カテゴリー: パスタ

しらすとセロリのスパゲッティ

パスタ 06.10,2023


夜から周ちゃんの仕事の付き合いで寺田倉庫で開催されるMEET YOUR ART FESTIVALへ行った。別府プロジェクトでご一緒したアーティストの西田さんの誘いだそう。西田さんは金髪の陽気なおじちゃんって感じだったけど、すごい人らしい。11月は渋谷のハチ公でインスタレーションをするという話をしてた。私のことを色々と紹介してくれてたけど、少しでも作家として活動していたことがあるからだろうか。なんだか自分の不甲斐なさを感じてしまう。

会場で3年ぶりにIDEEの時のバイト仲間だったヒデオに会った。相変わらず可愛くて、少し心が癒された。それにビールをご馳走してくれた。帰りは駅ビルの中華を食べて帰った。

周ちゃんはやっぱりアートの業界の人で、私はそうじゃなくなった人。商業カメラマンは一過性の仕事。作ってもすぐになくなって、また作るの繰り返し。

トマトとモッツアレラの冷静パスタ

パスタ, 夕飯 03.8,2023


朝、久しぶりに角田さんからメールがきていた。

こないだ角田さんのインスタで夜中に電車の中で倒れている女性を助ける為に担ごうとしたという話が書いてあった。窓の外は果てしなく夜が続いて、散らばって座っている人たちがいる。疲れて半分寝てるサラリーマンや酔っ払ってる若い男性、ずっと携帯を触っている女性もずっと俯いたまま。とことこ、と角田さんが歩いてきて女性のもとに静かに座り、そっと声をかけ、担ごうとする姿が簡単に想像できた。なんだろう、角田さんはやっぱり角田さんなのだ。まるで物語のような話だけど、そういうことを角田さんはこの現実でやってしまう。インスタの中では結局、側にいた若い男性が担いでくれたと書いてあったけれど、角田さんらしくて小さく笑った。そして、安堵した。

私は別に世界を恐れてるわけじゃないし、正常にいつも通り今を楽しんでる。勉強ばっかりしてるものだから、遊べない友達に会えないとぐずぐず子供のように寂しがったりはしているけど、いたって楽しく生きてる。だけど、やっぱり時々、不安になることもある。だから、こういう時は素直にほっとする。世界って優しかったんだよなって。

前に友達のルイちゃんがすごくいい事を言ってた。今でもはっきりと覚えてる。「この世に悪い人なんていないからね。」あれがいつだったのか覚えてないけど、確か電車の中だった。今の私は心理学みたいな勉強を始めてしまったものだから、病気のせいで誰かを傷つけてしまう人がこの世に存在することは確かだということを知ってしまった。だけど、赤ん坊の時から悪魔になろうなんて考えてる人はいないはず。そんな事はわかっていても、やっぱり時々誰かに傷つけられることがあると、世界が怖くなるときがある。相手がそれを意図しているかどうかへ別として。

だから、そういう日のためにも、角田さんみたいな人が側にいると思うだけで、なんだかほっとする。メールには新しい本の話も書いてあった。こないだ単行本の撮影が終わったばかりなのに、もう次の話だなんてすごいなと思った。だけど、なんだろう。私もうずうずし始めてる。少しだけ写真に離れたことが良かったのかな。それとも、限りなく制御して写真をやっていたことが良かったのかな。今週、来週のスクーリングや試験が終わったら、ちゃんとしっかりとまた作品を作りたいな、なんて思い始めた。長い時間をかけて、しっかりと作品を作りたい。

昨晩に試験の結果が届いた。大学の勉強の中で一番、難関だろうと踏んでいた3教科の全てがほぼ受かった。中々受からないらしいという前情報があったから、普通の人たちが2、3回落ちるのであれば、私は3回は落ちるだろうと覚悟して挑んだけど、受かっていた。拍子抜けというか、春から数ヶ月かけてしっかり勉強したけど、やればやるほどに難しくて正直まだまだ不十分な気もしていた。とはいえ、受かった。けど、大学が卒業できたわけではないし、沢山の科目が残っていて正直先は長い。とりあえず少しだけご褒美だと思って周ちゃんに帰りにワインを買ってきてもらった。そして、案の定飲みすぎた。

