おでんカレー

和食 12.2,2025


久しぶりにおでんカレーを作った。結婚してからは、おでんを作っても周ちゃんとふたりでぺろっと平らげることが多かったけれど、珍しく残った。じゃあ、と、昼食におでんカレーを作った。

ふとナナコにLINEした。”なんかあった?” と返信。私がLINEすると、ナナコはいつも、お父さんみたいになる。けど、ナナコは以前のように、もう強くてどっしりとして、なんでも包んでくれるようなお父さんじゃない。結婚してからは、すっかり女の子になった。いや、きっと元々がこっちだったのかもしれない。私と同じだったと思う。相手を庇うために、自分を変えてでも強く生きなきゃいけなかった。

何ってわけじゃないけど、今、ギブスしてるって伝えると、”やっぱり。”とのことだった。けど、リビングで滑って転んだことを説明すると、”おっちょこちょいだ。” って。懐かしい、この感じ。やりとりのテンポや温度感だとか、やっぱりナナコはナナコだった。

ナナコ、髪は伸びただろうか。結婚はうまくいってるんだろうか。パートナーの病気はどうなんだろう。それに、今は何を考え、何を撮っているのだろう。新しい作品は。色々が頭の中を駆け巡る。ナナコは映画監督をしてる。出会った時はアシスタントだったけれど、今はもう独立したと聞いてる。

久しぶりに誰かと長いことLINEをした。ナナコは、たぶん、特別な人だから。それは映画を撮ってるからじゃなくて、なんだかずっとそうだった。私のギブスがとれたら会おうと約束した。「パートナーにも会いたい。」と何度か書いては消したLINEは結局送らなかった。今はナナコと会おう。

どうして大学院へ行きたいんだっけ、とか。どうして写真を撮りたいんだっけ、とか。写真を撮る仕事がお金だけの為とは言い切れないとか。自分の中で色々が少しずつ整理できてきている気がする。

やっぱり、出来ないことを無理にやろうとしなくてもいいし、だからって諦めなくてもいい気がしてきてる。まだ上手くは整理できないけど、曖昧なままじゃなくて、ちゃんと片付けていこう。

おでんカレーを作ったのが先なのか、ゆうちゃんとメールしたのが先なのか、来週、みっちゃんとうちで久しぶりにご飯を食べることになった。二人とも、歩いて10分のところに住んでたのに、今はみんなバラバラだ。おでんカレーはゆうちゃんが昔、三茶の三角地帯にあるONSENっていうバーで働いてた時に作ったレシピ。あの頃の私たちは若かった。朝まで飲むのは日常茶飯事だったし、毎晩遊んでたし、夜の街を沢山撮った。

ゆうちゃんがinstaか何かに、年老いた自分が嫌だったけれど、そうでもなくなった気がしたって書いてあって、女優でもそういうことを思うんだって、なんだかすごく、ぐっときた。