朝の3時半、目覚ましは20分後に鳴る予定。起きたくない。しばらく目をつぶっていたけど、頭の中だけが混乱しつづけてる。結局、今から逃げたって意味がないことくらいわかってる。30分もしないうちに諦めてベッドから起き上がった。昨晩は周ちゃんにしがみついて寝た。私の苛々や不安を知ってるのか知らないのか、何も言わずに周ちゃんは本を読んでた。
もう生まれてから何度もやってるから知ってる。この不安は悲しい不安だ。信じていたものが失われていくときのもので、人それぞれに色々な悲しみがあると思うけれど、私の場合、信頼が消えていく時にじわじわと深い悲しみがやってくる。
逆に言えば、人を信じることが好きなんだろう。そうして生きることがわたしの生き甲斐なのかもしれない。未だ夜が続く真っ暗な世界の中で教科書を開いて、ぼんやりと考えていた。
携帯を開くと姉からLINEが入っていた。”なんかあった?” 簡単に説明すると、”だから関わるなって言ったじゃん!” と直ぐに返答があった。あっちは前日の15pmくらい。”修行じゃん。ラッキーだね♡” とまたメールが入った。肩の力がどっと抜けていく。
昨日も作業の合間に何度も考えていた。問題はきっと私がこんな気持ちになってしまう性質だってこと。だから、人を信じるのをやめたらいいとか、関係性をいきなりシャットダウンしたらいいって事じゃない。またやっちゃった、。でもいいけど、世の中にはそうゆう人がいるんだ。で終わらさなきゃいけない。
わざわざ友達や周ちゃんに慰めてもらう事でもない。だって、話したらもっと悲しくなるし、怒りだす人もいるだろう。私の見方を増やしたところで、非の有所を探し当てたところで、私の心はどうにもならない。そんな姿形のない幽霊みたいな気持とは戦わなくていい。
それにしても姉は姉らしくて、いつもいい事を言う。だよねって思った。前に進むには、いつまでも哀しんでる場合じゃない。行動するのみ、だ。
夕方に久しぶりに成田さんから電話があった。来週の撮影の話だったけど、成田さんの彼女の話を聞いたりして結局30分近く電話をしていた。恋が忙しくて仕事どころじゃないらしい。本人が悩んでるところ申し訳ないけどかわいくて仕方がなかった。「ムズかしいです〜!」って電話の向こうで悶絶する姿になんだか気付けば気持は明るくなっていた。
さぁ、前へ進もう。辛いこともあれば、いいこともある。私に平穏を取り戻してくれたのは、人を大切にする人たちだった。