芋煮

スープ, 和食 18.1,2022

朝から淡々とデスクワークを終わらせて夕方。先週の疲れが何だか残ってる。家でのひとりの時間が本当に好きだなと思う。日が暮れる頃に夕飯を作り始めて、合間に作業を進める。そしてお風呂にゆっくり入って、早い時間にベッドに潜って本を読んだり日記を書いたり。そして、湯たんぽみたいにホカホカの梃子にひっついて夢の中へ。

結婚10時間、私14時間。黒木華さんのドラマでのセリフ。私の中では人生の名言となってる言葉。どんな結婚生活を、どんな風に私の時間を大切にしていけばいいのかずっとずっと考えてる。週末婚みたいな形だとか、物理的にひとりの時間を確保できるような結婚がいい。だけど、ちょっと現実的じゃない。透明人間になる術を習得できたらいいなと思う。これなら出来そうな予感。私を家のどこかで見かけても、見て見ぬふりをしてもらえばいい。

芋煮
味噌、みりん、醤油 大さじ1
酒 1/3カップ

里芋 3、4個
豚肉 200g [本当は牛]
こんにゃく 1/2枚
ごぼう 1本
ねぎ 1/2本

最初に鍋に豚肉と味噌を焼き付ける。酒と一緒に10分煮込んだら取り出して、水を足して野菜を柔らかく煮た後に肉を戻して味を調整。

マグロ丼とレバー炒め

17.1,2022

周ちゃんと会って沢山の話をした。久しぶりに形のある周ちゃん。当たり前だけど肌が温かかったし、声は呼吸と一緒になって聞こえてくる事に少しドキドキとした。3週間ぶりの周ちゃん。色々を知ってるのに、知らないような感じもした。

帰国したら話したい事が沢山あった。その1つが結婚の形について。確か周ちゃんがデンバー辺りに滞在していた時だと思う。結婚についての事を色々と調べて、私の人生ならどうしたいのか、心の事も過去の事も、これかの事も色々と考えて周ちゃんに今の気持ちを電話で伝えた。「事実婚が良かったけれど、法的がいいって思ったの。」法的結婚には色々な問題がある。それに、アレは私のアイデンティティが崩壊した最低なもの。

だけど、よくよく調べていくうちにわかった事は、結婚制度というのは税金の恩恵を受けられるように定められているものであり、それに対し事実婚は想像していたよりずっと社会的には未だ認められていなかった。婚姻関係を証明する方法についても、公正証書を作ったり、住民票の記載を夫婦としてみたり、他にも色々と面倒そうに見えた。それに同性婚の様に事実婚を選ぶしか無い場合を除いて、法的結婚を否定したいというネガティブで且つ強い意思が必要に思えた。

アメリカの場合、フランスの場合、そんな話もした。周ちゃんの家族はアメリカにいる。私もそう。心のオアシスとも言えるような友人がパリにいる。私達はそれぞれに色々な結婚の形を知ってるし、それが結構いいとも聞いてる。それはとても希望的な話で自由そうで新しくて、なんなら魅力すら感じてた。だけど、私達が今を生きている場所は日本。色々な形は知ってるけど、私達はこの国の法や社会の中に身を置いてる。だから、希望ではなくて、私たちの今の話をしようって。周ちゃんは、私が結婚について調べてきた事や想いを綴った大学ノートを眺めながら、じっと静かに考えてる。時々、何かを書き込んでる。家で分厚くて難しそうなタイトルの本を読んでる時の顔と一緒だ。何だか少し緊張した。顔を上げて私の目を見て言った。「うん。つまり、法的結婚ということでは!」

事実婚でもなく、パートナーでもなく家族になろう。法的、社会的に血縁関係を結ぶことが私達にとっての結婚という形となった。たぶん、色々なメリットデメリット以上にきっとその想いが強かったように思う。子供の有無は関係ない。結婚というよりも、未来にしたい事の話をしていた。愛し合ってる。それとは別の個人的で二人だけの未来の話。

「買った指輪はいつにつける?」私の質問に「え、直ぐにつけるでしょ。」と周ちゃん。2ヶ月前の話。結婚の日取りも決まってない時だった。本当に結婚するかも半信半疑のまだ出会って2週間くらいの金曜日。「指輪を取りに行った日に結婚したらいいんじゃない?」「え?!」周ちゃんは突拍子の無い様な事を平然と言う事がある。その思考回路がどうなってるのかさっぱり検討もつかないけれど、いい風に連れ去られた時みたいに、そっかってなる。結婚しようと言い出した時も迷う事なく返事をした。結婚は怖いし嫌いだったけど、いい予感だけがした。というわけで、青山に指輪を取りに行った日に渋谷区役所で婚姻届を出す事となった。本籍の場所を引っ越し先にするかどうか考えたけど、この先ずっとそこに住むかわからないし、何の思い入れも無いから明治神宮にした。あの場所は気持ちがいいし縁起が良さそうだし、青山から区役所に行く途中にあるし、参拝した時に住所借りますって伝えたらいい。それに、戸籍謄本が必要になった時とかも便利そうだねって。不思議なもので、1つが決まるとあとはスイスイと5分くらいであっという間に色々が決まった。それに、周ちゃんには言わなかったけれど、離婚してから時々明治神宮に行くようになった。もしかしたら直ぐ側の脱毛サロンに通い出した事も理由の一つかもしれない。神様は信じていないけど、祈りたかった。明日を好きになるために祈ろうと思った。

今日はオオゼキでレバーが安かった。鮪が食べたかったから、夕飯は酢飯を作って鮪丼とお味噌汁。レバーはパテにして、心臓の部分はカレー粉とソースで炒めてみる。思いの外最高な塩梅。ああ、美味しい。どうしようってくらいに美味しい。周ちゃんに食べさせてあげたいな。

レバーのカレー炒め
レバーのハート(血合いを取り、牛乳と水、塩を混ぜたものに30分漬け込んで臭みを取る)
オリーブオイル
カレー粉
ウスターソース

麺線

Journal 13.1,2022

朝の9時30分。世田谷通り沿いの動物病院へテコと走る。2分遅れて到着。病院はいつもより混んでる。少し待たされ採血。そしてさらに30分、先生に呼ばれて診察室へ入った。「テコちゃん、完治です。」先生の笑顔、初めて見たよ。良かった。本当に良かった。直ぐに周ちゃん、母、姉に連絡して、たまたまラインしてた兄にも報告。”癌、完治したよ!”

帰って急いで納品を済ませる。冷蔵庫には何も無い。う〜ん。あ、素麺と卵がある。麺線にしよう。昨年、台湾人の友人ハルさんに教えて貰った麺線。胡麻油で生姜を炒めて、その油で目玉焼を焼き、茹でた麺を炒める。生姜の香りが移った胡麻油が最高に美味しい。ペロッと平らげてしまう。

美味しかったな。

昨日のスープ

洋食 12.1,2022

朝一番でフミエさんのアトリエへ写真を撮りに行く。料理教室の撮影をして、料理本の打ち合わせ。それから、ちょっと動画を一緒にやってみようという事になった。何だかちょっといい予感。

帰って少し仕事を済まして近所のみっちゃんと家の側のもんじゃへ。みっちゃんとは2ヶ月ぶり。結婚の事は会ってから話したいと思っているうちに年を越した。「実は、。結婚するの!」私の言葉にもんじゃを手際良く鉄板でカチャカチャと音を立てていたみっちゃんの手が止まった。目をまん丸くして驚いてる。そりゃそうだよね。最後にみっちゃんに会った私は彼氏どころか結婚のけの字だって無かった。まだ引っ越して1年ちょっとだけど、引っ越す事も伝えた。寂しそうにしてたけど、「寿物件だね!よしみちゃん家に住みたい!!」と本気で考えているみたいだった。彼氏と一緒ならなぁと渋っていたけど、「自分が欲しいものは自分ひとりで手に入れた方がいいよ。」とアドバイスして、「それに、自分が手に入れたものなら、彼氏と別れようが自分のものだよ。」と付け加えたら、少し納得してた。その気持ちよくわかる。私も同じ様な事を思ったり、してきた過去がある。怖いのもよくわかる。勇気が出ないのもよくよくわかる。誰か、例えば、彼氏だとか夫だとか、そんな隣にいてくれる存在が自分を幸せにしてくれるんじゃないかといつしか期待してしまう。だけど、そうじゃなかった。自分の幸せを他人に任せるのはもうやめた。不幸だって同じ。私のものならば、どっちだって気分がいい。だってやりきってるもの。爽快であることは間違いなし。大丈夫。怖いけど、大丈夫なもの。明日は誰だって怖いもの。その程度。放っておいたらいい。

みっちゃんがお祝いにもんじゃをご馳走してくれて、また鍋でもやろうねとバイバイする。帰宅してポストを覗くと茶色い封筒が一通。裏面にフランス語の住所と、英語で日本の住所。表面に漢字で祝と書いてある。2021年12月21日のまゆみちゃんからだった。フランス語の勉強で忙しい、私の結婚の報告を手紙で読んで驚いたけど私らしくて朗報を手紙で知った時に頭にぱっと浮かんだ言葉があるよと記してくれた。よく読めないフランス語だったけど、日本語で訳すと、報いるとか、必然みたいな意味で、この結婚は偶然ではなくて、決められた未来なのだとか。まゆみちゃんはパリに単身ぽんと行ってしまうような面白い子だけど、フランス語がとにかく大好きで、そんな彼女らしい表現だなと思った。嬉しいな。心のこもった言葉が贈り物みたいに感じる。まゆみちゃんありがとう。ほんと、素敵な友人。大好きだよ。

