カテゴリー: 中華

餃子

中華 02.8,2024


毎日、とりあえずで何かを作って、とりあえずお風呂に入り、とりあえず寝てる。そんな日々が続いてる。

ワンタン

中華 08.6,2024


「楽しみなさい。よしみの人生なんだから」アンメットを見ていた時に、母に年末を言われたことを思い出した。L.Aは夜中の3時。隣の部屋で戦闘もののゲームの音が鳴り響く中、電話の向こうにいる母に気づかれないように泣いた。

別に、姉が悪いとは思ってない。100万回くらい思ったけど、本当はそうじゃないことも知ってる。そういえば、大体、いつも、姉に限らず「あの人には悪気はないだから。」と、ことあるごとく、私は私に説得してきた気がする。

本当に悪いかどうかなんて多分、どうでもいいこと。大人になって知った。そして、離婚してからもわかった。真実、正義、何がよくて悪いかなんて答えを現実は別に知りたがってなんていない。結局、それで痛いと胸のあたりが、ズキっと、いやズキズキと、いや赤く腫れて腫れ上がってそれを隠そうとして、そのうちに痛みに耐えられなくなって、本当にもう痛いのだと誰かが悲鳴をあげたらゲームオーバーになる。それが答え、かもしれない。

これは私の性格の問題ってこと。どうしてなのか、よくわからないけれど、我慢しなきゃいけないと、ぐっと口をつぐんで成長しなきゃいけなかった。

元夫のことだって、私がムリです。と、早く言えば良かっただけだ。多くの人に助けを求められたら、彼の病を救えたかもしれないし、離婚してなかったかもしれない。「どうして、こんなことになるまで、我慢したの?」やっぱり母に言われて気づいた。え、あ。心配かけたくなかったから。ただ、それだけで、あとは、私なら何とかなると過信してんだろうか、よくわからないけど、まるっと大きくて真っ黒な布で包み隠していた。

人の所為にすれば簡単だし、その悩みは一方通行ですむ。自分の所為にすれば、現実を変えることなく、明日を迎えられる。なんでこんな大人になってから、母は私にあんな事を言ったのだろう。もっともっと、子どもの時に言ってくれたらよかったのに。

醤のニラ餃子

Journal, 中華 01.6,2024


5月31日。初恋の人の誕生日。夕飯は醤のニラ餃子。

結局、実習先は決まってない。だけど、なんだか吹っ切れてきた気もする。世の中うまくいかないこともあるってことだ。死ぬほど勉強したって、実習にいけない。これが現実だとしても、私は死なない。今日も美味しくビールを飲んで、大好きな餃子をたらふく食べれる。人生なんてそんなもんだ。こんだけ頑張ったのだから、とか、どうして私だけとか、可哀想な自分を見つけたって悲しさは減らない。だったら、無視すればいいんじゃないかと思った。今、目の前にある現実を。

だけど、実は、いいこともあった。色々な病院やクリニックと連絡をとるうちに、電話がそんなに苦手じゃないってことに気づいたこと。長年苦手だった電話。番号を押して相手が出るまでの時間。今か今かと、待つ間に、じわじわと手に汗をかく。あの時間が大嫌いだと思っていた。だけど、私が苦手なのは、たぶん、電話じゃなくて、うまく話そうと頑張ること。電話、そのものじゃない気がした。

それに、もうひとつ。病院はみんな一緒だと思っていたけど、全然ちがうってことを知った。まるで会社みたいにそれぞれ方針ややり方が異なっていて、いい会社もあれば、やばい会社もある、みたいに。今まで家の近くだからっていう理由で病院を選んでいたけど、美容院を選ぶくらい慎重になってもいい。それぐらいに違うし、万一、ハズレを引いたら、変な前髪とかになって、帰って泣くのは自分だってことだ。

周ちゃんは昨日も少し帰りが遅かった。最近、むちゃくちゃ忙しそう。6月の半分は出張だし、仕事がどんどん軌道に乗ってきているんだろうなと思う。私は私で新しい仕事が始まりつつある。それに、病院に連絡していく中で、なんだか、歩き始めてる気がした。

それに、写真を撮ってる時が一番さらさらと進めるってこともわかった。きっとすごく合ってる。周ちゃんに言うと、同じことを言ってた。どうしても好きで、20代最後に諦めきれずに始めた仕事だと思っていたけれど、右往左往、色々とやってきて就いたんだ。これが、私ならできる仕事だったんだって。

チャーハン

中華 07.5,2024


6時ちょっと前に起床。寝坊した。携帯を見ると、着信がある。ディスプレイには、ー匿名通知ー とだけ。わたし、まだ誰かに恨まれてたっけ。え、夢?寝起きの頭で一生懸命に考える。たぶん、いない筈だと思うんだけど。もうきっと、私を訴えたいと思う人もいない筈。だって、わたし、、もうあの男とは関係ないし。

最近、嫌な夢ばかりを見る。寝起きでこんなのやめてよ。入ってもいない、留守番電話を何度も確認した。朝の4時半。そんな時間に匿名でかけてくる人っているだろうか。いや。もう、どうでもいい。胸はぴくりともしないし、痛くもない。わたしには関係ない。

電話の所為?いや、よく分からないけれど今日はずっと調子が悪かった。天気もずっと悪かった。母からかかってくる電話はそうそうに切って、遅くなるという周ちゃんに適当にチャーハンを作って、ノンアルのビールを持って書斎にこもる。

わたしって、何がしたいんだっけ。むしゃくしゃする。やる事がいっぱいあるのに、全然進まない。本棚の前に座って写真集を開いた。ああ、落ち着く。写真はやっぱりいい。理由はハッキリと説明できないけれど、すごく安心した。多分、世界は思ってるよりも悪くない場所だってことを感じたんだと思う。

人は、言葉で理解する人と、ビジュアルで理解する人とに分かれるらしいけど、わたしは120%後者だ。だから写真の仕事をしてるんだなとも思うし、だから、勉強は苦手なんだと思う。テキストを読むのは死ぬほど遅いし、3回くらい読んでも全然理解ができない。けど、5回読めばわかってくる。だから、別に5回読めばいいだけのこと。

