マヨネーズ

夕飯 18.2,2022

朝のいつだったか覚えてない。多分、タクシーに機材を詰め込んで走り出した時だった気がしてる。世田谷区を越えたあたりであちこちにメールをしまくってすっかり車酔いをした。アパマンショップからのメール。”お申し込みの物件は別の方の申し込みが入り募集を取り下げていました。” このメールの所為。絶対に決まらないと思ってた。ああ、やっちゃった。遅かった。周ちゃんが所沢の地元の不動産でも紹介してくれた物件だったし客寄せの物件じゃない。こんな田舎の物件がサクッと決まるなんて。直ぐに申し込めるよう、色々と手配して、週末の予定も調整して、他の仲介業者との相見積も取り始めていた。

正直、久しぶりにすごく落ち込んだ。午前の撮影は楽しかったから、ぐっと写真を撮ったけど、午後になって機材を置きに家に戻った時には何だか途方に暮れてた。そうしたら、色々がどんどん放出してくる。私、埼玉に200パーセント魅力を感じて来なかった人生なのに埼玉に住もうと試みてる。そもそも所沢だとか全然知らないし、周ちゃんが居るって事しか見えてない。それに週末に籍を入れようとしたら天気が悪いとか言ってるし、それに赤ちゃんが欲しいかよくまだわかってないのに、見知らぬ男に股を開いて検査を続けて、なんだか偉そうなことを毎週言われてる。仕事は楽しい。それだけが救いなのに、埼玉なんかに住んだら、どうなっちゃうんだろうか。色々なストレスや不安が一気に放出しながら、撮影したケーキをムシャムシャと食べた。周ちゃんに言いたいことは山ほどある。だけど、それは甘えになる。私が望んでした我慢だ。それに、物件については周ちゃんは2週間も前から私に打診してた。私の判断ミスだ。正直、この問題のポテンシャルは低い。私程度のミスだから、きっとやる気さえあればどうにかなると思う。だけど、要は初めて胸が高まった物件だったからこそ喪失感が半端ない。思い入れがあった今の家を出る。簡単な判断じゃない。ようやく安全な場所での暮らしを見つけて、梃子と毎日が楽しくなってきた矢先にまた引っ越すなんて。

午後の撮影を終えて帰ってから、家の中で大きな声で吠えてみた。「もう嫌だー!!」ちょっとスッキリ。「梃子じゃないからね。ばかばかばかー!!!」梃子に先に謝ってから大声で叫んでみる。それから3度くらい、トイレで、キッチンで、玄関で叫んでみた。ご近所さんはちょっと驚いて笑ってるだろうと思う。「ヤダヤダヤダーーーー!!」何だか情けない感じの叫びで我ながら中々のパンチ力の無さだなと虚しくなる。夕方から入ってた打ち合わせが月曜日に延期したのは本当にラッキーだった。お風呂に入ってビールを飲みながら仕事のメールを返した。ブロッコリーを湯でてマヨネーズで食べる。最高だな。マヨネーズ大好き。兄は病気になるんじゃないかって程にマヨネーズを愛していたけど、私は嗜好品としてマヨネーズを楽しんでる。ありがとうマヨネーズ。今日も大好き。

ワインに手を出し始めた頃、ようやく周ちゃんからメールが入る。心の中で遅いよって思った。もう既にマヨネーズもブロッコリーもビールもワインも私を結構なところまで満たしてくれてる。さっきサミットで買ったアボガドに醤油麹をかけたものをつまみ始めて、キハダマグロの血っぽい味も、俄然私を満たし始めてる。結局のところ、私はもう甘えたくない。良好な甘えはいいけど、ただ目の前の不幸を愛している人の所為にするような甘えはお門違い過ぎる。そうゆう女、過去の私も含めて結構知ってる。男が何かを叶えてくれると信じてる感じの、幸福を人任せにしてしまう女。素直で真面目で優しい子が多いのだけど、残念ながら違う。男は性として男になっただけで神様じゃない。女と同じように頑張って生きてる。愛しているのと自分が幸せになるのは違うベクトルで進んでるのに、そこを履き違えると過去の私のように大変なことになってしまう。幸せになりたいと愛を信じたその先には想像しないような不幸が待っていたから。

だから、周ちゃんの私への気遣いが遅くてもいい。どうぞ、ごゆっくり。それと愛とは別物。私の幸せは私のご機嫌は私が取る。ああ、悔しい。今日は呑みまくって、明日酒気ぷんぷんで朝一番の病院へ行こう。結婚も愛している男も私を幸せにしてくれるものじゃ無い。寧ろひとりの方がずっと余計な事を考えないで済むし、幸せへの道は早い気がしてる。

一回休もう。気持ちが落ち着かなくて嫌だ。上手になんてこなさなくていい、それよりもちゃんとやりたいだけ。私の気持ちをもう置き去りにしたくない。来週は瞳ちゃんと青山で買い物しようと約束をしてる。たっぷりと私を甘やかそうと思う。友達って最高にラブリー。

夕飯

夕飯 17.2,2022

今日は夕方にロケハンに行くだけ。最高。急ぎの仕事は一つもなし。後は来週にやればいい。いつも通り6時前に起きたけど、ベッドの中でぼーっとした。朝陽が部屋中に入ってきて気持ちがいい。本を読もう。手に取ったのは江國香織さんの本。周ちゃん家の本棚からいつだったかに借りてきた。朝から不倫の話はどうかなと思ったけれど、気持ちよく読んだ。家庭を持つ男の人と不倫する独身女性の話。正直もう好きじゃないし、過去に愛はあったかもしれないけど、もうとっくに呆れていたし、そんな自分が多分好きじゃない。だから、悲しみもなく別れて新しい暮らしを始める。そういう話だった。いい話だった。

何と無く面倒だったり、億劫だったり、初めてで少し怖かったり、そういう事を離婚してからは敢えてやろうとなった。役所に納税証明書を取りに行くのもそのうちの一つ。今日は空が青い。すごく青い。こんな日に籍を入れられたらいいのになって思いながら役所に向かう。税務署か。何も悪いことをしてないけど、何だか怖い。世田谷警察に行った時もそうだった。まるで隠し事でもしているかのような気分になる。あちこちとたらい回しにされながらも無事に納税書を受け取って帰宅。昼食はご飯を炊いて、昨晩の残り物を簡単に食べた。夕方にロケハンが一本入ってる。帰りにワインでも飲んで帰ろうかな。

結局、思ったより帰りが遅くなって家路についた。それにしても今日は寒い。明日の準備をして早々に寝よう。寝る前に周ちゃんに電話した。今朝、見つけた100平米の家のこと。先週見つけた家に決めていた筈だったのだけど、段々と違う気がしてきた。周ちゃんの職場には近いけれど、駅までの道があまり好きじゃない。田舎だから東京の様に歩道が少ないのは仕方ない事だろうけど、あの道を梃子とは歩きたくない。それに、陽当たりは最高だったけれど、北に一つ、南に一つある書斎をどう部屋割りするかでもめた。「全部が南向きの部屋なんて無理でしょうよ!うちみたいなマンションじゃないと難しいよ。」私が文句を言った。私は北向きの部屋なら引っ越したくない。わざわざ田舎へ引っ越して、北向きの部屋になるなんて嫌だ。そして、今週になって思い出した。私100平米の家に住むのが夢だったんだ。引っ越すなら今の家より素敵じゃなきゃ嫌。これが第一条件だった。すっかり、色々な条件に惑わされて大事な事を忘れていた。仕方ないよね。だって、どこかで折り合いつけなきゃ。何度も周ちゃんにそう言ったけれど、周ちゃんにとって、ふたりにとって良かろうと思っていたけど、私ひとりだったら絶対に住まない様な家に住もうとしてた。危ない、危ない。それは折り合いじゃなくて、我慢だ。危うくまたやっちゃうとこだった。

「あの家、すごくない?」「お風呂、お洒落だね。」「そうなんだよー!あの家リフォームした人洒落てるよね。」古い家だけど、所々に洒落っ気が散りばめられてる。部屋の数はちょっと多すぎるけれど、キャッチボール出来そうなくらい広い庭がいい。木々が緑緑しくて、こういう庭の家に住みたかった。だけど、ペットについては申し込み後に交渉なのだそう。なんか面倒。そんな話の流れで、幾つか他の物件も内見へ行こうとなった。「そういえばあの階段が可愛い家にも行こう。」周ちゃんが何度も推していた家があった。駅から徒歩26分。それだけで、恐怖!と思って選択肢から外していた物件。条件を細かく見ると結構いい。夢の100平米。そして、全部屋南向き。家の場所をgooglemapで探してみると、緑がいっぱいの場所で何だかトトロが出てきそう!後ろに森、横に畑。通りにも緑が沢山ある。めいとさつきが歩いていそう。「周ちゃん!ここトトロみたいだね。すっごく素敵。ここがいい!」「そうだよ!!牛沼っていう土地はトトロにも出てくる。トトロの舞台となっている場所なんだよ。」周ちゃんから猫バスの絵が送られてきた。猫バスの額には牛沼と書かれてる。ほんとだ。「ここ、参道だね。」「え?」「古くからある大きな神社があるんだけど、この家は参道にある。」「えー!!」参道に住めるんだ。それに、引っ越すならこれくらいの田舎がいい。「周ちゃんここにしよう!!」家探しをして初めて胸が高鳴ってる。私の第一条件、今の家より素敵な事はこれで完全にパス。周ちゃんの条件で半ば諦めていた川の近くである事もすんなりとパスした。家から歩いてすぐの所にトトロに出てきそうな川がある。春になると桜並木になるのだそう。

