地獄蒸し

旅の食事 05.2,2022

午前は周ちゃんの昔の職場やお世話になった民芸のお店、同僚の働いてるギャラリーに顔を出した。「熊谷さん!!」行く先々で久しぶりの再会に喜ぶ声を聞いた。わっと周ちゃんの周りに人が集まって結婚の報告を聞く度に皆、目を丸くして驚いていた。この街で暮らしてた周ちゃんは愛されてたんだ。私の知らない過去の周ちゃんを知ったような気がして何だか嬉しい。民芸の店にいた70歳くらいのお母さんは嬉しそうに店を出る最後までずっとニコニコしていた。「熊谷さんはほんとに優しい子だからね。」私だけに教えてくれた。そして、「お祝いに小鹿田焼の湯呑みをどうぞお好きなのを持っていって。」とプレゼントしてくれた。ただ周ちゃんの隣にいるだけなのに、周ちゃんへの優しさが私の方へ溢れてくる。

夜は宿で地獄蒸しを食べた。店の前で買った野菜や魚介を温泉の蒸気で蒸すだけの料理。ここの温泉は飲泉すると少ししょっぱくて、出汁のような味がある。蒸した料理はそのままだったり、カボスポンズをつけて食べた。部屋で美味しんぼの大分編を読もうと思って宿の本棚から借りてきたけど、直ぐに飽きてしまって眠りについた。周ちゃんは色々な本を読んでから寝たみたい。

無防備に布団に横たわったままに眠りにつくのは久しぶり。朝になったら電気は消えて、本もきちんと布団の横にあった。

別府冷麺

エスニック 04.2,2022

手帳に書いた夢100個の中のひとつ。好きな人といい温泉宿に泊まる。人生初の大分県別府で案外すんなりと叶った。贅沢な旅館に好きな人と泊まり、お酒をちびちび呑みながらその土地でとれた野菜や魚を食べ、夜空を見上げながら一緒に露天風呂に浸かる。最高過ぎる。別府は周ちゃんの前職アート関連の仕事で働いていた街。埼玉に来てからも毎年芸術祭の時期は訪れてるのだそう。色々な思い出が詰まった九州。到着した足で別府冷麺を食べに行った。

宿は一棟ずつ離れになっていて、お風呂は露天が3つ。内湯が1つ。温泉天国だ。周ちゃんは別府にいた時にいつかこんな旅館に泊まってみたいなと思ったのだそう。だから、私達はそれぞれ夢の旅館での宿泊となった。

夕飯を食べながらいつものように下らない話でケタケタ笑いあう。周ちゃんの恋愛昔話を根掘り葉掘りと聞いて、周ちゃんがモテてきた過去をふふん〜とニヤニヤしながら想像するのが好きな私は今夜もひつこく聞いた。今夜のテーマはもちろん別府。この街で告白された女について。日本の行く先々で周ちゃんは女達を虜にする。別府の女はどんなものかと細かく質問した。「元同僚で、普通だよ〜。」「普通ってなに?」「アート関連の仕事をしていて、小説を書いてた。」「どんな服着てる感じ?」「服〜?普通だよ〜。」「告白された場所は?」「普通に同僚として夕飯を食べに行った時だよ。」「え〜!同僚には告白しないでしょうが。それで何て?何て言われたの。」「彼女がいるからって断ったよ。」「彼女いたのに告白されたの?どうゆうこと?」「退社して遠くに離れるから言いたかったみたい。」「え?ただ言いたいだけの告白?何のためによ。それも持ってけばいいじゃん。」「そんなの俺に言われても〜。」周ちゃんを困らせるだけ困らせて話は終えた。だけど、周ちゃんの恋愛話は私達の食卓を華やかにしてくれる。少なからず私はとても気に入ってる。ビールでごくごくじゃなくて、シャンパンとかスパークリングワインみたいな感じで胸をひとときだけシュワっと浮足立たせてくれる。

好きな人といい旅館へ泊まる夢が叶った。今日に思い残すことは一つも無い。別府冷麺は和風出汁で、三回くらい食べるとハマり出すのだと周ちゃんが言ってたけど、私はもう完全にハマってる。

手巻き寿司

和食 03.2,2022

朝に仕事を終えて、三茶にある婦人科の病院へ。先週の血液検査の結果がでるのと、生理後にする血液検査の為。「お渡しした手帳は持ってきました?」先週に妊活ノートのようなものを渡された。「すみません。持ってきてないです。」「持ってきてって受付で言われなかった?」先生の口調はちょっと怒ってるように聞こえた。年齢的に卵子の数がやっぱり少ない、風疹の抗体が下がってる。けど、それ以外は問題ないとの事。そして来週の生理が終わったタイミングで子宮卵管造影検査をするのだとか。話がどんどんと前へ進んでいく気がした。年齢的にもう時間が無いと何度も言ってた。何だかもやもやする。私、検査をしに来ただけなんだけどな。

家に戻って梃子を連れて周ちゃんと電車で実家へ向かった。病院での検査結果や先生と話したことを伝える。何だか話しているうちに段々と苛々してきた。何で私、焦らされなきゃいけないんだろう。身体の問題と、私がどうしたいかは関係ない。「私達のこれからは私達が決める事だよね。」周ちゃんに聞いた。時間が無いと言われても、無かったとしても、そのチャンスを失うかもしれなくても、他人に私の人生を決められたくないよ。子供が欲しいかどうかは私と周ちゃんのそれぞれの気持ちを確認した上で決めたい。子供の有無は私の幸せに比例するなんて思ってない。だって今のままでも十分に幸せだし、この幸せが子供を作る上で失くなってしまうのなら正直惜しい。

「章、早く立って!」母が周ちゃんに挨拶をした。「妻の雪子です。宜しくお願いします。」こうゆうのは人生で2回目。確か5年くらい前にもやった。当時、母は卓上焼肉がブームで、借りてきた猫みたいになってる何も話さない元夫にひつこく肉を食べるように薦めていた。元夫は下を向いたままで箸もビールも進んでない。父は無言でお酒を煽っていた。変な話、あの時から世界は予感していたんじゃないか。朗らかに誰が見てもつまらない食卓だった。私はどうでもいい話をどうにかこうにか一生懸命に一人で続けた。

父はいつも風呂に入ってから晩酌をする。これは私の習慣でもある。「章、お風呂入っていいわよ。」「いや。ううん。今日は大丈夫。」食卓に私達が座ると10分もしないうちに父はポツポツと話しだした。国分寺や清瀬、若い時に遊んでいた場所の事、母との出会いが西武園遊園地だった。母のお兄ちゃんが営んでいた喫茶店のメニューをレタリングで書いたのは当時デザイン学校に通っていた父だったのよ、と母が横から話に入ってくる。父は、今日の父は何でこんなに楽しそうなんだろうか。気づけばすっかりお酒も入ってご機嫌になっていた。リビングに飾ってある結婚式の写真を指さして、「なんでヤスタミが俺のカミさんの隣で新郎みたいに立ってんだよ〜!」と、もう50年近く前の写真を見て笑ってる。ヤスタミは父の親友。我が家ではヘスって呼んでる。母も仲がいい。そして、私はあの父と母の結婚式の写真がすごく好き。母のレースのドレスと笑顔もビートルズに憧れていただろう父やヘスの窮屈そうな小さなスーツもあの一枚の中に流れている時間が洒落ていて好き。今でも止まってない感じがいい。

父と母は、私達三人兄妹が家を出てから何だかちょっと恋人みたいになった。それは時々姉とジェラシーするくらい。夏は二人で海水浴に行き、秋は温泉宿に、今年は2週間の船旅をするのだそう。「部屋から海がみえるんだって。パパはずっと海を見ていられるし、ママは船の上でエクササイズしたりしようと思って!」二人とも楽しそう。周ちゃんはちょっと緊張してるけれど、父や母と一緒になってお喋りしてる。昨日から胃の調子が悪いと言ってたけど、もしかしたら今日の挨拶のことで緊張してたのかな。

帰りの電車で周ちゃんと話した。「なんか大丈夫だったね。」「乾杯する時によろしくお願いしますってよしみのお父さんが言って、あ、そうなんだって思ったよ。」「私も。」2人で顔を見合わせて笑った。別にドラマみたいに娘さんを下さいみたいな事は必要ないと思ってた。だけど、周ちゃんは結婚をさせて下さい、と言うつもりだったのだそう。「籍はいつ入れるの?」「子供は?」「どこに住むの?」具体的な話は両親の口からは一切出て来なかった。昨年の12月に母に周ちゃんの事を話した時はまだ早いとショックを受けていたけど、もう落ち着いたらしい。いつだったかに「どうせ駄目って言ったってするでしょう。」とも言われたけど、全力で反対されたらやめてたかもしれない。私が決める事だけど無理矢理するもんでもない。それに、人生において結婚は全てじゃない。ただ、周ちゃんと一緒に幸せになりたいなって思っただけだから。

