
富山の氷見で買ってきた最後のイチジク。本当に美味しかった。

富山の氷見で買ってきた最後のイチジク。本当に美味しかった。

今日は恒例の何もしない日曜日。何も考えちゃいけない、作業もだめ。ただ、心地よい事だとか、ワクワクする事をする日。早い昼にトムヤムラーメンを作った。こないだ実家に帰った時に母が持たせてくれたもの。多分、最近母がハマってるんだろう。トマトの塩麹和えと茄子の薄切りを入れて、最後にカボスを絞ってベジラーメンにした。今日の夕飯は後藤さんと。後藤さんの新居へ遊びにいく約束をしてる。午後を過ぎる頃に近所の器屋さんへ向かった。先日の夕飯のお礼にイチジクを渡して、お祝いにあげるお皿を一枚買った。深い茶色がとても綺麗なお皿。器屋さんのご夫婦は今日も笑顔。こんなに仲良くいられるのなら、二人家族っていう選択もいいな。
新宿から総武線に乗った筈が気づいたら恵比寿。あー、逆走しちゃったんだ。ぼんやりしすぎてたな。けど、まぁいいか。時間より少し遅刻しちゃうのは申し訳ないけど、こういう感じはきっといい。だって今日は頑張らない日だから。
家のドアを開けると、マンションの一室にあるようなプレスルームだった。「これ、プレスじゃないですか!」私の声にニンマリと笑う後藤さん。洋服や靴が綺麗に色や形別に並んでる。調光はややアンダーで、まるでお洒落なレストランみたい。けど、ここはレストランでもプレスでもなくって、家。
一年前の夏、元夫の為に足を運んでいた心療内科で先生に言われた。「菊地さん、助けを求めていない人を助けようとすると、あなたが溺れますよ。」先生が言った言葉が現実になったのは、それから一ヶ月後くらい。私はずぶずぶと底なし沼にひとり溺れて行った。「よしみ、大丈夫?いつでも行くよ。」後藤さんがあの時に何かを感じてたのかどうかはわからないけれど、直ぐに池尻の家へ来てくれた。そして、ガランとした部屋でご飯を食べてお酒を飲んだ。「考えたって仕方ないんだから。」笑い飛ばす後藤さんの笑顔がすごく温かった事はよく覚えてる。だけど、あの時に何を話したのかよく覚えてない。あの頃の私の話はきっと支離滅裂だったと思う。たったの数ヶ月で別人になってしまった夫がゴミを捨てるように家族を捨てた。新婚旅行へ行ったのも数ヶ月前だし、暴れることがわかってるから、もうお酒はやめると誓ったのも、私達の老後の為にと貯金を始めたのも数ヶ月前のこと。酒乱も乗り越えて、結婚して3年目でようやく私達はここからスタートだと思って安心して湯に浸かった矢先の事だった。だから、あの男にちゃぶ台をひっくり返されて、あちこちに散らばった皿や料理も、私にかかった熱々の何かも、痛くても怖くても、悲鳴なんてあげる暇もなくただ座って見る事しか出来なくて、今ならわかる事も当時はたったの一つもわからなかった。だから、私は心療内科の先生の言葉の通り、夫を信じれば信じる程にすんなりと堕ちていった。
後藤さんも昨年末に離婚した。私より別居が長くて、離婚に少し時間がかかってるみたいだった。大変な問題だったと思う。新しい家を買って、リノベーションを終えて、心機一転、この夏から新生活が始まった。「私さ、最近ね、イヤホンつけて歩いてる時ににやけてたり、鼻歌歌ったりしてるの。」昨年、後藤さんはあまり自分の離婚については深く話さなかった。あの時、実はどんな想いだったとか、あんな事があったとか、今夜は色々な話をしてた。そして、離婚して本当に今が幸せで楽しいって。悲しかった日の事も、今の毎日の事も、満面の笑みで話す様子に私まで笑っちゃうくらいにいい笑顔だった。それに、結婚していた時よりも仕事が楽しいって。後藤さんから仕事の話を聞いたのは初めてかもしれない。面白い話を沢山してくれた。
嬉しくて嬉しくて堪らない夜。帰りは半蔵門線で三茶までの数十分ぼーっとした。嬉しさが一杯で駅が来ても駅が過ぎてもぼーっとしてた。家に帰ってからもしばらく嬉しくって、私は鼻歌を歌わないけど、いつもの様にご機嫌でテコとお喋りしながら、ベッドに飛び込んだ。
私がさくらの様にお勧めしてるコアラマットレス。後藤さんの新居にもダブルのコアラマットレスがどーんと置いてあった。「とにかく騙されたと思ってコアラのダブルでお願いします!」と、私の声を信じた友人達は続々とコアラをお家へ招いてる。「よしみが言ってたベッド、これにしてから私直ぐにに寝ちゃうんだよ〜。」後藤さんが笑顔で言った。苦しかった夜も、悲しくて潰されそうな夜も、普通の夜も、今夜の様に嬉しくって堪らない夜も、コアラはどーんと優しく私を受け止めてくれる最高のベッドだもの。そりゃ最高ですよ。
目が覚めたのは朝の4時、ベッドサイドで煌々と光るスタンドライトを消してまた寝た。何だか可笑しな夢を見てたみたい。ニヤニヤしながらまた眠りについた。私のコアラに包まれて。