何だか急にもくもくと体中に結婚への実感が膨らんできた。この街を本当に離れてしまうのか。この家も街も、この街に住む友人たちとの日々もあと3ヶ月でバイバイ。こんなに街が家が大好きになったのは人生で初めてなのに。寂しい。新しい暮らしへの希望もあるけど、ここが好き。大好き。

南瓜グラタン

洋食 10.1,2022

どうしたものか、姉妹とは似てるものだなぁと思った。朝起きて携帯を開くと姉からLINEが入っていた。L.Aの朝の景色が何枚も何枚も。何だか朝じゃなくて夕方みたいな写真。姉は朝の5時半に散歩するのにハマってるのだけど、最後の100mはダッシュするのだそう。100mダッシュ。私も好きなやつだ。さっと服を着て歩きに出かけた。とにかく気持ち良くてハマってる寝起きの散歩。ベッドが大好きなのに、ベッドから抜け出す朝もやめられない。

歩き出すと、”DVの女の人のドラマを見てる。” また姉からLINEが入ってきた。 “見たくない。” と返す。よくもまぁ、暴力も離婚理由の一つだったのに、そんな私に報告してくるもんだと思った。ま、そういうことだろう。全然問題ないよ。だって私は人を殴った事は無いもの。被害者になったとしても加害者では無い。いや、そうなのかな。今でも少し後悔してる。上手く説明出来ないけど、どうして私は警察に通報したんだろう。だけど、これって日々の事でも思う。正解そうな事はわかってるけど、本当にそれが正解かどうかはわからないこと。正しいって何だろう。人に話したら、「それは間違いだよ!あなたは悪く無いよ。」と背中を押して貰えても本当にそうなんだろうか。確かに人は殴っちゃいけない。だけど、殴った男の手は許されなくても、心はどうなんだろう。そうして世界に閉ざされて、男の心は何処へ向かうんだろう。

仕事をしていたら直ぐに夕方が過ぎていた。冷蔵庫の奥に覚えのない南瓜が一つ。今夜は南瓜グラタンにしよう。冬と言えばグラタンの季節。母のグラタンは黒い蓋のついた丸い皿に入ってる。黒い器の中で白くぴかぴかと光っているグラタン。

晩酌

夕飯 09.1,2022

今日は周ちゃんが隔離されてるホテルへ差し入れを持って行った。もう隔離は終わるのだけど、何だか日に日に顔から元気が少しずつ少しずつ無くなっていくのが気になった。うちから電車で1時間くらい。場所は幕張の方。テレビ電話の向こうに青い空と川の様なものが見えたけれど、あれは東京湾だったらしい。私が到着した時、今日隔離が終わった人達がバスに乗り込んでる所だった。その後にもシャトルバスが3台待機。中年の男性が声を荒げて怒っていたけど警備員さんは慣れた感じで誘導していた。「差し入れですか?すみませんね。もう少しお待ち下さい。」しばらく待つ事となった。ホテルの入り口は白いテントの様なもので覆われてる。周ちゃんに電話してホテルの下に着いた事と中年の男性が怒ってる事を伝えた。殺伐とした様子に少し不安になる。「今日は他の部屋で女性が発狂してたよ。」電話の向こうで周ちゃんが言った。

いく先々の空港の様子を写真で送ってくれたり、PCRをまた受けたとか、アメリカの街での状況だとかを逐一聞いていたけど、実際に自分が少しでも触れると怖く感じた。今日は来て良かった。知れて良かった。携帯から見える景色はつるっとしたままで空気の色だとか温度まで感じられないから。荷物を係の人に渡して、周ちゃんの部屋が見える場所へ移動した。9階を見上げてみる。「見えるはずないよね!」って話してたけど、笑ってる表情が見える。お互いに手を振りあった。3週間もの間ずっとテレビ電話の中にいた周ちゃん。生の周ちゃんを捉えた目から全身に血が巡るみたいに充足感で満たされていく。いつもなら電話を切っても直ぐにまた電話したいと思うのに、今夜はこのまま静かに寝れそうだなと思った。人間って面白い。色々を感じるように出来てるんだな。

ホテルの横に寿司屋があるのを見て、今夜は寿司にしようと決めたのに、イカリングが無性に食べたくなったのでイカリングの惣菜をサミットで買って帰る。後はスナップエンドウを湯がいて冷蔵庫に余ってるおかずを並べて晩酌を始めた。22時過ぎ、いつもの様に周ちゃんに電話すると差し入れしたミカンを嬉しそうに食べてる。「沁みる〜。」満面の笑み。さっき見たばかりの周ちゃんがテレビ電話の中にいる。私じゃなくて身体のどこかが言った。目で見れたのだから、次は触れたい。何だか無性に会いたくなってきてる。私の欲望、怖い。

キムチチゲ

Journal 08.1,2022

4月の頭に引っ越す事に決めた。不動産への解約通知の退去理由の箇所に “結婚” と書いた。この部屋を見に来てくれた人に伝えてくれるといいな。結婚を理由に退去することを寿退去と言うらしく縁起が良いのだそう。そして、その部屋に住んだ人もまた婚期が早まるのだとか。独身の友人にうちに住まないかとLINEをしてみたけど、ひとりでこの家に住むのは難しいって。確かに。ベランダが広すぎるかもね。家賃も優しくない。ひとりでこの空間を持て余してしまったら、それは虚しさになる。今となっては大好きな部屋だけど、とにかく私も怖かった。いきなり家族が崩壊したからって、簡単にその場所を捨てられない。8年かけて大事に大事に築いてきたものがあの家にはあった。家中のあちこち、キッチンにもリビングにも首都高が遠くに見えるベランダにだってしっかりとあった。それに、夏の終わりから体調を崩してカメラを持つことも大変になっていたし、そもそもコロナで仕事も殆ど失くなった。私があの家を出なくてもいい理由は十分に揃っていた。こんな自分がテコを育てて、これから本当にここで生きていけるのか。半分ゾンビみたいになってる自分が16万っていう家賃をどう払っていったらいいのか全く検討もつかなかった。ただ、ここで幸せを望むしかなかったんだと思う。

周ちゃんと電話でこれからの色々を決めた。子供はわからないけど、とりあえずブライダルチェックを受ける予約をした。今、私達に共通して言える事は、とにかく新しいそれが楽しい。その先の事はたぶん殆ど考えてない。不妊治療の助成金を調べる事だって楽しい。それに、不妊治療だと申請するだけでブライダルチェック がタダで受けられるのだと言う。世の中知らない事がまだまだ沢山ある。結婚の色々、アメリカでは当たり前のように行われてるプリマリタルカウンセリングについてもお互いに本を読んで勉強して感想会なんてしてる。これは大学院の時によくゼミでやったんだよねって、周ちゃんが楽しそうに話してた。司会進行は周ちゃんで本の時系列に沿って、個人的な意見と一般的な意見を一緒に考えてみる。こんな体験は初めて。元夫の時は結婚をする時にお金の事も、未来の事も、子供の事も、何も話さなかった。何となく同棲をしている時から色々が決まっていって、気づいたら私がひとりで全てをやってた。きっと彼はつまらなかったろう。私がどんどんひとりで色々をやってしまう事が不甲斐なかっただろう。いつも私に甘えてばかりいるのはそんな理由だったのかもしれない。私が一つでも不安を投げ出したら拾ってくれたのかな。今となってはもうわからない。

2回目の結婚。知ってることも沢山あるけど、初めてのことも沢山ある。その初めては、とにかく楽しいって感じていること。こないだ皆んなでキムチを漬けたのだけどそういう楽しさに似てる。同じ場所で一緒に作ってる感じ。

おでんカレー

カレー 07.1,2022

ライターの古川さんが俳優さんと話しているのを遠くで聞きながらぼんやりと思った。結婚の形はどっちでもいいや。私が温かい場所を望む限り私はいつだって幸せでいられる。今夜、周ちゃんに伝えよう。周ちゃんの好きな方でいいよって。

昨日の朝、結婚の話になって、私の今の気持ちとして法的な結婚を望みたいと伝えた。法的結婚に縛られて苦しんだ過去がある、戸籍には入ったり抜けたりした足跡もきちんとついてる。結婚っていうものが嫌いになった。事実婚を考えたい。言い出したのは私からだった。だけど、何だか考えれば考えるほどに私のそれは周ちゃんに失礼な気がしてきた。それに、未来を恐れてる限り結婚なんてしない方がいい。結婚したいと思ったのなら、私は堂々とまた誰かの場所に籍を入れたらいい。だって、結婚すると決めたのだから。

俳優さんが「あの仕事が色々なところでいい感じに繋がってるんですよね。」みたいな話をしていて思った。そう、いい感じに繋がっていくんだよなって。たまたまの出会いだとか、たまたま手にした何かだったとしても、その先はみんな選んでる。その人と仕事がしたいと思うのは、たまたまなだけじゃなくて楽しいから。一緒にいるときっと幸せな気分になるからじゃないかな。人ってよく出来てるから。嬉しいとか、楽しいとか、美味しいとか、幸せを見つける感覚がきちんと備わってて、放って置いても上手に幸せになれる。窓からの西陽が綺麗。冬の寒い日だってこうして暖かい場所があるくらいだ。世界は明るい。私が幸せになる為に未来を描く必要はないんだ。ただ、私が温かい居場所にいたいと望めばいい。それだけ。

一昨日に姉聞いたこと。L.Aのレストランで周ちゃんとのディナーで言ったんだそう。「よしみは離婚の仕方も知ってるから、あの子は大丈夫だよ。」そう、私はもう離婚の仕方を知ってる。あんな地獄みたいな離婚があっても、幸せになる方法を知ってる。大丈夫。私は大丈夫。それに、私がわたしの事を幸せにできるのなら、周ちゃんの事だって幸せに出来るはず。私の望みは一つで、それはもう持ってる。だから周ちゃんが選んだ方でいい。それで少しでも周ちゃんの不安が拭えるのなら、そうした方がいい。私は未来がどうなったって大丈夫。