言ってた時間よりもずっと早く帰ってきた周ちゃんと一緒にお風呂に入った。武蔵境に100平米の家を見つけて申し込みを入れてみたけど、車を無くして世田谷とかに住むのもいいんじゃないって、周ちゃんが言った。「え?」「だって、世田谷の方が友達が沢山いるだろうし、大学院のこと考えても通いやすいでしょ。」「それ、プレッシャーだよ。」

大学院は行ってみたいけど、まだ大学だって卒業してない。そもそも、実習先だって決まってないし、色々が正直、うまくいってない。仕事だってどんどんやらなきゃいけないし。「なんで、まだ卒業だってしてないのに、大学院のこと言うの?」私が怒って言うと「もう、言わないよ」って、ぶっきらぼうに答えた。

周ちゃんはいい人だと思う。優しくて、仕事もできて、家族のことも大事にしてくれる。だけど、変なのって思うこともたくさんある。一番は、いい人ぶろうとするところ。そこが一番、嫌いだ。わたしの為を想ってると言うけど、それはね、嘘だと思う。少しは思ってくれてるのは知ってる。だけど、人はね、そんな簡単にいつも誰かのことばかり想えないんだよ。それが人なんだから。

私だってわからない私の未来のことを勝手に話すな。そういう愛は人を苦しめる。

白胡椒ラーメン

中華 21.4,2024


朝の4時半に家を出発した。1時間もしないうちに高円寺あたりにさしかかる。ラジオからは、オザケンとスチャダラパー、そしてTLCが流れた。懐かしい。懐かしすぎるよ。

クラブ、いっぱい行ったな。私が中学に入る頃、世の中はクラブ全盛期だった。ドキドキしながら六本木のクラブへ初めて行ったのは中学くらいだった気がする。子どもでも入れるような場所も沢山あったし、姉にも何度か連れて行って貰った。そして、大学に入る頃には渋谷にもあちこちにクラブが出来て、ちょっとお洒落な人は青山のCAYだったかな、名前、忘れちゃったな。あの頃の女の子たちはお金を使わないで遊ぶ天才だったと思う。インビテーションをどうにか手に入れて、お酒はナンパしてきた知らない男がご馳走してくれて、クラブをハシゴなんて子もいたし、仲良くない職場の人とクラブで遭遇なんて事も普通にあった。

なにが楽しかったんだろう。全然、おぼえてない。よく覚えてるのは、朝になると泥みたいになって帰ること。あとは、夜遊びの服っていうのがあったってこと。みんな可愛かったな。オザケンを教えてくれたのは、中学の友達のみさちゃんで、ピチカート・ファイヴを教えてくれたのは高校の親友のエリ。10年後、エリが離婚して、女としてやり直すんだと言って脱毛サロンに通いはじめた時、消えてゆく陰毛を撮らせてとお願いしたことがある。勿論、断られたけど、断ってくれてよかった。けど、なんかすごく女としていいなって思ったことは今でも鮮明に覚えてる。

午後にスタイリストのレナさんと虎ノ門ヒルズの横丁で呑んだ。寝不足でふらふら。服もしわくちゃのパンツを急いで履いて出てきた始末だ。同い年。同じようなとんでもない馬鹿をやってきてる。そんな話をしてた。今日のレナさんは、長らく金髪だった髪が、カーキ色になって、なんだか中山美穂似の美人なお姉さんって感じだった。

横丁の奥の店に、あれ?「城さん!」20代の時に働いてた会社の上司。今はSONYのクリエイティブで働いてる城さんだ。変わってない。いや、変わったよね、きっとお互いに。「離婚して」「え?結婚したんだ」「いや、それでまた結婚して」「え?」城さんの話、もっと聞きたかった。

今日はトリップしてる。忘れていた色々な事を思い出した。忘れちゃうんだな。あんだけ、沢山の、ほんとに沢山の色々があったのに。

なんかさ、なんだろうね。

餃子

中華 16.1,2024


今夜は冷凍餃子。周ちゃんは早く帰宅し、夕飯の支度をしてくれた。ご飯、味噌汁、ブロッコリー、冷凍餃子にキムチと納豆。それから母の作った赤蕪の漬物。撮影の話をしたり、少しだけいつもよりビールを飲んだ。

口尾さんの料理は想像していたよりもずっとずっと美味しかったし、何よりも、とても素敵な人だった。料理を好きな人はいい人。勝手にそう思っているけれど、大体は当たっていると信じてる。世界さまざまな国で学んだとはいえ、自己流で身につけた料理を人に振る舞うまでにどれだけの時間がかかったのだろうか。右から見ても左から見ても、たぶん、いや120%、私と同じ内向型だろうと話を聞きながら、料理を食べながら勝手に色々を考えた。ここまでの道のりについても勝手に想像する。

料理の写真を撮りながら、心理学のことを考えて、また料理を食べる。別にどこかの何かと答え合わせをしたいわけではなくて、その人がその人らしく魅力的に見える様子が気になる。それについて、もっと知りたいとか、どうしてだろうとか、調味料だけじゃなくて、選ぶ皿のことだけじゃなくて、使う言葉や仕草や、周りに漂ってる空気みたいなものまで知りたいし、そこまで知ると、ああ、そうかって腑に落ちて、ようやく落ち着いて味わえるように思う。

冷凍餃子

中華 13.12,2023


朝は神保町の三省堂で、料理本を2冊、認知心理学の参考書とカウンセリングに関する新書を一冊買った。料理本は料理家の角田さんと先輩カメラマンの松村さんの新書。もう一冊は若名さんが少し前に作った栗の本。amazonでボタン一つで買うのが嫌で、本屋に寄る機会を見つけてはあちこちと書店をまわった甲斐があった。やっぱり本は本屋で買いたい。本を開いた時の感動や興奮はここで本を開くのが一番いい。

昼前から編集者の若名さんと清水さんに会った。二人に会うのは久しぶりだ。若名さんはよくケタケタ笑う。あの笑顔を見ているとこっちまで楽しくなって、ついつい笑ってしまう。清水さんは時間が止まったかのように全く変わってなかった。むしろもっと美人になってる。美人で聡明。そんな言葉がやっぱりぴったりだなと横からみていた。そして、二人とも子供がいる、母の顔も持っている。

大人の女っていい。最近、またさらに思うようになった。結婚してから、会う友達が少し変わって、大人の方に会うことが増えた。中でも働く女性に会うことが多い。うちの母は、少し自由奔放ではあったけれど、やっぱり昭和の妻で大変そうだった。だからか、好きな仕事をやるのに、誰にも文句を言わせないために家事を頑張ったとも聞いたことがある。夜遅くまで仕事して、朝も誰よりも早く起きる。祖母のようにいつも高いヒールを履いて車に乗り込む。