「周ちゃん。今度、トトロ一緒に見ようよ!」

黒糖パンの卵サンドウィッチ

パン 16.2,2022

何だか今日はよく寝た。夢は見なかった。周ちゃんもよく寝てた。梃子が朝ごはんを食べて、ベッドに遊びに戻るまで周ちゃんは起きてこなかった。「穏やかだね。」昨日から周ちゃんが何度か言う言葉。本当にそうだなって思う。周ちゃんがアメリカから帰ってから、結婚の準備や色々でなんだかんだと忙しかった。早く春を越えて暑い夏のど真ん中に行きたい。Tシャツの周ちゃんと西瓜だとか、素麺をすすりたい。新しい家の庭で花火をしたり、今年もゴーヤカーテンを立派に育てて、その中で梃子と日向ぼっこしたい。

だけど、一旦は落ち着いたけれど、まだ家も決まってなければ、引っ越しもこれから。部屋を作るのは好きだけど、それ以外も沢山やることがある。パスポートなんて、コロナで海外に行けなくなったから1回目の結婚の名前のままだ。これってどう申請するんだろう。考えるだけで憂鬱。

“指輪できたって。” 午後に周ちゃんからLINEが入った。いよいよ、結婚するんだ。日取りは指輪を取りに行く日。天気がいい日がいいなって返答した。飄々と返したけれど、正直まだ寝起きみたいに視界はぼんやりとしてる。本当にこれが現実なのか、よくわかってない。とにかく、結婚しよう。そして結婚したらとりあえず30日間くらい、ただ食べてただ寝る生活がしたい。生きることだけに集中したい。

ナスの油みそ

おかず, 夕飯 15.2,2022

先週までの怒涛の忙しさが終わって、ようやくいつもの日常が戻ってきた。ここ数日、悪夢を見る。これで3度目。2度目の夢はしっかりと覚えてる。元夫にまたお酒を与えてしまった男、元夫に会社を作った男が、あの夜みたいに私を責めていた。酒の席で見かけると、昼間とは違って饒舌に女性を否定する様な言葉を時々聞いた。九州出身だから仕方ないんだろうと当時色々がまだ無知だった私も同じ様に彼を差別した。「もっと菊地君を立ててあげないと。」妻でしょ。黙ってなよ。夫がどんなに酷いことをしようと女は立てないと。いつもの様に悪酔いして喚きだした元夫が私の頭を叩き始めた時に彼は笑っていた。女に暴力を振るうのはやめなよ、じゃなくて、女って面倒。そんな眼差しで私を嘲笑う様な感じだった。元夫からも何度も聞いた。「シガキがさ、スーちゃんが俺を立てないから悪いって言ってるよ。」妻なんだから、夫を立てなよ。何度も何度も聞いた。目の前に酷い現実が起きてるのに、今日もまた夫は私に嘘をついて、仕事もしないでお酒を飲んで、泥酔して、暴れて、怒って、喚いて。いつもお金が無い。いつも何処で何してるのかわからない。帰ってこない。音楽の為だと言うけど、今日もお酒くさいよ?毎晩、打ち合わせだと言うけど、仕事もしてないのに夜中に誰と打ち合わせしてるの?携帯に入ってきた女からのメールは誰?約束はいつも次の瞬間から消えていって、それなのに、それだけど、どうやったら夫を立てたらいいんだろう。夫を信じたいのに信じることが出来ないのは本当に私の所為なんだろうか。私がそう思えないから悪くて、もしくはそう思う様に努めることが妻の役目なんだろうか。食卓に料理を並べて待っているだけなのに、暗闇がじりじりと私を詰めて詰めてもう崖っぷちなのに、もうこれ以上は下がれないのに詰めてくる様な毎日だった。

夢の中でまたあの男に責められていた。だから、あなたが悪いよね。堂々と傷つけてくる夫がいても、それは男だから、それは才能だから仕方ないでしょ。じゃあ、世界ではそうだったとしても、私の痛みはどうしたらいいんだろう。暗闇がじりじりと焼き付けてくる。あの感覚を全身で思い出す。

今週末か来週末に籍を入れる。もしかしたら、結婚、怖いのかもしれない。どんどん病に侵されていく元夫と、取り巻く世界。あんな場所には2度と行かない。だけど、記憶が私を襲い続けてる。周ちゃんとの未来は楽しみなのに、結婚が私を引き止めてる。

なすの油みそ / 土井善晴さんのレシピを少しアレンジ
なす 大2本 1cm幅の輪切り
青紫蘇 大量 荒く切る
赤唐辛子 1本
砂糖 大さじ1.5程
味噌 大さじ1.5程
水 大さじ2〜3、冬なすの場合に水分量を足す為
サラダ油 大さじ3程


油でなすと赤唐辛子を炒めて、そこに調味料を足して(必要があれば水を足す)全体になじませてから、火を止めて紫蘇を入れて混ぜ合わせる。

ワンタンスープ

中華 13.2,2022

昨晩は周ちゃんのキュレーター仲間の高橋くんに婚姻届の保証人の欄にサインして貰った。高橋くんが周ちゃんにアプリやってみなよ~って言わなかったら、超硬派な周ちゃんには一生会えなかったと思う。高橋くんに初めて会った時、アプリ市場には中々見ない周ちゃんという男を参入させたと誇らしげに話ていた。高橋くんはバツイチ。離婚の理由を軽く聞いたけど、簡単じゃなかった。多分、私と似たような話だと思う。その悪夢がどこまで進行しているのかは本人にしかわからない。いつか高橋くんが楽になる日が来たら、うちの食卓で高橋くんの好物なんかを食べながら聞かせて欲しいなと思った。

今日は病院の後にもう一つの保証人の欄を埋めて貰う為に後藤さんのお宅にお邪魔する。週末だからなんとなくお土産のチーズケーキは4つにした。もしかしたら、後藤さんの彼氏のまさくんもいるかもしれない。「周ちゃん、後藤さん家は家じゃないからね!プレスルームだから。」家までの道のりで何度も伝えた。

周ちゃんとまさくんは一度ミュージアムで会ってる。今日で2度目だからなのか会うなり色々と話し始めた。私と後藤さんはコーヒーをすすりながらチーズケーキを食べ、その会話の中から抜け出すようにソファーへと向かった。婚姻届を開くといつもの様に後藤さんはニコニコと笑ってる。達筆な字ですらすらとサインして、今朝2時間も探したのだという印鑑を押した。「人生、何が起きるかわからないね。」私だけに聞こえるような小さい声で言った。「ほんとですね。」私も小さな声で返した。17年ぶりくらいに再会した後藤さん。1回目の結婚で私達夫婦がもう手に負えないくらい最悪になってしまった時、直ぐに私の家に駆けつけてくれて、ただそっと寄り添ってくれた。こんなことってあるもんだ。もう二度と会わないかもしれなかった遠いい昔にお世話になった先輩が今の私を救ってくれた。大切なのは勿論今だけれど、人生は今日だけを見なくてもいい気がした。振り返ると、長く果てし無く続いた今日までの道のりには沢山の人の顔が見える。もう会わなくても、会えなくなったとしても、ずっと大切にしよう。今日さえ幸せならいい。今日一緒にいる人が幸せならいい。そんな事でもないのかもしれない。

怒涛の週末だった。結婚の準備、産婦人科、家探し。家に帰って、しばらく周ちゃんとソファーで話をした。ふたりともすごく疲れてる。

残りのワンタンで春雨スープ

中華 13.2,2022

とにかく疲れた。朝から天気が悪いけれど、なんだか有難い。残りのワンタンをさっと巻いて、春雨、ねぎと一緒に湯にかけて、鶏ガラスープ、オイスターソース、黒酢で少し酸っぱいスープを作った。食べる直前にラー油をかける。夜は気づいたら寝てた。

トマトとしらすとモッツアレラのスパゲッティー

洋食 10.2,2022

午前は仕事をして、昼から病院へ。今日は排卵しているか検査するのだそう。「左の子宮から排卵していて、卵子が11mmです。」先生が言った、何だかすごく変な気分。生理は毎月くる当たり前のものになったけれど、どうやら排卵してるらしいとか、排卵痛があるとか、何となくわかってる事もあったけれど、一度もそれを見たことがない。下腹部の奥が痛むことがあっても、触れたこともないし、大体の形はイラストで見た事があるけど、よくわからなかった。卵子が11mm。カウンセリングを受けていた時、シンガポール在住のカウンセラーさんは卵子の事をエッグと言ってた。その時は何だか違和感を感じたけど、卵なんだ。毎月私のお腹に卵。知ってたけど、知らなかった。卵。やっぱり変な気分。

生理、めんどくさ。生理、要らない。生理痛辛い。PMS最悪。その裏側で卵がいた。卵。会ったことがないけど、お疲れさんって思った。こんな言い方は正しくない気がしてるけれど、女の体は毎月卵を出して、子供を産もうとしてるんだ。それなのに、全然違うこと、仕事だとか、恋だとか、全然別のことに翻弄されて必死になって生きてる。SEXをする時はコンドームをつけて避妊して、卵はそのまま流れてなくなっていく。春が来て夏が来て、食べて排泄して、産まれて成長して死んで、私達は自然の流れに沿って生きてるけど、当たり前の様に卵を捨てることは自然なのかどうか、ちょっとよくわからなくなった。だからって子供を産まなきゃいけないとか、産むべきだとは全く思わない。

周ちゃんが不動産を回って物件を送ってくれた。どれも全くときめかない。私も探してるけど、見つからない。何だか申し訳ない気持ち。だけど、お金出してときめかない家に住みたくない。一緒にはいたいけど、だからってあなたとなら何処でも幸せとは、もう言いたくない。

