
ハマってる特性ダレこと、ハルミダレ。
栗原はるみさんのタレのレシピ。昨日は水餃子に、今日は鮪のタレにして食べる。どうしてこんなに病みつきなんだろう。

ハマってる特性ダレこと、ハルミダレ。
栗原はるみさんのタレのレシピ。昨日は水餃子に、今日は鮪のタレにして食べる。どうしてこんなに病みつきなんだろう。

午前は瞳ちゃんと久しぶりの撮影。やっぱり撮影は楽しい。世代の近い被写体の女性、とても可愛かったな。自分の心を整える為にカウンセリングに通ってるって話をしてた。私も同意見。占いやスピリチュアルはご飯みたいな感じで、その時の栄養にはなるけど、解決の糸口にはならなかった。
同業の友人が、自分にはヒーラー的な力があって、私も受けてる所があるからと親切に教えてくれた事があった。品川の方まで足を伸ばしたけど、結局、高い値段の費用を払って、何をチャネリングしてくれてるのかよくわからなかった。「あなたは大丈夫だから。」と、そのイタコみたいな人は私の何かを感じ取りゆっくりと話をしてくれたけど、結局一人残されたような感じで寂しかった事を覚えてる。何も解決がしないままにまた、同じ日々が始まった。
夏が終わる頃に目眩と不安と動悸が止まらなくて病院へ行くことに決めたのは懸命だったと思う。彼の為じゃなくて、私の為に行った心療内科の先生とは相性が良くてゆっくりと三ヶ月程の治療で終える。治療といっても、薬を要らないって伝える事と、最近のトピックを伝えるだけ。先生は私と夫との関係に常に注視してた。病を持つ家族とそれがきっかけで病になった家族、難しい問題なんだろう。卒業の合図が出てもしばらくは心が定まらなかった昨年の冬あたり、このトラウマについては長期的に治療する必要があると思って年明けからカウンセリングへ通おうと色々と調べてる内に年を越えた。そして、年末年始、物理的に沢山の整理をして、見たく無いものを沢山見たり、書いたりして、私のトラウマは少しだけ過去においてこれたお陰でカウンセリングの事はいつしか忘れてた。そんな日の事を思い出す。
カウンセリング、私もすごくいいと思う。沢山その子と話したくなったけど、何も言わなかった。この人は素敵なんだろうなっていうのが溢れてるような人で、写真を撮らせて貰えることが嬉しく感じた。
夕方、編集の山若君と写真集の打ち合わせ。打ち合わせといっても、ちょっと話したいことがあるから時間を頂戴とお願いした。16時に山若君の知り合いがやってる神宮前のスペースで待ち合わせ。こないだのご飯の御礼にとコーヒーをご馳走してくれた。カフェインレス生活をしてる私の身体中をギュンギュン回るカフェイン。美味しい。スッキリがすごい事になってる。最近どう?みたいなお喋りしてたたらあっという間に1時間以上経過。週末から山若君はまた出張。いつもどこかに行ってる。今回もビッグクライアントの仕事。彼の敏腕編集者ぶりはいつ聞いても痛快。「煙草を吸うからついてきて。」外に出て煙草に火をつける山若君の横で私が言った。
「あのね、写真集の事なんだけど。その、本当に面白い?本当に美味しい?みたいな事を聞いてるんだけど、これ誰かの為になるのかな。なんか、私は好きで写真を撮って日記を書いてる。だけど、これは誰が喜んでくれるのかな。」
昨晩、友人何人かに聞いた。「変な事を聞いてごめんね。私の得意な事って何だろう。」好きな事はわかってるんだけど、会社に行くわけでもなければ、家族がいるわけでも無い、一人でここにいるのは居心地がいいけど、誰かや何かの役に立ってる感じが全然しなくて、すごく不安になった。何の為に写真を撮ったり、生活をしたり、生きてるんだろうって。話の趣旨は少し異なるけど、わからない時は人に聞くと答えが見つかると、中田敦彦さんのYouTube大学で言ってたのを思い出して、早速聞いてみることにした。返ってきた答えは写真とか料理っていうワードが多かったけれど、驚く言葉もあった。シミルさんが言った、”臆さない”って言葉や、リョーコちゃんの言う ”人と仲良くなるのは天性だと思うよ”って言葉。それは本当に私?って思った。すごく臆病だし、離婚をしてるくらいだもの、どんな形にせよ、人とのリレーションシップに失敗した人という事実が重くのしかかってる。不思議、自分っていうのは自分が思っている以上に知らない。
何度も山若君に言う。
「本当に私が写真集作ることに意味あるのかな。誰が喜ぶ?」
「よしみさんさ、何度も言うけど、これ面白いよ。僕は面白い。だから作ろうって言ってるんだよ。今までのよしみさんの作品の中で一番面白い。これは誰かの為に逆説的に元気になれる作品だよ。たった一人でも面白いって思うなら、本にしていいんだよ。」
うん、としか言えなかった。氷が解けてくみたいに速いスピードで安堵していく自分が何だか恥ずかしくて早口になって構成の話を始めたけど、すごく嬉しかった。本当に嬉しかった。何をしていいのか、どうしたらいいのか、一人勝手に不安の渦に落ち込んでしまったけど、ヒョイっと面白いくらい簡単に友人達が私をすくい上げてしまった。わからない時は側にいる誰かに聞いたらいいんだ。
何だかんだで外はもう夜。二人して「お腹空いたー!」って思い切りに声を上げて帰路につく。帰宅したのは8時半過ぎ。今日はもう何も考え無い。Tverで新しいドラマを見ながらビール片手に数日前のリリさんみたいに思いっきり泣いた。家族をシェアしましょうって話だった。