私ってほんとバカなんだよね。

シーフードスパゲッティ

パスタ 18.4,2023


今夜は、シーフードスパゲッティ、納豆と梅の味噌汁、小松菜の醤油麹和え。今日は忙しくて30分で作れる夕飯っていうのを献立テーマにした。知らなかったけれど、納豆と梅の味噌汁は周ちゃんの好物なんだとか。まだまだ知らないことが沢山ある。

それから、最近の周ちゃんのブームなのか、夜中に携帯のシャッター音で起こされる。勉強のためにより早起きになった私は21時も過ぎるとベッドに入り3秒と経たぬ間に夢の中へ。周ちゃんはそんな私と梃子の寝顔を撮っているらしい。ちょっとだけ嬉しい反面、もう可愛さみたいなものはとっくに何処かへ忘れてきた年齢の身分なゆえに恥じらいの方が勝つ。

思い返せば、前の夫も同じような事をよくやってた。そんなに中年女の寝相は面白いのか。猫のように可愛く眠る友人を旅先で見かける度に心底羨ましく思った。私もあんな風に寝てみたい。こないだなんて寝ながらオナラをしてしまった。男の前で堂々とオナラをするだなんて人生で初めてだ。自分のオナラの音でびっくりして起きたけど直ぐさま寝たフリをした。こういう時の私の頭の回転率は猛烈に早い。だけど未だに恥ずかしくて記憶を抹消しようと努めてる。

今さらだけど、再来月あたり、。勉強が少し落ち着いたらきちんとしようと思う。もうちょっと女性らしくというか、ずっといい感じにしたい。パジャマもGAPのクリスマスバージョンから少し大人っぽいのに変えたい。家でつける矯正下着も買いたい。このままだときっと妻として愛想をつかされそうで危険な気がして。頑張ろう。

アスパラとトマトとモッツレラのスパゲッティー

パスタ 01.4,2023


午後から角田さんと三鷹のマルシェへ行った。今日の約束は少し前に会って話したいと言われていたことだ。年始に私の撮った映像を見て感動したと熱々の湯気がこちらまで届くようなメールをいただいた。尊敬する角田さんからの突然の連絡に正直すごく驚いたけど、なにかの間違いかもと冷静に現実から目を背けたりして、ただ、ありがとうございます。とだけ返した。だから、会って話したいというのは、夢の話だろうと勝手に決めていた。

角田さんは変わってる。本人も「私は変わってるんです。」とよく言うけど、本当にその言葉の通り。同じような人に会ったことがない。一緒にいると驚くようなことばかりを言いだすし、かと思えば人への愛情が深くて胸を打たれてみたり。料理を生業にしているけど、どんなことよりも先ず人を大切にする姿や、そうして物の本質を嗅ぎ分ける嗅覚みたいなものが抜群に長けてるような、それが何かはハッキリとはわからないけれど、たぶん生物的なセンスとゆうか、不思議な魅力がある。

今日は角田さんの知り合いのお店をいくつか回り最近私が夢中になってる青梅野菜の、のらぼう菜の話なんかをした。それから近くの喫茶店へ入って色々な話をした。

「言葉でなんて説明していいのかわからないんですけど。」私よりも年上で、ずっとずっとキャリアがあって、立派な仕事を沢山してきてる角田さんは、偉ぶることもないし、お姉さんみたいな感じで話すこともないし、本当に素直にわからなくて、その言葉が見つからないけど伝えたいと一生懸命に言葉を探していた。そんな様子を見ているとじわじわと目頭が熱くなっていった。

前に男のカップルと一緒によく彼らの家で食卓を共にしていた時があった。あの時間が私は大好きだった。男なのか女でもないような、同じ液体の中にいるスープみたいに流動的に流れてゆく。同胞感に臆することなく、おのおの流されながらもぺちゃくちゃと話し続ける。みんな同じじゃん。そんな気持ちが心地がいいし安心だし、恋人とベッドの中で柔らかい毛布に包まれているような。だけど恋人の前みたいに女になる必要もない。久しぶりのあの感覚に似ていた。

「あの時は離婚直後で、なんというか、食べなきゃというか生きなきゃって。とにかくもう怖いことから逃げちゃいけないって。そう思って映像を撮り始めたんです。」

頼んだアイスコーヒーを一気に飲んで話を続けた。私があの日々の中で大変だったことは日記に書いてるくらいで姉以外の誰かには話してない。ほんの2年前の話だけど、まだ毎日が怖くて仕方がなかったし、生きてるんだか死んでるんだかもよくわからなかった。身体の感覚が半分麻痺しているような毎日の中で撮り続けた。