久しぶりに普通の朝を過ごした。寝起きでぼんやりしたままテコとベッドで遊んで、瞑想をして、ヨガをして、白湯を飲んで、英語日記を書いて、添削してくれる外人の子に “Thank you.”ってメッセージを送る。テコにご飯をあげて、私の朝食の準備をする。今日は雨が降ってるからベランダの徘徊はなし。天気がいい朝はベランダを徘徊して、歯磨きをしながら、ベンチに座ってぼーっとする。ただ、ぼーっと歯を磨くだけの朝の時間。
もう9月だなんて信じられない。何だか先月からクラゲみたいな感じ。スルスルとしていて、透明。中身は臓器とか血とか重要なものしかない感じ。空いてる場所はただただ透明で透けてるという場所。そんなクラゲ状態の私が富山へ行ってさらにスケルトンになった。
一昨日、テコを引き取りに実家へ戻った時、不安から解放される場所っていう感覚が、逆に過去の色々を引き戻すようで少しそわそわした。幾つかの恐ろしい日の何かがざわざわと心に蘇っていく。ああ、あの日の夫からの電話は怖くて堪らなかったな。言葉が出なくて、「うん。」としか言えなくて、あの電話を出たのはリビングのドアの前で夏なのに身体の中を冷たい何かが走っていったなとか。全身が憶えてる詳細な記憶が鮮明に再来。だけど、数時間前には別の感覚を思い出してた。病じゃない夫との普通の生活の事。私達が普通の夫婦だった記憶。ありふれたどこにでもある様な普通の日常を夫と妻として過ごしていた日の事。駅前で待ち合わせて夕飯を食べて帰るとか、休みの日に買い物へ行くとか、近所にコーヒーを飲みに行くとか、電気屋で家電を選ぶとか、帰ったら「おかえり」って言い、朝に家を出るときは「行ってらっしゃい」って言うとか。もう私の頭は混乱しないで、端まで綺麗に整理がついてる。だから、前の様に苦しんだりはしないけれど、夫の中に何人もの誰かがいた様に、私の中にも複数の私がはっきりとした形で存在する様になった気がしてる。そして、それはあの男とは違って、綺麗にコントロールできる。だから、もう病や音楽の所為にして悪事を働く男を助ける様な女にはならない。その代わりなのか、私はスケルトンになってるように思う。東京の我が家へ帰っても思った。私、透け透けじゃんって。
明日は後藤さん家に行くから晩酌はお休み。数ヶ月かけて作ったという新居、楽しみだな。ああ、あれもこれもと、朝からスローペースで色々を片付けてあっという間に昼。納品物の色見本用のプリントをポストへ出しに行って、そのまま皮膚科へ。帰宅したら夜。あーあ、もう夜か。今日は皮膚科のお姉さんご機嫌だったな。
透け透けの私だってご機嫌だ。明日の晩酌を待望しながら夕飯をご機嫌で作る。もし、一昨日の様に暗黒時代の事を思い出しても、それは暗黒時代っていうタイトルの一つのストーリーだから、私の本棚に仕舞えばいいだけ。今の私は透け透けだから、私の中には置けない。

数日ぶりの東京の我が家。昨晩富山から千葉へ戻って、始発で東京へ。身体が鉛の様に重い。冷蔵庫は空っぽ。母が持たせてくれたおにぎりと、少しの野菜で味噌汁を作って、ぬか床に入ってた胡瓜と茄子を切って朝ご飯を作った。お味噌汁がじんわりと身体に沁みる。そういえば、昨日の朝食、HOSEHOLDさんで出たアラのお味噌汁も美味しかったな。富山の魚は生臭さがない。まるでお吸い物みたいに優しい味で驚いた。
たったの数日の話だけど、富山県氷見で体験した事、料理家のフミエさんとの時間、HOSEHOLD夫妻のささやんさんと奈津美さんとの時間がぎゅうぎゅうに詰まってる。荷ほどきするには少し時間がかかりそう。全身で感じた初めましての新鮮な出来事もそうだけど、皆での食卓で見つけたものがスーッと身体に落ちてく。

バタバタと仕事を終わらせたのが18時。そこからいつもの有酸素運動をして、身体を晩酌に備える。お風呂に入って、髪の毛もビチャビチャのままで冷蔵庫へ直行。一気に酎ハイを飲み干した。ああ、最高。春巻きを揚げて、ビールをあける。コロナの番組を見ながらのんびり食事して、今日も終わり。あとはベッドに潜ってダラダラと本を読む。パーフェクトだ。
とにもかくにも、1日の終わりにする晩酌って本当に最高。晩酌ありがとう。晩酌愛してる。

夜中の3時、寝苦しさに目を覚ますと発熱してた。解熱剤を飲んでしばらくするとだんだん頭もスッキリしてきて、溜めてた仕事やメールを一気に終わらせた。時間はあっと言う間に7時過ぎ。朝食どうしよう。いつものバナナ豆乳甘酒ジュースを作って飲みながら考える。うーん、タンパク質。卵サンドにしよう。お茶を啜りながら、パリのマユミちゃんに手紙を書いた。それから姉に一応と思ってメールを入れた。「ワクチン二回目打ったから、元気なら明日の朝にまたメールするね。」昨日のニュースで健康な30代と40代の男性が2回目のワクチンを打って急死したニュースを見てしまい思った。もし私が朝になって死んでいたら、テコは日に日に腐敗していく私の体の横でいつもみたいにちょこんとくっついて、私が目覚めるのをずっとずっと空腹で待つんだろう。そんなのは絶対に嫌だ。餓死だけはさせたくない。
そこから昼にかけて熱がまた上がって、鎮痛剤を飲んで下がってを繰り返す。基本的にはずっと寒くて、ずっと節々が痛い。熱は38度前後を行ったり来たり。水分を沢山とるけど、トイレに行く回数が増えて怠い。昨日の夕方から食事以外はずっとベッドだ。とにかく暇。読みかけの本を読むけど、哲学者のカントの話を例題にする難しい章で全く頭に入ってこない。だってカントの事知らないもんなぁ。これって、こんなに頭に入ってこない本を読む意味ある?いや、無い。この章やめた。一気に50頁くらい飛ぶ事にした。
本を閉じて、ベッドで寒いだの、暑いだのをうだうだと繰り返しているうちに眠っていた。携帯を開くと午後の3時。LINEが数件入っている。写真家の広瀬さんと、昔に仕事でお世話になった大阪の春名さん。広瀬さんはいつものように「生きてるか?」って一言。春名さんからは体調を気遣ってのメールだった。昨日二回目のワクチンの話をしたことを覚えていてくれたみたい。熱が上がったり下がったりしてる事を報告して、また寝た。一日中、テコが私の側から離れない。いつもとは違う私の身体の様子を敏感に感じてるみたい。とりあえず、私は心配していますよ。っていう目で私と一緒に寝てる。けなげな様子が余りに愛おしくて、「苦しいよー死ぬー!」って泣いたフリをしてみれば、救急隊が駆け寄ってくるみたいに、直ちに顔を舐めにやって来る。なんて優しい子なんだろう。たっぷりと愛情をかけて育てた私の事まで愛おしくなってしまう。それにしても、先輩や友人も、朝から心配してくれる姉も、ただの2回目のワクチンなのに、なんてみんな優しんだろう。心がむず痒いくらいに嬉しい。
暇なベッド生活も24hを過ぎようとする頃、熱は38度を超えてるけれど急に入浴欲が湧いてきた。シャワーを浴びたい。浴びてしまおう。何だかんだと退屈な時間もあったけれど、ぼーっとしてみたり、身体をゴロゴロさせてみたりの繰り返しもそう悪く無い気がした。何だかよくわからないけれど、頭も心もスッキリしてる。ベッドでただただ止まっていた時間はまるで長い瞑想をしてる様だった。シャワーを浴びて爽快な気分で夕飯を食べ、また解熱剤を飲んで寝た。ワクチンは賛否両論あるけれど、守るものが無い私は遠いい未来の為じゃなくて、明日の私の周りや、東京や、日本の感染者の病状の悪化や医療の逼迫の為に打つことを決めた。特に深く考えてない。深く考えようが無いもの。
発熱は面倒だけど、何だかいい一日だった。