長らく遅れてようやく来た生理。まさかの子宮頸癌の検査の日と当たるなんて。数ヶ月前から予約してたのに、どうしてこうなんだろう、先生と話したいことだってあったのに。なんだかな。7月の生理が遅れて一体PMSはいつ終わって、いつまでそれとも今日まで続いてるのか、心も体も不明な数日がようやく終わったと思えば、要らない血が身体から出て行くのもそうだけど、ジャスト検査日に始まった以外においては今回の生理は何だか嬉しい。
やっぱり、微妙にバランスが崩れてたのかな。ずっと寂しかったな。確実に悔やんでた。あーヤダヤダ。あの日常を止めようと決意したのは私だよ。何を勝手に過去にトリップしちゃってるんだか。この選択を活き活きとさせたいなら、過去は過去にしなきゃいけなのに。蝉の声を聞いた。夏の夜の香りを嗅いだ。いちいち、8年間のどこかの記憶からある日が出てくる。呼んでないよ。やっぱりPMSだな。ただ、PMSじゃなくてもそうでも、その気持ちがあるから出てくる。仕方ないこと。
” 悔やむなら、後悔しないで反省して、末広がりになっていきましょう。” 散歩中に聞いてたyoutubeの和尚さんの話。私はPMSの度に過去にトリップする。まさに水前寺清子さんの、二歩下がって、また進むの、二歩だ。もう、後悔も反省も何が何だかわからないくらいやったけど、こう思えばいいんだ。私はちゃんと末広がってる。一歩が十歩になって、百歩になって、千歩になったら、そこそこ広がってる。
PMS、終わったから今日からステップしよう。またどうせ来月トリップするから。ステップを稼ぐ事が最善なんだ。きっと。
朝起きると、お酒も昨晩の余韻も残ってた。身体は二日酔いでグッタリと重いけれど、楽しい時間を思い出すと浮き立ってしまうような感じも半分。今日は写真家の広瀬さんと蓮井さんの展示を見に行く約束をしていた。明大前の駅前で待ち合わせ。昨年に広瀬さんは難病を患った。その時に私は心を患ってた。あの一年はお互いに連絡は全く取って無かったと思う。今の場所に引っ越して、身体も心もすっかりと元気になった頃に連絡を取り合う様になった。「元気そうじゃん。」「元気そうですね!」出会って直ぐに同じ様な言葉を掛け合ったと思う。
元気そうだけど、全然違う雰囲気だった。同じだけど違う。きっと私もそうなんじゃないかなって思った。とりあえず、お互いに帰還。生きてここにいる。
色々とお喋りして展示を見に行って、そこで蓮井さんも交えてお喋り。蓮井さんは彗星の如くイギリスから帰国し、若くして一線で活躍された写真家。海外で得た経験が良くも悪くも自分の人生を左右したみたいな話をしてた。私の師匠の様な静かな雰囲気を勝手に想像してたけど、全く違かった。後に広瀬さんに伝えた言葉で言えば、良質なイカれてる素敵な人。とても魅力的な人だった。動きはクラゲみたいでまたそれも魅力の一つに見えた。
それに、全く想像していなかった苦い何かのことも知った。もの凄く苦労したり、もの凄く悔しくて堪らない何か。
私も写真を始めてから、そこそこ嫌な経験はあった。バカにされたり、嫌な事を言われたり。だけど、帰って冷たい缶ビールを思いっきりに喉を流したらスッキリする程度のもの。元夫の病が強くなり始めた時に、人生で初めて身体の奥からふつふつと怒りが沸騰していくのを感じながら写真を撮った。もの凄い怒りだったと思う。こんな人生を生きている自分が悔しくて情けなくて死にたいと思う自分に怒りで爆発しそうだった。とにかくとにかく当てもなく色々な人に写真を見せて、息をつく間も無く働く事に専念した。家でじっとしてアレを怯える恐怖よりも進めない恐怖の方が怖かった。本当に死にたいと思ったから。
前の様な、昨年の鬱の様な、死にたいはもう無いけれど、私は安全で平和な生活を手にしたけども、今も寂しさは拭えない。どうして今の今だって寂しくなってなきゃいけないのかわからないし、悔しい。誰より信じてた家族に家族を目の前で紙を破るみたいにビリビリと、思い出も信頼も愛も長い間かけて丁寧に積み上げた色々を全てをビリビリと簡単に粉々にする男の様を私の記憶は手放してくれない。
今朝、展示に行く前に心のどこかで考えてた。私はもう写真は無理かもしれない。だけど、蓮井さんのいつかの悔しさを知ったら、ぱっと晴れた。もう終わった事なのに安全なのに、今でも疲れ切ってしまう日が当たり前の様にやって来て、悔しさや怒りもしっかりと込み上げてくる。捏ねたパンをずしりと重くて厄介な生地を全力で的中させてやりたい。
帰りがけに、「今度3人で飲みましょう」ってなった。今日は展示に行って本当に良かった。すごく素敵な人だった。もっともっと話がしてみたい。

