トマトとモッツアレラの冷静パスタ

パスタ, 夕飯 03.8,2023


朝、久しぶりに角田さんからメールがきていた。

こないだ角田さんのインスタで夜中に電車の中で倒れている女性を助ける為に担ごうとしたという話が書いてあった。窓の外は果てしなく夜が続いて、散らばって座っている人たちがいる。疲れて半分寝てるサラリーマンや酔っ払ってる若い男性、ずっと携帯を触っている女性もずっと俯いたまま。とことこ、と角田さんが歩いてきて女性のもとに静かに座り、そっと声をかけ、担ごうとする姿が簡単に想像できた。なんだろう、角田さんはやっぱり角田さんなのだ。まるで物語のような話だけど、そういうことを角田さんはこの現実でやってしまう。インスタの中では結局、側にいた若い男性が担いでくれたと書いてあったけれど、角田さんらしくて小さく笑った。そして、安堵した。

私は別に世界を恐れてるわけじゃないし、正常にいつも通り今を楽しんでる。勉強ばっかりしてるものだから、遊べない友達に会えないとぐずぐず子供のように寂しがったりはしているけど、いたって楽しく生きてる。だけど、やっぱり時々、不安になることもある。だから、こういう時は素直にほっとする。世界って優しかったんだよなって。

前に友達のルイちゃんがすごくいい事を言ってた。今でもはっきりと覚えてる。「この世に悪い人なんていないからね。」あれがいつだったのか覚えてないけど、確か電車の中だった。今の私は心理学みたいな勉強を始めてしまったものだから、病気のせいで誰かを傷つけてしまう人がこの世に存在することは確かだということを知ってしまった。だけど、赤ん坊の時から悪魔になろうなんて考えてる人はいないはず。そんな事はわかっていても、やっぱり時々誰かに傷つけられることがあると、世界が怖くなるときがある。相手がそれを意図しているかどうかへ別として。

だから、そういう日のためにも、角田さんみたいな人が側にいると思うだけで、なんだかほっとする。メールには新しい本の話も書いてあった。こないだ単行本の撮影が終わったばかりなのに、もう次の話だなんてすごいなと思った。だけど、なんだろう。私もうずうずし始めてる。少しだけ写真に離れたことが良かったのかな。それとも、限りなく制御して写真をやっていたことが良かったのかな。今週、来週のスクーリングや試験が終わったら、ちゃんとしっかりとまた作品を作りたいな、なんて思い始めた。長い時間をかけて、しっかりと作品を作りたい。

昨晩に試験の結果が届いた。大学の勉強の中で一番、難関だろうと踏んでいた3教科の全てがほぼ受かった。中々受からないらしいという前情報があったから、普通の人たちが2、3回落ちるのであれば、私は3回は落ちるだろうと覚悟して挑んだけど、受かっていた。拍子抜けというか、春から数ヶ月かけてしっかり勉強したけど、やればやるほどに難しくて正直まだまだ不十分な気もしていた。とはいえ、受かった。けど、大学が卒業できたわけではないし、沢山の科目が残っていて正直先は長い。とりあえず少しだけご褒美だと思って周ちゃんに帰りにワインを買ってきてもらった。そして、案の定飲みすぎた。

私ってほんとバカなんだよね。