角田さんに私のことは殆ど言ってない。だけど、生きなきゃと必死になっていた私のことを、水に洗われる紫蘇や、フライパンの上で回るスパゲッティの映像から、とにかくそう感じたのだとか。

今の自分の気持ちが全くよくわからない。だけど、帰り道に角田さんの背中を見ていたらなんだかすごくハグしたくなった。

春の夜風が冷たくて清々しい。角田さんといると明るいきもちになる。

トマトスパゲッティー

パスタ 22.3,2023

人生で初めての無印週間。無印に行く友達の気持ちが全くよくわからなかったけれど、無印ってすっごく便利だって事を割と最近になって知った。日用品の色々は大体なんとなく揃うし、規格サイズが日本の家にピッタリで棚でもボックスでも気持ちよく収まる。昨日も行った無印。今日もまた行った。昨日は2万くらいの買い物をして、今日はTシャツを1枚だけ買った。

最近、私の毎日はとてもくだらなくて最高だなと思う。春うららかな気持ちの良い午後を自転車で一気に駆け抜けた。坂上からは遠くに裏山が一望できる。ここを通るたびに気持ちが毎回すぅーっとなる。

一昨日くらいに周ちゃんとお風呂の中で話したこと。「大学院の面接でね、圧迫面接があるんだって!」「えー。そうなんだ。じゃあ質問します。あなたはその年齢でどうして大学院に入ろうと思ったんですか?」「くだらないことが好きだからです。」「えー。それはダメだよ。今から模範解答言うよ。」

なんだかちょっと苛々して適当に聞いた。私は周ちゃんのようになんでもかんでもスマートにはしたくない。ずっと嫌いだった遠回りしてしまう性格は今では気に入ってるくらい。こうして食卓みたいにだれでも撮れる当たり前なものを被写体にしてるのはくだらない毎日が好きだからであって、計画入念な人生を歩んでいたらここには絶対いない。きっと別の人と結婚して写真もやってない。

だけど、馬鹿なことばっかり繰り返しても、あーあ最悪、。なんて人生をやってしまっても、なんの変哲もない数百円で買えそうな日々が私に見せてくれる日常が私にとっては魅力的で特別で最高。簡単に形容されるようなもの、すごいとか、なんだどうだとかは必要じゃない。

くだらないのがいい。中年になって大学いくのはお金も時間もかかるし馬鹿だなと思うけど、そうゆうのが好き。

トマトスパゲッティー

パスタ 08.2,2023

今日は朝から撮影の準備。あっという間に夜が来てザーザーぶりの中、ずぶ濡れの周ちゃんが帰ってきた。今月はずっとなんだか忙しない。

夕方に週末に約束していたいまむちゃんとゆうちゃんとスパゲッティーを食べに行く予定を延期してもらった。土曜日にのんびりとスパゲッティーをすすってる場合じゃなかった。残念だけど、来月が楽しみだな。スパゲッティーもだけど、スパゲッティーのことを嬉しそうに話すいまむちゃんを見るのが楽しい。人が何かに喜んでる姿っていうのは、こっちまで嬉しくなるというか、その弾む気持ちが感染するというか、そんな時間が美味しく感じてしまう。

最近、色々と考えてて少し疲れてる。多分きっと来週から始まる撮影だとか、大学の準備で気持ちが一杯なんだろう。だけど、新しいことがどんどんやってくると同時に失っていく色々も感じる中で、例えば、年始に感じていた東京の友達との交流が減っていく寂しさよりも、今は新しい人に出会っていく面白さみたいなものに本能的にワクワクしてるというか。違う世界が私に溶け込んでいくのが気持ちがいい。