一昨日に編集のリリさんからメッセージが入った。話があるから会いたいとの事。先月あたりからお互いに日程が合わなくて会えなかった。内容はきっと彼の事だろう。
「トウモロコシをカレーっぽく炒めるのと、トウモロコシご飯どっちがいい?」
ビールはもう2本目くらいだったと思う、16時から飲み始めて、そろそろ夕方を過ぎようとしてる頃に聞いた。「私、トウモロコシご飯が大好きなんです!」にこにこと満面の笑みのリリさん。米を炊く準備をし、昼にカツオをたたきにして、冷やしていたものを薬味と一緒に皿に並べる。捌いておいたイカをワタとニンニク醤油と一緒に焼いて、冷蔵庫で冷やしておいたトムヤム風サラダを出して、昨日の豚汁を温めた。リリさんの声に耳を傾けながら、時々、相槌を打ちながら話しを聞く。料理はどんどん出来上がっていく。りりさんは、始めはさめざめと泣いていたけど、気づけば肩を揺らして思いきりに泣いていた。「いっぱい泣いて。泣いていいよ。」ティッシュの箱をテーブルに置いた。
リリさんはよく泣く。感情を表現するのがすごく上手。彼女は弱い自分が嫌だって悪く言うけど、私は彼女のそういう所が好き。今日も好きだなぁと思って見てた。人前で泣けるって気持ちがいいよ。
色々な恋や愛がある。その人に似合ったって言ったら変かもしれないけど、ある日に突然にそれは初めからわかってたみたいにやってくる。それは、辛かったり嬉しかったり苦しかったりの色々が一つの場所にぎゅっと混在しててどうしようも無い。相手の子は、私もそう思うけど、たぶん心の病を持ってる。愛や恋が病に絡んでいく。解けなくなる前に、絡もうとしてた何かを自分で上手に彼女は解いたんだって思った。上手な失恋だった。ずっと今もティッシュで溢れる涙を拭きながら泣き続けてる。
病とか外見とか仕事とか思想とか宗教とかファッションとかカルチャーとか、その人を成立させている何かというのは沢山あって、だけど恋に落ちる場所はその中のどこかじゃない。もっともっと深い場所にある何かな気がしてる。もしかしたら目を閉じて、隣に座っているだけでもそうなるのかもしれないとも思う。目で見えない物に全身が触発されてゆくから。私が最後に恋をしたのは9年前。一瞬で恋に落ちた。理由は一つもわからない。終わった理由もわかってるけどわからない。
泣き止んだリリさんと色々な話をした。結婚観とか犬の話とか、編集の成田さんの話とか。彼の恋愛について勝手に私達なりの意見を述べ始める。そして、どれだけ私達が彼の事を好きかっていう話で盛り上がった。二人でいると時々出る話題。私はこの話題が結構気に入ってる。今日はきっと校了でヒーヒー言ってるだろうから、応援メールを送ろうとなった。数十分後、成田さんから連投でメールが入ってる。内容はラブばかり。リリさんが電話をかけると、校了は木曜日に終えて、数ヶ月ぶりに羽を伸ばしてるとの事。今は電車の中だと言ってるけれど「ラブでしかない!」を連呼し続けてる。次に出る言葉は、「愛」その次は「ラブ」。そして「ラブでしかない!」相当に酔っ払ってる。楽しそう。本当にこの人もこの人も好きだ。
22時を過ぎてリリさんが帰った。お風呂に湯が沸くと同時にインターホンの画面がパッとついて成田さんが立っている。隣には笑顔のリリさん。二人の終電までお喋りは続く。朝が早かったから少し眠くなったのでソファーに移動して二人の話を聞いてた。なんていい夜なんだろう。ほんとに、ラブでしかないと思う。


梅雨だ。梅雨の所為だ。このどんより感。
商店街にある昼だけ間借りしてる倍音っていう珈琲屋さんで仕事をする事にした。ちょっと前に近所に住んでる石塚さんに教えてもらった。私の憧れの先輩、石塚さん。お店で会ったら嬉しいな、なんて思いながら仕事をした。エスプレッソを少なくして欲しいとオーダーして、ほぼミルクみたいなラテを飲む。すごく美味しい。
晩酌セット
日本酒のソーダ割り
白味魚のセビーチェ
青梗菜のナムル
トマトのカレーピクルス
ズッキーニとしらすの花椒ペペロンチーノ

