夕飯

Journal 21.3,2023


今日は3時に目が覚めた。周ちゃんは7時。祝日とは思えない我が家の朝だ。なんだか無性にスタバのコーヒーが飲みたくなって梃子を連れて車で駅前のスタバへ行った。そのままサスティナブルなんとかっていうパークが車で30分くらい走らせたところにあるらしく行ってみることにした。

梃子の散歩をして祝日で渋滞してる道路で「今、三つ願いが叶えてあげるって言われたらどうする?」なんて明日には忘れてしまいそうな会話をしながら家路についた。簡単に昨日の残り物で昼食を済ませて近所のカフェへ。私は大学の勉強を周ちゃんはパソコンを広げて何かしてた。

「無印週間やってるよ!」「えー!ひどい。」
この家に越してきた時から無印週間を待ってた。気づくと終わってる無印週間。タオルもシーツもピローケースも書いたい物が沢山ある。「もう少ししたら駅前の無印に行こうよ。」

それから数時間後。パソコンの入ったリュック一杯にタオルやシーツを詰め込み、周ちゃんは枕をふたつ入れた大きな袋を抱えて自転車で帰宅した。

「穏やかだね。」「なんか俺もそう思ってたんだよ〜。」私にもこんな日が来るんだ。初めて結婚を意識したのは高校の時から付き合っていたマルちゃんだった。26歳の時、一緒に二子新地へ越した時は母が大きな冷蔵庫を買ってくれた。今となっては申し訳なくて聞けないけれど、あれは嫁入り道具の一つだった筈だ。私もマルちゃんも互いの両親も結婚はそろそろでお待っていた。だけど、ハッピーで温かい場所からある日突然に逃げ出したのは私。

それからというもの、面白い男には沢山出会ったけれど、心温まる男に出会った覚えがない。私もそういう女だったんだろう。楽しい思いは沢山してきたけど、こうして気が抜けた炭酸みたいな顔をしてぼんやりと夕飯を食べる夜はなかった気がする。恋愛に飽きたわけじゃないけど、もう昔のように弾ける必要なんてない気がしてる。無言で食べてることですら忘れてしまいそうだった。

最近、胃が少しだけ痛くて連日大根おろしにポン酢をかけたものを食べてる。勿論それはそれで美味しいけど、毎日同じ食べ方はいやだ。なんとなく今日はかんずりを入れてみた。そして、こういう日常の閃きは当たる。脂がそこそこのった焼き鯖と一緒にそれを食べてみると全身がビリビリしちゃうくらいに美味しかった。やっぱり当たりだ。

これは世界でたった一人。私しか参加していないゲームなのだけど、この瞬間、頭の中でフィーバー!って感じになる。「きたね!」私の言葉に周ちゃんは笑ってた。多分、よくわかってない。