今日の夕飯は手巻き寿司。「あの人は何が好きなの?」母が聞いてきた。「手巻き寿司だよ!」周ちゃんの好物、手巻き寿司。私の好物でもある。実家の手巻き寿司って美味しい。なんでこんなに美味しいんだろうって毎回思う。いい夜だった。

夕飯

夕飯 02.2,2022

朝から撮影。疲れた。だけど、今日も楽しかったな。3年ぶりにスタイリストの佐野さんに会った。佐野さんは髪をショートにして明るい色のカラーだった。イメージが大分変わってて最初はわからなかったけど、あー佐野さんだ〜って直ぐに思い出した。「よしみさーん。」佐野さんって本当に好き。優しくて穏やかでチャキチャキと動く。嬉しいな、久しぶりの佐野さん。一緒に働くの、楽しい。

コロナ前は連載の仕事で毎月会う撮影チームが幾つかあったけど、今はどれもコロナで解散となった。久しぶりのチームでの撮影。新鮮だったし、佐野さんがいたり、キムチ仲間の花沢さんもいて嬉しかった。帰りのタクシーで花沢さんとたわいもない事をお喋りした。お腹はペコペコだし、早朝からの撮影で疲れてるけれど、こういう時間がいいなって思う。結婚してた時は夕方は忙しなくて嫌いだったけれど、今は好き。今日楽しかったな。そして今日の夕飯は何を食べようかな。焦らないでノンビリ考えられるようになった。お土産に貰ったビールが2本。コートのポッケの中でズシリと重い。今日は二本飲んじゃおう。

花沢さんが上馬で降りてから周ちゃんにLINEした。 “今帰ってるよ。夕飯何がいい?” “お疲れさま。8時40分頃に着くよ。疲れてるだろうから納豆ご飯でいいよ。アップルパイと明太子のパンのお土産があるよ。” あ、こないだアップルパイの話をしたからかな。帰宅して直ぐに財布を持ってサミットへ向かった。

夕飯は昨日のキノコのお味噌汁にご飯を炊いて、レンコンのナンプラー炒め、生わかめの上に釜揚げしらすをのせたもの、青梗菜と豚肉の中華煮炒め、見切り品のシャケハラス、ルッコラのサラダ、納豆。お風呂から出てビールを飲みながら、10分くらいで作れるものにした。炒め物は素晴らしい調理方法だと思う。切って、油を引いて、焼いたり、煮たり、さっと作るのが美味しい調理法で、それが直ぐに温かいうちに食べれる。

今日も美味しくていい一日だった。仕事帰りの周ちゃん。スーツみたいな感じの服装で失神するかと思った。あ、写真撮りたかったな。ニヤける私の顔をまっすぐにのばすのに精一杯で写真どころじゃかった。

パンケーキ

パン, 朝食 01.2,2022

パンケーキを焦がした。味は全く悪くないし、見た目も案外好き。今日は撮影の準備で朝から忙しなかった。明後日は朝から病院での検査と私の実家へ挨拶。翌日から周ちゃんが6年間住んでた大分へ行く。

キムチチゲ

エスニック, 韓国料理 31.1,2022

今夜は近所の友人等とうちで鍋をする予定だったけど、それどころじゃなかった。結局ひとりで簡単にキムチスープを作った。いい感じに酸っぱくなったキムチ。みんなで食べたかったな。

キムチチゲ
酸っぱいキムチ
ごま油
カブ、白菜、ネギ
肉
ごま油で肉とキムチを炒めて水とキムチから出た漬け汁を入れて煮込む

朝食

朝食 30.1,2022

先週に買ったアボガドがまだ固い。冷蔵庫にずっと放置したまま。サミットで売ってる、”美味しいよ” とポップに書いてあるアボガド。ちょっとだけ高い。何とも悔しい。今日こそ食べよう。スープにする?焼く?結局、オリーブオイルで塩とソテーにした。

朝食に淹れたコーヒーを啜りながら、なんとなく結婚ノートを進めた。結婚ノートは2021年12月29日にスタートしたノート。結婚するために必要な事、どの方法で結婚する?両親にはいつ会う?どこに住む?家具は?保険は?貯金は?NISAは?生活の支払いはどうやってする?結婚式は?子供はいる?色々な話。疑問や質問を書き込む自由帳。途中ドラえもんや互いの似顔絵、梃子を書いた落書きのページ、私の声が漏れちゃってびしょ濡れになってるページ、立派じゃないページも積極的に入れていってる。あまりに小さくて言葉や形にならなかったり、一見下らなく見えるもの、そうゆう呼べない話せないものは見過ごしてしまう。周ちゃんには秘密にしてるけど、率先してそうゆう自分の規格外になったものたちを積極的に書き込んで、わざと白い紙を汚してる。一度崩してしまえばもう誰がどう食べようがわからないから。今日も沢山話した。3時間くらい。「お昼を食べよっか。」家族会議は終了。

夜は編集の浅井さん、成田さん、周ちゃんと私の4人で西早稲田にあるVplusというレストランへ行った。周ちゃんは案の定、約束より先に到着して、みんなは少し遅れて店へ着いた。風が少し強くて寒い夜だった。色々な話をした。恋の話もだし、仕事っぽい話、食べ物の話、長野の話や縄文にやまぶしの話。私達はやっぱり同じ大陸に住んでいるんだなぁと思った。話が地続きのまま、永遠に止まらなそう。隣に座る周ちゃんを見れば見る程に私の機嫌が良くなっていく。外で見るよそゆきの恋人。肌は今でもその温度を覚えてるのに、その存在を遠く感じて妙に全身がそわそわする。ああ、これが私の恋人なんだ。私の所有物じゃ無いんだけど、私の、恋人。平然と世界と会話をしてるけれど、世界が知らない彼の秘密を私は知っている。ワインを一口飲んでは周ちゃんの横顔を見た。ああ、美味しい。今夜のワインは本当に美味しい。よそゆきの恋人ほど美味しい夜はないよ。

とにかく楽しかった。大好きな人達と、恋人。最高の組み合わせだな。私と周ちゃんは世代が同じだけど、浅井さん、成田さんとは少し異なる。そんな4人が同じテーブルでそれぞれが見ているものの話をする。見ているものが異なれば感じ方も変わってくる。時間は長くあれば有効というわけでもないし、身体能力が高いからと言って未来に希望があるというわけでも無いと思ってる。世代の異なるアンバランスな状態の4人が同じ食卓を囲んで話て笑って食べて。それぞれに心がストンと落ちるように想うことがあったり、心を寄せたくなるような会話があったり。何だか最近は作りたいけど、働きたいという欲はどんどん薄れていて、だけど何だか今夜は柔らかいだけじゃなくて固くて強固なものも作ってみたいと思った。

もう1月も終わる。みんなで長野に行けたらいいな。はらぺこやまぶしの本、本当に作れたらいいな。

シーフードパスタ

パスタ, 洋食 29.1,2022

ブランチは昨晩の残りの刺身と冷蔵庫の余ったおかず。南瓜の煮物、小松菜のおひたし、ナスとレンコンと鳥もも肉の甘酢炒め、納豆、卵、海苔、ご飯とキャベツの味噌汁。ご飯は二杯おかわりした。周ちゃんは三杯だったかな。とにかく私と周ちゃんはよく食べる。今日もペロッと漫画みたいに食べた。

午後は周ちゃんに付き合って駒場にある民芸館に行った。前の家が近かったので何度もこの辺を歩いたことがあるけど民芸館は初めて。周ちゃんはまるでここの学芸員みたいに色々を教えてくれている。周ちゃんは親切で優しい男ランキングベスト3に入ってもおかしくない。ジャパンじゃなくて、もちろん、ワールド大会で。おかしなもので、数年前は全く知らない音楽に耳を傾けながらライブハウスの暗闇の中でひとり呆然と夫だった男が唄うのを聞いていたけど、今はこれから夫となろうとする学芸員の話を民芸館で静かに聞いてる。民芸も音楽と同じ。全く知らない。私の口からは、うんともすんとも何にも出てこない。展示品を見ながら、幾つも見ながらそんな事を考えてた。お腹空いたな。「周ちゃん、シーフードパスタが食べたい。」民芸館を出てしばらくすると「よしみがシーフードパスタって言うから、俺もそんな気分になってきちゃったよ!」「じゃあ、今夜はパスタにしよう!ホタテと鮭があるよ。」何だかとびきり元気な声で言った気がする。別に民芸館がつまらなかったわけじゃない。一人じゃ行かない民芸館も周ちゃんとなら楽しい。民芸は大体見てない。家でもスーパーでも日本から出てもいい、周ちゃんとならどこでも楽しい。周ちゃんはどんな表情をして、どんな言葉でどんな話をどんな風にしてる。どんな佇まいでどんな風にこっちを向いて。こっちを振り向いて。私の名前をどんな風に呼んで、その音の大きさはどんな感じ。眼差しはどこに向かってどうやってここにくる。色素の薄い茶色の目が綺麗。そんな時間をただただ見てる。どこでもいいから一緒の時間だけが見たい。これって恋人じゃなかったら完全にストーキング行為だな。