おでん

和食 06.1,2022

母から電話が鳴った。「今日は大雪だから!」天気の事となると何故か口煩い母。今日もアラームの様に連絡が来た。

朝から周ちゃんと長い時間話をした。話しても話しても話足りないくらい。結婚に向けて色々を話したいだけじゃない。少しでも同じ時間の中にいたい。何だか周ちゃんが日本にいるんだと思うだけで、ぐっと距離が縮まる気がした。テレビ電話である現実は変わらないのにな。外はどんどん雪が降り積もっていく。

グリーンカレースパゲッティ

エスニック 06.1,2022

夜中の2時、周ちゃんからLINEが入っていた。無事到着して両国のホテルへ入ったとの事。フライトは無事飛んだけど大分遅れての到着だった。ここで6日間の隔離。それにしたって、何回PCRを受けるんだろう。街中を歩いている人の方がよっぽど感染してるよ。国を移る毎にPCRを受けて、帰国後もPCRを何度もやる。もはや周ちゃんはPCRのプロだ。

姉からも何度かLINEが入ってた。「着いた?」フライトが突然キャンセルになる事もあるみたいで凄く心配してた。周ちゃんの兄ちゃんはNYへ帰るのに、愛犬のユキちゃんが飛行機で吠えまくって乗れなくなるという大惨事が起きた。笑ってたけど、ちょっと面白いけど、兄ちゃん家族は悲惨だっただろう。可愛くて真っ白でモフモフのつぶらな瞳をしたユキちゃん。旅疲れでブチ切れちゃったのかな。

ベーグルサンド

パン 04.1,2022

今朝はプレーンベーグルに卵を3つ使った少し甘めにしたオムレツにマヨネーズをかけて食べた。L.Aからの帰国する私のスーツケースはいつもプレーンとシナモンレーズンのベーグルがぎっしり。だけど、ここ数年でぎゅっとしたベーグルが日本でも当たり前のように手に入るようになった。もう3年あっちには行ってない。5時半過ぎに目が覚めて携帯を開くと周ちゃんからL.Aの街並みを映した動画が送られてきていた。L.Aっぽい街並み。好きな景色。大きな木と大きな家、白い壁。鮮やかな色の花。日本のような電柱はないし、歩道のタイルはボコボコ。今日は暑くてTシャツなんだそう。冬でも昼間は暑い。ああ、この光、私も浴びたい。

周ちゃんと少しだけ電話した。「おはよう。周ちゃん。」「よしみ、おはよう。」たった一日空いただけなのに、喉の渇きを潤すみたいに一気に私中が満たされていくのがわかる。だけど、この人は本当に私のフィアンセなんだろうか。未だに不思議な気持ちがする。話したい事が山ほどあるけどやめた。会って話そう。一昨日に不妊治療をしている友人の話をしたかった。どこの病院に行ってるのかLINEでちょっと聞いたら、色々を一気に溢れ出たコーラみたいに教えてくれた。あまりに豊富な知識と内容に驚いた。そして、ちょっとたじろんでしまった。彼女が頑張ってるのはその空気だけでも肌を通して伝わってくる。ちょっとピリピリとさえする。けど、朝食にコーヒーとベーグル食べてる途中に鯵の開きを無理矢理口に押し込まれたような気分だった。この感じなんだろう。子供が出来ないことで離婚を選ぶ夫婦もいると聞く。想像だけど、少しだけ男性の気持ちがわかったような気がした。本当に少しだけ。

私達には子供が産まれるんだろうか。私は正直どっちでもいい。周ちゃんもどっちでもいいって言ってた。欲しくないとは言わないけど、絶対じゃない。ただ周ちゃんといれたらいい。前の結婚では子供が欲しいとはあまり思わなかった。周りが産み出して、そろそろかなぁと考えた程度。当時親友だった子は子供が欲しいけど旦那さんが要らないと言うからうちは要らないって言ってた。家族について最近よく考えてる。あの子は自分の願いを殺してまで誰かと家族をする必要ってあったのだろうか。結局、私達はどんなに愛し合おうがどこまでいっても他人なのに。離婚してから我に返ったように思い出した。私の強い願いはもう二度と自分を見失いたくないという事。事実婚を望んでいたのは一番にアイデンティティの崩壊が起きた事への恐怖だったし、事実婚という契約はお互いの尊重へも繋がると信じたかったけれど、私達はいつまで経っても別々の人間なのだからこそ法的な結婚を選んでもいいんじゃないかと思い始めてる。縛られるのではない。それが希望となるんじゃないかって。人間は弱くて儚い。簡単な事で壊れるけど、意外と頑丈で死ねない。だから難しい。そんな時に救ってくれるのはお金でも恋でも仕事でも無くて、希望だと思ってる。希望を抱ける明日や誰か。

兄が姉に話してた言葉がずっと引っかかってる。「ヤッチャンがさ、寂しいって言ってた。」兄の持つ家族は誰が見ても幸せな家庭。郊外に家を買って、子供は3人。休みとなればキャンプへ行く。兄がサーフィンする時はみんなで海に行ったり、週末はいつも回転寿司だの何だのって家族仲良くお出かけしてる。夫婦でよくデートもしているし、とにかくずっと仲が良い。だけど、兄の言葉の真意はわからないけれど、家族がいても寂しいと言う気持ちがちょっとわかる。私も結婚している時ずっと寂しかった。親友だったあの子がいつだったか急に寂しいと言って泣いた事があった。彼女は夫の事を深く愛してた。だけど、あの愛は何の愛だったんだろう。子供が欲しいという人生に一度しか出来ない願いを殺してまであの子は何を愛していたんだろう。彼女の夫は元アル中。今では大分マシになったと聞いたけれど、私がいつだったかの冬の日の朝に家にお邪魔した時に旦那さんが出してくれたのはお茶ではなくてトマトハイ。それは部屋に降り注ぐ朝陽の中で私の身体をどんどん冷やしていった。美味しかったどうかは覚えてない。

色々を捨ててから、私の日常がどんどんと温かくなっていく一方で私が離れる事を決意した友人を思い出す事が増えていく。彼女達が放置したあの場所はこれからどうなるんだろう。助けたいとも違うし、知らないとも言えない。

キムチご飯

エスニック 03.1,2022

年末に漬けたキムチがいい感じ。今日から仕事初め。映像の編集とか年末出来なかったパソコンの掃除を進めた。周ちゃんはL.Aに入ったそう。ベガスからの渋滞とPCRの混雑で明日の晩に姉と会うことになった。朝に姉と連絡を取ってる時に、そういえば寿司屋のノリコさんが前にベガスからの渋滞の途中で砂漠の真ん中で大きい方をしたんだよねって話を教えてくれた。あの人凄いよって。L.Aで唯一行く寿司屋の女将のノリコさん。聞きたくなかったな。

煮しめカレー

カレー 02.1,2022

昼寝ってどうしてこんなに最高なんだろう。1月2日から仕事を始めようと考えていたけど、昨年のカウンセリングの時にトレーニングで行ってた “何もしない日” をまた復活しようと昨晩に決めた。何もしない日は思いついた事を感情のままにする日。約束もダメ、家事も仕事もダメ。とにかく、赴くままに内声に耳を傾けるという試み。これが結構に効果てき面で、みるみる私の心は回復していった。

これから結婚生活が始まってきっと私はまたひとり勝手に窮屈になりそうな予感がしてる。周ちゃんはそんな私を放っておいてくれなそうだけれど、それさえも笑顔で交わしてしまうかもしれない。だから、私をコントロールする私を一切無視する日をまたやってみようと思った。そして、先日周ちゃんにも提案してみた。家族のルールとして毎週日曜日に周ちゃんの事だけを思う存分にして。そして、私の存在をどうか無視して欲しいと。「よしみは面白い事を言うね!やってみよう。」周ちゃんはいつもと同じように笑顔で言った。

午前はネットサーフィンと日記を書く。途中、ノンカフェインの紅茶とベーグルを食べて、ベッドに戻り姉と電話。「結婚って大変なもの。別に特別にいいもんじゃないよね。」みたいな話をした。これから周ちゃんはお互いに嫌いな所を見つける日がきっと来る。それが許せないかもしれないし、時に諦めてしまうような事もあるかもしれない。だけど、それが誰かと生きるっていう事だとも思ってる。今は殆どが見えてないだけ。別に結婚は夢じゃない。生々しく様々な日常がやってきて勝手にそれが紡がれていくもの。良い事も悪い事も同じ様にただやってくる。

「自分の一度きりの人生だから、自分が思うことをしたらいいよ。そうしたら酷いことが起きても後悔しないから。」姉が言った。いつか本を書きたいってよく言うけど、その壮絶な人生は上中下の三部作くらい長いものとなりそうだなと予想してる。なんだかんだといつも私の背中を押してくれる姉だ。周ちゃんとの結婚も一番に応援してくれた。私がくよくよしてたのが悪い。姉にしっかりしなよと言われて情けなくなった。誰になんと言われようが、結婚したいのはよしみなんだから堂々としなよって。電話の途中で兄からLINEが入ったけど姉と話してる事は言わなかった。今年も私達三兄弟は仲がいい。姉は数日前に兄と電話したそう。兄は少し元気が無かったらしいけど、励ましたと言ってた。もし、兄に何か大変な事があったら兄弟で助け合えばいい。兄の人生は兄ものだ。自由にやっていい。

お腹が空いて電話を切った。昼食は母が買っておいてくれた高級だと言う蟹とホタテでパスタを作って食べた。なんて贅沢なんだろう。時間は1時前、まだパジャマのまま。ソファーの陽だまりの中で本を読もう。梃子が横で気持ち良さそうに寝てる。本を読みだして30分くらい、うとうとしだした。ああ眠くて苦しい。苦しいよ。うん。寝よう。だって今日は何もしない日だものね。ベッドに勢いよく潜って1分も経たないうちに眠りについた。目が覚めると陽が傾いてるのがわかった。何時だろう。昼寝って最高だな。気持ちが良すぎる。こうなったら今日はもう顔は洗わないしパジャマも脱がない。このまま梃子の散歩へ行こう。

昼寝の余韻に浸りながら夕方を歩く。ああなんて幸せなんだろう。昼寝って素晴らしいよな。帰ると急に年賀状の続きをしたくなった。年賀状をやろう!やりたい時の何かって楽しい。本当に楽しい。年末に慌ててやってたのが嘘のよう。あっという間に年賀状を刷り終わった。お風呂でamazon primeを見て、コーラをグビグビと飲んで、煮しめカレーを食べる。先日、ツレヅレハナコさんが撮影終わりに言ってた言葉がずっと頭にあった。料理家さんっていう存在が大好き。一緒にいるだけで面白い話がほいほいと出てくる。「煮しめは飽きたらカレーにしたらいいよ。」なるほど!昨日母が持たしてくれた煮しめは飽きてないけどルーを入れてカレーにした。冷蔵庫に茄子が一本入ってる。素揚げにでもして乗せよう。あとチーズも!

