チキンカレー

カレー 01.12,2024


昨晩、夕飯を食べながら周ちゃんに「もう12月だってよ!」と言うと、「今年1年どうだった?」と、返ってきた。「不安ばっかりだよ。」と言ったのに、周ちゃんは嬉しそうな顔をしてる。

大学はもうすぐ卒業する。実習も今週で最後だ。先々週、心理士の先生が「うちで働いていいって、院長先生が言ってたよ。」と言ってくれたけど、正直、自分の気持ちがよくわからない。先生は、臨床を経験してみたらいいんじゃないかって勧めてくれて、その通りかもしれないとも思った。けど、本当にいいんだろうか。不安でしかない。

それに、。写真だって、全然、まだまだ今のままじゃダメだと思う。ワガママが言いたいわけじゃないけど、仕事には仕事の写真があることもわかってるけれど、そうじゃなくて、いい写真が見たいとか、いい写真に出会えると信じてる自分がいる。どうしていいかわからないけれど、諦めきれない。

ただ、ひとつ。最近になって思うことがある。今がぐちゃぐちゃであろうとも、それとは別に、ここは平和だ。限りなくどこまで行ってもきっと、今日と同じ明日が、また明後日も、そしてその次もと続いてくれそうな気がしてる。世界はいつだって連続の続きではない筈なのに。

周ちゃんと家族になってもうすぐ3年。1年目、2年目と、それなりに色々なことがあったし、新しい結婚の形みたいなものをずっと模索してきた。というか、愛みたいなものに飽き飽きしてる私にとって、この結婚がなんの為のものなのか、正直わからないまま籍をいれたから、どこかにいつかは着地したいと願っていた。だけど、結局、その新しい形は見つからないままに、3年目に突入し、新しい家に引っ越して今年も終わる。

ダイニングテーブルは、左側が周ちゃんで中央が私の席。ベッドは左が周ちゃんで右が私の枕。風呂は私が先で時々周ちゃんが先に入る。料理は私が作って周ちゃんが洗う。パズルみたいに、綺麗に日々の中に私たちは収まり、大学のレポートに苦しんだ日も、思うように写真が撮れなくて泣いた日も、年始に姉と大喧嘩した日だって、いつもと変わらない今日のように寝床へついた。周ちゃんは左で私が右の枕で。

最近の私は弱いと思う。人に強く言われることが増えた気がする。ほんの数年前は無かったことだ。けど、言い返さないし、言われっぱなしでいいと思ってる。憎みもしない。心理学を勉強するようになってからそうしたくなった。それから、弱くなった自分に加えて出来ないことも増えた。数年前までは、写真さえ撮っていれば、それで食べていられるのならば、何も怖くないと信じていた。だけど、今は、写真も全然撮れないと思うようになったし、世界は写真だけじゃないことの方がずっと多くて、その中で自分が生きてるんだということを知った。そしたら、出来ないことが増えた。だけど、だから、私には曖昧という選択肢が残されたこともわかってる。

今は、頑張れば頑張るほどに、色々な世界を知らされるし、私はどんどんぐちゃぐちゃになってゆく。だけど、私が混色雑多で混ざりに混ぜられてしまっても、今日も横には梃子と周ちゃんがいる。ここが私の家で、「家族」というもの、みたいだった。

そして、どんな日でも、それが最悪でも、最低でも、最高だったとしても、「家族」は隣にいる。そして私は、ただただ、今日も、いつもと同じように前に進めるようになった。

弱くてもぜんぜん駄目でも世界が広がってゆく一方でも、心は不安でいっぱいでも、前に知らない場所へ、先へ。