梅ヶ丘の駅前のスーパーを出ると夕方がもうすぐ終わろうとしてた。遠くに夕陽の残りが微かに見える。家までは後15分くらい。坂道を下りながら聞いた。「例えばさ、周ちゃんが今すごくお腹が空いて堪らなくて、そこのコンビニでおにぎりとか肉まん食べる?」「う〜ん。食べない。だってこれからシーフードパスタ食べるでしょ。」「じゃあさ、どうしてもお腹が空いて駅前にあったマックでハンバーガーだけのつもりがポテトも食べちゃって、そしたらどうする?すっごくお腹空いてるの。もう限界ってくらいに。」「食べないでしょ〜。一緒にシーフードパスタ食べられないじゃん。だって材料も買ってるわけでしょ。一緒にシーフードパスタ食べようって話してるわけでしょ。」「そうだよね。食べないよね。けどさ、マックを食べちゃってお腹いっぱいになっちゃって、夕飯はやっぱりいいやってなって。私は一人分のシーフードパスタを作り始めて、あ、やっぱりちょっと食べたいって言い出して、そしたらあなたの分は無いよなんて言わないよね。それでじゃあもう一つ作るからってなって、パスタは温かいうちの方が美味しいし、その温かいパスタはどんどんお皿の中から無くなっていく間に、フライパンの中ではもう一つのパスタがぐるぐると回されて乳化もいい感じ、それで、結局、私は一人で食べるよね。一人前の熱々のシーフードパスタ。」そうだよね。おかしいよね。

あれ、悲しい。何だか悲しいことが目の前で起きてる。だけど、何故だか世界は悲しい私がおかしいみたいな雰囲気。それは家の中だけじゃなくて、いつもの中目黒の酒場とか、どこかよくわからない真っ暗闇のライブハウスでも同じ。元夫といるとそうゆう時間があちこちにあった。一人でシーフードパスタを食べるのは悲しい??たしか、元夫の友人があなたが作るから悪いって言った日があった。だけどさ、私はただ一緒に食べようって話をしてただけだし、ただ、悲しかっただけ。

お腹がペコペコだったから大盛りのパスタを作った。周ちゃんは今日も漫画みたいにぺろっと食べた。両頬を一杯にして美味しい、美味しいって言って食べてた。美味しい時と、考えながら話をしてる時によく目をつぶるけど、何度も目をつぶって味わってた。パスタ、すごく美味しいね。一緒に食べるご飯って楽しいよね。食卓って最高だよね。そうだよね。やっぱりそうだよね。

シーフードパスタ
シャケ
ホタテ
ねぎ
しそ
パスタの麺
オリーブオイル
醤油麹と塩
お好みで柚子胡椒

チーズトースト

パン, Journal 28.1,2022

「チーズのみ、マヨチーズ、バターチーズ、どれにする?」「バターチーズ!」周ちゃんはバターが好き。それはやっぱり北海道生まれな気もしてる。朝食は私が作って、周ちゃんはバナナジュースを作る。それから洗い物は周ちゃん。なんとなくそんなルールがいつもになってきた。急いで朝食を済ませて支度をする。今日は近所の友達に聞いたブライズチェックの日。三茶にある不妊治療専門の病院へ向かった。正直、本当に子供が欲しいのか未だわからない。家族が欲しいっていう憧れはあるし、産んでみたいとも思ってる。病院は一番の予約だったけれど、沢山の人がひっきりなしに出入りしてた。年齢も様々。男の人も数人見かけた。

看護師さんの話を聞いて、先生との面談。「年齢的に時間がありません。急ぎましょう。」よく聞いていた話だった。最近、生理の調子がちょっとおかしい事と、少し遅れてる話をした。「このまま妊娠してたらいいですね!一週間来なかったら妊娠してるかもしれません。」先生がにこりと笑った。優しい先生だな。不思議な気持ちがする。私、本当に妊娠してたらどうなるんだろう?

お昼はシバカリーワラでカレーを食べ、歩いて帰宅した。今日は穏やかで気持ちがいい。「周ちゃん、先生がさ、一週間生理こなかったら妊娠してるかもしれませんねって言ってたんだけど、何だかすごく不思議じゃない?先生でもわからないんだって思ったよ。」周ちゃんはちょっと嬉しそうな顔をしてた。子供が欲しいんだろうな。いや、正確には子供が欲しかったのかもな。私にプロポーズした時に、私は年齢的にも子供は産めないかもしれないからもっと若い人にした方がいいよみたいな話をした。そしたら、子供はどちらでもいいって言ってた。出会って短い間だけど、子供に話しかけたり、遊んだりしているのを見かけたことがある。街で目が合えば、にこりと微笑んだりしてる。

私はどうなのかな。離婚してから急に子供に興味を持ち始めたけれど、私の生活に子供が入ってきたらどうなっちゃうんだろうか。帰り道に色々と話したけれど、結局実際やってみないとわからない。案外楽しいかもしれないし、よく耳にするように大変かもしれない。考えたって仕方ないよねって。

帰宅してお互いに仕事をする予定だったけれど、ソファーで周ちゃんの首元にもたれかかったまま寝てしまった。1時間半くらい寝てた。周ちゃんはその格好のまま仕事をしてたらしい。周ちゃんって人がどんどん好きになるけど、私がどんどん我儘になっていきそうで怖い。

塩豚のポトフ

鍋 27.1,2022

向かいあったコーヒー屋のテーブル席で、本当は泣いちゃいそうだった。込み上げてくるものがどんな気持ちだったのか細かい事は今でもわからないけれど、言葉にはならない。だからって写真とか映像で見えるかと言えば、そんなものでもない。ミオちゃんと私と、間に何か。似てると言えば冬の寒い日に温かい鍋を同時に食べた時みたいな。別々の口に入るのだけど、同じ場所にいるような感じ。

ミオちゃんから撮影後に話したい事があると聞いてて、私も彼氏が出来た事と結婚の報告をしたかったからタイミングが良かった。ミオちゃんはカフェラテとバナナケーキを頼んで、私はカフェラテミルク多めにしてもらった。本当は12月の撮影時に話したかったのだけど、その日は次のスケジュールがあったから早々に現場を離れたので、新年明けましておめでとうなミオちゃん。久しぶりで何だかすごく嬉しい。

待ち合わせ場所はビルの前。遠くに派手な白いモフモフのコートを着ているのが見えた。ミオちゃんのファションがいいなといつも思う。メイクもいい。ミオちゃんにはミオちゃんだけにしかないルールがあって、その7割はLONDON由来だけど、後は東京だとか、私も知らない未知の色々が詰まってる。誰が何と言おうとミオちゃんはミオちゃんっていう形をしてる。東京にいる女の子達は大体同じような洋服を好んで着る。それはそれですごく感心してしまうくらいに可愛いのだけど、ミオちゃんは渋谷のスクランブルの中にいたって直ぐにわかる。個性的という意味だけじゃなくて、ただ、ミオちゃんを生きてる。

「私はよしみちゃんが心配だよ。」ミオちゃんらしくハッキリと言った。全然、嫌な気持ちがしなかった。その通りだと思う。ミオちゃんが言う心配は、私がまた誰かの為に頑張ってしまうんじゃないかって。せっかくひとりの人生を立て直して、色々が回ってきたのにって事だったんじゃないかと解釈してる。男の人が大丈夫だったのか、結婚しても大丈夫なのか、どうしてそうなったのか?けげんそうな顔でとにかく心配をしてた。私自身この数カ月で起こったことに驚いてる。ある日突然に恋に落ちたような話でもない。一ページ一ページを隅々までしっかりと読み切った分厚い本がここにあるような感じだ。色々なことをすごく下手くそに説明したと思う。「男の人も結婚も怖かったし、誰かと付き合うことだって無理だったよ。ハグなんてやり方を忘れてたんだよ。だけど、色々沢山を話したり、結婚がパートナーが事実婚が何とか、本当に沢山を考えて話して、この人と結婚してもいいかもって思えた時に、トラウマがあるから怖いから嫌だって思いたくなかったの。進めない理由が怖いのなら、進みたいって。」ミオちゃんはずっと真っ直ぐ目を見て話をして、聞いてくれた。

仕事の事で色々と今は悩んでるんだそう。ミオちゃんらしくていい悩みだと思った。もっともっと新しいことに挑戦したいんだろう。そんな感じが伝わってきた。私の目にうつるミオちゃんって人がどうなのかを話して、応援した。仕事で頂いた5年手帳。「私意外とこういうのちゃんとやるよ!」とミオちゃん、「私は普通にやるよ。」と私。5年後、書き切ったら話そうね!って約束をした。今、抱えてるそれぞれの問題。ミオちゃんはこれからどんな仕事をして、私はどんな結婚生活を送ることになるんだろう。楽しみだな。なんなら先に書いてしまおうかな。