時代は変わったもんだと思う。目の前の二人を見ていると思う。女は社会的にだけじゃなく、生物的にも男に比べて大変なことが多い。だけど、だからか、柔軟に柔らかく、明るい生き物に変化していったのだろうか。ずっと前に編集の浅井さんに「40代はめちゃくちゃ楽しいよ。」と言ってたことを思い出す。この一年の体調不良で、「40代、辛いことばっかり。」なんて、ぐちぐち言ってたけれど、人生とは乗り越えれば乗り越えるほどに豊かになるのか、ふたりを見ていると、そう思えて仕方がなかった。

さ、勉強しよう。私も、大人のいい女になりたい。今年もあと一踏ん張りだ。

トマトと卵の中華炒め

中華 24.4,2023


朝、周ちゃんにきつい事を言ってしまった。原因は周ちゃんじゃない。私の心が疲れていたり、少し忙しいからだ。夜は一緒に餃子でも包もうかと思ったけれど、周ちゃんは仕事から帰るや否や木曜日に藤原さんが泊まりにくるんくるので布団を洗いにランドリーへ出かけた。

沢山話したいことがあるけど、話せなかった。私、何やってんだろう。なんだか周ちゃんが離れていく感じがした。だけど、それは私の所為だ。

麻婆春雨

中華 20.3,2023


「今夜は何がいい?」いつものように朝ごはんを食べながら周ちゃんに聞いた。今日のリクエストは麻婆春雨。

レシピは栗原はるみさん。いつしか我が家の鉄板メニューとなった。時々、ピーマン入れたりもするけど超シンプルなレシピが潔くて中国で麻婆春雨を食べたことないけど、なんだか本場!って気分になる。春雨は太いのがいい。味をしっかりと吸った春雨をご飯にのせて食べるのもいつもお決まり。ラーメンライスみたいなもの。

よだれ海老

中華 17.3,2023


都内に行った帰りに赤海老を買って帰った。1パック500円にしては贅沢な夜。大きくて身がぷりぷりな海老。周ちゃんと二人では多すぎる量だったけれど刺身とよだれ海老にして余すことなく頬張った。私達が夫婦になってからまだ1年と少しだけど、時々こういう夜をやるのは既に習慣となった。ちょっと前はコストコでサーモンの切身を5000円で買ってきてサーモン祭りをやった。これは食卓の遊びだ。子供の頃に心に描くゼリーのプールで泳ぎたいみたいなものに近い。

今日は少し姉と電話で話した。電話を切ってから気づいたけど、高校生の時に写真の大学の学校説明会についてきてくれたのは姉だった。結局推薦は落ちたけど、芸術大学への進むことに大反対だった母はブーブー文句を言いながらもほっとしていそうだった。アメリカでタトゥーを入れた時もタトゥーショップへ連れていってくれたのは姉だ。もう何十年も前のこと。

心理学者フロイトの言葉をcathexisの頭文字をkに変えて、kathexisと入れた。精神分析理論のひとつ。人や物に向けられるリビドー。高校生の時にこの言葉を知って鼻血が出そうなくらいに興奮したけど、どうしてあんなにドキドキしたのか覚えてない。今じゃもう好きとか嫌いとかじゃなくて体の一部になってしまった。こうして心理学を大学で学ぶことになり、なんだかなんだろう。今ではあの頃の興奮ほど心理学に落ちつかない気持ちはなくなったけど、ご機嫌でハローと言いたいし、離れたくない。とにかくもう殆どに感謝しかないじゃんと思った。

姉もそうだし周ちゃんもそう。芸術大学を反対した母もそうかもしれない。離婚も写真の仕事も周りの友人も過去の最悪も全部。当たり前なのだけど新宿を歩きながら少し目頭が熱くなった。

姉は電話でプールを買う日がもうすぐだと言ってた。数年前に聞いた時は、「それってビバリーヒルズの世界じゃん。」って二人で大笑いしてたけど、本当に買う気みたいだった。仕事は忙しいけどお金持ちになりたいから楽しく稼いでるって。プールって何百万するんだろう。

姉、アイラブユー。スーパー愛してる。ありがとう。妹は心理学を思う存分にむちゃくちゃ楽しむよ。

餃子

中華 14.3,2023


昨日、周ちゃんがホワイトデーにとエノテカで白ワインを買ってきてくれた。今夜は白ワインと餃子。餃子のレシピは白ごはん.comの焼き餃子。タネに味噌が入ってるレシピが気に入ってる。大学のことで精一杯で毎日が淡々と過ぎていく。なんだか急に心細くなって今日は飲むことにした。

「私、なんで勉強してるんだっけ?」朝、梃子の散歩をしながら周ちゃんに聞くと目を丸くして驚いた顔をしてた。「それは俺にはわからないよ。けど、これからわかるんじゃないかな。」昔、予備校の先輩が一年浪人して理科大に入った矢先に交通事故で亡くなった話をした。頑張って大学入ったのに亡くなっちゃって、私が大学卒業して直ぐに死んだらどうしようって。そんなことなら毎日だらだら過ごしてた方が良かったって思うよね。

「よしみは好きで勉強してるんだよね。」「そう。けど、想像以上にハードな勉強に苦しくなることがある。」「もっとゆっくりと卒業目指したら?」「けど、年をとっちゃうよ。」

私は何のために勉強をするんだろう。例えば、心理学を勉強してカウンセラーになりたい、みたいなわかりやすい動機は1ミリもない。ただ、大学院で研究してみたいっていう夢があるくらい。

「じゃあさ、何を研究するかを探しに国立国会図書館へ行ってみる?」

そこには全ての本があるのだそう。実際に研究者が調べ物をしに使うくらいなんだよとも教えてくれた。なんだか写真のことを始めた時みたい。とりあえず本屋でカメラの使い方っていう本を一冊買ってきて読んだ。黄色のマーカーで大事そうな所にラインをひいたりしてみたけど、被写界深度?ちんぷんかんぷんだった。何のカメラを買っていいのかもわからないし、レンズには沢山の種類があるとか、フィルムの個性だって全然わからない。だけど、今は沢山を知ってる。最初はきっとこんな感じでいい。全然わからなくても、少しずつ重ねていけば昨日より今日、今日より明日、そして1年後、3年後は今よりはずっといい感じになってるはず。