茄子は周ちゃんの好物。今まで茄子は麻婆茄子とかトマトスパゲッティーに入れると美味しいよね程度の関係だったけど、最近茄子を見かけると心が疼く。茄子は関係ないのに茄子にも恋心が汚染してる。人って本当に単純だと思う。周ちゃんに会いたい。数日前にビデオ通話で隠し撮りしたキャプチャーを見てはニヤニヤしてる。ほんと、男前だよ。特に朝のシャワー浴びたての顔が気に入ってる。今日は最高の正月だったな。

1月1日

Journal 01.1,2022

午前に実家から帰って色々と作業を終わらせる。結局、年賀状は未だ大晦日に途中でやめたままに家を出る。隣駅の友人宅でおせちを食べる約束をしてる。だらだらとおせちと一緒にビールを飲んだ。帰りは今むと途中まで一緒。「本当に良かったね。おめでとう。」別れ際に今むが言った。

周ちゃんとの結婚の事を今日初めて近所の子達に伝えた。昨年、私が大変だった時に、たわいも無い何でも無いような時間を一緒に過ごしてくれた友人。今むは「何してる?」結婚していないし、彼女もいないし、昼でも夜でも気軽に誘える友達のひとりだった。一番最後に会ったのは、鎌倉に海を見に行った時だったかな。私達は海友達でもある。お互いに夏でも冬でもひとりで海に行ってしまうくらいに海が好き。私の報告を聞いて、みんな驚いてた。だけど喜んでた。近所の友人に過去の色々を話してない。誰も特に聞いてこないし、話したくなかったから話さなかった。離婚が決まってからの1年。すごく世話になったと思う。日常を沢山くれた友達。ありがとう。寂しいね。そんな話をして帰宅した。今むは来月にみどり荘で展示をするのだそう。もしかしたら、東京で会うのはそれが最後になるかもしれない。

夜は周ちゃんと電話。二日ぶりの周ちゃん。ちょっと時間があくだけで新鮮な気持ちになる。ああ、この人が周ちゃんだってまじまじと画面に映る周ちゃんを見てしまう。今日はベガスへ行くのだそう。明日はL.Aで私の姉と会う。

12月31日

Journal 31.12,2021

仕事、大掃除、年賀状。朝から息をつく暇なく家を走り回ってる。ガトーショコラが食べたい。ずっしりしたやつをアメリカンコーヒーと。近所の神社に今年の御守を返しに行って、来年の御守を買った。来年は勝と書かれた御守にした。ゲッターズ飯田さんの占いで私は来年は欲しい物全部を取りにいく年なんだそう。えー!そんなに要らないよ。一つで十分〜って思ったけど、遠慮は不運、禁物!みたいな事も書いてあったので、ではでは勝ち戦を楽しもうと、勝にした。だけど、何に勝つのだろうか。どんな勝利にせよ、圧勝して、敗者にお見事!と言われる様な誰もが清々しい気持ちになる勝利を納めたい。誰も不幸にならない勝利がいい。

年賀状に夢中になっていたら出発の時間。慌ててコートを羽織ってテコを鞄に入れて駅まで走る。電車は目の前で去って行った。千葉に着いたのは18時。母が改札まで迎えに来てくれた。あれから一切連絡しなかったから、ちょっとだけ久しぶりの母。周ちゃんとの結婚は反対!って怒ってたけど、どうやらこの2週間くらいで大分落ち着いたらしい。気分の上がり下がりが極端に早いのは母譲りかもしれない。母はケロッとしてた。蟹を食べて、麦酒を飲んで、おせちを食べて。最高な大晦日。父はいつも通り何も聞いてこない。ひたすら飲んでる。「ママとパパは会うのいつでも大丈夫だから。」「わかった。」やっぱりもう母の中では済んだ事らしい。とりあえず良かった。

食後にケーキを食べてお茶を飲んで布団に入った。カウントダウンはしない。お腹が一杯で眠いから。わざわざ頑張って起きていなくても、目が覚めたら勝手に新年がやってきてくれるもの。そんな楽な事はない。有り難くお布団の中で眠りについた。申し分ないくらいの最高な大晦日。

寝る前に布団の中で手帳を開いてみる。この1年の毎日がぎっしりと詰まっていた。春くらいまでは、日々、今日は何とか乗り越えられた、とか。今日はトラウマがきつい、とか。詳細に日々が記されてる。初めは300%苦しかったけど、ちょっとずつ、ほんとにちょっとずつ、その割合が変化してる。大丈夫。とか、無理をしない。きっと大丈夫な日が来る。と、祈りみたいな言葉も手帳のあちこちに転がっていた。嫌な事や離れたい人についてもよく書かれていて、過去の私みたいな考えや生き方をする友人と距離をとるように努めてる様だった。それは、相手がどうではなくて、写し鏡の様に見えるみたいで、とにかく苦しんでいた。果てしなく長かった1年をあっという間に読み切る。さぁ、今年は終わりだ。寝よう。

来年はしたい事が沢山ある。ようやく走れるようになっていつでもどこまでも行けそうなくらいピンピンに心身共に元気。まず、心理学を大学とかで勉強してみたい。それに、写真集も出したい。好きな先生の料理本の写真も撮りたい。映像もどんどん撮りたいし、昨年ちょこっとやってみた映像監督だとか、フォトディレクションも堂々とやってみたい。周ちゃんにそっくりな男の子を産んでみたいし、免許を取って白のジムニーをブイブイ乗り回したい。新居は今よりもずっと素敵な家じゃなきゃ嫌だし、横浜小宝の蒸し器を買ってマーラーカオを作りたいし、料理家の有元さんの揚げ物用のお鍋で揚げ物上手にもなりたい。日記も毎日ちゃんと続けたいし、書くような仕事もやってみたい。そして、お尻もキュッと可愛い感じに上げたい。夢を見るのは自由で楽しい!どんどん楽しんで行こう。

今年は沢山の人にお世話になった。家族だけじゃない、友人も仕事仲間も先輩も。有難い。有難う。新年はどんどんお礼をしていこうと思う。私に出来るお礼ってなんだろう。クッキーでも焼いて会う度に配る事かな。新年の抱負は勝ち戦とお礼にしよう!

チーズバナナバターパンケーキ

Journal 30.12,2021

朝食はパンケーキ。バタバタと食事をして、仕事。あっという間に昼が過ぎて出かける時間。今日は後藤さんと後藤さんの彼のマサくんと忘年会。忘年会の前に後藤さん家の近所にある銭湯に今年最後のサウナに入りに行った。年末は1年を振り返ってゆっくりと過ごしたかったけど、全然そんな時間が無い。錦糸町の街を歩きながら何だか頬を通る風に思い出した。ああ、昨年の今頃はすごく怖かったな。離婚届を出したのは12月4日。もう元夫はいないのに、だからもう酷い事も起きない筈なのに、毎日の何処かがひんやりとし続けた日々。あの背筋が凍る感じや、胸のざわつき。久しぶりに思い出した。私はきっとこれからまた色々を忘れる。何だか周ちゃんに沢山の我儘を言ってしまいそうな気がした。この生活がやってくるまでは本当に長い道のりだったけれど、今が始まったらあたり一面は今一色になる。忘れない方がいい。これから新しい日々がどんどん温かい場所になっても、周ちゃんへの感謝を忘れないようにしよう。

それに、結婚はするけど、他人のままにしておきたい。一つになりたいじゃなくて、側にいてくれたら嬉しい。そんな関係でいたい。上手くいくか分からないけれど、私は今のままで彼とは交わりたく無い。もう誰かを傷つけることも傷つけられることも、同じ鍋の中でごった混ぜになって不味い何かになる必要なんてない気がしてる。大切にしたい。だから、別々でいい。

後藤さんの家に着いたのは17時過ぎ。後藤さんは色々とご飯を作って待っててくれた。私はキムチと焼プリンを作って、後は蒲鉾を持って行った。乾杯はビール。目を見合わせて笑った。かける言葉が多すぎるから、お互いに笑うしか無かったんだと思う。エベレスト登頂から帰還した有志みたいに生きてる今に歓喜。そんな感じだった。生きてて良かった。本当に良かった。私達は生きてる。あんなに酷い事があっても、今は笑ってる。