塩豚のポトフ
塩豚 [豚バラを重量の5%の塩に揉み込み一週間冷蔵庫で寝かせたもの]
キャベツ
ごぼう
しいたけ
人参
玉ねぎ




かぼちゃの直がつお煮

野菜 26.1,2022

午前は撮影。午後過ぎに帰宅。ここ最近起きた仕事のトラブルの事でちょっと疲れてる。こんなトラブル独立して初めてだと思う。最悪だった。何が悪かったのか、何が危なかったのか気になって書き出して見る。一つ一つが結構いやだ。だけど、初めに嫌だなって思ったことはカンではなくて答えだった。例えば、誰かが嫌だなって想うことを平気な顔をしてやってしまうとか。そういう人は好きじゃないし、隣にいてとても気分が悪い。大人気ないかもしれないけど、嫌だ。すごく。

書き出して見たら色々がよくわかる。暗雲が遠くの方に見え出したくらいから、相手に危ないですよって伝えてる。どんどん広がっていく真っ黒な雲を見逃すことなく何度も何度も伝えてる。そして最後にきちんと雷を落とした。私ってエライ!もしかしてまた我慢し過ぎちゃったのかなって思ったけど、ねぇねぇってひつこく伝えていた。隙あらば伝えてた。予算、制作の色々、納品のこと。細かく伝えてる。昨日、相談しようとしたら周ちゃんがソクラテスの話をし出したから苛々した。偉人だか何だか知らないけど、今は私の話をしてる。見ず知らずのソクラテスさんにフィットするわけがないよ。

明日は周ちゃんが来る。撮影が夕方迄だから、色々と喜びそうなご飯を作り置きする事にした。周ちゃん、ごめんね。ありがとう。

かぼちゃの直がつお煮 [土井善晴さんのレシピ]
かぼちゃ 400g
削り節 10g
水 カップ 1と1/2
砂糖、醤油、各大さじ2

鍋にカボチャ、水、削り節を入れて火にかけ煮立ったら砂糖を加え落し蓋をして中火で5分。醤油を加えてさらに5分。カボチャが柔らかくなるまで。

味噌汁とごま油

Journal 25.1,2022

10月にパリのマユミちゃんに書いた手紙が戻ってきた。一通目は10月10日、病院から梃子の癌宣告を受けた日で “酷く落ち込んでるけど負けないみたいな事が書いてあった。二通目は10月21日、梃子の手術の事についてと、最近自分の周りで恋の朗報が多くあってすごく嬉しい。私には何も無いけどね!と書いてあった。書いていた時の気持ちをよく覚えてる。あの頃の私はまだ多分怖かった。前向きな言葉の裏側には未だトラウマの影が潜んでる。とっくに日常が戻っていたと自覚していたけど、またあの人が世界を壊すんじゃないかとビクビクしていたのかもしれない。

手紙を記した10日後くらい、周ちゃんに出会った。そして来月に結婚する。本当に世界はわからない。2021年の10月の私がありありとここにあるけれど、全く違う今を当たり前の様に生きてる今もここにある。身体はきちんと今日迄を吸ったり吐いたりして一枚の皮で繋がっているけど、心はあちこちに破片の様に散らばって交わろうとしない。すごく変。だけど、静か。

夜、周ちゃんに電話した。まとまりの無い話を沢山した様に思う。仕事の話も少しだけした。とにかくワガママに話した。トラウマを過去にしたのは紛れもなく周ちゃんのお陰だ。たまたま遭ったとしても、タイプだったからだとしても、彼の魅力に惹かれたとしても、意味があるのか無いのか、運命なんてものはよくわからないけれど、明るく生きる為にすごく必要な人だったと思う。

「俺も一人で生きるって思ってたからなぁ。半年前、まさかこんな事になるなんて想像もしてなかったよ。仕事して、週末はフィールドワークしてって。一人で生きていけたから。」

仕事の後に、編集の柳瀬さんにさくらももこさんの本を借りた。タイトルはやきそば うえだ。表紙は焼きそばのイラスト。食べたい。周ちゃんはお好み焼きが得意らしい。焼きそばも上手そうだな。

レバーパテとトースト

パン, 肉 24.1,2022

昨晩早く寝た所為で夜中の2時に目を覚ました。周ちゃんは寝ぼけながら「お腹大丈夫?」と、私のお腹をまださすってる。確か寝る時もさすってくれてたような気がする。昨日、ランチにキーマカレーを勢いよく食べてしまった。お肉が苦手なのにキーマなんてものを食べたのが悪い。夜にはすっかりと胃腸の調子が悪くなった。目をつぶりながらこの子はなんて優しい子に育ったもんだと思った。男の人って男の子に見える時がある。女の人はないのだけど。

朝ごはんを食べてから、周ちゃんはソファーで梃子を膝に抱えて仕事をしてた。私はベッドルームで今揉めてる案件についてADのしみるさんに電話で相談にのってもらっていた。お昼が近づくと、慌ててそれぞれ出かけた。今日も寒いな。電車の中で案件のゴタゴタにどんより気分に浸ってると久しぶりにのむらさんからのメール。以前に撮影した写真の使用許可をお願いしていたメールの返信だった。のむらさんはゲイだけど所謂ゲイっぽく無い。エンジェルって感じ。私達はちょっと色々とあって離れちゃったけど、とびきり大好きな人。メールを開封しただけで一気に温かい風に飲み込まれた。結婚の事は大切な人には会って伝えるようにしたいと決めていたけど、しばらく会えなそうな気がしてメールで伝えた。直ぐに「おめでとう!」との返信。のむらさんが彼氏のミッチーに「ねぇねぇ、よしみさん結婚するんだってよ!めでたいねぇ。」なんて言ってる様子が浮かんだ。のむらさん、元気そうで良かった。”こんな時に出会えるって凄いね。” って書いてあった。そうだな。離婚もだけど、結婚も、自分が意図しない場所に流れてきちゃったって感じ。まさかここ?!みたいに。

帰宅してポストを開けると深緑の封筒が一通。パリのマユミちゃんだ!この瞬間が何とも嬉しい。信号が三連続で青になったくらいに嬉しい。今日の手紙も最高にラブリーな内容だった。どうやら、私が結婚を報告した手紙と、周ちゃんと付き合ったよと言う報告の手紙の順番が逆で届いたらしく、恋してる私がいいねと書いてあった。今日は質問コーナーがある。質問は二つ。一つは最近読んだ本について。もう一つは、しばらく誰かに恋したり、一緒に生活をしてないけど、それってどんな気持ちなんだろう?っていう質問だった。今は暑い場所に行きたくて、日本に帰っちゃおうかなとか、バリは生活しやすいと友達に聞いてバリに行っちゃおうかな、いや別の国かなと考えてるような私には誰かを好きになるとか責任持てないなぁって。風呂上がりに、缶チューハイをぐびぐび飲みながら読んだ。いいよ、いいよ。すごくいい。誰かを好きになる事と、自分が好きな事をするのは全然違う国の話よ。一緒に生活するには生活がしやすいようにルールを設けたり、気を使ったりすることもあるけれど、それと自分の好きを失う事は全く話が違う。彼氏だとか夫が、休日はデートをしたい!と言っても、なんとなくそんな流れになりそうでも、毎週はハッキリ言ってやめて欲しい。だって一人で部屋で本を読んだり、日記を書いたり、梃子と遊んだり、思い立ってマフィンを焼き始めたり。時にはいきなり旅に出てもいいと思う。意図しない自分と遊ぶ時間はすごく楽しい。今日もいつもの居酒屋で、今日もいつもの喫茶店で、今日もいつもの街を同じように手を繋いで歩くような週末はホッとはするけど、退屈。だって、愛しているっていう気持ちは別の所にきちんとある。マユミチャンへの返信用の便箋を出して、”質問の回答です。魅力的なあなたが最高に好き。”と書いた。

一人の夜。最高だな。あー最高に幸せ。今日は早く寝よう。

レバーパテ
レバー [血合いを包丁でとっておく]
ウィスキー
牛乳
バター [レバーと同量]
オリーブオイル

レバーを牛乳に浸しておき、水気を拭いて、フライパンで焼く。温かいうちにバターと一緒にミキサーで攪拌して、タッパに入れて冷蔵庫で冷やし固める。



夕飯

夕飯 23.1,2022

東京フォーラムの骨董市がコロナで中止となったので、立川の神社でやってる骨董市へ行く事となった。知らなかったけれど、周ちゃんは骨董のコレクターなのだそう。家にある本棚には、変なものが沢山置いてある。ガラクタって感じじゃなくて、一つ一つ意味がありそうな雰囲気が漂ってる。そして何だか不思議なのだけどお洒落。こないだ同僚の学芸員の高橋君が家に来た時、二人の盛り上がり方が異常だった。古くて意味のあるものが好き。よくわからない言葉を一生懸命に話して笑って同意し合ってた。

周ちゃんは骨董市で石を二つ。私は皿を二枚買った。その石はドングリ等を潰すのに使われていたものと、包丁の役目をするものだったそう。縄文っていうワードが周ちゃんや店のおじさんの口からよく出てきた。そして、おじさんに気に入られた周ちゃんは、骨董の有名らしい売り物の雑誌を貰ってた。前にも氷見で畑をやってるヨロさんに氷見のアートの雑誌を貰ってた。周ちゃんと話すと何かが刺激されてあげたくなるのかな。

