5月23日

Journal 23.5,2023


なんだか、やっぱりまだ疲れてる。

昼は周ちゃんを車でミュージアムへ送った。周ちゃんの打ち合わせが終わるまでタリーズでPCを開いて勉強のスケジュールを立てたり、メールを送ったり、溜まっていた色々を片付けた。あと、美容院の予約と、まつ毛パーマの予約もした。もう女を忘れてしまいそうなくらいに今の私はいろいろと酷い。せめて下着だけでもと思うけれど、あいにくの生理でデカパンを履いてる。いくら体調が悪いからって周ちゃんに愛想をつかされそうだ。

それに、昨日に続いて、まだ泣きたい病は続いてる。朝から雨も降ってる。焼き鳥屋にでも行きたい。こないだ、アキちゃんは時々、焼き鳥屋にひとりで行くっていう話を聞いたけど、本当にあの娘はいい。女って生き物を十分過ぎるくらいに楽しんでる。彼女ほど楽しんでいたら、「残ってるのはロクでもない男ばっかり」なんて、中年女の愚痴も世界から消失するんじゃないか。いい男っていうのは、結構あちこちにいる。焼き鳥屋にだっているのだから。

それに、パリのまゆみちゃんだってそうだ。届いたばかりのまゆみちゃんとHUGOさんの似顔絵、ダイニングテーブルに飾ってるからか、食事をする度に思う。いい女だねって。

私はまゆみちゃんのほんの一部しか知らない。だけど、幾つかの事は知ってる。20代も終わりにさしかかると、東京って街は刺激的な場所ではなくて、ただ流行を繰り返しているだけなんだって事に皆、薄々と気づき始める。私達が出会ったのもそんな頃だった。だからって、東京から出ていく友達は殆どいない中、まゆみちゃんはひとり退屈な東京からパリへと飛んだ。

パリでは何度か引っ越しをしたし、仕事も幾つか変わった。パリはとても素敵な街だ。けれど、それは、いつもまゆみちゃんを幸せにしてくれたわけじゃないことも知ってる。どうにも上手く行かない日だって沢山あっただろうし、寂しい夜の話も聞いたことがある。

定期的に届くカラフルな封筒に入った手紙には、暮らしの中にある小さな幸せの話がいくつも書いてあった。街にお気に入りのカフェを見つけたよ、仲良くなった友達がいい話をしてたの、よしみちゃんのインスタを見て同じご飯を作ったよ。遠いい異国で女がひとり生きていく大変さは、姉からよく聞いてる。日々の小さな小さな幸せは、ポイントカードにスタンプを押していくみたいに一つ、また一つとふえて行き、HUGOさんと出会った日も、きっとスタンプが押されていた。

“今日はデートしたよ。楽しかった。どうなるかはわからないけどね。” と記してあった手紙から1年ちょっと。結婚したのは驚いたけど、私から言わせてもらえば、必然だった。まゆみちゃんと生きるのはきっと楽しいだろう。小さくても、パリの街のあちこちで幸せを見つけてくるから。

幸せって、小さいことの積み重ねな気がする。それに、幸せは特別なことではなくて、日々に埋もれるくらいにありふれたものの方が丁度いい。日々の中で一つずつ丁寧に貯めたものは、そう簡単には無くならないし、増えたら人にもあげられる。

ああ、早く二人に会いたい。まゆみちゃんおめでとう。アイラブユー。