よし!明日こそ早朝に起きて、作品の編集作業を進めよう。書く方の作業だから集中が必要になるし、この作業は精神的に苦痛だから夜はダメ、朝一番がいい!朝の4時にアラームセットをしたのは昨晩の0時を過ぎた頃。パッと起き上がりこれから鳴ろうとしてたアラームをオフにする。リビングへ颯爽と歩いていく私。まず、歯を磨こう。ハブラシ片手ににソファーに座る。あれ、外が真っ暗。暗い部屋、なんだかこの暗さ嫌だ、後30分寝よう。寒い、寒いよ。何だかデパートと遊園地が攪拌したみたいな夢を見る。あー、6時じゃん。ん?喉が痛い。ベッドの上で寝てたんだ。この悪寒、嫌だ。ゾクゾクが止まらないよ。うーん。辛い。優しさを私に与えてあげたい。そうだ、パンケーキを焼いてバナナを乗せて食べよう。きっと元気になってくれる筈。大きめのパンケーキを焼いて温かいお茶をすする。やや回復。だけど、ややどんよりは残ってる。うん。あれしかない、真っ白なベッドに包まれよう。三度目に起きたのは8時。普通に起きてたら5時半くらい。早起きをしようと力んだばかりに苦しんだこの4時間は一体何だったんだろう。無駄遣いにも程が過ぎてる。もう嫌、梅雨が悪いんだ。
いつものヨガもいつもの瞑想もすっ飛ばして早々に仕事に取り掛かった。そうだ、昨日、プリンターが壊れたんだ。あー知らない。今、やりたい事をやってやろう。好きな仕事の納品をして、好きな映像の編集をして、皮膚科へ行く支度をする。昨年の夏、鏡に写ったどんどん薄っぺらくなっていく私の顔は真っ暗でドブのようだった。その時に決めた。シミを消そう、脱毛も行こう、ボロボロのパンティーはゴミ箱へポイだ。いつか生活の余裕が出来たらしようと後回しにしてきた望みを私は山のように持ってる。この馬鹿男の為に自分の身を削ってきた人生を呪う暇があるなら、一つでも多く現実を変えたいと思った。
そうだ、今日はカフェインも飲んでやろう。昨年から始めてるカフェインレス生活、時々意気揚々と破る。少しだけ早く家を出てスタバへ向かった。デカフェをミルクで割ったものをオーダー。一気に飲んでやった。あー気持ちいい。全身をぐんぐん走り回るカフェイン。最高だね。結構に満足。少しだけ仕事しよう。googleのサーバーにあげていた編集した映像をチェック。見え方ってその人の環境に依存するから、場所やデバイスを替えて見るようにしてる。よくやる作業。面倒だし時間もかかるけどやる。決して嫌いな作業じゃ無い。
恐怖の中目黒の皮膚科へさっと行き、さっと帰ってきた。今日のお姉さん、雑だったな。最近、雑に敏感となった私。悪く無いよ。人は自分に出来る事は他人に出来るから。逆も同じ。気付くことはどんどん気づいて判別した方が楽に生きれる。私は私、あなたはあなた。あのお姉さんは雑だけど私は雑なことはしない。それだけの事。洗濯機を回してお風呂に入ってノンアルビールを飲む。こんな日があってもいい。意外と今日は楽しかった。そして、夜に朗報が入る。アンビリーバブルな朗報!!
ラスベガスで回るプールサイドで感謝祭を楽しんでる姉にLINE。”I knew it !!!! と早速の返答。ビッグリニュースの詳細は話して無い。
昨晩、久しぶりに姉と電話。1週間ぶりくらいかな。お腹が抉られるかと思うくらい笑った。
「あのね、またスピリチュアルな話しちゃうけどさ、わかってるんだよ。ぜーんぶこれから上手くいくから。」
「出たー!斎藤一人と細木数子で、斎藤数子!!」
「こないださ、知り合いの方があなたに必要だからって急にビジネスカードをデザインしてきてくれて、ビックリしたよ。お金払うよって言ったら、あなたには頑張って欲しいから要らないって言うの。信じられる?だからさ、大丈夫。これから私たちどんどん良くなるから大丈夫。いつも言うけど、私には見えてるんだよ。」
「それ、斉藤数子な話じゃん!」
「ヨシミさ、昨年の今頃、彼の誕生日の時、大変だったよね。今を見てみなよ。」
「うん。昨年の今頃だね。春からの数ヶ月であっという間に彼は彼じゃなくなった。地獄だった。」
「病気だったね。」
「うん。病気。」
「うん。本当に病気だったよね。」
「病気。」
同じ言葉だけをお互いに何度か繰り返した。あの日々の出来事を、あの苦しみや恐怖を、病気って言葉以上にはもう話したく無かった。
自分で自分の身体をぎゅぅっと締め付けてゆく感じがする。何となく、また、あの戻ってこれない錯覚になる。後頭部が疼く。明日の朝、髪の毛がごそっと抜ける気がした。多分そうなる。恐怖じゃなくて、出来はじめのヘルペスが口の周りでピリピリと疼くみたいに確信のある前兆だった。
AM5:00、ぱっと目が覚めた。髪の毛は未だくっついてる。どうやら、私の神経は結構完璧に正常に戻ったみたい。あるのはやっぱりトラウマか。一昨日に撮った映像の編集を始める。楽しい。あっという間に昼になって外出する時間。あれだけ毛嫌いしてた映像。撮るの怖い、とすら思っていた映像。この半年で驚くほどに私にフィットした。自分の事って本当によくわからない。
夜は久しぶりに映画を見た。”そんな彼なら捨てちゃえば” 。作家の鈴木涼美さんがラジオで面白いと言ってたのを思い出して見ることにした。男と女、カップル、既婚者、様々な恋愛が交差する物語。あちこちの箱をひっくり返した様にコロコロと変わるシーンに、笑ったり泣いたりした。次々と幸せになっていく男女。何だか寂しくなる。私にはもうあの時間は来ないのかな。あんなに信じてたのに無くなっちゃうんだもんな。映画の中のカップル達への祝福と虚しい気持ちが混ざる。
それにしても英語がよく聞こえた。先月からまた英語の勉強を始めた。姉と英語で話す様にして、毎日、英語日記を添削して貰ってる。たった数週間の成果。すごい。全然、前に進んでないと感じてしまう日々に最近はもう私は亀でいいよと諦めてる。亀の一歩もステップ出来ない日はデスクの一番上の引き出しを開けて、テープで止めてある黄色の付箋を見る。ドラえもんなんて出てこないし、そういうのもう信じない。”ゆっくり、じっくり、確実に。” 半年前に書いたぺらっとした紙切れが何百回と私を救った。数週間でこんなに英語が聞こえるようになるなんて、自分が思っているよりもずっと私は進んでるのかもしれないな。
斎藤数子の言う通りかも。きっといい事がある。大丈夫。どんどんいい事がやってくる。きっと今は登山中。とにかく信じて登るしかきっと道はないんだ。抜けなかった髪をポニーテールに結わいて、登ろう。
朝からちょっとまた二日酔い。そして、何だかちょっとむしゃくしゃしてる。作品を終えてスッキリしていい筈なのに、急に寂しさがやってきた。何だろうこれ。すごく寂しくて虚しい。何もする気が起こらないし、色々が厭。特に昨日は少し駄目だった。何とか済ませる事だけ済ませて、ベッドで20時くらいから悶えた。本を読むのも億劫。辛うじて出来ることは携帯をオンにしたりオフしたり、その繰り返し。何かを見たいわけじゃ無いけど、ただそれだけをしてた。私の最悪はどんどんライトバージョンな最悪になってきてるし、今までの色々に比べたらこんなのヘッチャラなんだけど、どうにもこうにもペチャンコに潰れたタイヤみたいな感じ。