私が買ったお皿についてもおじさんと色々と話をしてたけど、全くよくわからなかった。窯元やいつの時代のものだとか話をしてた。世の中には知らないことが沢山ある。私はただ、可愛ければ何でもいい。「お皿、あまりこだわりなくて。別に高価とか人気とか、あまりそういうのは興味がないんだよね。だって自分が毎日使うものだから。好きなのがいい。だからそんな高いのは必然的に買わないよね。」私の言葉に周ちゃんはすごく喜んでた。どこで喜んでるのかわからないけど、何かヒットしたみたい。新しい器には納豆を入れた。

麻婆春雨

中華 22.1,2022

婚姻届は提出する区の役所に取りに行かなきゃいけないのかと勘違いしてた。全国共通なのだそう。「じゃあ、渋谷区役所に行かなくていいじゃん。スーパーに行く前に役所に寄ろう。」辺りはもう直ぐ夜。少しだけ夕方が残ってて何だかいい夕方って感じ。今日は午後から書き初めをして家訓を書いた。”幸せは二人分、悲しみは半分。” 嬉しい楽しい時だけじゃなくて、困った時も助け合ってみよう。お互いに過去にそれぞれ苦労があった。その時に学んだのは、自分で自分を救う術。ひとりで生きるのは強くいられるからいい。だけど、恐れずに信じて分けようって話をした。まだ付き合って直ぐの頃に。

土曜日だから時間外窓口への階段を降りた。おじさんが二人。こちらが開口する前に婚姻届を手に取ってたように思う。「二部頂けますか。」「大丈夫、間違えちゃうよね。二部入ってるよ。」何だかすごく可笑しかった。スーパーへ向かいながら、おじさんの真似をしてケタケタ笑う周ちゃん。周ちゃんはすごく大人な方だと思う。真面目だし、我慢も得意。仕事もバリバリして、周りの人に気を使う事も自然に出来るのだけど、実は結構子供っぽい。なんなら私よりもそうかもしれない。ずっとおじさんの事で嬉しそうに笑ってる。あのおじさん、そんなに面白かった?婚姻届を貰ってそんなに嬉しい?何だか今にもスキップしてしまいそうな笑顔の周ちゃんが可愛くて仕方ない。

食後にお茶を飲みながら婚姻届を眺める。「何だか、ドキドキするよ。」と、私。「いつ書く?周ちゃん、いつ書く?」「今、書こう!」周ちゃんはシャーペンで下書きを始めた。私は面倒くさいから、どうせ二部あるしとボールペンで書き始めた。せっかくだから下書きしてる周ちゃんを携帯で動画を撮ろう。「携帯の動画もさ、いつか何十年後は見られなくなるよね。」「そうね〜。」話半分の周ちゃん。「デバイス問題って何なんだろうね〜。」「ね〜。」真剣に書いてる。また名字が変わる。次は熊谷。仕事の活動名を下の名前にしておいて本当に良かった。印鑑も屋号も全部、よしみにしてる。名字が服を着替えるみたいに簡単に変わってしまっても大丈夫。対策は万全。私のアイデンティティはもう二度と崩壊させない。

水餃子
春菊 みじん切り
レンコン みじん切り
豚肉
ごま油
塩


麻婆春雨
春雨100g 2、3分で湯がいて水を切っておく
豚挽肉 200g
C ネギ1/2、にんにく、生姜 大さじ1をみじん切り
ごま油 ひと回し、ホワジャオ 大さじ1
A 紹興酒、豆板醤 大さじ1
B 甜菜糖小さじ2、中華だし小さじ1、水1カップ、醤油大さじ3

Cを炒め、肉を入れてさらに炒めて、Aを入れて炒める。
Bと春雨を入れて水分が飛ぶまで火にかけて、最後にごま油とホワジャオをかける。

夕飯

野菜, 夕飯 21.1,2022

今夜こそ周ちゃんがくる。午前はデスクワークを済ませて、午後は人形町へ撮影。今日は編集の柳瀬さんと。久しぶりだな。今日もとっても可愛い。柳瀬さんはコジコジが好きなんだけど、コジコジみたいな雰囲気が漂っていて、一緒にいると春みたいな気持ちになる。お土産に人形焼を頂いた。周ちゃんと食べよう。

急いで帰って夕飯の準備。昨日、周ちゃんに作ったロールキャベツをメインとしよう。あとは、揚げた茄子が好きだって言ってたから、揚げなすとタコのピリ辛和え。藤井恵先生のレシピ。ビールによく合うから昨年の夏はよく作った。あとは、周ちゃんは豆が好きだからスナップエンドウのナンプラーがけと、金平牛蒡かな。

周ちゃんが到着したのは19時過ぎ。仕事を終えていつもの様に埼玉から自転車で来た。アメリカで手袋を片方なくしたそうで手が凍りみたいに冷たい。温かい麦茶を飲んで、一緒にお風呂に入ることにした。今夜はジャスミンのバブにした。冬になるとハマりだすバブ。バブ特有のジャスミンの香りがお風呂場に漂ってる。いい香り。湯船に浸かってたわいもない事を話はじめた。本当は寝るときにベッドで話そうと思ったけれど、周ちゃんの顔を見たら何だかすごく話したくなって兄の事を話始めた。兄の事もだけど、結婚は良いもんじゃないという話もした。兄が担った父という役割、私が1度目の結婚で担った妻という役割。生活をスムーズに進める為には大事な事だし、家族が上手に回る為にも必要だと思う。だけど、そこに堕ちてしまうこともあるみたいって。

これから結婚する事がネガティブだとは思ってない。だけど周ちゃんには少し不安な話に見えたみたいだった。周ちゃんは初婚。私の話す内容を頭では理解しているようだったけれど、未だ実際には見たことがない景色のことを真剣に聞いてた。そして答えを頭の中に探しながら一生懸命に話してた。ずっと話してた。私が茹でタコになっても気づかずに必死に話し続けてた。顔が火照ってぼーっとする。周ちゃんっていう人はいい人間だな。そろそろ出たい。話のお尻が全く見えない。「周ちゃん、のぼせたよ。」「またお風呂で討論やっちゃったね。」

周ちゃんの答えはとても良かった。「結婚は、相手が自分のする事で幸せになるんじゃなくて、相手の幸せを願い続けるものだと思う。だって所有物じゃないからね。」周ちゃんが言った。うん。私もそう思う。心理学で学んだ事で人間の愛情についての講義があった。人は誰かに愛を与えるという行為が自分を愛するという行為にもなるという事。だけど、それは循環していなくてはいけない。与えて受け取る。その輪の中にはきちんと自分の身も置いてあげること。愛が欲しいから、愛を与え続ける。返ってこない愛に、あれ、足りないのかな。もっともっと愛さなきゃって、愛をどんどん与え続けてしまうことがある。それは生きる為に必要な愛だけど、循環しない愛はどこかに滞って冷たくなってゆく。だから、もっともっとってなる。愛が欲しいと思う事は決して間違ってないけど、ちょっと悲しいことだとも思う。だから、そうならないように、見ててあげようって話をした。今日どんな1日を過ごした?とか、今日何をたべた?とか、その人が毎日変化することを、少しだけどんよりしてる顔だとか、いつもと少し違う仕草だとか、平和に幸せの中に身を置けてるのかどうか。愛されたいからそうするんじゃなくて、愛とは別。幸せになって欲しいと願おうと。

だから、もし、愛が循環しなくなったら、たとえ大好きだったとしても、さよならしようと伝えた。お風呂から出て缶チューハイを一気に飲んだ。完全にノックダウン。

ロールキャベツ

キャベツ, 洋食 20.1,2022

昨晩は電話してしまった。結局2時間くらい話てたと思う。嬉しいけど最悪だ。お陰で今日は6時過ぎに目が覚めたし、寝不足。支度をして駒沢公園へ向かった。モニターのネジの調子が悪くて、カメラを両手で構えて、右肘の内側にモニターを挟みながら動画の撮影をした。私、何やってんだろう。これくらいなんて事は無いけど、ちっちゃく腹が立つ。

帰りに公園のスタバでコーヒー飲みながら携帯で作業して帰ろうと思ったけれど、気分が乗らなくてパン屋でドーナツを買って帰った。もうとっとと帰ってやるんだ。昼過ぎから来月の撮影のスタジオのロケハン。今日は空がとびきり青い。いい日だな。周ちゃんは今夜くる予定だけど、ちょっとわからないって言ってた。スケジュールいつわかるんだろう。

帰宅しておやつを食べて映像の編集を始めた。未だ連絡がこない。時間は17時。うーん夕飯を作りたい。周ちゃんが来るなら色々作りたいものがある。早く連絡来い。何で連絡してくれないんだろうか。忙しいんだよね。わかってるよ。もう作ってしまおう。サミットへ買い出しに行ってロールキャベツを作り始めた。”ごめんね。今日残業になりそうだから、明日に会いに行くよ。” LINEが入る。いいよ。大丈夫。一人の夜が好きだから。仕事を少ししてお風呂に入って麦酒を飲んだ。