周ちゃんとお風呂に入りながら不意に話したこと。
「人って面白いよね」って。

最近よく感じること。この人といると何だかとても楽しいとか、現場が明るくなるとか、たったひとりの人の影響は意外に大きい。逆に言えば、威圧的で怖いとか、冷たい言葉が場の空気を悪くするとか。本人が考えてる程に悪気はなかったとしても、悪い環境を作ってしまう人もいる。家族でも友達でも仕事でも誰と自分がいるかで自分は変わっていく。環境を作っているのは人で、その環境の中で生きるのも人だ。たったのひとりの影響力は別の誰かの今日を簡単に変えていったりもする。

nature or nurture 遺伝か環境かという古代ギリシャからの問いが現代までも続いてる。少し前に勉強したこと。面白いことにDNAが環境に左右されるという研究結果もでてる。誰とどんな風に過ごし何を感じるのか。悪く言うならば、潜在能力を引き出してくれるのもそれを潰すのも他人だったりもする。人の所為にするのは良く無いとも思うけれど、人は、やっぱり一人じゃ生きてない生き物で、人は、人とともに生きる。だから、要するに未来を明るくするには仲良くなった方が早いってこと。だけど世の中そんなに上手くはいかないもの。大人になればなるほどに複雑で巧妙に蓄えられたバランス感覚は曲がった骨盤のように誰にも気づかれることなく一方だけを目指し偏っていく。

「人とは人と人の…」私が人の影響力について言いたいことだけ喋りさくっと風呂を上がると、湯船に浸かりながら周ちゃんも熱弁を続けていた。そうだよね。人は人と。明るい場所を作りたいね。美味しくて平和でとにかく温かい感じの。

夕飯は急いで作ったポトフとトマトスパゲッティー。

トマトペンネ

パスタ 31.12,2022

朝はいつもより少し寝坊。6時前にのそのそとベッドを抜け出し1時間だけ勉強した。まだお酒が残ってる。身体はずしりと重いけど勉強がしたい。あんなに呑まなきゃ良かった。

朝食は二日酔の時によく作る鶏ガラの梅干し饂飩を作って食べた。冷凍庫にストックしておいたガラスープに冷凍饂飩と梅干しを入れて煮込み、胡麻油と中華スープの素で軽く調味。溶き卵を回しいれて終わり。胃に優しいし食欲もきちんと満たしてくれるから気に入ってるのでここぞという日に作る。二人分の饂飩を作り、周ちゃんと再びベッドへ潜った。起きたのは昼。今夜は私の実家で大晦日を過ごす予定。兄の三兄弟の子供達は周ちゃんに初めて会う。「周ちゃん、お昼どうする?」二度寝から起きたのはお昼過ぎ。家を出るまで後2時間しかない。途中、渋滞にでも巻き込まれたら楽しい大晦日の最中に母の小言を聞くハメになる。「ペンネなんてどうかな?」「いいね!」。

周ちゃんは昨晩に山形の忘年会から帰ったばかり。私は後藤さん家で遊び過ぎて帰宅は夜遅かった。大晦日くらい二人でゆっくりと過ごし、今年の色々を振り返りたいなんて思っていたけど、結局、この一年のようにバタバタと今日も過ぎ去ってゆく。今年は結婚もそうだし、田舎暮らしも、そして妊娠と流産、とにかく休まることなく忙しなかった。新婚を楽しむなんて余裕はあまりなかったように思う。それよりも、どうにかこうにかして新しい生活を組み立てることで必死だった。だけど、この一年間の自分や周ちゃんを褒めてあげたい。昨年からは想像も出来ないような新しい今が本当に好きだ。がむしゃらでも頑張ってやってきたことは確実にこの暮らしの土台となるようなものを作ってくれた。

小さいながらも庭に作った菜園や春に植えたミモザや金木犀はすくすくと育ち、殺風景だったリビングルームも今じゃしっかりと部屋の輪郭を成してる。冬になり遅くやってくる朝陽がテーブルを照らすと、パンケーキや淹れたての紅茶から立ち上がる湯気は私の隅々をじんわりと温めてくれる。車を買ってから周ちゃんの自転車は玄関の脇に置く様になり、誰かの何かが置いてある事を目にする度に私達の生活なんだと実感しては少し嬉しく思うようにもなった。私の部屋のドアの横に貼ってきた友人からの手紙や展示の知らせなどは気付けば壁一面を覆い尽くし、それぞれを思い出す度に友人達への愛に胸を少し熱くさせたりして、東京を離れ陸の孤島のような田舎暮らしを始めたことを後悔するどころか、そんな自分を少しだけ好きだと思えるようにもなった。