今日は料理の撮影。予定が入った時からずっとずっと楽しみだった。憧れの料理家の先生。朝、家を出る前に先生の本を読んだ。この本、いい本だよなぁ。しみじみ。あ、先生のマスタードにはナンプラーが入ってる。今夜帰ったら、うちのマスタードにもナンプラーを入れてみよう
駅で待ち合わせをしたライターさんとタクシーに乗った。「ご自宅の料理を撮ってる感じ、よしみさんっぽい感じでって野村さんが言ってました。」編集の野村さんは体調不良で現場はお休み。すごく嬉しかった。嬉しい言葉だった。今日は二品の撮影。途中で先生を撮ったり、料理過程を撮ったり。憧れの料理家の先生の料理はやっぱりとても素敵だった。スタイリストさんのスタイリングも可愛かった。
私は期待に応えようとする癖がある。仕事にとって必要な事だけど、その比重が下手くそになる事が多い。頑張ろうと力むと、自分をがっちりと折りたたみ、それを踏み台にしてより高い場所へ登ろうとしてしまう。だけど、もうそういうのはやめる事にした。それに、私の行き先も変わったから。それよりも、私らしい写真を撮ろう。もし、それで仕事が来なくなったらそれはそれ。それが世の流れって事。最近、撮影に出る前にいつも自分に言い聞かせてる。そして今朝も。だから、タクシーの中での言葉が私の背中を押してくれた様に思った。
「俺を自由にさせろや。」何十回、何百回と夫だった男が家で喚く声を聞いた。あの時、私はその光景に慣れきって、またかと呆然と見てたけれど、男を不自由にしていたのはいつも男自身だった。何も期待もしなければ、何も言わない私に向かって怒り狂っていた。
ああ、今日はとっても楽しかった。明日はワクチン2回目。もし高熱で倒れてもいい様に、沢山作り置きを作った。
撮影現場に着いたら生理が来た。今回の生理は音も無くやってきた。ノーPMS。それともこれは嘘生理??湖くらい私の心は静かだ。帰りに少しだけお腹が重い様な感じになったけれど、心身共にフラット。
今日は編集は瞳ちゃんで、ヘアメイクは近所のみっちゃん。帰りは渋谷駅から家の側の交差点までみっちゃんとタクシーで帰った。気持ちがいい撮影だったな。いっぱい笑っていっぱい撮った。帰りに食べたミスドも美味しかった。山に囲まれた場所での撮影、陽に焼けたくないと日焼け止めを塗ったくって、緑を通り抜ける風がとても気持ちよくて、はしゃいで撮った。
最近は撮影は毎日やらない様にしてる。一日働いたら、一日休む。そうするとすっごく調子がいいから。昔みたいに、週5、6日と朝から何本も撮影して、いつしかお金が沢山入るゲームみたいにな感覚になってしまう私よりも、一つ一つに感想文を書けるくらいの出来事にしたいって思ってる。だから、人に何て言われようが、見られようが、私はお仕事ゴリゴリのフォトグラファーにならないでいい。だから、もうそんなに働かない。
けど、明日に限っては例外。今日撮影だけど、明日も撮影を入れた。いつかご一緒してみたいと思ってた料理家の先生の撮影。すごく楽しみ。そしてちょっとドキドキしてる。だけど、私が緊張すると何もいい事が無いから、忘れて寝る事にしよう。