会いたかったけれど、寂しい気もするけれど、一人の夜も最高なんだよ。梃子がベッドから起きてきて甘えてくる。梃子、大好きよ。ああ、こんな夜も大好き。ハーフアンドハーフな夜だな。

近所のカメラマンの渉さんからLINEが入った。「よしみさん引っ越すの?同棲するの?」何だか急に寂しい気分。寂しくなるけど、よしみさんが幸せになるならいいねって。嬉しいけど寂しい。寂しいけど嬉しい。渉さんは2年前の夏に私達夫婦の話を聞いて「それは間違ってると思う。よくないよ。」ってハッキリと元夫の暴力について言った。人の家の事だからわからないとかじゃなくて、ハッキリと言ったのを覚えてる。

私の中身が段々と変化してる。お願いだから結婚にだけは染まらないで。指輪をつけるのは週半分くらいの方がいいんだろうか。この街にセカンドハウスが欲しい。

ロールキャベツ
キャベツ 5枚[1分湯がいて水気を拭いて薄力粉を薄くはたく]
コンソメ
ケチャップ、蜂蜜
たね
豚ひき肉 200g [油で炒めて冷ましておく]
玉ねぎ微塵切り 1/2
塩、胡椒
溶き卵
パン粉 大2 を、牛乳 大2 で浸しておく

塩豚のホワジャオスープと焼いた卵

肉, 冬の料理, 中華 19.1,2022

今日はスッキリと目が覚めた。やっぱり早寝早起きはいい。昨晩は周ちゃんと電話しなかった。周ちゃんとの時間も楽しいけれど、やっぱり私の時間が好き。外は未だ暗いままで朝はしばらく来なそう。白湯を飲みながら色々を進めた。気づいたら9時過ぎ。慌てて支度をして駒沢公園へ映像の編集で使う為に空を撮りに出かけた。公園に着く頃には白い雲が辺り一面に広がってる。あーあ、なんだよ。帰ろう。

帰り道に松陰神社の商店街にあるお花屋さんへ寄った。店番をしてるお爺ちゃんを見る度に近所のフォトグラファーの渉さんがお爺ちゃんの話し方のマネするのを思い出してちょっとおかしくなる。「チューリップ下さい。すみません、一本でもいいですか?」「いいよ〜。150円ね。」チューリップの札には200円と書かれてるけど、いつものように少しまけてくれた。「この花、ちょっと短いの。いる?三本あげるよ〜。チューリップにはちょっと合わないけどね〜。」結局、4本の束のお花を抱えて家路に着いた。紫色の綺麗なお花。名前を聞いたけど忘れちゃった。何だか可笑しいな。

帰り道はインド人がやってる肉屋の通りを入って小さな公園の裏を通るのがお馴染みのコース。そして真っ直ぐと通りを家の方へと向かう。この道も何回歩いたんだろう。少しでも家が華やぐようにとお花を買い始めたけど、寂しいとか怖いとか不安だとか、私が1年の間に落としてきた色々がまだこの通りに残ってるみたいで少し頬が冷たく感じた。

帰宅して昼食を食べながら姉と電話をした。兄の事だとか、結婚とか夫婦とか、色々な話をした。最近姉がハマってる後ろ歩きについての話もした。「後ろ歩きで坂を登るのが超難しいんだけどさ、頑張って登り切るでしょ。最近は登れるようになってね。それで前へ向いて歩くと、すっごく楽に歩けるんだよ!」「あっちゃん。それは後ろ歩きしてたからだよ。」「違うよ!超歩きやすいんだってば。すっごく快調なんだよ。色々が。」姉の事はよく知ってるけれど、沢山の事をまだまだ知らない。とりあえず嬉しそうだからいいや。とにかく沢山笑った。それから、結婚がいいもんじゃ無いって話もした。うん、これから二度目の結婚をしようとしてるけれど、そう思う。結婚はいいもんじゃ無い。

兄は幸せだったと思う。どうして元気が無いのか姉は少し聞いてるようだったけれど、結局姉妹の推測でしかない。ただ、姉も私も結婚に苦しんだことがあるから、その虚しさが少しでも想像できる気がした。妻になる。夫になる。父になる。母になる。役を担うのは簡単。どうにかして頑張ればいい。だけど、難しいのは役に自分が喰われないようにすること。頑張れば頑張ってしまうほどに喰われていく気がしてる。嬉しい楽しい苦しい悲しい、色々な時の自分が気づいたらどんどんムシャムシャと。いいよって言ってないんだけど、家族が夫が妻も一緒になって食べてる。誰も意地悪してやろうなんて一切思ってないし、それって生きる為に必要だったりそうじゃなかったりなんだけど、私の栄養が私が生きる為のそれが気づいたら底をつくまで喰われていく。「お腹空いたから今すぐ何か作れる?」「ご飯もう作らないでいいよ。作ってなんてお願いした?」「全部別々でいいから。好きにさせて。じゃなきゃ離婚でいい。」「今日は早く帰れるから一緒に食事しよう。」「お土産に醤油買ってきたよ。」家に居たり居なかったりがよくわからない元夫の口から出る言葉は全くよく理解出来なかった。抱きしめられたり突き飛ばされたり。とにかく私を蝕んでいった。あの頃の私は何を担っていたんだろう。今でもよくわからないけれど、戸籍には妻だったと書かれてる。

電話を切ってから少し考える。姉はしばらく一人で生きたいって言ってた。誰かを想うことで自分を失ってしまう時間が来るのはもう嫌だって。私もそう思う。だから誰かと一緒になりたいとは思わない。結婚はするけど、ずっと別々でいたい。周ちゃんが家族の何かを担おうとしたり、それで苦しんでしまったりしたら、どうかここから離れて下さいとお願いしようと思う。離れて欲しく無いけど、切り離された場所は露わになって私は生きづらくなるかもしれないけど、それでもいい。それがいい。

塩豚と大根のスープ 按田餃子の按田さんのレシピ
塩豚 [豚肉に5%の塩を揉み込んで数日冷蔵庫で寝かせる]
大根
生姜
花椒

芋煮

スープ, 和食 18.1,2022

朝から淡々とデスクワークを終わらせて夕方。先週の疲れが何だか残ってる。家でのひとりの時間が本当に好きだなと思う。日が暮れる頃に夕飯を作り始めて、合間に作業を進める。そしてお風呂にゆっくり入って、早い時間にベッドに潜って本を読んだり日記を書いたり。そして、湯たんぽみたいにホカホカの梃子にひっついて夢の中へ。

結婚10時間、私14時間。黒木華さんのドラマでのセリフ。私の中では人生の名言となってる言葉。どんな結婚生活を、どんな風に私の時間を大切にしていけばいいのかずっとずっと考えてる。週末婚みたいな形だとか、物理的にひとりの時間を確保できるような結婚がいい。だけど、ちょっと現実的じゃない。透明人間になる術を習得できたらいいなと思う。これなら出来そうな予感。私を家のどこかで見かけても、見て見ぬふりをしてもらえばいい。

芋煮
味噌、みりん、醤油 大さじ1
酒 1/3カップ
水
里芋 3、4個
豚肉 200g [本当は牛]
こんにゃく 1/2枚
ごぼう 1本
ねぎ 1/2本

最初に鍋に豚肉と味噌を焼き付ける。酒と一緒に10分煮込んだら取り出して、水を足して野菜を柔らかく煮た後に肉を戻して味を調整。

マグロ丼とレバー炒め

肉 17.1,2022

周ちゃんと会って沢山の話をした。久しぶりに形のある周ちゃん。当たり前だけど肌が温かかったし、声は呼吸と一緒になって聞こえてくる事に少しドキドキとした。3週間ぶりの周ちゃん。色々を知ってるのに、知らないような感じもした。

帰国したら話したい事が沢山あった。その1つが結婚の形について。確か周ちゃんがデンバー辺りに滞在していた時だと思う。結婚についての事を色々と調べて、私の人生ならどうしたいのか、心の事も過去の事も、これかの事も色々と考えて周ちゃんに今の気持ちを電話で伝えた。「事実婚が良かったけれど、法的がいいって思ったの。」法的結婚には色々な問題がある。それに、アレは私のアイデンティティが崩壊した最低なもの。

だけど、よくよく調べていくうちにわかった事は、結婚制度というのは税金の恩恵を受けられるように定められているものであり、それに対し事実婚は想像していたよりずっと社会的には未だ認められていなかった。婚姻関係を証明する方法についても、公正証書を作ったり、住民票の記載を夫婦としてみたり、他にも色々と面倒そうに見えた。それに同性婚の様に事実婚を選ぶしか無い場合を除いて、法的結婚を否定したいというネガティブで且つ強い意思が必要に思えた。