夏にはどこかの街で冷たい素麺を一緒にすすっている筈。大丈夫、きっと見つかる。

餃子とご飯

中華 09.2,2022

調子が悪い。ご飯はよく食べてるけれど、ちょっとイライラしたり、小さい事が気になったり。周ちゃんに会いたいけど、そうでも無かったりもする。ひとりだけの毎日が恋しい。もう脱げない何かを纏ってるみたいな感じがする。それは暖かいのだけど、今日みたいな日は要らない。今でも、多分、1時間後の今も周ちゃんが大好きなのだけれど、その想いの中にいる私が、何だか何だろう。煩わしく思う。

もやしラーメン

中華 08.2,2022

朝から撮影。朝はちょっと寝坊して5時半に目が覚めた。家を出るまでに資料にもう一度目を通しておきたい。梃子の散歩は10分くらいで早々にすませた。「テコ、ごめんね。今日は帰ろう。」家を出たと思ったらあっという間に夜になって、スタジオからの帰り道、タクシーでぼんやりと窓の外を見ながら帰路に着いた。今日はもやしラーメンにしよう。周ちゃんに会いたいな。家にいたらいいのに。

お風呂に入ってビールをあける。時間は20時ちょっと前。お腹が空いたな。ラーメンを作り始めた。もう2月か。何だか今さらだけど、最近また驚いてる。指輪を買ったのが11月の終わりの方。出会って2週間くらいだった。2月に出来る指輪を楽しみに待っていたけど、勝手に時間がやってきたような気もする。指輪を取りに行く日に結婚しようって決めてる。未だお店からは連絡がない。本当に私達は結婚するのだろうか。今月に私は本当に熊谷という姓になるのだろうか。

高山なおみさんの餃子

中華 07.2,2022

久しぶりの我が家。何を食べよう。うーん、餃子にしよう。キャベツの餃子は久しぶりだ。今日は夕方に卵管造影検査というのをした。きちんと精子が子宮の中を通って卵巣に到達するかっていう検査らしい。片方の卵管の通りが怪しいらしくすごく痛かった。「痛かったら言って下さいね。」「先生!痛いです。」何度か言った。

寝る前に周ちゃんとビデオ電話をして、今日の検査の話をした。病院で貰った手帳を見せて細かく説明すると真剣に聞いていた。やっぱり周ちゃんは子供が欲しいんだろう。私の身体は今のところ年齢的な問題はあるけれど、致命的な問題は無さそうな感じだった。片方の卵管の通りが良く無いかもしれないと先生に言われても別にショックじゃなかった。まぁ、そんな事もあるでしょうと思ったし、それで赤ちゃんが出来なかったとしても仕方ないよねって他人事のように先生からの診断もあっさりと聞いていた。私にとっては特別に悲しい話じゃ無い。だってもういい歳だし、今までも赤ちゃんは希望してこなかったから何一つおかしい話じゃ無い。

もし気になることがあるとするなら、周ちゃんが子供を望んでいた場合にその期待に添えないことくらい。だけど、そんな事では落ち込んだり自分を責めたりはしたくない。だってそれは私のオプションだから、もう既にフル装備してる。特別美人でもないし、お金だって必要な分しかないし、社会性も欠けてるし、直ぐに落ち込むし、誰かを嫌いになってしまう日だってある。完璧ではないけれど完全なひとりの人間だもの。


高山なおみさんの餃子
豚ひき肉 150g
キャベツ 1/8 みじん切り
ニラ 1/2束 みじん切り
ニンニク 1片 みじん切り
ごま油 大さじ1
酒 大さじ1
醤油 小さじ1/2
オイスターソース 小さじ1
餃子の皮

拉麺

Journal 06.2,2022

昨日は鉄輪温泉に泊まった。昔ながらの湯治場の雰囲気が色濃く残る町並み。宿泊した柳屋も元々は湯治場だった場所をリノベーションして作った宿。宿について直ぐにお風呂につかった。静かなお風呂は一番風呂だった。水面に西陽がキラキラと反射してる。湯と光の中に溶けてゆく身体。このままどんどん身体を委ねたらどうなるんだろう。気持ち良すぎてちょっと怖くなった。

部屋に帰って寝ていた周ちゃんとSEXをした。確か今朝もした。仲居さんが朝食の支度で部屋に入ってきて慌てて寝てるフリをした。付き合って3ヶ月。20代の恋人達のようにしてるSEX。何だか少しくすぐったい感じもする。これはいつまで続くんだろうか。当たり前のようにきっと失くなっていくのだろうけど、それはいつなんだろう。一回めの結婚は元夫がわたしに嘘をつき始めるまでセックスレスにはならなかったけれど、回数が減っていく度に何だか女がどんどん剥がれていく様な気持ちになった。身体が性欲を強く欲しているわけではないのに焦りや不安を感じて、挨拶みたいにする軽いキスやハグだけがどうにか女であることを日常に繋ぎ止めてくれていた気がする。

朝食を食べ、少し街を散策した後に、日本で三泉に入ると言う火口にある塚原温泉へ車で向かった。強い温泉は長く入ると効能が強くて疲れると聞いたことがある。この塚原温泉も長く入らないようにと注意書きがしてあった。周ちゃんに聞いたところ、酸性が強いのでピーリング効果があって、産毛が溶けるのだとか。雪がちらついてる中、火口を見に山を登った。「あの煙の下にマグマがあるんだよ。」周ちゃんが言った。綺麗な石が落ちていて二つ拾うと周ちゃんも一つ拾った。周ちゃんは同じ事をする癖がある。私がやると周ちゃんもする。その逆はあまり無い。

火口から降りてお風呂のある場所へと戻った。掘っ建て小屋の中にある家族風呂。大きな窓からは鬱蒼とした山が見える。薄い雲が速いスピードで通り過ぎて、大きな窓から強い日差しが出たり入ったりしてる。風呂場の中にある影と窓から入る光が交わろうとしない。いい影だし、いい光。洋服を脱いで、アクセサリーを外してお風呂へ入った。2人入ると丁度いいサイズの木のお風呂。強い酸性で顔がピリピリしてる。ああ、写真が撮りたいな。周ちゃんとお喋りしながら何度も思った。この旅で何度も思った。今、撮ったらいい感じの写真が撮れそう。何度もカメラを取りに行こうかと考えたけど、結局、脱衣所のカメラを手にしたのはお風呂から出てから。やっぱり撮れなかった。

本当のところ、ずっとじれったい。撮りたいのに上手く撮れない。ああ、今って思うけれど、どうやってカメラを周ちゃんに向けていいのかわからなくなる。「今撮ってもいい?」たまに声をかけて撮ったりもするけど、声をかけると緊張して写真なんてどうでもよくなってしまう。フィルム代だってバカにならないし、心がどんどん沈んで撮るのをやめたくなったりもするけど、やめない。こうやって撮れないを繰り返していくうちに、きっと撮れる日が来るから。

別府空港に着いたのは18時半過ぎ。カボスの絵が描いてある缶チューハイを飲んでる人を何人か見かけて無性に飲みたくなる。「周ちゃん、カボスサワー飲んでもいい?」「もちろん。」ベンチに座ってカボスサワーをグビグビと飲んだ。すっかりひとりでご機嫌にお喋りしてる私がいる。私が笑うと、周ちゃんが笑った。周ちゃんはお酒が苦手だから飲んでない。だけど一緒になって陽気になってる。今日、2軒目の掛け流しの旅館の風呂が水風呂で私が子供みたいに拗ねて、そして貝みたいに閉じた。初めは優しく声を掛けてくれていたけれど、その後、周ちゃんも静かに運転をしていた。やっぱり周ちゃんは同じ事をする癖があるみたい。

地獄蒸し

旅の食事 05.2,2022

午前は周ちゃんの昔の職場やお世話になった民芸のお店、同僚の働いてるギャラリーに顔を出した。「熊谷さん!!」行く先々で久しぶりの再会に喜ぶ声を聞いた。わっと周ちゃんの周りに人が集まって結婚の報告を聞く度に皆、目を丸くして驚いていた。この街で暮らしてた周ちゃんは愛されてたんだ。私の知らない過去の周ちゃんを知ったような気がして何だか嬉しい。民芸の店にいた70歳くらいのお母さんは嬉しそうに店を出る最後までずっとニコニコしていた。「熊谷さんはほんとに優しい子だからね。」私だけに教えてくれた。そして、「お祝いに小鹿田焼の湯呑みをどうぞお好きなのを持っていって。」とプレゼントしてくれた。ただ周ちゃんの隣にいるだけなのに、周ちゃんへの優しさが私の方へ溢れてくる。

夜は宿で地獄蒸しを食べた。店の前で買った野菜や魚介を温泉の蒸気で蒸すだけの料理。ここの温泉は飲泉すると少ししょっぱくて、出汁のような味がある。蒸した料理はそのままだったり、カボスポンズをつけて食べた。部屋で美味しんぼの大分編を読もうと思って宿の本棚から借りてきたけど、直ぐに飽きてしまって眠りについた。周ちゃんは色々な本を読んでから寝たみたい。

無防備に布団に横たわったままに眠りにつくのは久しぶり。朝になったら電気は消えて、本もきちんと布団の横にあった。

別府冷麺

エスニック 04.2,2022

手帳に書いた夢100個の中のひとつ。好きな人といい温泉宿に泊まる。人生初の大分県別府で案外すんなりと叶った。贅沢な旅館に好きな人と泊まり、お酒をちびちび呑みながらその土地でとれた野菜や魚を食べ、夜空を見上げながら一緒に露天風呂に浸かる。最高過ぎる。別府は周ちゃんの前職アート関連の仕事で働いていた街。埼玉に来てからも毎年芸術祭の時期は訪れてるのだそう。色々な思い出が詰まった九州。到着した足で別府冷麺を食べに行った。

宿は一棟ずつ離れになっていて、お風呂は露天が3つ。内湯が1つ。温泉天国だ。周ちゃんは別府にいた時にいつかこんな旅館に泊まってみたいなと思ったのだそう。だから、私達はそれぞれ夢の旅館での宿泊となった。