昨日買ったやちむんで丼にした。

昨晩に面白いなぁと思いながら寝た。朝起きてもやっぱり面白いなぁって思った。企画でやってるマッチング。とある男が「お姉さんは、寂しそう。」と、話の途中に送ってきた。私はその時に鼻歌を歌いながら、ご機嫌で風呂に浸かろうとしていた時だった。彼の名前はひつみ。それは本名かと尋ねると、「秘密なの。」と返答。33歳。幡ヶ谷在住。映像制作。自分の性格を自然体と言っていたけれど、名前を隠すような行動は自然じゃ無いから「不自然だね。」と返信した。
人って面白い。離婚っていう情報を元に寂しそうな女を見つけて、寂しいねを共有したそうなひつみと名乗る男。人は人である以上、脳の中に二人の人間を移植するなんて倫理に反した事をしない限り、一生誰かの気持ちを真に理解することが出来ない。だから付き合ったり、結婚したりと、くっつく契約をするのかもしれないけど、バツイチでシングルライフ真っ只中の私は今、とっても楽しい。それに、過去に起きた離婚のトラウマと私の現実世界のそれは別次元で、別問題だ。これから来る明日にだって寂しさは今の所想像出来ない。あるのは過去にだけ。
少し前に、姉がいつもの様に「私は必ず幸せになる。お金持ちになるように毎朝アファメーションしてる。」と、スピリチュアルな話をしていた時、「姉がハッピーでいてくれることが私は一番だけど、私はそうゆうのは。」って言うと、姉は少し拗ねて「よしみは直ぐに科学的な証拠みたいなものを言うよね。」って私を馬鹿にした。宇宙人も神様も占いも何かも、人の創造する物が実際に手に捉えられない形で存在してもいいと思ってるけれど、そういった類の思考で生きようとは思わない。時々食べるケーキくらいの嗜好品でいい。サンタクロースぐらいの夢でもいい。それより、ある日に不自然な男が「あなたは寂しそうだ。」と声をかけてくる現実を覗く方がよっぽど世界へ近づけた気がする。
目の前にある出来事が自分の目を通して見ている事を忘れると世界は簡単に歪んでいく。ひつみっていう不自然な男の様に。だけど、それさえ忘れなければ、どこまでも穏やかだ。結婚生活が幸せだと信じ切っていた頃の私に離婚した友人らが「よしみちゃん。離婚して寂しいとか無いよ。とても今が楽しいよ。」と言う言葉に、彼女達の虚勢を感じてるようで一人勝手に虚しい気持ちになった。だけど、私も彼女達と同じ場所から世界を見て初めてわかった。虚しいのは夫がいても感じてしまう寂しい私の心そのものだった。世界が優しくなるのは世界を寂しくしているのは私。寂しさが住み着くのは状況じゃ無い。その人の中に在る。
夜、撮影が終わって、そのまま撮影先のお宅で食事をご馳走となった。食卓って本当にいい。二人家族の夫婦の暮らしは生活を楽しんでいる感じが部屋中の至るところにあって、壁でも棚でも二人で何年も紡いできた人生が編み込まれたような家だった。やっぱり人が人と暮らすって事が私はとても好きだなぁって。帰宅したのは23時前。ワインを飲んだり、じゃばら酒を呑んだり、初めてお会いした夫婦とのお喋りは尽きなかった。人は人が好きな生き物。私とあなたはどんなに近づいてもわからないものだから、人を大切にしようと試みたい。家族は助け合うものだと信じてきたけれど、勿論そうだとも思うけれど、それだけじゃ無い。大切にする物だよなぁって全身でじんわりと感じた。人っていい生き物。

昨日、藤原さんに貰ったSMLのXO醬。昨日はワインを飲みながら余りの美味しさに舐め続けてしまった。どれだけ塩分取ったんだろう。水餃子にしたら美味しそうだね!って話をしてて、早速ワンタンを作ってみる事にした。

朝から色々と作業や仕事。すっかり週末まで溜め込んでしまった。けど、結構いいと思ってる。これもカウンセリングのお陰であり、しっかりと効果が出ているって事。私が私をコントロールし過ぎてしまう事を制御するっていう取り組み。15時を過ぎる頃には色々が終わった。あー疲れた。夕方に藤原さんが来るからワインを買いに行こう。
藤原さんはグラフィックデザイナー。埼玉の安置所に石井ちゃんにお別れを言いに行った時に出会って仲良くなった。今年の春の話。それから、こないだは一緒に仕事をして、最近は私の新しい仕事の相談もしてる。歳も近いし、優しくて賢いところが好き。そして、仕事への姿勢が好き。今日は色々な話をしたけど、中でも仏教の話で盛り上がった。私はめっきり脳と心に夢中な日々を送ってるけれど、マインドフルネスと仏教はとても近い場所にある。私の興味も藤原さん興味も全開だった。あっという間に開けたワインの代わりにホット麦茶を啜りながら、しばらく仏教の話は続いた。
それから、共通の知人。村上美術のゆうや君の話しになって、彼が天才だって話でまた盛りあがった。友人を褒め称えるって楽しい。今頃、何も知らないゆうや君はただただ日曜日の夜を家族で過ごしているんだろう。
楽しい夜だったな。今夜の月は明るい。満月なのかな。すごく綺麗だった。

