私達はきっと共に沢山話したい事があったと思う。だけど、うまく話せいまま時間だけが過ぎていく。本当はもっと助けになれるようなことを話したかった。だけど、なんでだろう。記憶が何も言ってくれなくて悔しかった。

昼過ぎに車で駅まで送り、別れ際にハグをした。これから秋田に向かうんだそう。小さくて華奢で、周ちゃんと同じ綺麗な目をしていた。