醤油ラーメン

中華 15.1,2023

昨晩は周ちゃんと久しぶりにセックスした。特に喧嘩してた訳じゃ無いけど、先週末から小さな事が重なって私達の距離は少しずつ離れていった。肌が重なるとあっという間に近づいてしまうのはやっぱり動物なんだなと感じてしまう。お陰で朝は寝坊した。5時半。もそもそと起きて直ぐに机に向かった。数時間前まで抱き合っていた余韻が未だ全身に残ってる。あと数年もしたらきっとこういう感覚も失くなってしまうんだろう。少し寂しい気もしたけど、そういうものだから仕方がない。そうやって今とはまた違うものがしっかりと紡がれていく。久しぶりに会った友人の子供があっという間に大きくなるみたいに、毎日は今日をしっかりと重ねていく。

いつも通り2時間半勉強して、書きかけの日記を書いた。大体3時間も部屋にこもってると疲れてくる。お腹を空かせたのか梃子が部屋に入ってきたけど、また直ぐにベッドへ戻っていった。梃子を追いかけるように一緒にベッドへ行くと周ちゃんはまだ半分寝てる。「おはよう。」「今何時?」それからまた皆んなで二度寝して起きたのは昼過ぎ。なんだか背中がゾクゾクする。早朝から起きてたのに朝ごはんをスルーしたからか、空腹でどうにかなってしまいそうだ。急いでストーブをつけ、お茶を沸かした。冷蔵庫から野菜を出して、生姜たっぷりの野菜炒めを作る。湯を沸かし麺を茹でる。冷凍の水餃子も茹でる。バタバタと作ったラーメン。生卵を落として出来上がり。食事の前に念の為にと葛根湯も飲んだ。天気は朝からずっとどんよりしてる。午後はそのままベッドで過ごし、陽が暮れてからパジャマにコートを羽織り車でスーパーへ向かった。今日は1日パジャマだった。

醤油ラーメン
マルちゃんラーメン(3つで170円くらいのもの、急いでいる時や面倒な時に重宝。冷凍庫に常備。)
冷凍水餃子
生姜
ほうれん草
もやし
ごま油
最後に、白胡椒とラー油、生卵を落とす

豚とレンコンのワンタン

中華 12.1,2023

私が不機嫌な事に気づいているんだろう。家を出る前にぎゅっと抱きしめてきたけど、「痛い。」と返した。出掛ける間際、玄関から周ちゃんの大きな溜息が聞こえる。小学生か。めんどくさって気持ちと、子供みたいで可愛じゃないかと云う気持ちがハーフアンドハーフでやってきた。

周ちゃんはコミュニケーションが下手くそだ。人前ではハキハキと喋るし、仕事でも全く問題無いだろう。だけど、密に誰かと接する事が苦手だ。喧嘩はおろか、喧嘩みたいな事だって出来ない。そんな時は自分の心への嘘のオンパレードが始まる。苛ついていても、怒っていないフリをする。嫌だと思っても、より一層に親切にしてくる。こんな風に自分にとって不都合なコミュニケーション全てから綺麗に逃げる人は中々出逢ったことがない。そして、私はこれが嫌い。それに、逃げる行為のことを優しさだと言い換えてしまのも腹が立つ。それは優しさじゃない。だって、自分に優しく出来ないのにどうしたら他人に優しく出来るのか。それは私もよくやってきたからわかるけど、現実に向き合わない為の上手な術。

今日も冷戦。色々と喜んでくれそうな夕飯を作ろうが、周ちゃんは今夜も嘘をつき続ける。馬鹿な奴って思うけど、私の都合で正したりはしない。そんな事をしたって、事態が悪化するだけだ。けど、どうしたらいいのかわからない。めんどくさい。さっさと寝よう。こうゆう風に頭をひねらしてまで他人の事は考え過ぎちゃいけない。自分の問題にもしちゃいけない。だからって無視をしてもいけない。難しい。先ず寝よう。私の悪い所についてでも考えておこう。

麻婆豆腐

中華 30.11,2022


今日は久しぶりにリリさんに会った。左薬指の指輪を見て、嬉しくてちょっと泣きそうになった。出会った頃のことや、カフェで泣いてた日のこと、別の日も泣いてた。酔っ払ってる日もあった。あんな男を好きになったなとか、つい先日も借りっぱなしのノルウェーの森の話をした。「今の私にとって大切の本だから上巻だけ貸しますね。」と言って、ブックカバーを外して家に置いていってくれた。色々な想いや色々な時間がゆっくりと込み上げてきた。

夜に周ちゃんに昨日届いた大学の教科書とシラバスを見てもらった。「医療の専門書みたいなんだけど。」と不安気にいうと、「大学は専門を学ぶところだからね。」って笑ってた。そうか、そうだった。お遊び心理学じゃなくて、学術的なものを学びたくて受講するんだった。それにしても本当に大丈夫なんだろうか。けど、やらずに後悔するよりも、やって後悔した方がずっといい。やっぱり勉強無理ってなるかもしれないし、それなら十分に諦めもつく。とりあえずのお試しの科目履修生。高校生の私は心理学じゃなくて写真を選んだけど、また心理学。結局、好きな事は変わらないし、夢っていうのはいつまでも夢みたいだ。諦めたり嫌になったら終われる。左腕のフロイトのタトゥーはフロイトの造語。高校生の時に考えたもの。稲妻が走ったみたいにフロイトに憧れていた時期があった。けど、実際にフロイトが何なのか未だによくわかってない。だからこれから勉強するのかもしれないけど、わたしの人生ってなんだかな。恥ずかしいことだらけだ。

周ちゃんはずっとシラバスを見てた。シラバスを見るのが趣味なんだとか。それから、私の寝相が悪い話になったけど、こんなに悪い女に出会った事がないと言ってた。歯軋り、いびき、寝言、ベッドの上で自由奔放にやってるらしい。「恥ずかしいからもうやめて。けど、そんな寝相の悪さに愛着を感じてるんでしょ。」と聞くと、「だって仕方ないでしょ。本人悪気がないんだから。」と言ってた。寝顔が可愛い女になりたかった。添い寝してる男にキスで起こされるような女がいい。だけど、夢の中の私は現実よりもずっとずっと伸びやかに健やかに生きてるようでちょっと嬉しくもあった。