夕飯を食べながらいつものように下らない話でケタケタ笑いあう。周ちゃんの恋愛昔話を根掘り葉掘りと聞いて、周ちゃんがモテてきた過去をふふん〜とニヤニヤしながら想像するのが好きな私は今夜もひつこく聞いた。今夜のテーマはもちろん別府。この街で告白された女について。日本の行く先々で周ちゃんは女達を虜にする。別府の女はどんなものかと細かく質問した。「元同僚で、普通だよ〜。」「普通ってなに?」「アート関連の仕事をしていて、小説を書いてた。」「どんな服着てる感じ?」「服〜?普通だよ〜。」「告白された場所は?」「普通に同僚として夕飯を食べに行った時だよ。」「え〜!同僚には告白しないでしょうが。それで何て?何て言われたの。」「彼女がいるからって断ったよ。」「彼女いたのに告白されたの?どうゆうこと?」「退社して遠くに離れるから言いたかったみたい。」「え?ただ言いたいだけの告白?何のためによ。それも持ってけばいいじゃん。」「そんなの俺に言われても〜。」周ちゃんを困らせるだけ困らせて話は終えた。だけど、周ちゃんの恋愛話は私達の食卓を華やかにしてくれる。少なからず私はとても気に入ってる。ビールでごくごくじゃなくて、シャンパンとかスパークリングワインみたいな感じで胸をひとときだけシュワっと浮足立たせてくれる。

好きな人といい旅館へ泊まる夢が叶った。今日に思い残すことは一つも無い。別府冷麺は和風出汁で、三回くらい食べるとハマり出すのだと周ちゃんが言ってたけど、私はもう完全にハマってる。

手巻き寿司

和食 03.2,2022

朝に仕事を終えて、三茶にある婦人科の病院へ。先週の血液検査の結果がでるのと、生理後にする血液検査の為。「お渡しした手帳は持ってきました?」先週に妊活ノートのようなものを渡された。「すみません。持ってきてないです。」「持ってきてって受付で言われなかった?」先生の口調はちょっと怒ってるように聞こえた。年齢的に卵子の数がやっぱり少ない、風疹の抗体が下がってる。けど、それ以外は問題ないとの事。そして来週の生理が終わったタイミングで子宮卵管造影検査をするのだとか。話がどんどんと前へ進んでいく気がした。年齢的にもう時間が無いと何度も言ってた。何だかもやもやする。私、検査をしに来ただけなんだけどな。

家に戻って梃子を連れて周ちゃんと電車で実家へ向かった。病院での検査結果や先生と話したことを伝える。何だか話しているうちに段々と苛々してきた。何で私、焦らされなきゃいけないんだろう。身体の問題と、私がどうしたいかは関係ない。「私達のこれからは私達が決める事だよね。」周ちゃんに聞いた。時間が無いと言われても、無かったとしても、そのチャンスを失うかもしれなくても、他人に私の人生を決められたくないよ。子供が欲しいかどうかは私と周ちゃんのそれぞれの気持ちを確認した上で決めたい。子供の有無は私の幸せに比例するなんて思ってない。だって今のままでも十分に幸せだし、この幸せが子供を作る上で失くなってしまうのなら正直惜しい。

「章、早く立って!」母が周ちゃんに挨拶をした。「妻の雪子です。宜しくお願いします。」こうゆうのは人生で2回目。確か5年くらい前にもやった。当時、母は卓上焼肉がブームで、借りてきた猫みたいになってる何も話さない元夫にひつこく肉を食べるように薦めていた。元夫は下を向いたままで箸もビールも進んでない。父は無言でお酒を煽っていた。変な話、あの時から世界は予感していたんじゃないか。朗らかに誰が見てもつまらない食卓だった。私はどうでもいい話をどうにかこうにか一生懸命に一人で続けた。

父はいつも風呂に入ってから晩酌をする。これは私の習慣でもある。「章、お風呂入っていいわよ。」「いや。ううん。今日は大丈夫。」食卓に私達が座ると10分もしないうちに父はポツポツと話しだした。国分寺や清瀬、若い時に遊んでいた場所の事、母との出会いが西武園遊園地だった。母のお兄ちゃんが営んでいた喫茶店のメニューをレタリングで書いたのは当時デザイン学校に通っていた父だったのよ、と母が横から話に入ってくる。父は、今日の父は何でこんなに楽しそうなんだろうか。気づけばすっかりお酒も入ってご機嫌になっていた。リビングに飾ってある結婚式の写真を指さして、「なんでヤスタミが俺のカミさんの隣で新郎みたいに立ってんだよ〜!」と、もう50年近く前の写真を見て笑ってる。ヤスタミは父の親友。我が家ではヘスって呼んでる。母も仲がいい。そして、私はあの父と母の結婚式の写真がすごく好き。母のレースのドレスと笑顔もビートルズに憧れていただろう父やヘスの窮屈そうな小さなスーツもあの一枚の中に流れている時間が洒落ていて好き。今でも止まってない感じがいい。

父と母は、私達三人兄妹が家を出てから何だかちょっと恋人みたいになった。それは時々姉とジェラシーするくらい。夏は二人で海水浴に行き、秋は温泉宿に、今年は2週間の船旅をするのだそう。「部屋から海がみえるんだって。パパはずっと海を見ていられるし、ママは船の上でエクササイズしたりしようと思って!」二人とも楽しそう。周ちゃんはちょっと緊張してるけれど、父や母と一緒になってお喋りしてる。昨日から胃の調子が悪いと言ってたけど、もしかしたら今日の挨拶のことで緊張してたのかな。

帰りの電車で周ちゃんと話した。「なんか大丈夫だったね。」「乾杯する時によろしくお願いしますってよしみのお父さんが言って、あ、そうなんだって思ったよ。」「私も。」2人で顔を見合わせて笑った。別にドラマみたいに娘さんを下さいみたいな事は必要ないと思ってた。だけど、周ちゃんは結婚をさせて下さい、と言うつもりだったのだそう。「籍はいつ入れるの?」「子供は?」「どこに住むの?」具体的な話は両親の口からは一切出て来なかった。昨年の12月に母に周ちゃんの事を話した時はまだ早いとショックを受けていたけど、もう落ち着いたらしい。いつだったかに「どうせ駄目って言ったってするでしょう。」とも言われたけど、全力で反対されたらやめてたかもしれない。私が決める事だけど無理矢理するもんでもない。それに、人生において結婚は全てじゃない。ただ、周ちゃんと一緒に幸せになりたいなって思っただけだから。

今日の夕飯は手巻き寿司。「あの人は何が好きなの?」母が聞いてきた。「手巻き寿司だよ!」周ちゃんの好物、手巻き寿司。私の好物でもある。実家の手巻き寿司って美味しい。なんでこんなに美味しいんだろうって毎回思う。いい夜だった。

夕飯

夕飯 02.2,2022

朝から撮影。疲れた。だけど、今日も楽しかったな。3年ぶりにスタイリストの佐野さんに会った。佐野さんは髪をショートにして明るい色のカラーだった。イメージが大分変わってて最初はわからなかったけど、あー佐野さんだ〜って直ぐに思い出した。「よしみさーん。」佐野さんって本当に好き。優しくて穏やかでチャキチャキと動く。嬉しいな、久しぶりの佐野さん。一緒に働くの、楽しい。

コロナ前は連載の仕事で毎月会う撮影チームが幾つかあったけど、今はどれもコロナで解散となった。久しぶりのチームでの撮影。新鮮だったし、佐野さんがいたり、キムチ仲間の花沢さんもいて嬉しかった。帰りのタクシーで花沢さんとたわいもない事をお喋りした。お腹はペコペコだし、早朝からの撮影で疲れてるけれど、こういう時間がいいなって思う。結婚してた時は夕方は忙しなくて嫌いだったけれど、今は好き。今日楽しかったな。そして今日の夕飯は何を食べようかな。焦らないでノンビリ考えられるようになった。お土産に貰ったビールが2本。コートのポッケの中でズシリと重い。今日は二本飲んじゃおう。

花沢さんが上馬で降りてから周ちゃんにLINEした。 “今帰ってるよ。夕飯何がいい?” “お疲れさま。8時40分頃に着くよ。疲れてるだろうから納豆ご飯でいいよ。アップルパイと明太子のパンのお土産があるよ。” あ、こないだアップルパイの話をしたからかな。帰宅して直ぐに財布を持ってサミットへ向かった。

夕飯は昨日のキノコのお味噌汁にご飯を炊いて、レンコンのナンプラー炒め、生わかめの上に釜揚げしらすをのせたもの、青梗菜と豚肉の中華煮炒め、見切り品のシャケハラス、ルッコラのサラダ、納豆。お風呂から出てビールを飲みながら、10分くらいで作れるものにした。炒め物は素晴らしい調理方法だと思う。切って、油を引いて、焼いたり、煮たり、さっと作るのが美味しい調理法で、それが直ぐに温かいうちに食べれる。

今日も美味しくていい一日だった。仕事帰りの周ちゃん。スーツみたいな感じの服装で失神するかと思った。あ、写真撮りたかったな。ニヤける私の顔をまっすぐにのばすのに精一杯で写真どころじゃかった。

パンケーキ

パン, 朝食 01.2,2022

パンケーキを焦がした。味は全く悪くないし、見た目も案外好き。今日は撮影の準備で朝から忙しなかった。明後日は朝から病院での検査と私の実家へ挨拶。翌日から周ちゃんが6年間住んでた大分へ行く。

キムチチゲ

エスニック, 韓国料理 31.1,2022

今夜は近所の友人等とうちで鍋をする予定だったけど、それどころじゃなかった。結局ひとりで簡単にキムチスープを作った。いい感じに酸っぱくなったキムチ。みんなで食べたかったな。