今日は久しぶりに外食。近所でシミルさんとランチをした。そして、お茶をして帰宅。色々な話を永遠にダラダラと話してた。何かの話で、「背が低い男性は怒りっぽい人が多い傾向にあるらしいよ。小型犬もそうでしょ。」ってシミルさんが言った。私が昨日考えていた事と同じような話だ。動物倫理学の話と神戸の事件、そして元夫の動物虐待の事を簡単に話した。シミルさんとは何でも気兼ねなく話せる。
今読み進めながら勉強してるコンパッションの本、今日はセルフコンパッション式の日記を書くというエクササイズだった。セルフコンパッション式というのは、3つの要点がある。1つにマインドフルネス。これは瞑想と同じ、「今、ここ」に意識して書く。2つ目に自分の問題と世界の共通点を記す事。これは問題が誰しもに起こりうる事だと視野を広げ共通認識、問題の解放を意味してるんだと思う。3つ目は、慈悲。客観的に自分を慰める言葉を丁寧な言葉で書く。
今日から一週間のエクササイズ。再来週にはきっと何か新しい事を感じてる筈。カウンセリングのエクササイズもそうだけど、脳のトレーニングは身体のトレーニングと全く同じ。毎日の積み重ねで確実に体力がついていく。
シミルさんとも話してたけれど、「新しい事がしたい。」よねって。土とか風の時代っていう表現はそんなに好きでは無いけれど、今までは根をしっかりと張りぐっと食いしばってとにかく守る事で必死だったのに、今はどれだけ力を抜いて、手放せなかったものをどれだけ捨てられるか、例えば、「写真の仕事は大好きだけれど、他にもやりたい事があって。」そんなことも、お茶をしながら話せるくらいに、軽い世界になった。
今日やっと動物倫理学の本を読み終えた。意気揚々と読み始めて、途中、少し涙を流したりしながら進んだものの、宗教と動物っていうテーマの所に数日時間がかかって、今日こそ無理だと決めた。そして、さっとワープ。気持ちよく着地出来る所を見つけて読み始め、読み終えた。宗教の所はキリスト教と仏教に照らし合わせて解釈を行なっていく所だけど、キリスト教も仏教もさほど理解が無いからちんぷんかんぷんだったんだと思う。だから、そもそも読まなくて良かった。
最後の方でおかしな事が書いてあった。「動物に優しい人は人にも優しい。その逆も然りで、人に優しい人は動物にも優しい。」散々、何百頁に渡って真面目な話をしてきた所で最後にこんな言葉を見て拍子抜けした。そこに極端な事例として、神戸連続児童殺傷事件の容疑者が動物虐待していた事が記されていた。けど、。幾つか私の知ってる経験を思い返したらその通りかも。私の知っている男がよくテコにしていた事は間違いなく虐待だった。テコが吠えると大声で「煩い!」と叫び、思いっきりに床に踵を落としてガタンともの凄い音を立ててテコを怖がらせた。テコはその突然の衝撃に尻尾を股の間に挟んでサッと後ずさりする。お酒が入り暴れた延長で叩いたり吹っ飛ばした事よりもずっと違和感のある光景だった。けれどいつしか日常にそれは溶けていった。
「ぶっ殺すぞ。」男の大声と共に思いっきりに放たれた拳は私の顔の直前でピタリと止まる事を私は覚えた。頭を叩かれることがあっても、首を締められる事はあっても、顔は絶対に殴らない。彼がそうするには理由があった。テコと同じ。「どうしてお酒をまた呑んだの?」「どうして嘘をつくの?」と、私が彼に吠えたから。動物でも人間でも、自分を守る為に相手を黙らせる術として強烈な方法で威嚇する。これが彼の理由と行動。そして、それは8年間、家の中だけ。私とテコにしかやらなかった。身体よりも胸が痛い事の方がずっと多い日々が続くと、いつしかその痛みは痣が出来るよりずっと早くに消えた。
「彼と私が一緒にいなくなったら、彼は大変になるね。」と言った人がいたけど、現実は違う。彼はそんなに馬鹿じゃない。それに、あの病はそんなにシンプルでもない。もし咎められる日が来るとしたら、お金の事とか、彼の苦手とする所なんじゃないかなって思う。彼が心を許した人だけが知れる彼の本心は絶対に世界には見せない。
神戸の事件の詳細をどうしてか無性に知りたくなってネットで調べた。こういう気持ちって何て表現したらいいんだろう。全くわからないけれど、私が見てきた異様な光景と少しだけ近い場所にある気がした。
脳科学者の人の話で、自分は気づいているのに、あの人は気づかなくて、不快な思いをする事ってありますよね?動物に例えるなら紫外線。人間は見えないんですよね。けど、蝶は見えるんです。脳の感覚機能は現実に起こってる事を全て見せてくれているわけじゃないんです。ほんの一部に過ぎないんですよって話だった。前と今は同じ世界なのに、気づけば真っ白で美しかった筈の壁がポロポロとペンキが剥がれ落ちてくるみたいに、何かがどんどんと見えてくる。それは彼の事だけじゃなくて、色々。そして、その先を見たいっていう欲求も少しずつ膨らんでいく。

あそこのラーメン屋さん行ったな。あそこの、。だけど、誰と行ったんだろう。あ、。けど、本当にそうかな。隣にいた誰かが全く思い出せない。そんな事がここ数日続いた。今日も。けど、どう考えても元夫しかいない。私の記憶が彼を透明に塗り潰している感じがした。存在は感じてるのに見えない。
私が私の記憶を消そうとしてるみたい。多分、ここ数日また夢に出てきてるからかな。とにかく、一刻も早くこの世から消えて欲しい。恐怖だけじゃなくて、それ以外の全て8年間の全て要らない。何一つとして彼に関わることは要らない。本当に要らない。今日も病院で間違えて記載しそうになった。未だに過去のアイデンティティ、彼の苗字になった私や、私達の新しい戸籍となった住所の記憶が、当たり前のように現れる。綺麗にコーティングされたチョコレートから溶けたバニラが出てくるみたいに堂々と。
母が「ゴーヤを天ぷらにして。」って、何度も電話してくるから強制的に今夜はゴーヤの天ぷらとなった。なるほどねって唸りながら食べる。今日も安心で安全で平和な1日だった。それに、乳がん検診も子宮内エコーも検査結果は良好。最近、生理の周期が遅れてたし、胸の脇の鈍痛が気になってた。まさかって。先生に昨年6kg急激に痩せて生理が止まった事、それから大きなストレスがかかった事も話すと「それですね。胸も子宮も今日みた限りだと大丈夫ですよ。」って。不安っていうのは、一瞬にしておさらば出来る。
今日は料理家さんのアトリエで撮影だった。長時間の撮影は久しぶり。何度もお邪魔してるこのアトリエも、先生もとても大好き。1日中雨が降っていた暗い部屋の中で、キッチンだけが煌々と光ってる。先生やアシスタントさんが機敏に動く様をスポットライトがずっと照らしてる。いつも思う。何度も見たこの光景、本当に好き。すごく綺麗。
帰り道、お腹は平和だったけれど、全力でクタクタだった。機材がずしりと重い。だけど、何故だか気分がいい。不思議な感覚だな。前の私なら夜までかかる撮影がストレスだった。ソワソワと落ち着きがなくなって、時には苛々したりして、押し迫る時間に全身が圧迫された。帰宅後の家事が痺れを切らしてる事も分かっていたし、鳴り止まない電話があったならば、撮影が終わると共に飛んで帰った。だけど、それが今日は無い。心は朝と同じくらいピンピンしてるし、撮影も最後の時まで、ただただ楽しかった。編集さんとの帰り道、このままお喋り続けたいなって思ったくらい。何だろうこの感覚。
夕飯は残り物のおかずを食べた。写真は撮るのを忘れた。お風呂で汗を流して、ビールを呑んで、ご機嫌でベッドに潜る。テコがベッドの上で楽しそうに飛び跳ねてる。明日は寝坊しよう!この感覚、最高。