マサくんはお父さんが交通事故に遭って今日は来れなくなったけど、オンラインで参加。何だか面白い感じの忘年会。後藤さんが1時間並んで買ってくれたというマグロとキムチの和え物は絶品だった。ワインも2本目。結構飲んでる。後藤さんは顔が真っ赤でマサくんに飲み過ぎだって笑われてた。幸せだな。本当に幸せ。ああ酔っ払ったな。

帰ってお風呂を出たところで周ちゃんと電話した。周ちゃんは今日からまたロードトリップが始まるんだそう。後藤さんにデニムを4本貰ったことや、プリンを焼いたこと、新年会は4人でしたいとか、はしゃいで話してたと思う。今日、後藤さんと過ごせて良かった。明日で今年が終わる。長い長い1年がようやく終わる。何だか今日は言葉が出て来ない。どんな気持ちがするのかも上手にわからない。ただ、嬉しい。

キムチとシャケご飯とキムチと豆乳のスープ

エスニック 29.12,2021

昨日のワインが少し残ってる。そんなに飲んでないのにな。ちょっと朝から辛い。何だかクリスマスが終わったくらいから少しだけ気持ちが滅入ってる。今年最後の撮影を終えて帰宅。明日後藤さんにあげるキムチを漬けて、残ってる仕事をただひたすら終わらせていった。だけど、結局年内に終わらないものが沢山ある。正月で間に合いそうなものはもう諦めよう。大掃除と年賀状を優先させよう。

周ちゃんとの事もモヤモヤしてる。プリマリタルカウンセリングの本で家族に関する話を読んで、一昨日の夜に周ちゃんにLINEで聞いた。本当に良かったんだろうか。やっぱり会って話すべきだったかもしれない。気軽に聞いたり話す内容じゃなかった。ちょっと後悔してる。内容は元の家族と新しい家族への心の切り替えについて。結婚をする上で大前提にある問題らしく、家族想いな人によく見られる問題なのだそう。それは、悪く言えば元の家族への執着で新しい家族へしっかりと自分を移行する決意や覚悟を持てない人に起こる。自分を形成するのに大きな影響を与えてくれた元の家族を卒業し、新しい家族をパートナーと作る。これが結婚っていうもの。何十年と心の拠り所としていた場所から二度と帰らないよと出掛けるようなもの。そりゃ簡単なわけがない。だけど、そこで自分の居場所を間違えると大きな問題に発展するケースが多いという話だった。周ちゃんは家族が仲良しで、特に妹とはよく連絡を取ってる。それはずっといい事だと思ってたけど、少し距離も近い様な気もしていた。”大切なものを三つあげて下さい。” この質問に対して、”元の家族”と言った場合、この問題に該当している場合が多いとの事。不意に質問した周ちゃんのLINEには “元の家族” と書いてあった。そして、やっぱりと思ってしまった。

すごく迷った。お互いに傷つくのが分かってて言うなんて嫌だ。だけど、これからを恐れて大切なものを犠牲にしたくない。私の結婚や離婚をケースに家族を作るという事がどういう事なのかと、私が経験した上で感じた家族という考えをしっかりと伝えた。周ちゃんの今の考えを否定したくないし、そのままでいいと思ってる。それは今の周ちゃんを好きになったから。だけど、周ちゃんが元の家族の場所に居続けたいのなら、私は周ちゃんとは結婚したくない。それなら私達はパートナーっていう形でいい。自分でも何を言ってんだろうと思ったけれど、この結婚はやめた方がいいかもしれないと小さく覚悟した。LINEが既読になってからしばらくして周ちゃんから返答があった。怒るかなって思ったけれど、怒ってなかった。未だ経験の無い事だけど、初めから家族になりたいと思ってたって。少しほっとした。だけど心にわだかまりが残ったままに今日を終えようとしてる。

“今日はロッキー山脈を越えてモアブに到着したよ。” 夕方に入ったLINE。”電話出来る?” 夜の23時くらい、モアブが朝の7時過ぎに寝起きの周ちゃんから電話があった。周ちゃんはどうだったかわからないけど、私はずっとぎこちないままに2時間くらい話てたと思う。いつもみたいにどうでもいい言葉も笑顔もあまり出てこない。頭の隅に考えている事とビデオに映る周ちゃんが同時進行で今にある。どうしていいのかわからないままに時間が過ぎた。「朝ごはん作らなきゃ。もう切るよ。」こっちは夜中の1時を過ぎていた。「周ちゃん!一つ伝えたい事がある。5分だけいい?」「うん。なあに。」周ちゃんのなあにって声がいつもすごく好きだなって思う。今も本当に大好きだなって思った。

「周ちゃんが行ってから最初はすごく楽しかったんだけど、行ってらっしゃーいって気分だったんだけど、未だ1週間しか経ってないのにすごく寂しい。どうしてなのか、もう大人だし色々と恋愛も経験してきたし、周ちゃんとはもっと上手に距離を縮めていこうと思ってたんだけど、頭で考えている事と気持ちが想う事が全然コントロール出来ないみたいで。何だかすごく困ってる。私、寂しいみたい。」私は一体何を言ってるんだろう。LINEでの事も話したかったけれど、口が勝手に今の気持ちを、寂しいって想いを伝えていた。これってなんなんだろう。いいとか悪いとか頭で考えることはもう完全に無視してる。

電話を始めてからの2時間くらい、私の心が閉じていたのを周ちゃんも気づいていたかもしれない。周ちゃんの顔からいつもの笑顔がどんどん溢れてきた。気づけば顔がくちゃくちゃになって笑ってる。「あのね、よしみは電話で話す時は好きだって言わないのに、電話切ってからメールで伝えてくるんだよ。」「私、友達とか誰でも好きって堂々と言えるよ。周ちゃんには恥ずかしいだけだよ。」「だけど、素直に伝えてくれたら嬉しいよ。」元夫にも、昔付き合っていた恋人達にも同じ様な事を言われた事がある。一番に大切な気持ちに限って上手に表現出来ないよね。どうして後から言うの?ってよく怒られた。ずっとその理由が分からなかったけどようやく分かった。どうして私は電話を切ってから周ちゃんに好きだと伝えてしまうんだろう。「それは個性なのだから!」とさっきは咄嗟に反論したけど、本当はきっと、怖い。それが私だから。今やってる表現もそう。写真を撮るとか文章を書くっていう間接的に気持ちを乗せてしまう癖は私の色々に繋がってる。もし、それをやめたら私が欠けてしまうんじゃないか。私は色々が下手くそなのはわかってる。だけど変えるのは怖いんだ。「周ちゃん。分かった。練習しよう。」夜中の2時、面と向かって好きだと言う練習をした。私達ってバカだなって思ったけど、何だかいい。周ちゃんは楽しんで付き合ってくれてる。私はどんどん私を捨てちゃえばいいし、私はどんどんまた別の私になればいい。離婚して名前や家族を失ってアイデンティティの崩壊が起きて、気付いたら半分の私が死んでた、その時に生きるのは守る事じゃなくて変化していく事なのかもしれないってわかった。だから、私は私に居座る必要はきっとない。

電話を切って今日はLINEしようと思わなかった。だってさっき好きだと散々言ったから。もう好きだと言う気持ちが何処かに消えてしまうくらいに練習した気がする。だけど、大好きならきっとまた勝手に湧いてくるよね。今日はもう寝よう。周ちゃん、ありがとう。

周ちゃんが帰国したらあの事を話そう。会ってからその時の気持ちで話したい。

ふみえさんのお粥とスーパーのアジフライ

夕飯 27.12,2021

気付いたらもう昼。ほんとに厭だ。イライラしてくる。苦しい。時間が無くて苦しい!ベッドルームが朝陽で一杯になる頃、この本だけは読ませてと私にお願いした。カウンセラーさんの本で、プリマリタルカウンセリング、日本語で言うと婚前カウンセリングについてよく書かれた本。アメリカでは一般的らしい。1時間くらい夢中になって読んだ。ああ、また心理学を勉強したい。掃除機で一瞬で吸引されてしまうみたいに本の中に落ちていった。時間に追われるように洗濯だの、昨日の撮影データの入れ替えだの、瞑想だのをしてたら時間が勝手に過ぎていく。ほんとに苦しい。

簡単な化粧とランチ用のパスタを作りながら映像データでパンパンになってしまったHDDの買い替えたりを同時にやって食べてダッシュでカメラバッグを片手に駅まで走る。もう厭だ。疲れた。ほんとに厭。寒いのも辛くてダブルアタックされてる。青くて澄んだ空も何だかひんやりしてて優しくない。そうして一本電車を乗り過ごした。ふみえさんのアトリエへ急ぐ。「お疲れ様〜。」ふみえさんが笑顔で迎えてくれる。いつも元気なふみえさんといると、私の感情が上を向いたり下を向いたり忙しなく浮遊するのがわかる。ふみえさんも氷見でのシェフインレジデンスから帰ってから猛烈に忙しい師走を駆け抜けてる。私と同じ状況なのに最近ハマってるキックボクシングにさっき行ってきたの!とご機嫌な様子。未だ私はもう厭だを心で連呼中。それにしたって嫌すぎる。もしかしたら、ホルモンバランスが崩れてるのかな。何だかおかしい。

フミエさんを見習おう!フミエさんの太陽みたいな笑顔に少し元気が出てきた。よし、今日はストライキ。もう仕事はしない。帰りにデパートでアディクションの口紅を買って帰ろう。三茶のスタバに寄って甘い物を食べながら年末の暇を持て余してるみたいな女をやろう。コーヒーとマフィンを買って二階奥の席につく。シーンとした店内は混み合ってる。遠くにややかっこ良さげな男の子を見つけた。ああ、周ちゃんに会いたい。デンバーに着いたと今朝連絡があったけど、あなたは今何処だい。コロラドに入ってから一切の連絡が無いじゃないか。何だか、電話って言う連絡網が途切れたら急に忘れてしまいそうな気持ちに襲われてる。周ちゃんって本当は夢なんじゃないか。当たり前な昨日が世界から急に消えてしまう事を私は見た事がある。だから、ここにいない周ちゃんを信じてない。あれは、世界で一番に愛していた男がナイフを持って刺してくるような現実だった。最高と最悪がミックスして、プラマイゼロじゃなくて、最高と最悪がただ身体を引きちぎるみたいに対極に存在して、むちゃくちゃ痛い。ちぎれてくれた方がずっといい。どっちかの気持ちになれたらどんなに楽なことか。

あれ、ものすごく痛かったな。周ちゃんの顔が見たい。動く周ちゃんを見たい。私の毎日はこのままだと完璧になってゆくよ。きっとストライキが明けたらまた直ぐに絶好調になる。そしたらどんどん周ちゃんがいない今日が日常になっちゃう。

夕飯はキノコのお味噌汁をささっと作って、フミエさんに頂いた自然食で作ったお粥とスーパーで買ったアジフライ。何だかニコチンパッチを張りながら喫煙してるみたいな気分。周ちゃんからLINEが入った!