キムチチゲ
酸っぱいキムチ
ごま油
カブ、白菜、ネギ

ごま油で肉とキムチを炒めて水とキムチから出た漬け汁を入れて煮込む

朝食

朝食 30.1,2022

先週に買ったアボガドがまだ固い。冷蔵庫にずっと放置したまま。サミットで売ってる、”美味しいよ” とポップに書いてあるアボガド。ちょっとだけ高い。何とも悔しい。今日こそ食べよう。スープにする?焼く?結局、オリーブオイルで塩とソテーにした。

朝食に淹れたコーヒーを啜りながら、なんとなく結婚ノートを進めた。結婚ノートは2021年12月29日にスタートしたノート。結婚するために必要な事、どの方法で結婚する?両親にはいつ会う?どこに住む?家具は?保険は?貯金は?NISAは?生活の支払いはどうやってする?結婚式は?子供はいる?色々な話。疑問や質問を書き込む自由帳。途中ドラえもんや互いの似顔絵、梃子を書いた落書きのページ、私の声が漏れちゃってびしょ濡れになってるページ、立派じゃないページも積極的に入れていってる。あまりに小さくて言葉や形にならなかったり、一見下らなく見えるもの、そうゆう呼べない話せないものは見過ごしてしまう。周ちゃんには秘密にしてるけど、率先してそうゆう自分の規格外になったものたちを積極的に書き込んで、わざと白い紙を汚してる。一度崩してしまえばもう誰がどう食べようがわからないから。今日も沢山話した。3時間くらい。「お昼を食べよっか。」家族会議は終了。

夜は編集の浅井さん、成田さん、周ちゃんと私の4人で西早稲田にあるVplusというレストランへ行った。周ちゃんは案の定、約束より先に到着して、みんなは少し遅れて店へ着いた。風が少し強くて寒い夜だった。色々な話をした。恋の話もだし、仕事っぽい話、食べ物の話、長野の話や縄文にやまぶしの話。私達はやっぱり同じ大陸に住んでいるんだなぁと思った。話が地続きのまま、永遠に止まらなそう。隣に座る周ちゃんを見れば見る程に私の機嫌が良くなっていく。外で見るよそゆきの恋人。肌は今でもその温度を覚えてるのに、その存在を遠く感じて妙に全身がそわそわする。ああ、これが私の恋人なんだ。私の所有物じゃ無いんだけど、私の、恋人。平然と世界と会話をしてるけれど、世界が知らない彼の秘密を私は知っている。ワインを一口飲んでは周ちゃんの横顔を見た。ああ、美味しい。今夜のワインは本当に美味しい。よそゆきの恋人ほど美味しい夜はないよ。

とにかく楽しかった。大好きな人達と、恋人。最高の組み合わせだな。私と周ちゃんは世代が同じだけど、浅井さん、成田さんとは少し異なる。そんな4人が同じテーブルでそれぞれが見ているものの話をする。見ているものが異なれば感じ方も変わってくる。時間は長くあれば有効というわけでもないし、身体能力が高いからと言って未来に希望があるというわけでも無いと思ってる。世代の異なるアンバランスな状態の4人が同じ食卓を囲んで話て笑って食べて。それぞれに心がストンと落ちるように想うことがあったり、心を寄せたくなるような会話があったり。何だか最近は作りたいけど、働きたいという欲はどんどん薄れていて、だけど何だか今夜は柔らかいだけじゃなくて固くて強固なものも作ってみたいと思った。

もう1月も終わる。みんなで長野に行けたらいいな。はらぺこやまぶしの本、本当に作れたらいいな。

シーフードパスタ

パスタ, 洋食 29.1,2022

ブランチは昨晩の残りの刺身と冷蔵庫の余ったおかず。南瓜の煮物、小松菜のおひたし、ナスとレンコンと鳥もも肉の甘酢炒め、納豆、卵、海苔、ご飯とキャベツの味噌汁。ご飯は二杯おかわりした。周ちゃんは三杯だったかな。とにかく私と周ちゃんはよく食べる。今日もペロッと漫画みたいに食べた。

午後は周ちゃんに付き合って駒場にある民芸館に行った。前の家が近かったので何度もこの辺を歩いたことがあるけど民芸館は初めて。周ちゃんはまるでここの学芸員みたいに色々を教えてくれている。周ちゃんは親切で優しい男ランキングベスト3に入ってもおかしくない。ジャパンじゃなくて、もちろん、ワールド大会で。おかしなもので、数年前は全く知らない音楽に耳を傾けながらライブハウスの暗闇の中でひとり呆然と夫だった男が唄うのを聞いていたけど、今はこれから夫となろうとする学芸員の話を民芸館で静かに聞いてる。民芸も音楽と同じ。全く知らない。私の口からは、うんともすんとも何にも出てこない。展示品を見ながら、幾つも見ながらそんな事を考えてた。お腹空いたな。「周ちゃん、シーフードパスタが食べたい。」民芸館を出てしばらくすると「よしみがシーフードパスタって言うから、俺もそんな気分になってきちゃったよ!」「じゃあ、今夜はパスタにしよう!ホタテと鮭があるよ。」何だかとびきり元気な声で言った気がする。別に民芸館がつまらなかったわけじゃない。一人じゃ行かない民芸館も周ちゃんとなら楽しい。民芸は大体見てない。家でもスーパーでも日本から出てもいい、周ちゃんとならどこでも楽しい。周ちゃんはどんな表情をして、どんな言葉でどんな話をどんな風にしてる。どんな佇まいでどんな風にこっちを向いて。こっちを振り向いて。私の名前をどんな風に呼んで、その音の大きさはどんな感じ。眼差しはどこに向かってどうやってここにくる。色素の薄い茶色の目が綺麗。そんな時間をただただ見てる。どこでもいいから一緒の時間だけが見たい。これって恋人じゃなかったら完全にストーキング行為だな。

梅ヶ丘の駅前のスーパーを出ると夕方がもうすぐ終わろうとしてた。遠くに夕陽の残りが微かに見える。家までは後15分くらい。坂道を下りながら聞いた。「例えばさ、周ちゃんが今すごくお腹が空いて堪らなくて、そこのコンビニでおにぎりとか肉まん食べる?」「う〜ん。食べない。だってこれからシーフードパスタ食べるでしょ。」「じゃあさ、どうしてもお腹が空いて駅前にあったマックでハンバーガーだけのつもりがポテトも食べちゃって、そしたらどうする?すっごくお腹空いてるの。もう限界ってくらいに。」「食べないでしょ〜。一緒にシーフードパスタ食べられないじゃん。だって材料も買ってるわけでしょ。一緒にシーフードパスタ食べようって話してるわけでしょ。」「そうだよね。食べないよね。けどさ、マックを食べちゃってお腹いっぱいになっちゃって、夕飯はやっぱりいいやってなって。私は一人分のシーフードパスタを作り始めて、あ、やっぱりちょっと食べたいって言い出して、そしたらあなたの分は無いよなんて言わないよね。それでじゃあもう一つ作るからってなって、パスタは温かいうちの方が美味しいし、その温かいパスタはどんどんお皿の中から無くなっていく間に、フライパンの中ではもう一つのパスタがぐるぐると回されて乳化もいい感じ、それで、結局、私は一人で食べるよね。一人前の熱々のシーフードパスタ。」そうだよね。おかしいよね。

あれ、悲しい。何だか悲しいことが目の前で起きてる。だけど、何故だか世界は悲しい私がおかしいみたいな雰囲気。それは家の中だけじゃなくて、いつもの中目黒の酒場とか、どこかよくわからない真っ暗闇のライブハウスでも同じ。元夫といるとそうゆう時間があちこちにあった。一人でシーフードパスタを食べるのは悲しい??たしか、元夫の友人があなたが作るから悪いって言った日があった。だけどさ、私はただ一緒に食べようって話をしてただけだし、ただ、悲しかっただけ。

お腹がペコペコだったから大盛りのパスタを作った。周ちゃんは今日も漫画みたいにぺろっと食べた。両頬を一杯にして美味しい、美味しいって言って食べてた。美味しい時と、考えながら話をしてる時によく目をつぶるけど、何度も目をつぶって味わってた。パスタ、すごく美味しいね。一緒に食べるご飯って楽しいよね。食卓って最高だよね。そうだよね。やっぱりそうだよね。

シーフードパスタ
シャケ
ホタテ
ねぎ
しそ
パスタの麺
オリーブオイル
醤油麹と塩
お好みで柚子胡椒

チーズトースト

パン, Journal 28.1,2022

「チーズのみ、マヨチーズ、バターチーズ、どれにする?」「バターチーズ!」周ちゃんはバターが好き。それはやっぱり北海道生まれな気もしてる。朝食は私が作って、周ちゃんはバナナジュースを作る。それから洗い物は周ちゃん。なんとなくそんなルールがいつもになってきた。急いで朝食を済ませて支度をする。今日は近所の友達に聞いたブライズチェックの日。三茶にある不妊治療専門の病院へ向かった。正直、本当に子供が欲しいのか未だわからない。家族が欲しいっていう憧れはあるし、産んでみたいとも思ってる。病院は一番の予約だったけれど、沢山の人がひっきりなしに出入りしてた。年齢も様々。男の人も数人見かけた。

看護師さんの話を聞いて、先生との面談。「年齢的に時間がありません。急ぎましょう。」よく聞いていた話だった。最近、生理の調子がちょっとおかしい事と、少し遅れてる話をした。「このまま妊娠してたらいいですね!一週間来なかったら妊娠してるかもしれません。」先生がにこりと笑った。優しい先生だな。不思議な気持ちがする。私、本当に妊娠してたらどうなるんだろう?