昨晩リリさんが泊まって、朝ごはん食べながら色々とお喋りした。リリさんは今、心理学の講座を受けてるのだそう。理由は学びたいから。そんな話から、社会の事とか、日常の中のおかしな事とか、人がどう世界と付き合っているのか、そんな話をした。
お互いに人生で何かを体験して、多分そういう事が今に繋がってる。突然に降ってきたように心理学を学びたくなったわけじゃなくて、自分が見た光景が一体何だったのか知りたい。そんな小さなきっかけからの衝動。私も、本やカウンセリングだけじゃなくて、もう少し入り組んで勉強してみたいと思う。だけど、今、色々が同時に進んでる中で学ぶ時間があるのかなって考えると、色々が終わってからでもいいんじゃないかって思ったり。

午前11時。今日も30分のカウンセリング。外はずっと雨が降ってる。涼しくて気持ちがいい日。始まって直ぐにカウンセラーさんが言った。
「前のような無力感、後悔、悔しい感情、前回が10として、今はどれくらいに感じますか?」
質問を聞いて少し驚いた。前回のカウンセリングから2週間。たったの2週間で私の感情が大きく変わっていた。2週間前に苦しんでいた何かが今は無い。
「今は違う感覚です。そういう表現では無いかもしれません。」
アドバイスと共に心理学の本でコンパッションを学ぶようになった事も大きくあった。その事も伝えると、カウンセラーさんはとても驚き、喜んでいた。
「今の事を例えるなら、水の深さがわかったら怖くなくなった。そんな感じです。」
今でも十分に哀しみは全身に浸透してる。皮膚の全てに張り付いてるみたいに、もうここからは居なくならないんだろうなぁとも思う。だけど、水の深さがわかったら泳ぐのが怖くなくなった。足元に広がる見えなかった不安や恐怖がなくなると、例え皮膚に纏わりつく哀しみがあったとしても、この身体は十分に健康であり、私は思いっきりに腕を伸ばして泳げる事がわかった。「なんだ、私、すいすいと泳げるじゃん。」その、すいすいが、伸ばした腕に当たる水が、私がどうゆう形だったのかを気づかせてくれる。内側から破壊された色々があっても、クッキーの型取りみたいにポンって。そうこうしているうちに、毎日が温かい何かで満ちていた。
思い出のあるジュエリーを全て処分したら、私からはアクセサリーが殆ど消えた。大好きだったゴールドのジュエリー。思い出が沢山詰まった大切なジュエリー。本当はゴールドが好きだけど、この1年で何となく買ったシルバーのジュエリーが幾つかあった。先日に母からゴールドのネックレスが送られてきた。ペンダントヘッドには、母が昔から大事にしていた向日葵の絵柄のコインをあげるからと連絡が来た。洗面所で歯を磨く度に、クローゼットの前で洋服を着替える度に、鏡の中の私の首にかかったゴールドのネックレスが見える。失った何かがまた戻ってきたみたいに感じる。それは元夫ではなく、私自身の何か。
あの男は、悪い人だから返って来なくていい。私の中の気持ちが少しずつ輪郭をなしてきた。「返って来て。」叶うことの無い願いはいつしか消えていった。
夜の19時、編集の成田さんと、リリさんがやってきた。今日はリリさんの就職祝いを兼ねたご飯会。成田さんはお花を、私はスパークリングを準備。ご飯も色々と準備した。
他愛もない話から、真面目な話や恋の話、今日も沢山話した。二人との会話は尽きないし、心地がいい。安心してずっと一緒にいたくなる。12時を過ぎた頃、リリさんが発作を起こした様に泣き出して、あっという間に終電も終わった。何か言おうかなと思ったけれど、やめた。泣きたい時はいっぱい泣いた方がいい。そこにはきっと答えなんてものは無くて、哀しいから泣いてるだけ。それで十分だと思う。ああ、今夜も楽しくて飲みすぎた。肌寒い夜。とても気持ちがいい夜。

夕方、マンションの宅配ボックスを開けると小さな小包が入ってた。中にはお米、塩、だし、そして一通の透明の綺麗な封筒の手紙。送り主はりょーこちゃん。直ぐに御礼のメッセージすると、返信があった。生暖かくて心地よい風がオレンジ色のカーテンをなびかせてる。夏の夕方って好きだな。たまたま流れてたスローテンポな曲も気持ちがいい。なんだか目頭が熱くなる。りょーこちゃんに会いたいな。
明日の朝は絶対にご飯と味噌汁にしよう。

