こないだ田村さんと代々木公園をお散歩した。もう12月だというのに、コートを脱いで暑い暑いと言いながら西陽が当たるベンチでお喋りを続けた。大学院のことを報告したり、心理学の話をしたり、写真展の話を相談したりした。田村さんからはナラティブ・セラピーの話を沢山聞いた。
写真展のことは「素人ではなくこれまで写真をやってきたよしみさんの作品は、大切にされるべきものだから、公民館みたいな場所ではなくてちゃんとした場所で見られる方がいいし、守られて欲しい。」と言ってくれた。それから、「見てみたい」とも。
院試を終えてからも、頑張らなきゃ、とか、やらなきゃ、ばかりが先行して、写真から少し離れていた時間を急いで取り戻そうと焦っていた自分に「私の写真を大切にしてあげたい」なんて気持ちが1mmもなかったことに気づいた。そして、何よりも一番大事なことな気がした。
うん、決めた。写真展はやらない。今の私には、作品ときちんともっと向き合う時間が必要。焦らない。誰のためでもなく、先ず自分のためにやるべきだとおもう。そうでないと、伝わるものはできないから。
田村さんは、私の知り合いの中でも異色だ。声は小さく、控えめで、自分から何かを強く主張したりしなんてしない。派手な仕事をしているわけでもなく、流行りの服も着ない、勿論、目をひくようなネイルだってしてない。自分の中でゆっくりと歩いてる。だからか、感情は平坦だし、笑い声にしてもふわっと消えてしまいそうなくらい。けど、田村さんが撮る写真も田村さんも、その内側にあるものの輪郭はしっかりとしていて、か細く発せられた言葉は、どうしてか潔く心に残る。
田村さん、ありがとう。