アメリカの場合、フランスの場合、そんな話もした。周ちゃんの家族はアメリカにいる。私もそう。心のオアシスとも言えるような友人がパリにいる。私達はそれぞれに色々な結婚の形を知ってるし、それが結構いいとも聞いてる。それはとても希望的な話で自由そうで新しくて、なんなら魅力すら感じてた。だけど、私達が今を生きている場所は日本。色々な形は知ってるけど、私達はこの国の法や社会の中に身を置いてる。だから、希望ではなくて、私たちの今の話をしようって。周ちゃんは、私が結婚について調べてきた事や想いを綴った大学ノートを眺めながら、じっと静かに考えてる。時々、何かを書き込んでる。家で分厚くて難しそうなタイトルの本を読んでる時の顔と一緒だ。何だか少し緊張した。顔を上げて私の目を見て言った。「うん。つまり、法的結婚ということでは!」

事実婚でもなく、パートナーでもなく家族になろう。法的、社会的に血縁関係を結ぶことが私達にとっての結婚という形となった。たぶん、色々なメリットデメリット以上にきっとその想いが強かったように思う。子供の有無は関係ない。結婚というよりも、未来にしたい事の話をしていた。愛し合ってる。それとは別の個人的で二人だけの未来の話。

「買った指輪はいつにつける?」私の質問に「え、直ぐにつけるでしょ。」と周ちゃん。2ヶ月前の話。結婚の日取りも決まってない時だった。本当に結婚するかも半信半疑のまだ出会って2週間くらいの金曜日。「指輪を取りに行った日に結婚したらいいんじゃない?」「え?!」周ちゃんは突拍子の無い様な事を平然と言う事がある。その思考回路がどうなってるのかさっぱり検討もつかないけれど、いい風に連れ去られた時みたいに、そっかってなる。結婚しようと言い出した時も迷う事なく返事をした。結婚は怖いし嫌いだったけど、いい予感だけがした。というわけで、青山に指輪を取りに行った日に渋谷区役所で婚姻届を出す事となった。本籍の場所を引っ越し先にするかどうか考えたけど、この先ずっとそこに住むかわからないし、何の思い入れも無いから明治神宮にした。あの場所は気持ちがいいし縁起が良さそうだし、青山から区役所に行く途中にあるし、参拝した時に住所借りますって伝えたらいい。それに、戸籍謄本が必要になった時とかも便利そうだねって。不思議なもので、1つが決まるとあとはスイスイと5分くらいであっという間に色々が決まった。それに、周ちゃんには言わなかったけれど、離婚してから時々明治神宮に行くようになった。もしかしたら直ぐ側の脱毛サロンに通い出した事も理由の一つかもしれない。神様は信じていないけど、祈りたかった。明日を好きになるために祈ろうと思った。

今日はオオゼキでレバーが安かった。鮪が食べたかったから、夕飯は酢飯を作って鮪丼とお味噌汁。レバーはパテにして、心臓の部分はカレー粉とソースで炒めてみる。思いの外最高な塩梅。ああ、美味しい。どうしようってくらいに美味しい。周ちゃんに食べさせてあげたいな。

レバーのカレー炒め
レバーのハート(血合いを取り、牛乳と水、塩を混ぜたものに30分漬け込んで臭みを取る)
オリーブオイル
カレー粉
ウスターソース

麺線

Journal 13.1,2022

朝の9時30分。世田谷通り沿いの動物病院へテコと走る。2分遅れて到着。病院はいつもより混んでる。少し待たされ採血。そしてさらに30分、先生に呼ばれて診察室へ入った。「テコちゃん、完治です。」先生の笑顔、初めて見たよ。良かった。本当に良かった。直ぐに周ちゃん、母、姉に連絡して、たまたまラインしてた兄にも報告。”癌、完治したよ!”

帰って急いで納品を済ませる。冷蔵庫には何も無い。う〜ん。あ、素麺と卵がある。麺線にしよう。昨年、台湾人の友人ハルさんに教えて貰った麺線。胡麻油で生姜を炒めて、その油で目玉焼を焼き、茹でた麺を炒める。生姜の香りが移った胡麻油が最高に美味しい。ペロッと平らげてしまう。

美味しかったな。

昨日のスープ

洋食 12.1,2022

朝一番でフミエさんのアトリエへ写真を撮りに行く。料理教室の撮影をして、料理本の打ち合わせ。それから、ちょっと動画を一緒にやってみようという事になった。何だかちょっといい予感。

帰って少し仕事を済まして近所のみっちゃんと家の側のもんじゃへ。みっちゃんとは2ヶ月ぶり。結婚の事は会ってから話したいと思っているうちに年を越した。「実は、。結婚するの!」私の言葉にもんじゃを手際良く鉄板でカチャカチャと音を立てていたみっちゃんの手が止まった。目をまん丸くして驚いてる。そりゃそうだよね。最後にみっちゃんに会った私は彼氏どころか結婚のけの字だって無かった。まだ引っ越して1年ちょっとだけど、引っ越す事も伝えた。寂しそうにしてたけど、「寿物件だね!よしみちゃん家に住みたい!!」と本気で考えているみたいだった。彼氏と一緒ならなぁと渋っていたけど、「自分が欲しいものは自分ひとりで手に入れた方がいいよ。」とアドバイスして、「それに、自分が手に入れたものなら、彼氏と別れようが自分のものだよ。」と付け加えたら、少し納得してた。その気持ちよくわかる。私も同じ様な事を思ったり、してきた過去がある。怖いのもよくわかる。勇気が出ないのもよくよくわかる。誰か、例えば、彼氏だとか夫だとか、そんな隣にいてくれる存在が自分を幸せにしてくれるんじゃないかといつしか期待してしまう。だけど、そうじゃなかった。自分の幸せを他人に任せるのはもうやめた。不幸だって同じ。私のものならば、どっちだって気分がいい。だってやりきってるもの。爽快であることは間違いなし。大丈夫。怖いけど、大丈夫なもの。明日は誰だって怖いもの。その程度。放っておいたらいい。

みっちゃんがお祝いにもんじゃをご馳走してくれて、また鍋でもやろうねとバイバイする。帰宅してポストを覗くと茶色い封筒が一通。裏面にフランス語の住所と、英語で日本の住所。表面に漢字で祝と書いてある。2021年12月21日のまゆみちゃんからだった。フランス語の勉強で忙しい、私の結婚の報告を手紙で読んで驚いたけど私らしくて朗報を手紙で知った時に頭にぱっと浮かんだ言葉があるよと記してくれた。よく読めないフランス語だったけど、日本語で訳すと、報いるとか、必然みたいな意味で、この結婚は偶然ではなくて、決められた未来なのだとか。まゆみちゃんはパリに単身ぽんと行ってしまうような面白い子だけど、フランス語がとにかく大好きで、そんな彼女らしい表現だなと思った。嬉しいな。心のこもった言葉が贈り物みたいに感じる。まゆみちゃんありがとう。ほんと、素敵な友人。大好きだよ。

何だか急にもくもくと体中に結婚への実感が膨らんできた。この街を本当に離れてしまうのか。この家も街も、この街に住む友人たちとの日々もあと3ヶ月でバイバイ。こんなに街が家が大好きになったのは人生で初めてなのに。寂しい。新しい暮らしへの希望もあるけど、ここが好き。大好き。

南瓜グラタン

洋食 10.1,2022

どうしたものか、姉妹とは似てるものだなぁと思った。朝起きて携帯を開くと姉からLINEが入っていた。L.Aの朝の景色が何枚も何枚も。何だか朝じゃなくて夕方みたいな写真。姉は朝の5時半に散歩するのにハマってるのだけど、最後の100mはダッシュするのだそう。100mダッシュ。私も好きなやつだ。さっと服を着て歩きに出かけた。とにかく気持ち良くてハマってる寝起きの散歩。ベッドが大好きなのに、ベッドから抜け出す朝もやめられない。

歩き出すと、”DVの女の人のドラマを見てる。” また姉からLINEが入ってきた。 “見たくない。” と返す。よくもまぁ、暴力も離婚理由の一つだったのに、そんな私に報告してくるもんだと思った。ま、そういうことだろう。全然問題ないよ。だって私は人を殴った事は無いもの。被害者になったとしても加害者では無い。いや、そうなのかな。今でも少し後悔してる。上手く説明出来ないけど、どうして私は警察に通報したんだろう。だけど、これって日々の事でも思う。正解そうな事はわかってるけど、本当にそれが正解かどうかはわからないこと。正しいって何だろう。人に話したら、「それは間違いだよ!あなたは悪く無いよ。」と背中を押して貰えても本当にそうなんだろうか。確かに人は殴っちゃいけない。だけど、殴った男の手は許されなくても、心はどうなんだろう。そうして世界に閉ざされて、男の心は何処へ向かうんだろう。

仕事をしていたら直ぐに夕方が過ぎていた。冷蔵庫の奥に覚えのない南瓜が一つ。今夜は南瓜グラタンにしよう。冬と言えばグラタンの季節。母のグラタンは黒い蓋のついた丸い皿に入ってる。黒い器の中で白くぴかぴかと光っているグラタン。

