
午前は料理家の角田さんと国分寺の農家さんの撮影。滝のように汗をかいて、すごく気持ちが良かった。映像を回しながら、スチールのカメラを2台回した。畑での撮影はやっぱりまだ慣れない。どこに何があるのかよくわかってない。同じ野菜だとしても、皿の上と土の上では全然勝手が違うから。いつものように出来ないもどかしさと不安と新しい世界に触れているドキドキ感がごちゃ混ぜになっていく。
撮影を終えて、畑の側にあったカフェで角田さんと昼食をとってから別れた。角田さんと会うと安心する。今日もほっとした。それに、やっぱり人のことは大切にしたいと思った。世の中にはそうじゃない人もいるけど、それはそれ。私は私でいい。とても近い距離でそれがあったとしても、気にしないこと。咎めないこと。物事には色々が多分に含んでいるのだから、ひとりよがりに優劣をつけない。賛同者を求めてもだめ。ただ、そうかと思って、その人の声が耳に触れない場所へと離れていけばいいだけ。私がしたくないことをしっかりとわかっていれば、大丈夫。怖がることはきっとない。角田さんとそんな話をしたわけじゃないけど、今日もそうかと心が満たされて帰路につく。ただただ世界に安心した。
角田さんと別れてから婦人科検診で予約した病院に機材を持ったまま向かった。そして、家に帰るとポストにまゆみちゃんからの手紙が入っていた。勉強を初めてからより一層にまゆみちゃんの手紙がうれしくなった。友だちと会わなくなったからだろう。一人じゃない気がして嬉しくなるし、誰かの人生の話を聞くのは楽しい。7月5日、9日、15日、最後が21日の手紙だった。こないだジュリエちゃんと慎一郎くんがパリに来たよという話も書いてあった。あとは、HUGOさんのこととか、猫を一週間預かっていたけど、控えめに言っても超可愛いとか、色々。
パリでの生活を想像しただけでとても幸せな気持ちになる。少し熱中症気味の熱った身体にママレードソーダを流し込みながら手紙を大切にゆっくりと読み、ぼーっと考えた。クーラーを強くかけた部屋が西陽のオレンジ色でいっぱいになっていく。幸せって一体なんなんだろう。パリでの生活は日本のそれとは明らかに違うように映る。簡単に言えば、国民性や文化の違いなのだろう。東京は沢山遊んでもらったから、私にはもう必要ない。だけど、東京から離れた今も私の人生はまだ少し忙しない。
まゆみちゃんはパリに行く前も好きだったけれど、パリに行ってからもっと好きになった。その生活はその生き方は優しさに満ちている。頑張ることが悪いことじゃないけど、頑張るのが上手じゃない人は頑張らない方がいいのかもしれない。
それから、昼に周ちゃんの妹のみつきさんからLINEが入っていた。私が勧めたアメリカの心理学者の本のことも書いてあった。マインドフルネスは時々やってるとのこと。私を救った心理療法のひとつで、その概念は禅に由来する。最近は少し辛かったらしく、明日は久しぶりにカウンセリングに行くのだそう。小さなこと、ちょっと辛いとか、寝れなかったとか、なんでもいい。こうして時々でも打ち明けてくれることが嬉しい。私達の距離は一万キロ。アメリカと日本。一応親族だけど、遠いいところで生きてきた。だからこそ、話せることもある気がしてる。