今夜は麻婆豆腐。

ラーメン

中華 19.11,2022

昨日見つけた中古のフィット。走行距離5万キロ、ハイブリッド。状態もとてもいい。帰宅した周ちゃんに話して直ぐに電話をかけた。朝一番で周ちゃんと電車に乗り草加駅へ。写真で見ていたよりもずっと綺麗。Hondaの担当のおじさんも「まぁそこそこ良いです。」とのこと。遠くにふんわりとマサラの匂いがした。「よしみはどう思う?」「私はいいと思う。」「うん。俺も。」一通り話を聞き購入を決めた。「周ちゃん見て。あそこ、カレー屋さんかな?」車から50mもしない通りにハラルフードの店をつけた。「あ!ほんとだ。」今朝、丁度そんな話をしていた。Hondaのユーセレクトの店舗の辺は埼玉でもパキスタン文化の色濃くあるエリア。午後にミュージアムに遊びに来るヒロさんの本にも書いてある。周ちゃんの目が子供みたいに爛々とした。

周ちゃんはすっかりヒロさんの大ファンだ。リスペクトしすぎて、その緊張が溢れちゃってる。ヒロさんの本だけじゃなく、ウェブに転がっている記事や、You Tube、ヒロさんをくまなくチェックしている周ちゃん。北海道に行った時も、ヒロさんのような生き方に憧れると高速を走りながら話していた。

来年からインドに移り住むミサちゃんからカレーリーフを受け取り二人と別れた。2時間くらいミュージアムのあちこちを丁寧にアテンドしてくれた周ちゃん。最後の最後まで、ヒロさんに子供みたいに本の色々を聞いていた。周ちゃんはそのまま仕事に戻り、私はミサちゃんのカレーリーフとヒロさんに貰ったデーツを持って帰宅した。

昨日からまた5年日記を始めた。年始にミオちゃんとの仕事で頂いたほぼ日手帳。1月末から婚約前の周ちゃんの事が書いてある。新居に引越したあたりから忙しくなったのか夏の妊娠頃まで空白。妊娠の日々の記録が少しだけ続きパタリとまた途切れた。過去の日記を読み返している時にふと思って周ちゃんに提案してみた。一緒に日記を書かない?って。最近の私達は色々と難しい。それはきっとどんなに努めてもパズルみたいにぴたりとはまれないもの。叩き壊して粉々にしてしまえば、若いときのようにぐちゃぐちゃになって一つになれたんだと思う。だけど、良くも悪くも歳をとるっていうのはそう言う事だろう。私達はお互いにそれぞれの味やそれぞれの形のままでしかもういられない。だから、日々想ってること、小さな声でもいいから、別の方向を向いてでも、何を見ているのか知れたらいいなと思う。ジャンケンで負けて私からスタートした。

餃子

中華 18.9,2022

台風で今日はずっと変な天気だった。この週末、キャンプとか、BBQとか、イベントとか、きっとみんな色々と予定してただろうに。楽しい日が雨になってしまうと考えるとなんだか可愛そうで仕方が無かった。

私は今日も一日パジャマ。髪もボサボサ。ノートパソコンと本とスマホ。退屈な一日をどうにかこうにか嘘でもいいから満たしてくれる物たちを持ってソファーに寝転がった。今夜は餃子。豚とキャベツの餃子と、海老と豚の餃子。栗原はるみさんのレシピで餡に紹興酒をたっぷりと入れる。食べる度にふわっと薫る紹興酒。最高だったな。

麻婆春雨

中華 15.6,2022

朝からどんよりしてる雲。早く夏がきたらいいのに。午後過ぎまでデスクワーク。今日も仕事の話を友人達とした。愚痴になるのは嫌だから、彼女なら彼ならどうしたかな。友人達の声に心を癒しながら、クリエイティブの仕事だとか、仕事における信頼関係ってなんだろうと模索した。今までが恵まれすぎていたと言えば、そうだったのかもしれない。いつも恋の話しかしない編集の加藤さんとは今度ゆっくり話そう!と約束した。なんだかこういう流れも面白い。色々を考えるきっかけになったし、もしかしたら良かったのかもしれないとも思った。この1週間で確実に私の中で新しい何かがむくむくと芽生えてる。それに、その仕事から離れることでずっと後回しにしていたことに力を注げるようになったことも手伝って、私のなにかはどんどん加速し始めた。そして昨日お会いした編集者さんとの出会い。背筋がしゃんとしてる。

なんだかこの感覚ってアシスタント時代みたい。早朝の待ち合わせに遅刻しないようにとアラームは3つくらいセットして、今日の師匠の機材はどんなで、また海に入るのか、また山の中へ入るのか、どうにもロケバスの空気感が馴染めなくて、いつもロケバスじゃありませんようにとベッドの中で祈り、前夜は緊張で軽く氷ついていた。師匠は大好きだったけれど、毎回が最期みたいな気持ちだったと思う。そこには何一つ委ねてなかった。

何が好きで写真を撮ってきたのか、それが段々と師匠の時とは変わるのは自然なことだと思う。だけど、すごく今、わくわくしてる。あの頃の緊張を思い出したら、私の行き先が少し間違っていたような気もした。これから撮る予定のふみえさんとの新しい映像の話も、自分の作品についても、展示もしたいし、やってみたい仕事もある。

今夜は麻婆春雨。周ちゃんのリクエスト。食卓ってやっぱり面白い。一緒に生活を始めて3ヶ月ちょっと。しっかりと私達の食卓になってきてる。麻婆春雨は私達の定番メニューになって、そこにはピーマンが入るようになった。レシピは栗原はるみさんのものがベース。春雨は細いのもいいけど、OKストアで売ってる安くて太い春雨がいい。それから、「春雨が食べたいな。」って言われると嬉しい。

麻婆春雨
ひき肉 200g
春雨 100g、茹でておく
にんにく・生姜 大さじ1、みじん切り
ピーマン 2つ、ニラ1束くらい、荒く小さく
ねぎ 1/2本、みじん切り
紹興酒、豆板醤 大さじ1〜2
醤油・甜菜糖 大さじ1くらい
鶏ガラスープ カップ1[鶏がらスープの素小さじ1を湯でといたもの]
ごま油
花椒