晩酌

夕飯 09.1,2022

今日は周ちゃんが隔離されてるホテルへ差し入れを持って行った。もう隔離は終わるのだけど、何だか日に日に顔から元気が少しずつ少しずつ無くなっていくのが気になった。うちから電車で1時間くらい。場所は幕張の方。テレビ電話の向こうに青い空と川の様なものが見えたけれど、あれは東京湾だったらしい。私が到着した時、今日隔離が終わった人達がバスに乗り込んでる所だった。その後にもシャトルバスが3台待機。中年の男性が声を荒げて怒っていたけど警備員さんは慣れた感じで誘導していた。「差し入れですか?すみませんね。もう少しお待ち下さい。」しばらく待つ事となった。ホテルの入り口は白いテントの様なもので覆われてる。周ちゃんに電話してホテルの下に着いた事と中年の男性が怒ってる事を伝えた。殺伐とした様子に少し不安になる。「今日は他の部屋で女性が発狂してたよ。」電話の向こうで周ちゃんが言った。

いく先々の空港の様子を写真で送ってくれたり、PCRをまた受けたとか、アメリカの街での状況だとかを逐一聞いていたけど、実際に自分が少しでも触れると怖く感じた。今日は来て良かった。知れて良かった。携帯から見える景色はつるっとしたままで空気の色だとか温度まで感じられないから。荷物を係の人に渡して、周ちゃんの部屋が見える場所へ移動した。9階を見上げてみる。「見えるはずないよね!」って話してたけど、笑ってる表情が見える。お互いに手を振りあった。3週間もの間ずっとテレビ電話の中にいた周ちゃん。生の周ちゃんを捉えた目から全身に血が巡るみたいに充足感で満たされていく。いつもなら電話を切っても直ぐにまた電話したいと思うのに、今夜はこのまま静かに寝れそうだなと思った。人間って面白い。色々を感じるように出来てるんだな。

ホテルの横に寿司屋があるのを見て、今夜は寿司にしようと決めたのに、イカリングが無性に食べたくなったのでイカリングの惣菜をサミットで買って帰る。後はスナップエンドウを湯がいて冷蔵庫に余ってるおかずを並べて晩酌を始めた。22時過ぎ、いつもの様に周ちゃんに電話すると差し入れしたミカンを嬉しそうに食べてる。「沁みる〜。」満面の笑み。さっき見たばかりの周ちゃんがテレビ電話の中にいる。私じゃなくて身体のどこかが言った。目で見れたのだから、次は触れたい。何だか無性に会いたくなってきてる。私の欲望、怖い。

キムチチゲ

Journal 08.1,2022

4月の頭に引っ越す事に決めた。不動産への解約通知の退去理由の箇所に “結婚” と書いた。この部屋を見に来てくれた人に伝えてくれるといいな。結婚を理由に退去することを寿退去と言うらしく縁起が良いのだそう。そして、その部屋に住んだ人もまた婚期が早まるのだとか。独身の友人にうちに住まないかとLINEをしてみたけど、ひとりでこの家に住むのは難しいって。確かに。ベランダが広すぎるかもね。家賃も優しくない。ひとりでこの空間を持て余してしまったら、それは虚しさになる。今となっては大好きな部屋だけど、とにかく私も怖かった。いきなり家族が崩壊したからって、簡単にその場所を捨てられない。8年かけて大事に大事に築いてきたものがあの家にはあった。家中のあちこち、キッチンにもリビングにも首都高が遠くに見えるベランダにだってしっかりとあった。それに、夏の終わりから体調を崩してカメラを持つことも大変になっていたし、そもそもコロナで仕事も殆ど失くなった。私があの家を出なくてもいい理由は十分に揃っていた。こんな自分がテコを育てて、これから本当にここで生きていけるのか。半分ゾンビみたいになってる自分が16万っていう家賃をどう払っていったらいいのか全く検討もつかなかった。ただ、ここで幸せを望むしかなかったんだと思う。

周ちゃんと電話でこれからの色々を決めた。子供はわからないけど、とりあえずブライダルチェックを受ける予約をした。今、私達に共通して言える事は、とにかく新しいそれが楽しい。その先の事はたぶん殆ど考えてない。不妊治療の助成金を調べる事だって楽しい。それに、不妊治療だと申請するだけでブライダルチェック がタダで受けられるのだと言う。世の中知らない事がまだまだ沢山ある。結婚の色々、アメリカでは当たり前のように行われてるプリマリタルカウンセリングについてもお互いに本を読んで勉強して感想会なんてしてる。これは大学院の時によくゼミでやったんだよねって、周ちゃんが楽しそうに話してた。司会進行は周ちゃんで本の時系列に沿って、個人的な意見と一般的な意見を一緒に考えてみる。こんな体験は初めて。元夫の時は結婚をする時にお金の事も、未来の事も、子供の事も、何も話さなかった。何となく同棲をしている時から色々が決まっていって、気づいたら私がひとりで全てをやってた。きっと彼はつまらなかったろう。私がどんどんひとりで色々をやってしまう事が不甲斐なかっただろう。いつも私に甘えてばかりいるのはそんな理由だったのかもしれない。私が一つでも不安を投げ出したら拾ってくれたのかな。今となってはもうわからない。

2回目の結婚。知ってることも沢山あるけど、初めてのことも沢山ある。その初めては、とにかく楽しいって感じていること。こないだ皆んなでキムチを漬けたのだけどそういう楽しさに似てる。同じ場所で一緒に作ってる感じ。

おでんカレー

カレー 07.1,2022

ライターの古川さんが俳優さんと話しているのを遠くで聞きながらぼんやりと思った。結婚の形はどっちでもいいや。私が温かい場所を望む限り私はいつだって幸せでいられる。今夜、周ちゃんに伝えよう。周ちゃんの好きな方でいいよって。

昨日の朝、結婚の話になって、私の今の気持ちとして法的な結婚を望みたいと伝えた。法的結婚に縛られて苦しんだ過去がある、戸籍には入ったり抜けたりした足跡もきちんとついてる。結婚っていうものが嫌いになった。事実婚を考えたい。言い出したのは私からだった。だけど、何だか考えれば考えるほどに私のそれは周ちゃんに失礼な気がしてきた。それに、未来を恐れてる限り結婚なんてしない方がいい。結婚したいと思ったのなら、私は堂々とまた誰かの場所に籍を入れたらいい。だって、結婚すると決めたのだから。

俳優さんが「あの仕事が色々なところでいい感じに繋がってるんですよね。」みたいな話をしていて思った。そう、いい感じに繋がっていくんだよなって。たまたまの出会いだとか、たまたま手にした何かだったとしても、その先はみんな選んでる。その人と仕事がしたいと思うのは、たまたまなだけじゃなくて楽しいから。一緒にいるときっと幸せな気分になるからじゃないかな。人ってよく出来てるから。嬉しいとか、楽しいとか、美味しいとか、幸せを見つける感覚がきちんと備わってて、放って置いても上手に幸せになれる。窓からの西陽が綺麗。冬の寒い日だってこうして暖かい場所があるくらいだ。世界は明るい。私が幸せになる為に未来を描く必要はないんだ。ただ、私が温かい居場所にいたいと望めばいい。それだけ。

一昨日に姉聞いたこと。L.Aのレストランで周ちゃんとのディナーで言ったんだそう。「よしみは離婚の仕方も知ってるから、あの子は大丈夫だよ。」そう、私はもう離婚の仕方を知ってる。あんな地獄みたいな離婚があっても、幸せになる方法を知ってる。大丈夫。私は大丈夫。それに、私がわたしの事を幸せにできるのなら、周ちゃんの事だって幸せに出来るはず。私の望みは一つで、それはもう持ってる。だから周ちゃんが選んだ方でいい。それで少しでも周ちゃんの不安が拭えるのなら、そうした方がいい。私は未来がどうなったって大丈夫。

おでん

和食 06.1,2022

母から電話が鳴った。「今日は大雪だから!」天気の事となると何故か口煩い母。今日もアラームの様に連絡が来た。

朝から周ちゃんと長い時間話をした。話しても話しても話足りないくらい。結婚に向けて色々を話したいだけじゃない。少しでも同じ時間の中にいたい。何だか周ちゃんが日本にいるんだと思うだけで、ぐっと距離が縮まる気がした。テレビ電話である現実は変わらないのにな。外はどんどん雪が降り積もっていく。

グリーンカレースパゲッティ

エスニック 06.1,2022

夜中の2時、周ちゃんからLINEが入っていた。無事到着して両国のホテルへ入ったとの事。フライトは無事飛んだけど大分遅れての到着だった。ここで6日間の隔離。それにしたって、何回PCRを受けるんだろう。街中を歩いている人の方がよっぽど感染してるよ。国を移る毎にPCRを受けて、帰国後もPCRを何度もやる。もはや周ちゃんはPCRのプロだ。

姉からも何度かLINEが入ってた。「着いた?」フライトが突然キャンセルになる事もあるみたいで凄く心配してた。周ちゃんの兄ちゃんはNYへ帰るのに、愛犬のユキちゃんが飛行機で吠えまくって乗れなくなるという大惨事が起きた。笑ってたけど、ちょっと面白いけど、兄ちゃん家族は悲惨だっただろう。可愛くて真っ白でモフモフのつぶらな瞳をしたユキちゃん。旅疲れでブチ切れちゃったのかな。