
帰宅したのは18時過ぎ。今日の撮影は思ったよりもずっと早く終わった。帰りがけに編集の成田さんにタイ土産だというピーラーを頂いた。私は数日前に発売した冬に撮った料理本をあげた。
駅まで周ちゃんが梃子を連れて車で迎えにきてくれて、駅前で買った鯵と鯛の刺身を片手に車に乗った。雨はまだ少し降ってる。車を買ってから生活がぐんと変わった。東京では当たり前のように週に何回もタクシーに乗っていたけど、タクシーはしばらく乗ってない。その代わりに自分で運転をするか、周ちゃんが運転をしてくれる。車を買ってから半年くらい経つけど、まだこれが現実だとは本当は思ってない。ちょっと変な感じがしてる。
夕飯は貰ったピーラーでソムタムを作ろうと麺棒を探すが一向に見つからなかった。その時点で疲れがピークになってきて、きっと乱雑な感じで引き出しを閉めたのかもしれない。閉まる筈の棚からカトラリーがガラガラと大きな音を立てて床に落ちた。「ああ、もう嫌だ。」
最近は、”あ、枯渇した。” っていう瞬間がわかるようになった。それまでなんとか頑張っていても、急に力尽きてしまう。別にストレスが前より溜まったからっていうわけじゃないけど、なんだかそうなった。
「疲れちゃって。もう生姜をすりたくなくて、冷奴はやめた。」食卓におかずを並べながらボソッと周ちゃんに伝えると、「そういう時は僕にお願いして。」と返事が返ってきた。え、。なんだ、そっか。え、そうなんだ。
なんでもひとりでやろうとするのは私の悪い癖だ。そうやって全部を私だけで完結させようとするから苦しくなる。私、なんでもできる。じゃなくて、一緒にやろうって言えばいいだけなんだ。私を苦しめてるのは私。わかってる。
最近の周ちゃんは私の取り扱いに慣れてきている。