フライパンににんにく、生姜とニンニク、ひき肉、ねぎを順々に炒めて、豆板醤を入れる。豆板醤に火が通ったら紹興酒をいれる。鶏ガラスープ、春雨、醤油と甜菜糖を入れる。火が通ってきたら、ピーマンとニラを入れて、さらに水分をとばしていく。

麻婆春雨

お気に入り, 中華 16.5,2022

最近、毎日が毎日の連続みたいで調子が出ない。あっという間に夜がやってきて、あっという間にまた今日がくる。どうしたんだろうか。まるでPMSみたい。先月は2回生理が来て、今月はまだ来ない。先週は糠漬けの古漬けのせいで1週間くらいお腹の調子が悪かった。それ以外は良好。なはずなのに、やっぱり何だかしっくりとこない。

麻婆春雨
春雨 湯がいておく
ひき肉 200gほど
ニンニク・生姜 大さじ1くらいの量をみじん切り
ピーマン 2個 ざく切り
ネギ 1/2本 みじん切り
[ 調味料 ]
ごま油
豆板醤 お好み
鶏ガラスープの素 小さじ1をカップ1の湯で溶いておく
醤油 大さじ1〜2
砂糖 小さじ1〜2
ホワジャオ 包丁で細かく刻む

フライパンに油をひいて、ニンニク、生姜を入れて香りをだしたら、肉を入れて放置。肉汁が出て火が通ったら、ネギ、ピーマンを入れて火を通す。端で豆板醤を炒めて全体を絡める。鶏がらスープ、醤油、砂糖を入れて煮立たせる。春雨を入れて火を通す。ごま油をひとまわし。皿に盛ってからホワジャオをかける。

水餃子

中華 01.5,2022

「今夜はもうちゃちゃっと冷蔵庫にあるものにしよう。」料理が面倒になる夜は週に1度か2度やってくる。だけど結局あれやこれやと冷蔵庫の色々を並べているうちに食卓は賑やかになってゆく。「今夜も立派になっちゃったね。」周ちゃんが言った。

みっちゃんが昼頃に帰ってから駅前におつかいに行って、そのままインドカレーを食べて帰った。帰りがけに雨が降ってきてずぶ濡れ。温かいお茶を飲んで温まってからベッドへ入って簡単なセックスをして裸のまま寝た。周ちゃんとは出会ってあっという間に結婚してしまったけれど、周ちゃんが今でも彼氏だったらと憧れる事がある。こうして二人以外の時間を過ごすと尚更に思う。結婚したからと言って周ちゃんは私の物じゃないけれど、いつサヨナラをしてもいい関係の男がいるのは自由だし魅力的。そして相手も同じ様に自由な筈なのにひとり時々寂しさを覚えたりして不安になりながらもバイバイしてまた会う。そんな日々を重ねてみたかった。夜の奥渋なんかをほろ酔いで肩を並べて歩いたり、帰ってしまう背中を、見知らぬ洋服を見知らぬ靴を履いている姿をもっともっと知りたかった。ああ、この人を私の物にしたい。いや、やっぱり要らない。そんな欲望を抱いたり捨てたりを繰りかえしたりしたかった。

水餃子をつつきながら、みっちゃんと昨晩に話した恋の話を続けた。「結婚は別にいいもんじゃないし、結婚はしなくてもいいし。ごめんね。新婚なのにこんな事言って。結婚は魅力的では無いって話ね。周ちゃんの事は大好きだよ。」「うん。わかるよ。」「結婚に憧れる気持ちはわかるけど、私だって憧れて結婚したし。だから結婚がしたくてするのもいいのだけど、、。離婚はさ。大変でしょ。」「…。うん。よしみが言うと染みる言葉だね。」「そうかな。」結婚も離婚も、どちらでなくても、一直線上の自分の人生の上に立ってるのは同じ。結婚に憧れるのは子供の時にいつか素敵な恋がしたいと夢見た気持ちと似ている気がする。同世代の独身の友人達は子供が欲しいとか結婚がしたいとか同じセリフをもう何年も続けて、しまいにはいつかの彼氏の話ばかりしてるけれど、夢よりも現実の方がずっとずっと楽しい事も薄々気づいているとも思う。結婚してもしなくても離婚しても、結局どれも大差ないよ。要するに楽しければ。楽しめれば。

餃子

中華 30.4,2022

家を出たのは9時40分過ぎ。途中で右折しちゃいけない所で周ちゃんが右折しちゃったみたいで角の通りではっていた警察に捕まった。罰金7000円。”みっちゃん。ごめんね、周ちゃんが違反で捕まっちゃって少し遅れるよ。” 着いたのは10時半過ぎ。ミュージアムの前で緑色のチェックのワンピースを着たみっちゃんが待っていた。そうして周ちゃんのアテンドでミュージアムを回ってから東村山の美味しい饂飩屋さんへ向かった。地元の人がいく古汚くて美味しそうな饂飩屋さん。この辺りでは人気らしく、店の活気に注文するのも食べるのも何だか忙しなくて、カウンター横のみっちゃんと「美味しいね!」って顔を何度も見合わせてはまた饂飩をすすった。それからジョイフルへ行って夏野菜の苗を買ったり、温泉に立ち寄ってから多摩湖を散歩したり。GWらしいGWをキラキラと木々の中を車で走りぬけた。「ああ、気持ちがいい。」最高な午後。最高の休日。あっという間に私は埼玉の人になって、近所に住んでたみっちゃんは東京からのお客様となったGW初め。

夕飯は昨日から炊いてた鶏のスープに、朝に買った採りたてレタスのサラダ、青梗菜の醤油麹炒め、焼き餃子、奈々子の家で前に食べて美味しかった海老の中華ソースがけ、フミエさんに頂いた青大豆を炊いたもの、ジョイフルの中の地元野菜で買った立派な大根をおろしたものを作った。朝採れのレタスはレタスじゃないみたいにパリパリで、食べる前に手で割いてるのがすごく気持ちよくて、食べて美味しいのもそうだけど、手の感触に残るパリパリが食べてるパリパリとシンクロしてへんな気分。みっちゃんは何度も「こんな美味しいレタス東京にはないよ。」とむしゃむしゃと、周ちゃんも私も三人で馬みたいにレタスをむしゃむしゃと食べた。ああ、楽しい。食卓ってどうしてこんなに楽しいんだろう。だからやっぱり食卓が好き。大好き。