今日は作業の合間にずっと電話をしてた。仕事の事で瞳ちゃんから電話があって、そのまま普通に長電話して、直ぐに母から電話。午後は何時間電話してたんだろう。気づいたら夕方。頭がくらくらした。
母がマスクと庭の野菜とパンを送るって話から昨日見たテレビの売れないミュージュシャンの話になって、本当に絵に描いたような駄目な夫だったけれど、私の元夫よりはずっとずっと大丈夫な人間だったけど、あの人に似てるし、それに奥さんが才能に惚れ込んでる所もよしみに似てるってひつこいから、初めて本当の事を言った。
「今だから言うけど、私は夫だから家族に悪口を言わなかっただけで、彼の音楽や才能の話はしてない。ただ、夫は頑張ってると伝えただけ。それに、我慢を選んだのは駄目な人間の所為じゃなくて、私が選んでやった。だから私が悪いんだよ。下らない話、もう止めようよ。」母は未だに私に聞きたい事が沢山あるみたいで、最近になって彼の事を口に出してくる。どうしたって許せないんだろう。姉が私達夫婦の事を知った時、これは家族が知るべき事だからって、私が記してきた数年のアルコールの記録を家族で共有するように言った。母は色々を知ってはいても、私の口から聞きたいんだと思った。
「よく一人であの離婚を終わらせたと思う。」
こないだ急にそんな事を言いだした。母は写真で生計を立てられるようになった時よりも、離婚後、一人の女として、一人の人間として私をリスペクトしてくれるようになった。
父は私を不憫に思って、千葉の家はあげたいとか、一緒に住みたいとか言ってるようだけど、母は好きなように生きなさいと言うようになった。
「携帯がずっと調子悪くて、auに行ったのだけど、今日もすごく親切で感心しちゃって。店を出てからドーナツを買いに行って御礼してきたの。あの人達、タダであんな親切に話を聞いてくれるなんて、本当にすごいよね。」と母。あれは仕事だからタダでは無いって言おうとしたけどやめた。してくれた事が嬉しかったから御礼をした。それは、そうだな。そういう事だよね。
ずっと自分勝手に生きてきたけれど、家族には本当に馬鹿だの幼稚だのって、私が世界のどこかへ旅を出る度に呆れられて、兄に限っては30歳を過ぎて始めた写真の事をとにかく心配されたけれど、もう誰にも我儘を言うつもりはないし、これからはどうしてか、優しく生きたいって思ってる。私もドーナツを配れる女になりたい。

早朝に料理家の中島さんの所で写真を撮って帰宅。朝から動くって気持ちがいい。最近はボンヤリしてる。あーやらなきゃ。とか、あーこれしようとか、あーって思ってるうちに時間が過ぎてる。多分、きっといい感じ。
今日は料理家の先生のアトリエで撮影だった。天気予報の晴れマークは真っ赤に燃えてた。息をするのも苦しいくらいに暑い日。4連載分の撮影を一気に終わらせる。時間よりも3時間も早く撮影は終わった。
今日も先生は調理器具の話を嬉しそうに話してた。料理も料理道具も大好きだって事がいつも溢れてる。私はこの先生の事が本当に大好き。母よりはずっと若いけれど、私よりはずっと年上の女性。この撮影が終わってしまうのが寂しいくらい。家に帰ってからもADのシミルさんと今日も先生素敵だったねってメッセージした。
写真の仕事は楽しい。前は嫌に思う事も時々あったけど、今は嫌な事一つだって無い。現場で会う人も、仕事も、全部が楽しい。今日も本当に楽しかった。ありがとうございました。お疲れさまでした。

バジルのジェノベーゼばっかり食べてる。こないだ八百屋で買ったヘベスを絞って食べたら、中々の美味しさ。この美味しさ、誰かにわけてあげたい。

今日は何もしない日。今週のカウンセリングはやらないで、来週に予約する事にした。それまでに、何もしない日がどう楽しめたのか、カウンセラーさんと話すのが楽しみ。色々とある問題について苦しい時が大半だけど、知らない事を知るきっかけになってるし、本を開いて納得して閉じたら忘れるような事も体感したお陰で熟知してくように思う。
東京のどこかの本屋で見た遠いい国の美しい山。実際に行ったら、高山病は酷いし、乾燥で肌はカサカサで、合わない食べ物にお腹は下すし最悪だった。急性胃腸炎か何かで高熱が出て、水分しか取れない日が続いたある日、不意に窓から見たあの美しい山が当たり前の様に目の前にある。薄い空気の中で見たあの山は東京で写真で見るそれとは全く違かった。多分、私達の想像は頭の中に収まってる程度のもので、現実というのはそんなもんじゃない。美しい事も恐ろしい事も、想像を遥かに超えた場所にあった。別に私は本の中だけで満足な筈だったけれど、自ら飛行機へ乗って僻地へ旅立つ事を選んだのは私自身だ。きっと、あの全ても同じ様な事かもしれないなって思った。とりあえず、生きてる。これがいつもと変わらない答え。
今日も寂しいけど、楽しい。この街に引っ越した話をすると、美味しいワインを売ってるイタリアン食材店の話を友人達から幾度となく聞いた。一人でボトルを買うのもなぁと思ってるうちに数ヶ月。何もしない日は、胸がときめく事をする日でもある。ぷらぷらと近所を散歩して、ワインを一本買って帰った。キンキンに冷えたのを店員さんが出してくれた。蜂蜜風味のワインだそう。ワインもそうだけど、一番にときめいたのはガラス栓。夏っぽくて素敵。ときめき一杯で三時のおやつにワインを飲んだ。

ワクチン、ドキドキしてたけど、ちょっと夕方に頭痛が始まったくらいで大丈夫だった。自分が酷かったからと心配してくれた友人が冷えピタをくれたけど使わずに済んだ。
何だか今日は一日中お腹が空く。こんな日はご飯と味噌汁のスタンダードご飯が気分。マグロをバジルと青唐のジェノベーゼで和えて、錦糸卵と一緒に丼にした。絶対に美味しいやつだ。
マグロをひと口。美味しい〜。口の中一杯に広がるバジルと後からやってくる青唐のピリッとする爽快感をスローモーションで堪能。幸せだな。美味しいって本当に幸せ。それに、作りたてのおかずが並んでるっていうのも最高に幸せ。

一回目のワクチンを打った。
昨日の疲れが案の定しっかりと残ってる。今日は仕事をするのを止めよう。ベッドで、リビングで、家中のあちこちでダラダラと過ごした。昼寝も沢山した。そして、変な夢も沢山見た。ワクチンの帰りにアイスでも買おう。
夜になって急に元気が出てくる。多分、昨日の疲れが取れたんだろう。少しだけメールを返したり、仕事をした。ワクチンの反応は無い。明日からまた写真集の作業に取り掛かろう。7月はずっと怖くて逃げてたけど、もうやろう。私のこの痛みはスタンダードスペックとなってきてる。だからって、悲しい顔をしたり、悲しそうな装いをするのとは違うし、私自身、そんな事は求めてない。持ってるのに求めてないっていうのは可笑しな話だけど、そうなってるのだから仕方ない。ペンギンと一緒だ。羽があるのに飛ばない。だけど、飛ばない理由はそっちの方が都合が良かったからで、もうだって変形しちゃったのものね。