ラーメン

Journal 26.12,2021

朝から代々木上原のカフェでヤスコチャンとプロダクトのスチールとムービーの撮影。終わって直ぐに浅草橋で編集成田さんと撮影。そしてお茶をしながら恋の話を散々して帰宅。成田さんにモテ期到来中。というわけで周ちゃんのトレンディなキスの仕方について伝授した。既に時間は20時を過ぎてる。仕事が日に日に溜まっていって繰越が繰越を呼んでる。まずい。だけど今日も楽しかったな。周ちゃんからデンバーに向かうと連絡が入った。

ホタテとねぎのドリア

Journal 25.12,2021

思いの外今日は二日酔いじゃなかった。23時半を過ぎる頃、もうすぐワインを飲みきりそうな所でハッとしてやめたのがきっと良かった。今日は昼くらいまでベッドにへばりついていようと決めてる。午後過ぎからまた仕事。だから、それまでは200%私の時間だ。何だか最近予定が詰まって良くない。楽しいのはいい事だけど、もっと暇でないと困る。最近、歩く速度が早い。人に当たる回数も増えたような。ちょっと時間の見直しが必要かな。暇を増やさなきゃ。忙しさは大事なものを見失ってしまうから危ない危ない。

今朝は周ちゃんとは電話はしなかった。代わりに夜のマンハッタンを歩いてる映像が送られてきた。周ちゃんの兄ちゃんはマンハッタンに住んでて、何か事業をしているらしい。奥さんは国連の何かで働いてると聞いた。どんな生活なんだろうか。周ちゃんと兄ちゃんは似てるらしいけど、兄ちゃんの写真をLINEで見た時に余りにイケメンで目が飛び出ちゃうかと思った。周ちゃんをトレンディーにした感じの兄ちゃん。私の携帯にしっかりと写真を保存してる。今夜は3人でディナーへ行くと言ってた。いいな。NYでトレンディーな兄ちゃんとディナー。私もむちゃくちゃお洒落してくっついて行きたい。想像するだけで鼻血が出そう。

今日は周ちゃんからは連絡が無い。何だかちょっとだけ寂しい。おかしなもので、一人が楽しくて大満喫しているのに、ふと寂しくなったりもする。24時間のうち3時間くらいかな。ふと思い出す。生身の周ちゃんに会えるのは来年の先の事。今日は氷見で撮影したフィルムの現像が上がってきた。その中に数カット周ちゃんが写ってた。コンタクトシートをデスクに貼ってみる。気分が上がるな。兄ちゃんのファンだけど、周ちゃんの方が100倍好き。昨日、LINEで周ちゃんが “会えなくて切ないね。” みたいな事を言ってて、切ないっていつの時代の感情だよ!って思ったけれど、今夜は晩酌していないからかな。私にも切なさがやってきたかもしれない。

帰ってきてとは思わない。私が行きたい。

ロゼ

夕飯 24.12,2021

朝一番で梃子の術後の経過診察で病院へ。炎症が起こってた。「気づきませんでした?」先生の言葉が胸に響く。ああ、何やってんだろう。毛が伸びきってるとはいえ、気づいてあげれなかった。もしかしたらまたお尻を何針か縫うかもしれないとの事。その10倍でもいいから私のお尻を縫って欲しい。もうこれ以上は手術をさせたくない。

帰って直ぐに納品を済ませて美容院へ走った。朝6時からNYの街を歩き回りながら、街並みを動画で見せてくれる周ちゃんと長電話したのが悪かった。いや、どうして私達が出会ったのか、それは運命なんかじゃなくって必然だ!みたいな話で私が熱く世界に起こる必然について語ったから悪い。そして私よりもずっとずっと熱い男だった周ちゃんに火をつけてしまったのも後悔してる。大興奮の周ちゃんはブルックリンまで歩きながら熱弁が止まらなかった。というわけでなんだかすごくバタバタしてる。よくわからない服をパパッと来て、午後のロケハン用にカメラをカバンにしまう。今日は久しぶりにカラーリングをする予定。周ちゃんにだって一ヶ月は会わないし、クリスマス以降は家に篭ろうと思ってる。誰に見せるわけでもないけど、美容院へ行ってこぎれいにするのも悪くない。いや、すっごくいい。 私がご機嫌でいる為に美容院。なんて贅沢なんだろう。最高。

いつもの美容院で髪をカットしてカラーリングして、いつもの様に美容院の隣のポストカード屋さんでポストカードを買った。アンニュイな感じで店を営む夫婦だろう女性や男性に挨拶をする。これが毎月のルーティン。今日は後藤さんに渡すクリスマスカードと、パリのまゆみちゃんにニューイヤー用のカードを買った。気まぐれでポイントカードも作って貰った。きっと明後日には捨てちゃうかもしれない。朝方、まゆみちゃんからメールが入ってた。”おめでとう!手紙読んだよ!” 一ヶ月前に送ったプロポーズされた!というびっくり仰天してる手紙がようやく届いたらしい。何だかすごく嬉しかった。表参道の駅でベーグルを買って上原へ。後藤さんのいるお店でヤスコちゃんと打ち合わせ。

駅を出て通りに出ると、窓の外からでも後藤さんが笑顔なのがわかる。本当にこの人の笑顔が好き。お昼の代わりにブラウニーと紅茶を頼んだ。後藤さんと色々とお喋りして、ヤスコちゃんと週末の撮影の打ち合わせをして店を出て下北沢でロケハン。夕陽が綺麗。空が綺麗。冬の淡い空ってどうしてこんなに綺麗なんだろう。光の加減だってすごく丁度いい。最高だな。帰り道にずっと空を見てた。

梅ヶ丘駅で降りてリカーなかますでロゼを一本。「今夜ひとりで呑む様にカジュアルなロゼをください。」「甘いの?フルーティー?さっぱり?」お店のおじさんはいつも丁寧に聞いてくれる。今日は2000円くらいのワインにした。イブだからかいつもより店は混み合ってた。最高だよね。美容院行って、好きな人に会って、ワインを買う。今日は酔っ払おう!朝にHPの問い合わせフォームから知らない方からメールを戴いた。日記読んでます。励みになりますって書いてあって、そこには酔っ払ってメールしてますって書いてあって、最高!って思った。いいよね。酔っ払ってメールするの。

私は酔っ払った人が怖くなってお酒を飲む人が少し苦手になっちゃったけれど、お酒は悪いもんじゃない。何だかすっごく素敵で粋な感じだった。だから、今夜は飲む。家はずっとクリスマスソングをしつこくかけてやろうと思う。そして、NYが朝になる頃、私はへべれけで周ちゃんからの電話に出る。きっとご機嫌で。

今朝、周ちゃんに話した。「なんかさ、こないだ気づいたんだよ。もしかして、今って人生で一番幸せかもしれないなって。」周ちゃんに出会ったから幸せっていうんじゃない。仕事だとか、人間関係だとか、家族とか、そして周ちゃんとの出会いも。ぜーんぶがいい。「えー!!本当に!!」周ちゃんはビックリしてた。「だってさ。生きてて、今より幸せな事ってあった?最低とか最高とか沢山あったけど、だってそうでしょ。」幸せになる為に毎日生きてる。今が一番じゃない理由なんて何処にもない。だって、毎日頑張ってるもの。毎日毎日、今が幸せになる為に、恋愛だけじゃない仕事も色々も全部頑張ってるもの、今が一番でいたい。もし、最低な事が起きても、そうじゃなくなるように頑張ってる。だってさ、生きるのって頑張ってることだよね。何もしなくたって、空気吸ってるだけで疲れる事あるもの。だから、今日が一番であって欲しい。

ラザニアのスパゲッティ

洋食 23.12,2021

朝から納品だとか、撮影データーのアタリを作ったりバタバタと午後が過ぎて行った。夕方は編集成田さんとお米の撮影。場所はライスプレス編集部。何処かの会社にお邪魔すると、会社っていいなぁってワクワクする。人の集まる場所って活気があっていい。

移動中にいつも受けてたカウンセラーさんのラジオを聴く事にした。「よしみさんの話をさせてくれない?」「勿論です!名前だとか何でも喋って頂いて構いませんよ。」ラジオの最後の方で私の話をしてた。ラジオから自分の話を聞くのは人生で二度目。不思議な気持ちで一杯。ドキドキしてるような、他人事のような変な感じ。絵に描いた様な最低なミュージュシャンにDVだとかモラハラを受けて、共依存状態の結婚生活から抜け出し離婚して新しい愛を見つけた!という劇的な話だった。私って共依存だったんだ。自分では共依存についてよく勉強したし、そうじゃないって思ってたけど、共依存っていう場所にカテゴライズされていた事に驚いた。けど、別にその事に関してはへーって聞いていた。それよりも、人の口から、ラジオから聴こえる一人の女の人生は怖いくらいに壮絶に見えた。そして誰かの為に必死に頑張っていた事が共依存となっていた現実に驚いた。人間って中から見た世界と、外から見る世界はこんなにも違うんだな。