こないだ紫蘇ジュースのカスで作ったゆかりのふりかけを炊きたての白米にかける。納豆と卵をかける。ぬか漬けを添えて、以上。

朝の5時に起きてプリント作業。今日は昼前からスタジオで仕事の知り合いの子の前撮り。家を出るまでに色々をまとめたい。ここ二ヶ月くらい、淡々と進めてきた作業。今日で終わりにしようと決めてる。今作ってる作品は昔から作ってた作品。大好きな作品。あとちょっと、あとちょっとで終わる。
撮影を終えて、少しだけ作業して終えた。
今月はぐっと集中できた。人には時々しか会わなかったお陰で、気持ちよく作品と向き合えたと思う。姉との電話も控えた。寂しかったけど、その感情は普段、隠れてる何かをきちんと教えてくれる。辛かったけど、きっと良かった。逃げないで良かった。いや、逃げながら向き合ったのかな。
ビールを飲んだら体が一気に泥みたいになる。ベッドにどさりと落ちた。しばらくして自分のイビキで目が覚める。平和なもんだ。本当に平和。辛いこともあるけれど、楽しい。最近、辛いっていうのが楽しくなってきてる。やや、イかれてる私。どうしたものか。よく煮込んだ鍋を開けた時みたいに、これ絶対に美味しくなるよね!って、沸々と美味しさが弾けだしてる。

今日はとにかく疲れた。
この作業、何年やってるんだろう。プリントしたり、スキャニングしたり、ネガフィルムに触ったり、データーを掃除したり。何年も何年も同じ事ばっかり続けてる。嫌いなわけじゃないけど、同じ事をずっと続けてるなぁって。
今日は簡単な料理にしよう。本当に疲れた。鍋に胡麻油をひいて、豚ひき肉とキムチを炒める。そこに、水、お揚げ、キムチの汁、ミニトマト、ニンニク、生姜、玉ねぎ、豆腐、しらす、ワカメ、シャケを入れて煮立たせる。調味は無し。