長くて短いこの一年。よく頑張った。今夜は賑やかで大晦日らしい夜。父や兄はいつもの様に酔っ払い、忙しなく料理を運びながら嬉しそうにお喋りする母、兄嫁のリーちゃんと仲のいい三兄弟。話はテーブルのあちこちで尽きることなくあっという間に今年の終わりまでカウントダウン。あれから2年。すっかり離婚から立ち直り、全く別の人生を生きるようになった。最近の母は「周三さんは急に変わったりしない?」なんて聞かなくなった。私だけじゃなくて家族も私の1度目の結婚のトラウマを捨てれるようになったんだと思う。

途方に暮れてた2年前。姉と絶対に幸せになろうねと誓った。何がなんでも幸せになってやる。痛む心を押さえながら笑い合った。私一人だったらここまで来れなかった。家族や友人、周ちゃんのお陰だ。心理学のセルフコンパッションの勉強で学んだことに、悲しみから救えるのは慈しみの心だという言葉がある。私達人間は温かみを与える事とそれを受容する力を持っている。これは人間が持ちそなえている性質なのだそう。もし本当にそうなら、そうだと私が信じるならば、今度はきっと私の番だ。栄養が十分に行き渡った私が出来ることは、それをまた誰かや何かに渡すこと。それは周ちゃんなのか、家族や友人。仕事なのか。どれに値してもいい。ただ、思い切りにやってみたい。もちろん、私の人生も存分に大切にしながら。

トマトスパゲッティー

パスタ 07.8,2022

今日は朝から家族会議。夏休みの色々を話した。月末に行く予定だった西表島。探しても探しても高いチケットしか残ってない。それなら秋に予定していた東北へ行こうとなった。そして、沖縄は秋に。というのも、秋にミルク様という神様の秘祭を離島で行うから。写真家の石川直樹さんが撮っている日本の祭り。同じく、フランス人の写真家が撮っている祭りの衣装の写真集がある。周ちゃんが働くミュージアムにも置いてある写真集。日本の祭や、沖縄独特な秘祭文化の話で盛り上がった。「クロマタは写真に撮ったら殺されるんだよ。」「え?」「昔に暴行事件になったほどで、今でも写真は大昔に誰かが隠れて撮ったものが少しあるだけ。」ネットで調べるとそれはモノクロの写真でまったく何が何だかわからない神様った。「面白いね。周ちゃんは見たことあるの?」「パーントゥはあるよ。泥の神様で、観光客でも見れるよ。泥をつけられちゃうんだけど。」「えー!これ?すごー。」「これは見たことある?」「ミルク様は無いよ。」「見にいく?」「え?いいの?!」「いいよ。ぜんぜん大丈夫だよ。行こうよ。」ミルク様がやってくる日程はまだハッキリとはわからないらしいけど、秋にミルク様に会いに行くことなった。

東北旅行の安宿やレンタカーを手配。私はその土地の郷土料理だとか、地場野菜などの食材を見つけられたらいい。周ちゃんは何も言ってなかったけど、山岳文化とか、山の神様の場所に行きたいみたいだった。知り合いの山伏の方がドキュメンタリーの映像制作か何かでドイツに行っているらしくて、山伏の奥さんがやってるレストランに行こうと話してたけど、どうやら奥さんもいないみたい。山伏の奥さんで料理を作ってる女性。妄想だけでお腹一杯になってしまいそうなくらいに素敵で魅力的だ。次に行く機会があったら会いたい。

そして、数年前に東京から山形に帰郷したざおーにも会う。こないだ一緒に山形の仕事をしたばかりだけど、会うのは2年半ぶり。すごく嬉しい。一緒にワインを飲む約束をしてる。あと、山の中にある廃校となった小学校で野菜のレストランを開いてる女性の料理も食べに行こうと約束してる。すごく楽しみ。

シーフードパスタ

パスタ, 洋食 29.1,2022

ブランチは昨晩の残りの刺身と冷蔵庫の余ったおかず。南瓜の煮物、小松菜のおひたし、ナスとレンコンと鳥もも肉の甘酢炒め、納豆、卵、海苔、ご飯とキャベツの味噌汁。ご飯は二杯おかわりした。周ちゃんは三杯だったかな。とにかく私と周ちゃんはよく食べる。今日もペロッと漫画みたいに食べた。

