
朝は少し二日酔いで寝坊した。「マック行く?」寝起きの周ちゃんが言った。水でも飲んで直ぐに勉強を始めたかったけれど、梃子を連れてマックへ行くことにした。体調は日に日に良くなって夜も寝られるようになった。ここ数日は、体調のせいで夜に起きることが無くなった。
だけど、昨日の気持ちを引きずっているのか、その気持ちがなんなのかわからないままだ。車はどんどんマックへ向かっていく。周ちゃんには話さない。そう決めていたけど、湖の側にある公園に着いて、いつからなのかわからないけど、歩きながら話し始めた。「虚無感だね。」「あ、それ。それだ。虚無感。」失くした大切なものが戻ってきたような感じだった。そう。虚無感。それから、押し込めていた「寂しい。」が声と一緒に何度も何度もでてきた。ベンチに座ってエッグマックマフィンを齧りながら、大きな木々の間を歩きながら、何度も。
「それはさ、よしみが今、変化してるからだよ。俺はだけど、変化することはいいと思う。辛いだろうけれど、変化するってそういうことだから。これから、どんどん自分だけじゃなくて、周りの世界も変わっていくよ。いく場所も、会う人も。それは、とても楽しいことだよ。今まで会えなかったような人に会えるようになったり、そういう人と肩を並べて話ができるようになる。」
家に帰宅して、庭の掃除や家事を済ませて温泉にいく事にした。もう少し周ちゃんと話がしたかったから、遠くへ行きたかった。「いいよ。今日はプールじゃなくて温泉に行こう。」
山奥にある温泉に浸かってぼーっとした。三連休だったからか、温泉は脱衣所も露天までもぎゅうぎゅうで芋洗のようだったけれど、隅の方で目を瞑って湯に浸かった。行き詰まっていた色々のことは今日は全部忘れてしまおう。夜は鍋。何も考えずに寝た。深く深く落ちていくように寝た。