お昼はシバカリーワラでカレーを食べ、歩いて帰宅した。今日は穏やかで気持ちがいい。「周ちゃん、先生がさ、一週間生理こなかったら妊娠してるかもしれませんねって言ってたんだけど、何だかすごく不思議じゃない?先生でもわからないんだって思ったよ。」周ちゃんはちょっと嬉しそうな顔をしてた。子供が欲しいんだろうな。いや、正確には子供が欲しかったのかもな。私にプロポーズした時に、私は年齢的にも子供は産めないかもしれないからもっと若い人にした方がいいよみたいな話をした。そしたら、子供はどちらでもいいって言ってた。出会って短い間だけど、子供に話しかけたり、遊んだりしているのを見かけたことがある。街で目が合えば、にこりと微笑んだりしてる。

私はどうなのかな。離婚してから急に子供に興味を持ち始めたけれど、私の生活に子供が入ってきたらどうなっちゃうんだろうか。帰り道に色々と話したけれど、結局実際やってみないとわからない。案外楽しいかもしれないし、よく耳にするように大変かもしれない。考えたって仕方ないよねって。

帰宅してお互いに仕事をする予定だったけれど、ソファーで周ちゃんの首元にもたれかかったまま寝てしまった。1時間半くらい寝てた。周ちゃんはその格好のまま仕事をしてたらしい。周ちゃんって人がどんどん好きになるけど、私がどんどん我儘になっていきそうで怖い。

塩豚のポトフ

27.1,2022

向かいあったコーヒー屋のテーブル席で、本当は泣いちゃいそうだった。込み上げてくるものがどんな気持ちだったのか細かい事は今でもわからないけれど、言葉にはならない。だからって写真とか映像で見えるかと言えば、そんなものでもない。ミオちゃんと私と、間に何か。似てると言えば冬の寒い日に温かい鍋を同時に食べた時みたいな。別々の口に入るのだけど、同じ場所にいるような感じ。

ミオちゃんから撮影後に話したい事があると聞いてて、私も彼氏が出来た事と結婚の報告をしたかったからタイミングが良かった。ミオちゃんはカフェラテとバナナケーキを頼んで、私はカフェラテミルク多めにしてもらった。本当は12月の撮影時に話したかったのだけど、その日は次のスケジュールがあったから早々に現場を離れたので、新年明けましておめでとうなミオちゃん。久しぶりで何だかすごく嬉しい。

待ち合わせ場所はビルの前。遠くに派手な白いモフモフのコートを着ているのが見えた。ミオちゃんのファションがいいなといつも思う。メイクもいい。ミオちゃんにはミオちゃんだけにしかないルールがあって、その7割はLONDON由来だけど、後は東京だとか、私も知らない未知の色々が詰まってる。誰が何と言おうとミオちゃんはミオちゃんっていう形をしてる。東京にいる女の子達は大体同じような洋服を好んで着る。それはそれですごく感心してしまうくらいに可愛いのだけど、ミオちゃんは渋谷のスクランブルの中にいたって直ぐにわかる。個性的という意味だけじゃなくて、ただ、ミオちゃんを生きてる。

「私はよしみちゃんが心配だよ。」ミオちゃんらしくハッキリと言った。全然、嫌な気持ちがしなかった。その通りだと思う。ミオちゃんが言う心配は、私がまた誰かの為に頑張ってしまうんじゃないかって。せっかくひとりの人生を立て直して、色々が回ってきたのにって事だったんじゃないかと解釈してる。男の人が大丈夫だったのか、結婚しても大丈夫なのか、どうしてそうなったのか?けげんそうな顔でとにかく心配をしてた。私自身この数カ月で起こったことに驚いてる。ある日突然に恋に落ちたような話でもない。一ページ一ページを隅々までしっかりと読み切った分厚い本がここにあるような感じだ。色々なことをすごく下手くそに説明したと思う。「男の人も結婚も怖かったし、誰かと付き合うことだって無理だったよ。ハグなんてやり方を忘れてたんだよ。だけど、色々沢山を話したり、結婚がパートナーが事実婚が何とか、本当に沢山を考えて話して、この人と結婚してもいいかもって思えた時に、トラウマがあるから怖いから嫌だって思いたくなかったの。進めない理由が怖いのなら、進みたいって。」ミオちゃんはずっと真っ直ぐ目を見て話をして、聞いてくれた。

仕事の事で色々と今は悩んでるんだそう。ミオちゃんらしくていい悩みだと思った。もっともっと新しいことに挑戦したいんだろう。そんな感じが伝わってきた。私の目にうつるミオちゃんって人がどうなのかを話して、応援した。仕事で頂いた5年手帳。「私意外とこういうのちゃんとやるよ!」とミオちゃん、「私は普通にやるよ。」と私。5年後、書き切ったら話そうね!って約束をした。今、抱えてるそれぞれの問題。ミオちゃんはこれからどんな仕事をして、私はどんな結婚生活を送ることになるんだろう。楽しみだな。なんなら先に書いてしまおうかな。

塩豚のポトフ
塩豚 [豚バラを重量の5%の塩に揉み込み一週間冷蔵庫で寝かせたもの]
キャベツ
ごぼう
しいたけ
人参
玉ねぎ




かぼちゃの直がつお煮

野菜 26.1,2022

午前は撮影。午後過ぎに帰宅。ここ最近起きた仕事のトラブルの事でちょっと疲れてる。こんなトラブル独立して初めてだと思う。最悪だった。何が悪かったのか、何が危なかったのか気になって書き出して見る。一つ一つが結構いやだ。だけど、初めに嫌だなって思ったことはカンではなくて答えだった。例えば、誰かが嫌だなって想うことを平気な顔をしてやってしまうとか。そういう人は好きじゃないし、隣にいてとても気分が悪い。大人気ないかもしれないけど、嫌だ。すごく。

書き出して見たら色々がよくわかる。暗雲が遠くの方に見え出したくらいから、相手に危ないですよって伝えてる。どんどん広がっていく真っ黒な雲を見逃すことなく何度も何度も伝えてる。そして最後にきちんと雷を落とした。私ってエライ!もしかしてまた我慢し過ぎちゃったのかなって思ったけど、ねぇねぇってひつこく伝えていた。隙あらば伝えてた。予算、制作の色々、納品のこと。細かく伝えてる。昨日、相談しようとしたら周ちゃんがソクラテスの話をし出したから苛々した。偉人だか何だか知らないけど、今は私の話をしてる。見ず知らずのソクラテスさんにフィットするわけがないよ。

明日は周ちゃんが来る。撮影が夕方迄だから、色々と喜びそうなご飯を作り置きする事にした。周ちゃん、ごめんね。ありがとう。

かぼちゃの直がつお煮 [土井善晴さんのレシピ]
かぼちゃ 400g
削り節 10g
水 カップ 1と1/2
砂糖、醤油、各大さじ2

鍋にカボチャ、水、削り節を入れて火にかけ煮立ったら砂糖を加え落し蓋をして中火で5分。醤油を加えてさらに5分。カボチャが柔らかくなるまで。

味噌汁とごま油

Journal 25.1,2022

10月にパリのマユミちゃんに書いた手紙が戻ってきた。一通目は10月10日、病院から梃子の癌宣告を受けた日で “酷く落ち込んでるけど負けないみたいな事が書いてあった。二通目は10月21日、梃子の手術の事についてと、最近自分の周りで恋の朗報が多くあってすごく嬉しい。私には何も無いけどね!と書いてあった。書いていた時の気持ちをよく覚えてる。あの頃の私はまだ多分怖かった。前向きな言葉の裏側には未だトラウマの影が潜んでる。とっくに日常が戻っていたと自覚していたけど、またあの人が世界を壊すんじゃないかとビクビクしていたのかもしれない。

手紙を記した10日後くらい、周ちゃんに出会った。そして来月に結婚する。本当に世界はわからない。2021年の10月の私がありありとここにあるけれど、全く違う今を当たり前の様に生きてる今もここにある。身体はきちんと今日迄を吸ったり吐いたりして一枚の皮で繋がっているけど、心はあちこちに破片の様に散らばって交わろうとしない。すごく変。だけど、静か。

夜、周ちゃんに電話した。まとまりの無い話を沢山した様に思う。仕事の話も少しだけした。とにかくワガママに話した。トラウマを過去にしたのは紛れもなく周ちゃんのお陰だ。たまたま遭ったとしても、タイプだったからだとしても、彼の魅力に惹かれたとしても、意味があるのか無いのか、運命なんてものはよくわからないけれど、明るく生きる為にすごく必要な人だったと思う。

「俺も一人で生きるって思ってたからなぁ。半年前、まさかこんな事になるなんて想像もしてなかったよ。仕事して、週末はフィールドワークしてって。一人で生きていけたから。」

仕事の後に、編集の柳瀬さんにさくらももこさんの本を借りた。タイトルはやきそば うえだ。表紙は焼きそばのイラスト。食べたい。周ちゃんはお好み焼きが得意らしい。焼きそばも上手そうだな。

レバーパテとトースト

パン, 24.1,2022

昨晩早く寝た所為で夜中の2時に目を覚ました。周ちゃんは寝ぼけながら「お腹大丈夫?」と、私のお腹をまださすってる。確か寝る時もさすってくれてたような気がする。昨日、ランチにキーマカレーを勢いよく食べてしまった。お肉が苦手なのにキーマなんてものを食べたのが悪い。夜にはすっかりと胃腸の調子が悪くなった。目をつぶりながらこの子はなんて優しい子に育ったもんだと思った。男の人って男の子に見える時がある。女の人はないのだけど。