午後、昨晩にエビのレシピを聞いた奈々子から “私も結婚をするよ。”ってメールが入った。私の離婚と結婚の事をすごく驚いてたけど、私もすごく驚いた。それに、すごく嬉しい。 “ご飯でもしよう。” 予定がすんなりとあって月末に会う約束をした。奈々子のパートナーから奈々子から別れを告げられたと連絡がきたのが2年前。その頃に一度、新橋あたりで二人だけで会って少し話をした以来。元夫の病は始まっていたけれど、またいつものアレだと思っていた私に離婚の気配なんて全く無かった。たったの2年。私達の時はあそこで止まっているのだろうけど、現実はものすごい勢いで進んでる。エビの中華ソースがけは奈々子が一人で借りた二人の新居だという家で食べたもの。あの夜もすごくいい夜で美味しくて奈々子は飲みすぎた事をパートナーに少し怒られてた。最近飲みすぎてるとも聞いた。あの時、奈々子はきっと一人で悩んでたんだと思う。今はどんな人を愛してどんな毎日を過ごしているんだろう。まだあの家に住んでるんだろうか。エビの中華ソースがけ。今夜は少し失敗しちゃったから、会った時にまた作り方を聞こう。

醤油ラーメン

中華 20.4,2022

ここ最近、元夫の夢を見る。昨晩もまた元夫は私をいつもの様に困らせていた。何がどうなのかは忘れたけど、どこにも逃げ場の無いようなもの。あっちに行ってもこっちに行っても嫌なことが起こる。じゃあどうすればいいの!と怒る自分にも嫌気がさしてきて。だけど、結局、元夫は私を愛していると何事も無かったように言い、私は全部を知っているのに綺麗に塗りつぶして愛のある場所へと戻ってくる。そう、誰かの愛とうちのそれは違うんだ。どれが良くてどれが悪いのかなんてみんなそれぞれ。これが私達の愛の形。だって暖かい。きちんと温もりを感じる。だから、多分大丈夫。きっといい。これが愛。そんな夢の中で、私の胸をプスプスと鋭利なもので刺す元夫に「ああ、またか。」と、途方に暮れかけた時、”もう嫌。こんな酷いこと、私は好きじゃない。” それは、元夫にじゃなくて私に強く言った言葉で目が覚めた。

暗闇の中の先で寝る周ちゃん。その脇に梃子がくっついて寝てる。周ちゃんも梃子もまとめて大きく抱きついた。有難い。本当に有難い。世界は狭いよ。だって自分の目でしか見れないのだから。誰かの目を借りれたらどれほど優しくなれたり悲しんだり出来るだろうか。もっと早くに大切な事にも気づけたかもしれない。私が当たり前だと思っていた愛の世界は、全くもって当たり前じゃなくなった。たったの二年前の話。コロナが置きて、合わせたように元夫の病も色々も酷くなってからの事。

どうして元夫の夢ばかり見るのかわからないけど、夢の中の私は過去にいるのに今にいた。未だ始まったばかりの生活はどこか地に足がついていないような毎日が連続してる。私の居場所は何処なんだろう。安全な生活、周ちゃん、心地よい時間だけがここにはある。梃子は驚くほど穏やかになって、野山を走り回ってる。最近私の体重はまた増えた。どんどんむくむくと大きくなっていく。これから、一体どうなるんだろう。どうなったらいいんだろう。もしかして、ようやく荷が降りたのかな。右へ行くも左へ行くも、我儘言える時がきたのかな。

料理写真を始めたのはどういうわけか元夫がおかしくなってきた頃。私がひとりで前へ進み始めたら、寂しそうにしてた。だけど、そんなのは愛じゃないよ。私には私の人生があるもの。会社を突然やめてきた時も、暴れた時も、嘘をついた時も、どんな時も決まって言うのは私が悪いから。だけど、私がお願いしたのは一つ。「歌って、歌が嫌になったのなら何でもいいから好きなことをして。」私はいつだって応援できるけど、あなたの夢は叶えられないし、叶えたくない。すっかり軽くなった。春みたい。そういえばフミエさんが筍だとか春の山菜を食べすぎると吹き出物がどっと出るよと言ってたけど、私の色々も出てきたのかな。そして新しい何かをするために栄養をまた蓄えてる気がする。春がもうすぐ終わる。

キャベツ餃子

お気に入り, 中華 05.4,2022

5時にセットした目覚ましが鳴る前にベッドを出た。今日は東京の家の引き渡し。その前に粗大ゴミを8時までに捨てなきゃいけない。着替えて簡単にメイクをしてポットにオーツミルクのカフェオレを作った。やっぱり、特急列車で行こう。20分くらいしか変わらないけど新幹線みたいに指定席でゆったりと座れるから楽しい。コーヒーを飲みながら本を読もう。家を出る間際に周ちゃんと梃子が起きてきた。「ごめんね。起こしちゃったね。」「大丈夫だよ。気をつけてね。」

2週間ぶりの我が家。ガランとして何もない。寂しくなって胸がぎゅっとした。いい家だったな。ベランダはテントが3つか4つはれるくらいに大きくて、全部が南向きの窓で1日中明るい部屋だった。お風呂は西側だからよく夕陽の中でお風呂に入ったし、キッチンが大きくて料理を思う存分に出来た。角部屋だから梃子がどんなに騒いでも誰にも怒られないし、松陰神社の駅前なのにいつも静かで鳥の声が毎朝聞こえるのが好きだった。あと、神社にもよく梃子とお参りに行った。ここでの暮らしが何よりも好きだった。不動産屋さんが来るまで1時間。朝ごはんを食べに家を出る。ずっとずっと昔にデザイナーの大西さんと打ち合わせで行った世田谷通りのカフェコロラド。10年ぶりくらいに入ったけど、今でも愛煙家の溜まり場だった。煙草の匂いは嫌いだけどなんだか居心地がいい。マスターの元気な朝の挨拶もいいし、メニュー裏に手書きで書いてある裏メニューっていうのも良かった。常連さん同士がコーヒーをすすりながらお喋りしてる、東京っぽいこなれた朝だった。

