朝食

朝食 04.10,2023


結局5本目のレポートは出すのをやめた。あれやこれやと詰め込み過ぎて、後になってヒーヒー言うのは自分だ。それに、このバタバタの最中に月末にキャンプの約束をしたのもある。休みなんて取ってる時間はないはずなのに、やっちまったなと思ったけれど、きっとキャンプに行く頃にはもう絞った雑巾みたいになってるはず。息抜きにいいかもしれない。

来週からは映像の制作がしっかりと入ってくる。こんなに長い時間かけて企画を考えたのは初めてだ。仕事だけど、仕事とは言い切れない料理家の角田さんからの依頼。私が出来ることは何か、周ちゃんに聞いてもらって、何度も何度も話を重ねてコンセプトを作り上げた。仕事ならきっと答え合わせは簡単だったと思う。だけど、今回は、前提に角田さんとの関係を大切にしたい。丁寧に関わっていきたい。この気持ちが一番にあった。

ぼんやりと来週のことを考えながら、春までの勉強のスケジュールを立てた。それから撮影データーを送って、午後は試験勉強をした。夕方になる前に新宿に向かって、キタムラで機材の相談をしてから、ルミネの無印で勉強用の文房具を買った。そうこうしているうちに強い雨が降ってきて逃げるようにスタバに駆け込みティーラテを注文。夕方のスタバはなんだか落ち着かなかった。

丁度雨が小降りになってきた頃に六本木へ向かった。今夜は、ライターの柳澤さんと、リンネル編集部の藤本さんと吉野さんと4人でザリガニを食べる約束をしてる。スウェーデンでは、ザリガニ料理は夏の風物詩らしく、どこの家庭でも友人同士でも、夏の間に数回、ザリガニパーティをするのだそうだ。こないだ撮影に来たときに知り、じゃあ食べにこようとなった。10月の頭ならまだ食べれるらしい。

子供みたいに夢中に貪り、ベチャベチャになった手でワインを飲んだ。味は蟹みたいで、頭の部分は蟹味噌そのもの。お酒は二杯だけ飲んだけど、体調はむしろ良かった。きっと楽しかったんだろう。柳澤さんはいつものように沢山飲んで顔を赤くしていた。帰りがけに藤本さんが持ってきてくれた色校を見せて貰った。秋らしくて素敵なページのデザイン。雑誌って今よりも少し先の月の話となる。これからくる近未来のことを想像するのはわくわくする。来月の発売が楽しみ。

帰りは三つ先の駅に住む柳澤さんと本を売る話とか戦争の話とか、いろいろな話をした。駅を降りると夜はすっかり冷え込んでいたけど、秋の匂いが肌に触れると、思い出がどんどん身体に浸透していくみたいだった。最近、過去の記憶がどんどん塗り替えられていってる。悪いこともあるのは知ってるけど、夜は果てしなく夜でいい夜も沢山あった。夜中は大体タクシーで家まで帰る。

夜中の246だとか、山手通りが好きだった記憶はちゃんと残ってる。