今日はとってもよく働いた。4時半に起床、午後の撮影の準備をして、10時過ぎに新宿での撮影に出かけて、豪徳寺でパッとお昼を食べて、帰宅して自宅で映像の撮影。途中でひとみちゃんが来て、少し映像の手伝いしてもらって、そのまま水餃子の生地を捏ねて、夕方にルイちゃんが来てオカズ作って、ようやく夜。気持ちがいいくらいに、全部やりきった。ご飯を食べながら、それぞれの恋愛の話をした。私に限っては、最近考えてる恋愛観について話した。
今日だって寂しさが途方も無く追いかけてくるけれど、半ば諦めながらも目の前の事を大切にやるしか無い。コロナの感染者だってどんどん増えて、世界が侵食されていくような不安に駆られるけれど、感染してもしなくても、もうどんな事があっても起きても、やるしか無いんだって思う。
朝にリリさんからメール。次の就職先が決まったのだそう。すごく、すごく嬉しい。「また、ご一緒しましょう〜。」って書いてあった。数年前に出会った小さな女の子が、泣きべそかいてたあの子が、着実に前へと進んでる。いつか今が過去になる日が必ず来る。絶対に来る。だから、もう二度と後悔はしたく無い。

なんかすごく疲れてる。だけど、やることも溜まってる。何故か気持ちも滅入ってる。やらなきゃばっかりが焦って、全然作業が上手に進まない。淡々と夜まで色々をやって、とうもろこしを茹でて、一本を丸っとラーメンに入れて、胡椒をたっぷりふって、とうもろこしラーメンの出来上がり。今日は早く寝よう。疲れた。
午前はデスクワークをして、午後は友人の紹介で料理関係のデザイン会社の方に会って写真を見てもらった。夕方は三茶で藤原さんと打ち合わせとお喋り。ゆうや君も誘ったけど来なかった。「多分、あの人、武術行ってるんだろうね。」って、二人して笑った。
仕事の話をちょっと相談して、藤原さんの彼氏の話を聞いた。「彼とどれくらいなの?」「どこで出会ったの?」こないだ私も一緒に仕事をした阿部さんの紹介なんだそう。安倍さんの行きつけの珈琲屋さんの男の子。そんな話って現実にあるのか。何て素敵な話なんだろう。
「私、昔は突撃タイプだったんですけど、彼とは本当、少しずつだったんですよ。」
少しずつ?!どうやって手を繋ぐの?とか、どうやって男女の関係になるの?とか、何でもかんでも子供みたいに疑問を投げかけた。最近、頭の隅で考えてた不安や疑問。もう、恋は出来ないんじゃないかって。夜中に電車に飛び乗って会いに行くとか、戻ってこないメールに一喜一憂するとか、今日が明日が何であろうと好きが一番の恋愛至上主義だった過去の私は胸のトキメキを何よりも最優先にして生きてた。32歳で元夫と出会ったのが最後。あれから長い間、恋はお休みしてると思ってたけど、何だか本当にそうなのかなぁという気持ちもあった。だって、「今から会いに行きたい!」って深夜にメールがあっても、今の私なら断る。だって寝たいもの。それに、朝から晩まで電話やLINEが鳴っても、いちいち喜ばない。そっと通知オフにすると思う。
20代の後半で10年お付き合いした方との家を出てから、パッと恋をして別れてを何度か繰り返して、とても健やかな恋愛体験を謳歌した。長い恋愛も短いそれも、情熱的でとにかく翻弄されてしまうあの体験が私の中では恋の黄金時代かの様に勘違いしてるのは、新しい場所への不安な気もした。いつだって、新しい明日は怖い。中学校に上がる時のドキドキ感と不安感の不安な方だと思う。きっと。
だから、藤原さんの徐々に近づいていったという恋愛。私もちょっとやってみたくなった。確実に完全に、若い頃の私とは見てくれだけじゃなくって、中身もすっかりと変わった。だから、今の私に合った恋愛の仕方があってもおかしく無い。

今日は何もしない日。先日、カウンセラーさんに言われた、頑張ることをしない。ねばならないをやらないっていう事をゲームする日。
朝起きて、とりあえず毎朝の日課の瞑想とヨガをやめてみる。自然が見たい。水筒にハーブ水を作って、バスに乗り等々力渓谷へ向かった。30分くらい。ぼーっとしながら、ただただ揺られて何処かへ連れていかれるって気持ちがいい。朝の9時過ぎ、家族連れだとか、カップルが犬の散歩をしてたり、ちらほらと人がいる。渓谷は涼しくて気持ちがいい。境内があって、そこのベンチで木を見る。大きいなぁ。友達から仕事のLINEが入る、知り合いから北海道の写真が送られてきた。淡々とメールを返す。
渓谷を出て、バス停に戻ろうかなと思ったけど、google mapで少し歩いた所にコーヒー屋さんを見つける。オーツミルクの薄めのデカフェを頼む。あ、持ち帰りにすればよかったかな。いやいや、ぼんやりしてみよう。美味しいな。料理家の中島さんと始めた新しいプロジェクトの事を携帯でまとめはじめた。気づくと2時間。あー楽しかった。これはやりたくてやったからクリアとしよう。頭がバキバキしてて気持ちがいい。
d &departmentとか、オオゼキとかを寄り道をして、バスに乗って帰宅。お風呂でざっと汗を流してビールを飲んだ。お腹空いたな。時間はもう15時を過ぎてる。お昼は引っ張り素麺にしよう。
何だかすごく楽しかった。