渋谷の蔦屋で仕事用の資料の本を探して、睫毛パーマをかけて、渋谷スクランブルでベージュのパンツを買った。13時にミオちゃんとストリームで待ち合わせをしてる。「よしみちゃん田舎もんづらしないでよ。つい最近まで東京いたじゃん。」ミオちゃんはいつも色々な髪の色をしているけど、20年ぶりくらいに黒髪にしたのだそう。何だか少し大人っぽく見えた。「新しい生活はどう?」「田舎だよ。すっごく。裏に山とかあるから。」私のスローライフから、ミオちゃんの最近の仕事や戦争の話や知り合いが亡くなってしまった話、いつ海外に住むとか色々な話をした。ミオちゃんは仕事だから時間が無いって言ってたけど、店を出たのは16時前。体調悪くて胃が痛いと殆ど食べなかったミオちゃんのフォーはまるで食品サンプルみたいになってた。「これからヨドバシに行って、新しく買った自転車を取りに行ってから帰るよ。」「長い道のりだね。」「すっごく長いよ。」「じゃあねミオちゃん。また東京くるね!」「田舎もんづらしないでよ!」私の埼玉ライフ。友達と気軽に会えないのは寂しいけど、もしかしたらそんなに悪くないかもしれない。東京は住む街じゃなくて通う街。好きな人に会いに行く場所になった。

今日の夕飯は餃子。本人は言わないけど、どうやら周ちゃんは街中華の餃子の方が好みっぽい。何度か色々な餃子を作って気づいた。キャベツ、ニラ、ねぎ、豚ひき肉を合わせてよく混ぜて、オイスターソース、醤油、ごま油多め、鶏ガラスープの素を入れて冷蔵庫で30分。大判餃子の皮にしっかりと具材を入れて羽根つき餃子にして出来上がり。餃子、美味しかったな。

キャベツ餃子
キャベツ 1/4、みじん切り
ねぎ 1/2本、みじん切り
ニラ 半束、みじん切り
豚ひき肉 200g
ごま油 3回しくらい
オイスターソース 大さじ1
鶏ガラスープの素 小さじ1
醤油 大さじ1/2


中華風餡掛け野菜炒め

中華 03.4,2022

朝から雨。すごく寒い。午前に私の部屋の中古の無印の棚が来て、周ちゃんの部屋の天道木工の座椅子とニトリの本棚がきた。周ちゃんの部屋はきっと本で埋め尽くされるんだろうな。想像するだけでワクワクした。引っ越しから2週間ちょっと、ようやく仕事部屋のダンボールが全てが空になった。ああ、すっきり。それにしても、私には荷物がなかった。印画紙、額、プリント、ネガ。ダンボールを開けるとそんなものしかなかった。もっとないもんかね。だけど、確かに引っ越しをする度に沢山を捨ててきたようにも思う。ちょっと寂しいような、だけど、大事なものってそんなに多く無いような気もした。

ダンボールから昨年の夏に編集のりりさんに借りたノルウェイの森が出て来た。一緒に引っ越してきたんだ。りりさんに本の内容を少し聞いた時に今は読めないなと思って棚に置いた。そうして秋を冬を越していつのまにか春になった。引っ越しの片付けも落ち着いてきたし、そろそろまた読書の時間を作ろう。「周ちゃんみたいに私も寝る前に本を読もうと思って。」ベッドルームにノルウェイの森を持って行った。周ちゃんは最近すごく難しそうな植物の本を読んでる。タイトルだけでも頭を抱えてしまいそうだからそれがどんな本なのかは聞かない。「リリさんに借りて、ずっと読めなくて。」「俺も持ってるから大丈夫だよ。」「そういうんじゃなくて。リリさんが貸してくれた本を読みたいんだよ。」「うん。じゃあ、一緒に読もう。」周ちゃんは本を声に出して読み始めた。「1ページずつ読もう。」周ちゃんって人は変な人だなと思う。変すぎてもう呆れて感心すらしてる。朗読しようだなんて、人生で初めて男に言われた。変な気分しかないよ。

人生初めての好きな人との朗読。思ったよりも良かった。それに、声に出して読んでみるとなんだか主人公の心が言葉がしっかりと聞こえてくるような気がした。交互に朗読を続けて第1章を終えるとどうにも切なくなってしまい本を閉じて抱き合って寝た。カップルになると2人だけのまぬけな出来事が起こっていくなと思うのだけど、今夜は正にまぬけだった。とてもまぬけな夜で周ちゃんがまた好きになった。

ラーメン

中華 28.3,2022

午前に食卓のライトが届いた。とにかく探したライト。ルイスポールセンAJロイヤルの旧型。高価な買い物だから2ヶ月散々考えて迷って決めた。仕事帰りの周ちゃんが電球を買ってきてくれて早速光を見てみる。「いいね。すごくいい光。」部屋についてるスポットライトがずっと嫌で使いたく無いって話してたけど、これでもう使わなくていい。AJロイヤルにはペンダントライトの傘の中に電球が4つ。光量が強い。食卓にスポットの様に当たる光。そこから部屋の角に向かって伸びていく溢れていく光。だから、リビングから続く畳の部屋には、ちゃぶ台用にダウンライトを置けばいいし、途中に一つフロアライトがあれば、そこで少し光の強弱、光と陰が山と谷の様に自然に生まれる。いつもの様に真剣に光の波について手振り身振りを交えながら周ちゃんにプレゼンした。周ちゃんは嬉しそうだった。最近気づいたのだけど、多分、周ちゃんはプレゼンの内容よりも、私が真剣に伝えてる感じが好きな気がしてる。

話が下手くそな癖に力説する私を見て、周ちゃんは部屋から色々を持ってきて本棚や出窓に色々をディスプレイしてくれた。自分の文化人類学の研究の為に買い集めた色々、日本のあちこちの箕、パキスタンで使用されてる山羊のミルクを温める器、信州の方のすいとんをすくう網。「リビングは食卓が主役となる場所だから、食に関するものを飾ってみたよ。」「もうちょっと部屋から持ってくるね。」何だかすごく楽しそうな周ちゃん。まるで小学生。

ソファーに座って部屋を眺めてみる。新しすぎる家の中でぽんと浮いたような存在だった私達だったけれど、少しずつ少しずつ馴染んでいくような気がした。こうやって家になっていくんだな。1年後、2年後とどんどん色を成していくこの家が楽しみだなと思う。今夜はこないだ役所で買ったラーメンと温野菜サラダ。温野菜はフミエさんの所で買ったお味噌とマヨネーズで食べた。