炒飯

Journal 27.9,2023


「心理学と写真の両立をしようとするから難しいんじゃない。それは、出来ないんじゃなくて、やったことがないからなんだよ。」周ちゃんが作ってくれた炒飯がまだ熱々のままで口の中にいる。「うん、わかってる。そうだよね、そうなんだよね。」周ちゃんに言葉を返した。

「あのね、ちょっと悩みがあって。」昼食の途中で急に悩みを打ち明けた私に、周ちゃんは少し笑を浮かべた。私、悩みたいのかもしれない。言い訳したかったのかもしれない。周ちゃんの言葉もその優しい笑顔も、私の悩みではなくて私が求めてることを叶えてくれたようだった。考えてみれば、そりゃ周ちゃんが笑うわけだ。周ちゃんに「悩みがある。」と打ち明けたのは出会ってから10回や20回じゃきかない。

一昨日に今むに会って、少しだけ褒めてもらって嬉しくなった。だけど、ちょっと情けなくもなった。「よしみちゃんは勉強やっててすごいよ。」って。正直、私はぜんぜんすごくない。ここ最近は、全然上手く進んでない。それに、写真や映像を撮ることと、心理学を勉強することは、頭や心が別のところを使うみたいで、どうしてもどっちかに偏ってしまう。

どっちかが上手く進むと、どっちかは止まる。最近はとくに撮りたいから、勉強ができない。来週もその次の週もレポートがあるのに、制作で忙しくなればなるほどに、参考書を開く時間はなくなっていく。勉強が嫌いじゃない。だけど、頭の中がそれどころじゃなくて、色々が沢山あって、何処かに消えちゃう前に形にしたくて忙しない。撮って、作って、撮って、作っての連続。

だけど、周ちゃんと話していて気づいた。答えはとっくに出てる。ただ、苦しいことから逃げてるだけなんだって。

「写真と心理学が行ったり来たり出来るようになるといいよね。」周ちゃんが言った言葉の通りだ。今、この場所にいることが苦しい。それはどっちつかずで、わからないことだらけだから。

見たいものはずっと先にある。だから、しばらくはずっと苦しんで、だけどそうやって前に進むしかないんだと思った。いつか、きっと、今まで出会えなかった景色を眺める日がくる。