午前は病院へ行って、帰りに周ちゃんと駅前のフードコートで昼食をとった。私はモスバーガーで、周ちゃんはいきなりステーキ。来週試験だから、こんな事してる場合じゃないのにな、なんて考えながら、食事を続けた。周ちゃんは紙エプロンにジュージューと飛び跳ねる油を気にする事なくナイフとフォークで夢中になってステーキを食べてる。
「さっきの看護婦さんの話さ、私わかったんだよね。」「???、どういうこと。」「言葉が形みたいに見えて、聞いた言葉を一時的に置いて記憶しておきながら、体型的に言葉を並べていけるっていうか。次にこれで、さっきはこれでって頭の中で組み合わせして。前はできなかったんだけど。っていうか、実は私、耳が悪いのかな。昔から人の話、聞けないんだよね。たぶん50字以上になると、言葉がぜんぜんわからなくなるっていうか。道を聞いても、最初の角を曲がって以降は覚えてられない。だから、大体、人の話は聞いてない。絵とか形だと記憶しておけるし、道も一度通ったら忘れないんだけど。」「え?どういうこと。」「多分、勉強を初めてから、沢山の文章を読むようになって、文字情報を記憶できるようになって、それがビジュアルと共に構成することで理解できるようになったのかな。勿論、感情的な話はできるよ。どんなに長くても。それは文字情報のことじゃないから。」
周ちゃんはすごく面白い!と言い、目をまんまるくして、私にあれやこれやと質問して、ホリエモンの話をしてた。「それ、似たようなことをホリエモンも言ってたんだよ。」ホリエモンがそうだったていう話ではないけど、確かに似たような話だった。
「それ、noteに書いた方がいいよ!すごく面白いよ。」って、周ちゃんはしきりに言ってた。
なんだか、ちょっと心の病気と似てるなと思った。心の病を持ってる人は、気づかない場合が多い。正確には気づいているけど、気づけない。大体の人はきっと、病と言えば、風邪のように寝込んだり、怪我のように動けなくなることだと思ってる。だけど、心の病はいきなりやってくるものもあるけど、時間の連なりの中で起こっていくものも多い。
他人から見たら困難そうに見えるものでも、本人にとっては日常であり、それを補うなにかもある。だから気づけない。
私のは、あまりに文章からかけ離れた生活をしていたからで、似たような感覚を受ける人も少なからずいると思う。けど、noteに書くほどのことかな。まぁ、いいや。とりあえず、周ちゃんは楽しそうだった。