茄子の味噌炒め

中華 14.9,2020

悲しい唄を悲しくない時に聞くと気持ちがいい。
サムスミスが好き。「サムスミスってゲイなの?」サムスミスを知ったばかりの時に、何となく姉に聞いたら「どうみたってゲイでしょ。」って。男が男っぽく悲しい唄を歌うんじゃなくって、男の声で女みたいに悲しい唄を歌うのがすごく心地がいい。女が悲しい唄を歌うのは辛い。だからサムスミスがすごく好き。

やっぱり夫が好きだと思う。最低な事を散々されたけれど嫌いになる事は出来ない。それに、夫が最低な事をするのを止められなかったのは私のせいな気がした。それは夫が本当に弱い人間だっていうのを知ってるから。俳優の伊勢谷さんが逮捕された事件を見て思った。伊勢谷さんのニュースを見れば見るほどに、まるで夫みたいな人だった。弱い人間である事は悪くない。弱い事を知っていて、助けてあげない方がよっぽど悪い。きっとそう。もし、側にいたら助けてあげればいい。怖いのはみんな同じなんだから。この人は普通じゃないって事が側にいればわかる。

夫は荷物を全て持って出て行った。話は出来ない。同じ言葉だけを言ってる。「俺の言う通りにしろ!好きにやらせろ!酒もやめないし、嫌なら離婚でいい。」お酒が始まった途端にそんな事を急に言われても、簡単に離婚を選べない。私達はたったの数ヶ月前、いつもの食卓を囲んでた。2年前の酒乱を乗り越えて、夫の両親とも話し合って、お酒を止めると約束した。夫婦としてここからがスタートだと思っていた矢先だった。

毎日にまだ私は迷子になってる。夫に会いたい。だけど怖い。
夫の影の無い家が少し心地が良い気もしてる。汚れないトイレ、溜まらない洗濯物、深夜の静寂。多分、夫の為に使ってきた時間が余りに多すぎた。寂しい。

2年前に相談してた大人たちが、2年前と同じ事を言ってる。「自分の人生なのだから、幸せになってほしい。」って。テコと私だけになったこの部屋が少しだけ好きになれそうな気がしてる。毎日がどんどんと更新されていく。どこでもいいから、明るいところへ行きたい。