午前に母から小荷物が届いた。段ボールの中には、胡瓜の苗と野菜やパンがぎっしりと詰まってる。それからクチナシの花が濡れたティッシュと一緒に丁寧に入れてあった。思わず溜息が出る。何ていい香り何だろう。テーブルの上には数日前に買ったカーネションがある。その直ぐ横に水を張った皿にクチナシを浮かべた。真っ白な花の先が所々痛んで茶色くなっていた。母は相変わらず私を心配してる。
朝から作品のプリント作業。進みは悪い。きっとPMSが始まってるから。仕事だとか、淡々とした作業なら問題なく出来るけれど、そうじゃない事が難しい。3年前の葬式の写真が出て来た。覚えてるけれど覚えてない写真に泣いた。姉が底なし沼を見るような顔でテーブルに腰掛けている写真。人の顔はあんな風になってしまうんだって。身体中の全ての血がどこかに居なくなってしまったみたい。とにかくそこにいるだけみたいな人が写ってた。
「来るなら、葬式も撮って。」姉から連絡が来てから、急いでL.A行きのチケットを二枚取って母と一緒に飛行機に飛び乗った。元夫には倒れたことも亡くなったことも話せてない。暴れて喚くだけでドラキュラみたいに朝陽と共にどこかに消える日々の中に、怖いよって、大切な人が死んでしまう事が怖くて堪らないよって、アレに言う場所なんてどこにもなかった。あの日の私は一体、どんな顔をしていたんだろう。姉を撮った私も、姉のようにそこに必死に立ってるだけだったんじゃないか。イかれていく夫の事はよく覚えてる。畳の上で首を絞められた事とか、仕事だと行って出かけたのに夕方には酷く泥酔してるとか、中目黒の通りで大声で喚き散らしたのもよく覚えてる。それまでは頭を叩いたり手を出す事が多かったけれど、顔の寸前でぐぅを止めるのはその頃から始まった。最初は怖かったけど、実際には殴らないから直ぐに慣れたと思う。急に始まった酒の所為で別人格になる夫を理解する暇もなく毎日が世界がバリバリと壊れていくのを必死に両手で押さえていた日々。L.Aでの葬式はその中にあった。
何だかな、PMSだからだろう。ここに寂しさがいる。だから色々が悲しくなったりしてるのかな。だけど、そのお陰で感じてる。古傷が疼くみたいに身体中で感じてる。あの日の事は忘れない。私に起きた現実も忘れないよ。母には感謝してる。すごく。
花ってどうしてこんなに綺麗なんだろう。

二日酔い。久しぶりに飲みすぎた。
とても楽しい1日だったな。昼は楽しく料理の撮影をして、夜はデート。久しぶりの外食。どれだけ久しぶりの外食だったんだろう。外でお酒を飲むのもそう。とにかく楽しかったな。お陰で今日はしっかりと二日酔い。午前に少しだけ仕事をして、午後はベッドに倒れた。目が覚めると部屋はもう暗い。梃子が顔をペロペロ舐めてくる。今日は朝に梅干し饂飩。昼に素麺。うーん。夜もつるっと麺がいいな。野菜が食べたいから揚げ浸しでも作って冷やし饂飩にしよう。

昼からポートレートの撮影。1カット、モノクロ。自然光で撮りたかったけど、真っ黒の雲から雨がザーザーと降ってる。仕方ない。一灯を代理店の方に手持ちで外に窓から飛ばしてもらう。いい感じ。とても素敵な人だったな。話の流れで阿部さんが編集の加藤さんと知り合いだと聞いてビックリ。昨日もうちの近所にある加藤さんの事務所で打ち合わせしてたとのこと。世間は狭い。
帰宅して、三茶の銭湯にサウナへ行く。ああ、最高。幸せ。夕飯は簡単なものにしよう。そうだ酸っぱいスープでいいかな。
塩揉みしたキャベツを酢と甜菜糖で漬けて置くと、発酵キャベツが出来る。酢が無くても酸っぱくなるけど、何となくこの時期は怖いから。今日は数日前に漬けておいたキャベツと、キノコ、ネギ、ニラと鶏ガラスープの素を鍋に入れて中華風に。最後に胡麻油を回しかける。もうすぐ生理だから、あまり身体に刺激物を摂らないようにする。
夜は編集の成田さんと電話ミーティングをして、いつもの様に色々お喋りして、きゃっきゃと散々にやって電話を切った。毎日が楽しい。そして、明日は街中華デート。PMSをやや感じるけど、私をご機嫌に扱う事に徹底してる。面倒な事はやらない。頭に厭なことが浮かんでも放って置く。
「22、2222。two-two-two-two!!!!」
姉と電話してる時に、姉が叫んだ。「No,I don’t like 22!!!」私は22が大嫌いだ。それに、最近22に襲われてる。時計を見る度に22が私の目に入ってくる。22は私の元夫の誕生日。その数字を見るだけで、一気にどんよりする。世界からこのナンバーだけ消えればいいって何百回と心底願った。姉が一気に英語で話してる。全然早口でわからない。「日本語で話して。」「22 twotwoは、エンジェルナンバーなんだよ!知らないの?ネットで調べてみて。これをよく目にする時はサインだから。」また始まったよスピリチュアル。って思いつつ、ネットで調べる。
“あなたがしてきた決断は正しい、今までの努力が報われて新しい場所へ、新しい環境、人との関係が始まります。そして、経済的な豊かさがやってきます。”
わお!最高!!直ぐに姉にLINEした。今日も私の所へは22twotwoのお知らせが絶え間なくやってくる。夕方の銭湯は、パッと目についた22と書かれた靴箱に靴を入れた。
何でもいい。スピでもスピじゃなくても神様を信じてなくてもいい。ただ、私が楽しんでくれたらいい。明日は何を着ていこうかな。