成田さんはほんとに可愛。皆に愛されてるなぁって事務所での彼を見てるだけで温かい気持ちになる。私の知ってる限り皆が彼を好きだと思う。そして、私も。今日は編集長の稲田さんとインターンの女の子がいた。稲田さんは会う度に髪が伸びていく。「オカキ食べます?」久しぶりに会った稲田さんからの言葉。今日も中々なパス。絶対に毎度外さない。撮影中のパサパサした口の中にオカキを一つ放り込んだ。「日記、僕も登場してるそうで。読みますね。」ものすごく尊敬しているけど、また今日も稲田さんの魅力にじわじわと襲われる。

撮影を終えて渋谷駅までだらだらと歩く。明日はイブなんだよな。今年も一人のクリスマスと一人の正月を過ごす予定。大晦日と1日は家族や友人と過ごすけれど、後はずっと一人でいたい。とにかく、ここで一人暖をとりたい。年が明けたら、一旦中止にしてた日記をまとめて写真集を作りを再開しようと思う。他にもやりたい事が沢山ある。心理学の勉強も映像も、もっともっとやりたい。だけど、お金はかけたくない。だってやりたいだけだもの。本当にやりたいだけ。知りたいの撮りたいのだけ。本当にそれだけ。嗚呼、クリスマスが楽しみ。家族と恋人と夫とのクリスマスも気に入っていたけれど、一人のクリスマスって本当に最高なんだよな。周ちゃんの事だって大好きだけど、アメリカで過ごしててくれて有難い。私の一人きりの最高なクリスマス。考えるだけでワクワクしてきた。

ラザニアのスパゲッティー
茹でて余ったラザニアの麺
玉ねぎのみじん切り
ブラックオリーブ
焼いたこんかいわし
トマト缶
モッツアレラ
ヴァージンオリーブオイル

朝食

Journal 22.12,2021

ご飯を二杯お代わりしてから、周ちゃんは成田へ向かった。久しぶりに家に一人でいる。一人でいる時間が最高に好き。この家も最高に好き。梃子との生活も最高に好き。勿論、周ちゃんも最高に好きだけど、ここでの暮らしが大好きだ。またしばらく一人暮らしが始まる。寂しさ半分、嬉しさ半分。

夜中に姉と電話した。母の “結婚は反対!” この件について話したかった。「私も正直心配はあるよ。何でそんなに結婚を焦るの?って思った。だけど、二人で決めたことで、よしみがいいと思うならいいんじゃない。ママは無視していいよ。それに、よしみが恋愛が出来た事にあっぱれじゃんってママに言ったよ。いいじゃん!いい事だよ!!だから堂々としていいんだよ。」

2時間くらいずっと話してた。離婚して半年を過ぎた頃から、段々と日常が戻ってきた。1年経った今は最高に幸せで、多分、人生で一番楽しいかもしれない。そんな時に周ちゃんに出会った。だから、そう。姉が言うように堂々としていい。離婚した事も全く後悔してないし、恥じても無い。母を悲しませたくないとも思うけれど、母が望むのは私の幸せであって、母の希望を聞く事じゃない。私は私の人生を生きればいい。この家に引っ越して来て、どんなに不安だったか。怖くて怖くて堪らなかった。世田谷通りを走るバンを見るだけで胸がバクバクして、夜中に玄関の外で物音がするだけで元夫が来たんじゃ無いかと背筋が凍った。未だに深夜のタクシーのドアを閉める音がすると、毎晩聞いていたあの音だったなと思い出すけど、もう怖く無い。少しずつ少しずつだった。母は知らない。私の色々を知ってる様で、周ちゃんに出会うまでどれだけ長い道のりだったのか、この1年がまるで10年くらいの道のりだった事なんて知らない。ただ街角で遭って恋に落ちた様な出会いじゃ無い。私は周ちゃんが好きだけど、それ以上に周ちゃんに出会えた事で世界が変わったことが彼との結婚に繋がってると思う。周ちゃんは私の人生に必要な人。

やっぱり私達のタイミングで結婚しよう。私の幸せは私が決めたい。

朝食
ご飯
豆腐ときのこのお味噌汁
めかぶ
ロースハムとマヨ
昆布のナンプラー佃煮
納豆卵
梅干しとキムチ
柚子の味噌漬と柚子胡椒

晩酌

Journal 21.12,2021

朝はフミエさんの料理を撮りにアトリエへ。今日は野菜のちらし寿司。最高に美味しかったな。お土産に立派な柚子を戴いた。そのまま急いで帰宅して別の機材を持って人形町へ。今日の現場は編集成田さんと一緒。周ちゃんはアメリカにいる家族と今回のアメリカ旅行の打ち合わせをしてから、PCRを受ける為に神保町へ向かった。

撮影が終わってから近くで周ちゃんとお茶をしようとなった。朝、写真を撮りながらフミエさんに聞いてみた。「あの、母に結婚の事を言ったら、まだ早い。反対って言われちゃって。父も。もし、フミエさんならどうしますか?」「えー!!意外だったね!だけど、親心を想うとちょっとわかるな。だけど、私なら強行突破かな!」フミエさんらしい明答だった。もし、うちの姉だったとしても、完全に強行突破だろう。何なら取っ組み合いの喧嘩をして、啖呵切って出て行く姿がありありと想像出来る。だけど、私には出来ない。「周ちゃんに言った?」「周ちゃんには言えません。だって婚約破棄の事があるから。もし言ったら、明日からのアメリカがずっとどんよりですよ。」「私なら話すかな。だって二人の問題だし。これから結婚するんだもの!」

私が私の人生を苦しめたのは元夫ではなくて私自身だと思ってる。助けてと言えない代わりに、私なら出来ると、どんどん地獄に向かって自らの足で降りて行った。心療内科の先生に何度も言われた。「どうして助けを求めなかったんですか?」警察にも言われた。「彼の事じゃなくて、あなたの話をして下さい。」私は苦しいとか、悲しいとか、私が辛いから助けて欲しいと言えなかった。「フミエさん。私、周ちゃんに親のこと、言おうと思います!」

周ちゃんが近代美術館の民芸展の図録を見ながら嬉しそうに話をしてる。だけど、殆どが耳に入ってこない。言おうかな、いや今日はやっぱりやめようかな。アメリカへ行って数日してからがいいかな。どうしよう。いや、言おう。いや、やめよう。学芸員という仕事はお喋りっていうお仕事な気もしてる。とにかく楽しそうに図録とのお喋りが止まらない周ちゃん。私は皿の横にある添え物みたい。時間だけが勝手に過ぎていく。

「周ちゃん。あの、ちょっと話したい事があって。哀しまないで聞いて。」1時間くらいかけて話した。両親が結婚に対してネガティブである事や、思っている以上に離婚のトラウマの中にいた事。それが周ちゃんとは関係がないけど、私達の未来に関係してしまう事。それから、本当は不安だったけどふみえさんのお陰で話せた事、それから、私が何でも一人で解決する人生はもう終わりにしたいって事も。後、何だか反対された現実に腹立たしい気持ちもあって、とても今の私は苛々している事も話した。「私は周ちゃんと絶対に結婚すると決めたし、絶対に何があっても悲しませないから。周ちゃんを私は幸せにするから。マジで。」自分でも驚く位に闘争心に燃えていた。「よしみが逆境に強いとは聞いてたけど、これなんだね。何だか凄く驚いたよ!あなたって人は。」目を丸くして感心してる。ほんの数日前まで、結婚がどうか順調に出来ますようにと願うような気持ちだったけれど、今となっては祈るとかじゃない。結婚に対するどうにも出来なかったべったりとした不安は怒りが綺麗さっぱりと吹っ飛ばしてしまった。周ちゃんは想像しているよりもずっと哀しんで無い。私の不安がったり怒ったりしながら話すヘンテコな感情の様を見ながら、何だかどっしりとそこに座って耳を傾けてくれている感じだった。「話してくれて有難う。」嬉しそうに言った。

店を出るともう夜。駅まで一緒に歩いて、さっき撮影の後に成田さんに聞いた先日の恋の話をした。朝方に飲んだ帰り道、恋が始まりそうな予感の中で気になっている女の子と手を繋ぐ。聞いてるだけでキュンキュンする話だった。どうやって手を繋いだのかを成田さんに聞いた通りに教えると、ニンマリしてた。そして地下鉄へ降りる出口でハグとキスをして、私は電車で世田谷の我が家へ、周ちゃんは自転車で所沢まで帰って行った。21時を過ぎる頃、ビールを飲みながら湯豆腐をつついてる時だった。周ちゃんからのLINEが入る。”家の鍵がない。よしみの持ってる鍵は家にある?” いつも入れてるスヌーピーの財布の中を覗いた。「え!!周ちゃん、ないよ。」直ぐに電話した。二つある筈の鍵が同時に失くなっちゃうなんて。「それから、実は自転車で転んじゃって。血が出てる。」「どこから?」「顔とか。」

電話をしながら周ちゃんはドラッグストアへ行き、絆創膏を買った。店員に「大丈夫ですか?」と聞かれてる音がする。結構に擦りむいているんだろう。想像するだけで心配が膨らんでいった。「幸いパスポート一式はここにある。最悪このまま行くよ。」