午後は周ちゃんに付き合って駒場にある民芸館に行った。前の家が近かったので何度もこの辺を歩いたことがあるけど民芸館は初めて。周ちゃんはまるでここの学芸員みたいに色々を教えてくれている。周ちゃんは親切で優しい男ランキングベスト3に入ってもおかしくない。ジャパンじゃなくて、もちろん、ワールド大会で。おかしなもので、数年前は全く知らない音楽に耳を傾けながらライブハウスの暗闇の中でひとり呆然と夫だった男が唄うのを聞いていたけど、今はこれから夫となろうとする学芸員の話を民芸館で静かに聞いてる。民芸も音楽と同じ。全く知らない。私の口からは、うんともすんとも何にも出てこない。展示品を見ながら、幾つも見ながらそんな事を考えてた。お腹空いたな。「周ちゃん、シーフードパスタが食べたい。」民芸館を出てしばらくすると「よしみがシーフードパスタって言うから、俺もそんな気分になってきちゃったよ!」「じゃあ、今夜はパスタにしよう!ホタテと鮭があるよ。」何だかとびきり元気な声で言った気がする。別に民芸館がつまらなかったわけじゃない。一人じゃ行かない民芸館も周ちゃんとなら楽しい。民芸は大体見てない。家でもスーパーでも日本から出てもいい、周ちゃんとならどこでも楽しい。周ちゃんはどんな表情をして、どんな言葉でどんな話をどんな風にしてる。どんな佇まいでどんな風にこっちを向いて。こっちを振り向いて。私の名前をどんな風に呼んで、その音の大きさはどんな感じ。眼差しはどこに向かってどうやってここにくる。色素の薄い茶色の目が綺麗。そんな時間をただただ見てる。どこでもいいから一緒の時間だけが見たい。これって恋人じゃなかったら完全にストーキング行為だな。

梅ヶ丘の駅前のスーパーを出ると夕方がもうすぐ終わろうとしてた。遠くに夕陽の残りが微かに見える。家までは後15分くらい。坂道を下りながら聞いた。「例えばさ、周ちゃんが今すごくお腹が空いて堪らなくて、そこのコンビニでおにぎりとか肉まん食べる?」「う〜ん。食べない。だってこれからシーフードパスタ食べるでしょ。」「じゃあさ、どうしてもお腹が空いて駅前にあったマックでハンバーガーだけのつもりがポテトも食べちゃって、そしたらどうする?すっごくお腹空いてるの。もう限界ってくらいに。」「食べないでしょ〜。一緒にシーフードパスタ食べられないじゃん。だって材料も買ってるわけでしょ。一緒にシーフードパスタ食べようって話してるわけでしょ。」「そうだよね。食べないよね。けどさ、マックを食べちゃってお腹いっぱいになっちゃって、夕飯はやっぱりいいやってなって。私は一人分のシーフードパスタを作り始めて、あ、やっぱりちょっと食べたいって言い出して、そしたらあなたの分は無いよなんて言わないよね。それでじゃあもう一つ作るからってなって、パスタは温かいうちの方が美味しいし、その温かいパスタはどんどんお皿の中から無くなっていく間に、フライパンの中ではもう一つのパスタがぐるぐると回されて乳化もいい感じ、それで、結局、私は一人で食べるよね。一人前の熱々のシーフードパスタ。」そうだよね。おかしいよね。

あれ、悲しい。何だか悲しいことが目の前で起きてる。だけど、何故だか世界は悲しい私がおかしいみたいな雰囲気。それは家の中だけじゃなくて、いつもの中目黒の酒場とか、どこかよくわからない真っ暗闇のライブハウスでも同じ。元夫といるとそうゆう時間があちこちにあった。一人でシーフードパスタを食べるのは悲しい??たしか、元夫の友人があなたが作るから悪いって言った日があった。だけどさ、私はただ一緒に食べようって話をしてただけだし、ただ、悲しかっただけ。

お腹がペコペコだったから大盛りのパスタを作った。周ちゃんは今日も漫画みたいにぺろっと食べた。両頬を一杯にして美味しい、美味しいって言って食べてた。美味しい時と、考えながら話をしてる時によく目をつぶるけど、何度も目をつぶって味わってた。パスタ、すごく美味しいね。一緒に食べるご飯って楽しいよね。食卓って最高だよね。そうだよね。やっぱりそうだよね。

シーフードパスタ
シャケ
ホタテ
ねぎ
しそ
パスタの麺
オリーブオイル
醤油麹と塩
お好みで柚子胡椒