昨晩のカレーを温めないで冷たいご飯の上にかける。冷たいカレーがいい。特に、朝に食べるのが美味しい。
仕事をちょこちょこ終えて3時くらいにウトウトし始めてリビングで横になる。ぼんやりと起きたのが4時。寝起きでサミットにビールを買いに行く。夕飯はお好み焼きを焼こうと考えてたけど、サーモン丼390円を買って帰った。人参の葉っぱと余ったキャベツ、お揚げ、卵を入れてお味噌汁を作る。頭が何だか痛い。偏頭痛かな。ん?何もしたくない。おかしいな。
日が暮れる部屋。少しだけずっしりとした。あ、もしかして。
お風呂に入ろう。夕陽の中で気持ちよく入った筈のバスルームがあっという間に薄暗い。光が塗りつぶされていくみたい。全部が厭だ。あ、やっぱりそうかも。生理まで後1週間。今朝までご機嫌だったのに、PMSだ。トラウマと比例して、前回の生理あたりからPMSが急激に薄れてきたけど肩の重さと偏頭痛。それにこの重力がかかったような倦怠感。Welcome to PMS。
お風呂後の恒例行事。ベッドで無心でヤクルトを飲む。この時間が何故か最高に好き。今日は空にうっすら光る月を見ながら飲んだ。そのままカーテン越しに夜を見てた。何分だろう。何分かしばらく見てた。新婚旅行のアイスランドみたいな空だった。どうして私、ここに一人でいるんだろう。私達、病気さえ無ければいつも仲良しだったよね。私が写真で稼ぐようになったからダメになったのかな。
あ、PMSの後悔が始まった。ご飯、食べよう。お味噌汁を温めて、冷蔵庫のオカズを幾つかとさっき買ったサーモン丼を出した。ビールをあける。もう、いい。今日はさっさと寝よう。時間は19時半過ぎ。何時だっていい、今日を終わらせてやる。有無を言わせず降参でいい。
ベッドにPCと携帯を持って入った。LINEがさっきから何度か鳴ってる。開くのがすごく億劫だったけど、返事を待ってる子がいる。彼かなと思って開くと、編集の成田さんから明後日の撮影の件と、料理家の中島さんからプロジェクトの件。携帯電話の昔のコマーシャルみたいに、遠くに離れてる点と点が光線でピューンと繋がっていくみたい。脳のあっちが急に元気になり出して、脳のこっちPMSに襲われてる方が私の肩にずっしりと重力をのせてくる。どうぞどうぞ、PMS上等だよ。負ける気がしないから。私はずんずんと前へ進むよ。
沢山が沢山をムチャクチャむしゃくしゃしてるけれど、もう動揺しない。PMSもトラウマも地獄の過去も、思いっきりに追いかけておいで。明日に行けるのは私だけだから。

長尾智子さんのそら豆の揚げ焼きのレシピ。本来なら、黒胡椒と塩で頂くのだけど、ちょっと中華っぽい気分だったから、オイルの中に花椒とアニス、唐辛子を入れてラー油の様なものを作り、そこで揚げ焼きにしてみる。美味しい。余ったオイルはラー油として使う。

人参を擦って普通のカレーを作った。すっごく甘くてびっくりした。

試しに頼んだ千葉の農家さんから無農薬野菜が届いた。人参、キャベツ、ケール、ブロッコリー、そら豆、玉ねぎ。早速料理を始める。色が鮮やかだし、しなやか。見て触って直ぐにわかる。野菜が元気。だけど、こんな量じゃ直ぐに食べ終わっちゃうよ。思う存分食べたいなぁ。しょうがない、一気に食べないで大切に食べよう。これで3000円、やっぱり高いな。だけど、美味しい。困ったなぁ。

今日は女優さんを撮った。年齢は50歳過ぎ。
最近、年上の美しい女性が気になって仕方がない。更年期に入りどんどんと変化する身体。女だけど生理が終わる女になる。また次の女になっていく時間。身体の中の事情とは裏腹、姿形は美しいまま、全く取り乱したりしてない。所作だとか言葉だとかが膨大な人生の縮図に見える。美しい。ぼーっと見ていた。なんて気持ちがいいんだろう。
午後は勢いで檸檬の木を買いに行こうかなと思ったけど辞めた。家から直ぐの商店街を歩き、花を買って、スーパーでキャベツと麦酒を買って、薬局で豆乳を買って、図書館で本を借りて帰って来た。ぼんやりしてたから、結局スーパーには二回も行った。小さな街の夕方をぐるぐると歩く。
今日はまた一つ。色々な事がじんわりと動いたように思う。作ってる作品の事。今進めてる、進めたい仕事の事。並行して進んでる幾つかの事を想った。あれをやらなきゃ、これをやらなきゃっていうのも大事なんだけど、上手にまとめられないけど、がむしゃらに頑張るってもう要らないなって。5月は凄くいい月だった。色々と新しい事が始まって、色々な考え方が生まれた。手帳の日記には新大陸で見つけた細々とした小さな発見について書いてある。意外と生きていた人生なのに、もうこれからは温める事だけを考えて生きていくと思ってたのに、不思議。それに、私が浸かっていた温かい場所は、ただただ手放すまいと必死になっていただけなのかもしれないって思った。多分、もし私達に子供がいても、私は離婚を選んだと思う。離婚してから梃子が不憫でならなかったし、梃子がストレスで過敏になってしまった時期もあったけど、もう今は変わった。今までより一層大事にしたら、元気一杯になってくれた。毎日はそう上手にはいかないけど、後悔や失敗も上手にした方がいい。今月も後、半分。今月は色々を想ってる。新しく動いている何かの事を想ってる。
お風呂場が丁度夕陽でいっぱいになる時間だ。お風呂に入ろう。そして晩酌をしよう。