朝ごはんを食べてから、周ちゃんはソファーで梃子を膝に抱えて仕事をしてた。私はベッドルームで今揉めてる案件についてADのしみるさんに電話で相談にのってもらっていた。お昼が近づくと、慌ててそれぞれ出かけた。今日も寒いな。電車の中で案件のゴタゴタにどんより気分に浸ってると久しぶりにのむらさんからのメール。以前に撮影した写真の使用許可をお願いしていたメールの返信だった。のむらさんはゲイだけど所謂ゲイっぽく無い。エンジェルって感じ。私達はちょっと色々とあって離れちゃったけど、とびきり大好きな人。メールを開封しただけで一気に温かい風に飲み込まれた。結婚の事は大切な人には会って伝えるようにしたいと決めていたけど、しばらく会えなそうな気がしてメールで伝えた。直ぐに「おめでとう!」との返信。のむらさんが彼氏のミッチーに「ねぇねぇ、よしみさん結婚するんだってよ!めでたいねぇ。」なんて言ってる様子が浮かんだ。のむらさん、元気そうで良かった。”こんな時に出会えるって凄いね。” って書いてあった。そうだな。離婚もだけど、結婚も、自分が意図しない場所に流れてきちゃったって感じ。まさかここ?!みたいに。

帰宅してポストを開けると深緑の封筒が一通。パリのマユミちゃんだ!この瞬間が何とも嬉しい。信号が三連続で青になったくらいに嬉しい。今日の手紙も最高にラブリーな内容だった。どうやら、私が結婚を報告した手紙と、周ちゃんと付き合ったよと言う報告の手紙の順番が逆で届いたらしく、恋してる私がいいねと書いてあった。今日は質問コーナーがある。質問は二つ。一つは最近読んだ本について。もう一つは、しばらく誰かに恋したり、一緒に生活をしてないけど、それってどんな気持ちなんだろう?っていう質問だった。今は暑い場所に行きたくて、日本に帰っちゃおうかなとか、バリは生活しやすいと友達に聞いてバリに行っちゃおうかな、いや別の国かなと考えてるような私には誰かを好きになるとか責任持てないなぁって。風呂上がりに、缶チューハイをぐびぐび飲みながら読んだ。いいよ、いいよ。すごくいい。誰かを好きになる事と、自分が好きな事をするのは全然違う国の話よ。一緒に生活するには生活がしやすいようにルールを設けたり、気を使ったりすることもあるけれど、それと自分の好きを失う事は全く話が違う。彼氏だとか夫が、休日はデートをしたい!と言っても、なんとなくそんな流れになりそうでも、毎週はハッキリ言ってやめて欲しい。だって一人で部屋で本を読んだり、日記を書いたり、梃子と遊んだり、思い立ってマフィンを焼き始めたり。時にはいきなり旅に出てもいいと思う。意図しない自分と遊ぶ時間はすごく楽しい。今日もいつもの居酒屋で、今日もいつもの喫茶店で、今日もいつもの街を同じように手を繋いで歩くような週末はホッとはするけど、退屈。だって、愛しているっていう気持ちは別の所にきちんとある。マユミチャンへの返信用の便箋を出して、”質問の回答です。魅力的なあなたが最高に好き。”と書いた。

一人の夜。最高だな。あー最高に幸せ。今日は早く寝よう。

レバーパテ
レバー [血合いを包丁でとっておく]
ウィスキー
牛乳
バター [レバーと同量]
オリーブオイル

レバーを牛乳に浸しておき、水気を拭いて、フライパンで焼く。温かいうちにバターと一緒にミキサーで攪拌して、タッパに入れて冷蔵庫で冷やし固める。



夕飯

夕飯 23.1,2022

東京フォーラムの骨董市がコロナで中止となったので、立川の神社でやってる骨董市へ行く事となった。知らなかったけれど、周ちゃんは骨董のコレクターなのだそう。家にある本棚には、変なものが沢山置いてある。ガラクタって感じじゃなくて、一つ一つ意味がありそうな雰囲気が漂ってる。そして何だか不思議なのだけどお洒落。こないだ同僚の学芸員の高橋君が家に来た時、二人の盛り上がり方が異常だった。古くて意味のあるものが好き。よくわからない言葉を一生懸命に話して笑って同意し合ってた。

周ちゃんは骨董市で石を二つ。私は皿を二枚買った。その石はドングリ等を潰すのに使われていたものと、包丁の役目をするものだったそう。縄文っていうワードが周ちゃんや店のおじさんの口からよく出てきた。そして、おじさんに気に入られた周ちゃんは、骨董の有名らしい売り物の雑誌を貰ってた。前にも氷見で畑をやってるヨロさんに氷見のアートの雑誌を貰ってた。周ちゃんと話すと何かが刺激されてあげたくなるのかな。

私が買ったお皿についてもおじさんと色々と話をしてたけど、全くよくわからなかった。窯元やいつの時代のものだとか話をしてた。世の中には知らないことが沢山ある。私はただ、可愛ければ何でもいい。「お皿、あまりこだわりなくて。別に高価とか人気とか、あまりそういうのは興味がないんだよね。だって自分が毎日使うものだから。好きなのがいい。だからそんな高いのは必然的に買わないよね。」私の言葉に周ちゃんはすごく喜んでた。どこで喜んでるのかわからないけど、何かヒットしたみたい。新しい器には納豆を入れた。

麻婆春雨

中華 22.1,2022

婚姻届は提出する区の役所に取りに行かなきゃいけないのかと勘違いしてた。全国共通なのだそう。「じゃあ、渋谷区役所に行かなくていいじゃん。スーパーに行く前に役所に寄ろう。」辺りはもう直ぐ夜。少しだけ夕方が残ってて何だかいい夕方って感じ。今日は午後から書き初めをして家訓を書いた。”幸せは二人分、悲しみは半分。” 嬉しい楽しい時だけじゃなくて、困った時も助け合ってみよう。お互いに過去にそれぞれ苦労があった。その時に学んだのは、自分で自分を救う術。ひとりで生きるのは強くいられるからいい。だけど、恐れずに信じて分けようって話をした。まだ付き合って直ぐの頃に。

土曜日だから時間外窓口への階段を降りた。おじさんが二人。こちらが開口する前に婚姻届を手に取ってたように思う。「二部頂けますか。」「大丈夫、間違えちゃうよね。二部入ってるよ。」何だかすごく可笑しかった。スーパーへ向かいながら、おじさんの真似をしてケタケタ笑う周ちゃん。周ちゃんはすごく大人な方だと思う。真面目だし、我慢も得意。仕事もバリバリして、周りの人に気を使う事も自然に出来るのだけど、実は結構子供っぽい。なんなら私よりもそうかもしれない。ずっとおじさんの事で嬉しそうに笑ってる。あのおじさん、そんなに面白かった?婚姻届を貰ってそんなに嬉しい?何だか今にもスキップしてしまいそうな笑顔の周ちゃんが可愛くて仕方ない。

食後にお茶を飲みながら婚姻届を眺める。「何だか、ドキドキするよ。」と、私。「いつ書く?周ちゃん、いつ書く?」「今、書こう!」周ちゃんはシャーペンで下書きを始めた。私は面倒くさいから、どうせ二部あるしとボールペンで書き始めた。せっかくだから下書きしてる周ちゃんを携帯で動画を撮ろう。「携帯の動画もさ、いつか何十年後は見られなくなるよね。」「そうね〜。」話半分の周ちゃん。「デバイス問題って何なんだろうね〜。」「ね〜。」真剣に書いてる。また名字が変わる。次は熊谷。仕事の活動名を下の名前にしておいて本当に良かった。印鑑も屋号も全部、よしみにしてる。名字が服を着替えるみたいに簡単に変わってしまっても大丈夫。対策は万全。私のアイデンティティはもう二度と崩壊させない。

水餃子
春菊 みじん切り
レンコン みじん切り
豚肉
ごま油


麻婆春雨
春雨100g 2、3分で湯がいて水を切っておく
豚挽肉 200g
C ネギ1/2、にんにく、生姜 大さじ1をみじん切り
ごま油 ひと回し、ホワジャオ 大さじ1
A 紹興酒、豆板醤 大さじ1
B 甜菜糖小さじ2、中華だし小さじ1、水1カップ、醤油大さじ3

Cを炒め、肉を入れてさらに炒めて、Aを入れて炒める。
Bと春雨を入れて水分が飛ぶまで火にかけて、最後にごま油とホワジャオをかける。

夕飯

野菜, 夕飯 21.1,2022

今夜こそ周ちゃんがくる。午前はデスクワークを済ませて、午後は人形町へ撮影。今日は編集の柳瀬さんと。久しぶりだな。今日もとっても可愛い。柳瀬さんはコジコジが好きなんだけど、コジコジみたいな雰囲気が漂っていて、一緒にいると春みたいな気持ちになる。お土産に人形焼を頂いた。周ちゃんと食べよう。

急いで帰って夕飯の準備。昨日、周ちゃんに作ったロールキャベツをメインとしよう。あとは、揚げた茄子が好きだって言ってたから、揚げなすとタコのピリ辛和え。藤井恵先生のレシピ。ビールによく合うから昨年の夏はよく作った。あとは、周ちゃんは豆が好きだからスナップエンドウのナンプラーがけと、金平牛蒡かな。

周ちゃんが到着したのは19時過ぎ。仕事を終えていつもの様に埼玉から自転車で来た。アメリカで手袋を片方なくしたそうで手が凍りみたいに冷たい。温かい麦茶を飲んで、一緒にお風呂に入ることにした。今夜はジャスミンのバブにした。冬になるとハマりだすバブ。バブ特有のジャスミンの香りがお風呂場に漂ってる。いい香り。湯船に浸かってたわいもない事を話はじめた。本当は寝るときにベッドで話そうと思ったけれど、周ちゃんの顔を見たら何だかすごく話したくなって兄の事を話始めた。兄の事もだけど、結婚は良いもんじゃないという話もした。兄が担った父という役割、私が1度目の結婚で担った妻という役割。生活をスムーズに進める為には大事な事だし、家族が上手に回る為にも必要だと思う。だけど、そこに堕ちてしまうこともあるみたいって。