何だか凄く申し訳ない気持ちで一杯だ。何度か思った。半同棲を初めてから、お互いにお互いの生活が乱れて来ている。それは新しい生活の始まりだから仕方無いと言えばそうだけど、もう少し時間も距離もゆとりを持てば良かった。周ちゃんは私が知っている以上に真面目で、びっくりするくらい抜けてる所がある。私の様に塩梅で加減する事が出来ない。まっしぐらに私との新しい生活や新しい色々に没頭してたんだろう。自転車で顔から転んで、家の鍵を二つ無くして、明日からアメリカ。だけど、私が恐れてるよりもずっと彼は生きる力のある男な気がした。大丈夫。命さえあれば、アメリカでもどこでも行ける。私がする事は心配じゃなくって信じる事かもしれない。もう心配は過去に捨てよう。前の結婚はいい加減にしてくれって程に心配ばかりが毎日やってきたけど、もう私には心配はご無用。

晩酌
湯豆腐
フミエさんに戴いた柚子で作ったポン酢
栗原はるみさんのハルミダレ
サミットで買ったレバーの惣菜

ラザニア

夕飯 20.12,2021

昨日、所沢の周ちゃん家でミュージアムのキュレーターの同僚達とピェンロー鍋をした。優秀な仲間だと日頃からよく話は聞いていたけど、想像以上に世界の違う場所に位置する人達だなぁと思った。周ちゃんもそうだけど、彼等はアートに関するプロフェッショナル。とにかく色々な事を熟知していて、ただただ感心する様な言葉くらいしか私からは出てこない。

同僚の高橋君は周ちゃんと歳も近いし、何だか風貌も少し似てる。そして、周ちゃんの色々を知ってるみたいで、周ちゃんが私に話さなかった恋の始まりにあった事を当たり前の様に教えてくれた。中には赤面してしまいそうな事もあったけれど、とにかく一つ残らず戴いて、明日にでもニヤニヤしながらテーブルに広げて愛でたいと思った。

それにしても、好きな男の友人だとか同僚に会うっていい。私の知らない周ちゃんっていう男に出会ってしまった。その人は想像以上にいい男で、時空を超えたどこかで同僚となってエレベーターで「お疲れ様、休憩にコーヒーでも飲まない?」なんて、内心ではドキドキしながらフレンドリーに声をかけてみたい。とにもかくにも、惚れ直した夜だった。

お陰様で私の恋に火が付き助走して母に伝えたLINEが事故となった。”新年明けて、ママパパに紹介したら結婚しようと思ってる。” 彼氏が出来た事ですら母にとっては衝撃的なニュースだったのに、大分すっ飛んだ報告をしてしまった。周ちゃんは油が馴染んだ茄子が好きだと聞いていた。だから今夜はラザニアに揚げた茄子を入れたら最高だろうと作ってみる。携帯がバイブしてる。ディスプレイには “パパ” と表示。19時半。絶対にもう晩酌が始まってる時間。一気に気分が落ち込んで行った。親が子供を心配するのは当たり前だと思う。だけど、私がようやく離婚の闇から抜け出せたのに、この1年の間、少しずつ少しずつ、本当に亀の一歩くらい小さなステップで前へ進んで出会った恋。あれだけ怖かった男性にまた触れられる日がやってきた。今でも周ちゃんっていう人がいつどこから降ってきたのか理解出来ないくらいに、世界が真っ逆さまにひっくり返った。だけど、父も母も喜んでいないんだ。あの二人はあの過去に留まったまま。

何も知らない風呂上がりの周ちゃんは満面の笑みでラザニアを頬張ってる。美味しい美味しいって、なんども美味しいと言って食べてた。この人を悲しませたくない。周ちゃんは好きだった女の両親に婚約を破棄された過去がある。その時の事を 、人生ってどんなに頑張ってもどうにもならないことがあるんだよねって笑いながら話していたけど、それは私には大抵想像が出来ない哀しみだよ。

不安がただ募る。

夕飯
茄子とミートソースのラザニア
シラスと蕪のオイル和え
柚子の味噌漬け
蕪の葉の台湾風
昆布のナンプラー佃煮
納豆
野菜の味噌汁
ご飯


湯葉鍋

Journal 17.12,2021

朝一番に鎌倉で撮影を終えて、午後はマリンバ奏者の千田くんのポートレートの撮影で渋谷へ。千田くんに会うのは2年ぶりくらい。嬉しいな。

千田くんは絵描きの野村さんに紹介して貰ってから仲良くなったけど、高校の親友ユウキの音楽学校の後輩だったという何とも縁を感じる出合いだった。久しぶりの千田くんは驚く程にスリム。「よしみさん、僕が痩せた理由知ってましたっけ?」千田くんは2年前、とんでもない彼氏に振られた失恋で20kg痩せたとの事。そのハードな哀しい失恋話をピザまんを食べながら聞いた。痩せすぎて病院を3軒回ったけど、結局ただの恋煩いだったのだそう。私は離婚と結婚の報告をした。「ああ、旦那さんと大変って言ってましたもんね。」全く覚えてない。コロナ前は平和だと思ってたけど、大変だったらしい。最近、たぶん、また記憶が消えていってる。あの頃の事を前の様にぱっと思い出せない。全く違う今日が過去の上にどんどん積み重なってゆくみたい。ずっとずっと下の方にあるから見えない。

久しぶりに色々とお喋りして、写真を撮って、マリンバを演奏して貰って、演奏させて貰って、何だかすごく楽しかった。

夜は藤原さんと藤原さんの彼氏のしんちゃん、周ちゃんの4人で湯葉鍋をした。村上美術のゆうやくんは仕事のトラブルか何かで来れなかった。しんちゃんには、ちょっと前に鎮座ドープネスさんの映像を撮らせて貰った時に大変お世話になった。改めて食卓を共にしてすっかりしんちゃんのファンになってしまった。しんちゃんは少し年上で昔俳優をやってたのだそう。その名残なのか、言葉だとか表情が独特。藤原さんの家族の食卓の事をあの食卓は眩しくてって話してたのがとても印象的で素敵な表現で何だかぐっと心に響いた。

二人は少しづつ、少しづつ、長い時間をかけて一緒に生きていく為の形を作ってる。何だか私と周ちゃんは本当にこれでいいのかなって不安になった。藤原さんは、私達の事を昔からの付き合いみたいで、出会ったばかりとは思えないって言ってたけど、嬉しいようなそうでも無いようなよくわからない気持ち。

周ちゃんは私を大切にしようとしてる。私もそうだけど、私達はどうして結婚するんだろう。理由は好きだからだとしても、好きだけど離婚した男もいた。ならば、私達はどうして一緒に生きたいんだろう。事実婚にするか、法的な結婚にするのか迷ってる。結婚って何なんだろう。どうして籍を入れたり入れなかったり、愛だけをただささやかに誓い合うだけじゃ駄目なんだろうか。ややこしい事をしてまで何を私達は望めばいいんだろう。

ハムエッグ

Journal 16.12,2021

朝から撮影だった。今日の現場は編集のアキチャンと一緒。一ヶ月ちょっと前、撮影が終わってランチをしてる時にアキチャンに気になる人がいるけど、まだちょっと誰かと恋をするのが怖い事を話した。「全然大丈夫だよ。」アキチャンのあの時の明るい表情をよく覚えてる。

友人だとか、誰か身の回りにいる大切な人の声は、時々大きく背中を押してくれる。アキチャンに結婚を報告すると喜んでくれた。

帰宅して周ちゃんにアキチャンの話をすると笑ってた。どうしてそんな話になったのかわからないけれど、もし、まだ過去に苦しんでるのなら力になりたいって言ってた。周ちゃんはもう過去に苦しむ事は無いんだろうか。聞いてもきっと未来の話しかしてくれないのはわかってる。だから、探らない。私も今だとか未来の話がしたい。

ちゃんちゃん焼き

Journal 15.12,2021

東京に帰ってから、また片耳が聞こえなくなった。だけど、周ちゃんが家に来てから、今朝も、耳からはいつもと同じ音が聞こえてる。そして、不思議なもので、一緒にいたいという気持ちは、いつしか離れたくないに変わってきている。

午前はデスクワークをして、午後に一本撮影があった。帰りの電車で編集の子から、彼氏がモラハラかもしれないんですって話を聞いた。モラハラ。私も、法的に言えばモラハラだった。妻の務めは、女の努めは、私に一択の人生を強いた。「俺はどっちでもいいから、離婚するかどうか好きにして。」久しぶりに帰宅した元夫からの言葉。そして、私達の最後。

「黙って。俺の好きにさせて。」どんなに酷い事があっても、彼の欲望は絶対的となり、それがミュージシャンとしての生き方として彼は肯定されてた。友人やファンが待ってるのだから、とにかく黙って。よく理由がわからなかったけど、私はただ家で帰りを待って、食事を作っていただけなのに、虐げられて行った。「言い返せないんです。」編集の子の言葉が全身を駆け巡る。わかる。正確に言うなら、言い返せさせてくれないんだよね。どんなに訴えても、そんな現実が間違ってる事がわかっていても、私の声は世界から当たり前の様に掻き消されていった。そして、それが愛だと愛だと愛だと、毎日の様に全身に纏わりついてきたら、いつしかそれが愛になってしまう。たった二人の出来事が私達の世界を作っていく。なぜだか、どうしてだか全然わからないのだけど、心に鋭利なものを当たり前の様に刺し続けられてるのに、自分が悪者になってる。そうして、言えなくなってゆく。全てが必然だった。

周ちゃんと食べる食卓は安心する。買い物にいき、何時間もかけて作った食事を、犬の食事の様に10分も経たずに貪られた皿の残りをつつくような事はもう無い。街でどんな女とすれ違ったら振り返るかなんて、どうでもいい話をしながら鍋の中をずっとつついていられる。

夕飯はちゃんちゃん焼だった。