これから結婚する事がネガティブだとは思ってない。だけど周ちゃんには少し不安な話に見えたみたいだった。周ちゃんは初婚。私の話す内容を頭では理解しているようだったけれど、未だ実際には見たことがない景色のことを真剣に聞いてた。そして答えを頭の中に探しながら一生懸命に話してた。ずっと話してた。私が茹でタコになっても気づかずに必死に話し続けてた。顔が火照ってぼーっとする。周ちゃんっていう人はいい人間だな。そろそろ出たい。話のお尻が全く見えない。「周ちゃん、のぼせたよ。」「またお風呂で討論やっちゃったね。」

周ちゃんの答えはとても良かった。「結婚は、相手が自分のする事で幸せになるんじゃなくて、相手の幸せを願い続けるものだと思う。だって所有物じゃないからね。」周ちゃんが言った。うん。私もそう思う。心理学で学んだ事で人間の愛情についての講義があった。人は誰かに愛を与えるという行為が自分を愛するという行為にもなるという事。だけど、それは循環していなくてはいけない。与えて受け取る。その輪の中にはきちんと自分の身も置いてあげること。愛が欲しいから、愛を与え続ける。返ってこない愛に、あれ、足りないのかな。もっともっと愛さなきゃって、愛をどんどん与え続けてしまうことがある。それは生きる為に必要な愛だけど、循環しない愛はどこかに滞って冷たくなってゆく。だから、もっともっとってなる。愛が欲しいと思う事は決して間違ってないけど、ちょっと悲しいことだとも思う。だから、そうならないように、見ててあげようって話をした。今日どんな1日を過ごした?とか、今日何をたべた?とか、その人が毎日変化することを、少しだけどんよりしてる顔だとか、いつもと少し違う仕草だとか、平和に幸せの中に身を置けてるのかどうか。愛されたいからそうするんじゃなくて、愛とは別。幸せになって欲しいと願おうと。

だから、もし、愛が循環しなくなったら、たとえ大好きだったとしても、さよならしようと伝えた。お風呂から出て缶チューハイを一気に飲んだ。完全にノックダウン。

ロールキャベツ

キャベツ, 洋食 20.1,2022

昨晩は電話してしまった。結局2時間くらい話てたと思う。嬉しいけど最悪だ。お陰で今日は6時過ぎに目が覚めたし、寝不足。支度をして駒沢公園へ向かった。モニターのネジの調子が悪くて、カメラを両手で構えて、右肘の内側にモニターを挟みながら動画の撮影をした。私、何やってんだろう。これくらいなんて事は無いけど、ちっちゃく腹が立つ。

帰りに公園のスタバでコーヒー飲みながら携帯で作業して帰ろうと思ったけれど、気分が乗らなくてパン屋でドーナツを買って帰った。もうとっとと帰ってやるんだ。昼過ぎから来月の撮影のスタジオのロケハン。今日は空がとびきり青い。いい日だな。周ちゃんは今夜くる予定だけど、ちょっとわからないって言ってた。スケジュールいつわかるんだろう。

帰宅しておやつを食べて映像の編集を始めた。未だ連絡がこない。時間は17時。うーん夕飯を作りたい。周ちゃんが来るなら色々作りたいものがある。早く連絡来い。何で連絡してくれないんだろうか。忙しいんだよね。わかってるよ。もう作ってしまおう。サミットへ買い出しに行ってロールキャベツを作り始めた。”ごめんね。今日残業になりそうだから、明日に会いに行くよ。” LINEが入る。いいよ。大丈夫。一人の夜が好きだから。仕事を少ししてお風呂に入って麦酒を飲んだ。

会いたかったけれど、寂しい気もするけれど、一人の夜も最高なんだよ。梃子がベッドから起きてきて甘えてくる。梃子、大好きよ。ああ、こんな夜も大好き。ハーフアンドハーフな夜だな。

近所のカメラマンの渉さんからLINEが入った。「よしみさん引っ越すの?同棲するの?」何だか急に寂しい気分。寂しくなるけど、よしみさんが幸せになるならいいねって。嬉しいけど寂しい。寂しいけど嬉しい。渉さんは2年前の夏に私達夫婦の話を聞いて「それは間違ってると思う。よくないよ。」ってハッキリと元夫の暴力について言った。人の家の事だからわからないとかじゃなくて、ハッキリと言ったのを覚えてる。

私の中身が段々と変化してる。お願いだから結婚にだけは染まらないで。指輪をつけるのは週半分くらいの方がいいんだろうか。この街にセカンドハウスが欲しい。

ロールキャベツ
キャベツ 5枚[1分湯がいて水気を拭いて薄力粉を薄くはたく]
コンソメ
ケチャップ、蜂蜜
たね
豚ひき肉 200g [油で炒めて冷ましておく]
玉ねぎ微塵切り 1/2
塩、胡椒
溶き卵
パン粉 大2 を、牛乳 大2 で浸しておく

塩豚のホワジャオスープと焼いた卵

, 冬の料理, 中華 19.1,2022

今日はスッキリと目が覚めた。やっぱり早寝早起きはいい。昨晩は周ちゃんと電話しなかった。周ちゃんとの時間も楽しいけれど、やっぱり私の時間が好き。外は未だ暗いままで朝はしばらく来なそう。白湯を飲みながら色々を進めた。気づいたら9時過ぎ。慌てて支度をして駒沢公園へ映像の編集で使う為に空を撮りに出かけた。公園に着く頃には白い雲が辺り一面に広がってる。あーあ、なんだよ。帰ろう。

帰り道に松陰神社の商店街にあるお花屋さんへ寄った。店番をしてるお爺ちゃんを見る度に近所のフォトグラファーの渉さんがお爺ちゃんの話し方のマネするのを思い出してちょっとおかしくなる。「チューリップ下さい。すみません、一本でもいいですか?」「いいよ〜。150円ね。」チューリップの札には200円と書かれてるけど、いつものように少しまけてくれた。「この花、ちょっと短いの。いる?三本あげるよ〜。チューリップにはちょっと合わないけどね〜。」結局、4本の束のお花を抱えて家路に着いた。紫色の綺麗なお花。名前を聞いたけど忘れちゃった。何だか可笑しいな。

帰り道はインド人がやってる肉屋の通りを入って小さな公園の裏を通るのがお馴染みのコース。そして真っ直ぐと通りを家の方へと向かう。この道も何回歩いたんだろう。少しでも家が華やぐようにとお花を買い始めたけど、寂しいとか怖いとか不安だとか、私が1年の間に落としてきた色々がまだこの通りに残ってるみたいで少し頬が冷たく感じた。

帰宅して昼食を食べながら姉と電話をした。兄の事だとか、結婚とか夫婦とか、色々な話をした。最近姉がハマってる後ろ歩きについての話もした。「後ろ歩きで坂を登るのが超難しいんだけどさ、頑張って登り切るでしょ。最近は登れるようになってね。それで前へ向いて歩くと、すっごく楽に歩けるんだよ!」「あっちゃん。それは後ろ歩きしてたからだよ。」「違うよ!超歩きやすいんだってば。すっごく快調なんだよ。色々が。」姉の事はよく知ってるけれど、沢山の事をまだまだ知らない。とりあえず嬉しそうだからいいや。とにかく沢山笑った。それから、結婚がいいもんじゃ無いって話もした。うん、これから二度目の結婚をしようとしてるけれど、そう思う。結婚はいいもんじゃ無い。

兄は幸せだったと思う。どうして元気が無いのか姉は少し聞いてるようだったけれど、結局姉妹の推測でしかない。ただ、姉も私も結婚に苦しんだことがあるから、その虚しさが少しでも想像できる気がした。妻になる。夫になる。父になる。母になる。役を担うのは簡単。どうにかして頑張ればいい。だけど、難しいのは役に自分が喰われないようにすること。頑張れば頑張ってしまうほどに喰われていく気がしてる。嬉しい楽しい苦しい悲しい、色々な時の自分が気づいたらどんどんムシャムシャと。いいよって言ってないんだけど、家族が夫が妻も一緒になって食べてる。誰も意地悪してやろうなんて一切思ってないし、それって生きる為に必要だったりそうじゃなかったりなんだけど、私の栄養が私が生きる為のそれが気づいたら底をつくまで喰われていく。「お腹空いたから今すぐ何か作れる?」「ご飯もう作らないでいいよ。作ってなんてお願いした?」「全部別々でいいから。好きにさせて。じゃなきゃ離婚でいい。」「今日は早く帰れるから一緒に食事しよう。」「お土産に醤油買ってきたよ。」家に居たり居なかったりがよくわからない元夫の口から出る言葉は全くよく理解出来なかった。抱きしめられたり突き飛ばされたり。とにかく私を蝕んでいった。あの頃の私は何を担っていたんだろう。今でもよくわからないけれど、戸籍には妻だったと書かれてる。

電話を切ってから少し考える。姉はしばらく一人で生きたいって言ってた。誰かを想うことで自分を失ってしまう時間が来るのはもう嫌だって。私もそう思う。だから誰かと一緒になりたいとは思わない。結婚はするけど、ずっと別々でいたい。周ちゃんが家族の何かを担おうとしたり、それで苦しんでしまったりしたら、どうかここから離れて下さいとお願いしようと思う。離れて欲しく無いけど、切り離された場所は露わになって私は生きづらくなるかもしれないけど、それでもいい。それがいい。

塩豚と大根のスープ 按田餃子の按田さんのレシピ
塩豚 [豚肉に5%の塩を揉み込んで数日冷蔵庫で寝かせる]
大根
生姜
花椒