朝から雨。気持ちがいい。昼頃に藤原さんと下北沢でロケハンと打ち合わせ。撮影は来週。なんて穏やかな日なんだろう。待ち合わせより20分早くお店に入って紅茶を飲む。穏やか。この生活に慣れたようで慣れない。まだまだ新鮮さを感じてる。いちいち感動や関心がやってくる。化粧を丁寧にして、今日の気分で服を選ぶ。テコと朝から遊んで、ゆっくりと朝食を取る。本当にこんなに穏やかな生活を、あの人も、あの人も、その人も、こんなに平和な世界を毎日暮らしてるの?こんなに毎日って自由なの?嘘でしょ。最高じゃん。
「あれやって、これやって。今からあれ持ってきて、amazonでこれ買っておいて。ねぇ。ねぇ、お腹すいたからご飯作って。」夫の声がしない毎日。我儘を言ってるのはテコくらい。本当にこんなに毎日は時間は有り余ってるの?歩きながら笑いたくなる。いや、多分最近の私はマスクの下でひとりで笑ってる。今日は多分笑ってた。
東北沢駅から降りて直ぐのところにあるカフェ。新しいコーヒーのお店。嗚呼、幸せ。イかれてるって思うけど、普通の事がいちいち嬉しい。今日のアイシャドウが気に入ってる。そんな事でも嬉しい。ひっきり無しにならない電話。何でもかんでもお願いされない私。椅子に座っても嬉しい。しばらくして藤原さんがやってきた。それだけで嬉しい。打ち合わせするのも楽しい。頼んだベーグルも美味しくて嬉しい。
どうかしちゃってると思うけど、普通の事が8年ぶりにやってきて平和で安全で単調な毎日に驚いてる。嬉しくて仕方ない。私っていう人の事が少しわかった。大いに馬鹿な女だった。夫だった男は私の事を愛してくれたけど、大切に扱わなかった。私も私を大事にしなかった。ああ、可哀想。私っていう人。
こないだ姉が「私達さ、地獄から這い上がったでしょ。」って。アメリカ生活が長いから日本語が時々変な姉だけど、上手い例えに関心。うん。這い上がった。必死に登ったな。そして何度も落ちた。ここはもう地獄じゃない。私には時間があるし、これから昨晩見逃した大豆田を見ようと思ってる。毎日洗濯機を回さなくていいし、家計簿をしっかりつけて頑張って貯金しなくてもいい。帰ってこない人を待たなくていいし、冷める食事を作らなくていい。嘘をもう見破らなくてもいい。堂々と愛さないでいい。
穏やかな時間をじっと覗き込んでしまう。今日も私は浮足立って歩いてた。
鮭ごはん
甘じゃけの切り身 2枚
昆布 1枚
米 3合
お酒 大さじ1

今日は大豆田最終回。早めに晩酌セットを作って晩酌を始めた。だけど、楽しくって呑みすぎちゃって早々にベッドで寝ていた。

気持ちのいい夕方が続いてる。
昨日から作品をまとめ始めた。一気に年末にまとめたのだけど、見返したら酷いものだった。泣ながらやったから。本当に苦しかったな。歯を食いしばりながらまとめてたと思う。自分の書いた文章を読んで、自分の撮った写真を見て泣いて、淡々と黙々とそれを繰り返しながら作り続けるって、なんてシュールな年末年始。今となってはちょっと笑えるかも。

仕事から帰って、荷物を置いてスーパーへ直行。ビールと納豆を2パック買って帰宅。お風呂にざぶんと入り、梃子にご飯をあげる。片手にビール、片手にパリのマユミちゃんからの手紙を持ってベランダへ。段々と薄暗くなる夕方の中でぐびぐびと飲む麦酒。最高に幸せ。文通を始めてから、クリスマスの朝みたいな日が毎月やってくる。なんて事のない日々の話を綴ってるだけなのに、何だか特別。お互いに必ず日付を書いてる。メールをしたら直ぐだけど、手紙を書くと東京とパリの物理的な距離がどれだけ遠いいのかって事がよくわかるし、私達がそれぞれ暮らしてる今日がどれだけ別なのかって事を知らされる。それは個人的な事も社会的な事も色々。あまりに色々。誰かに決められた時間の中で私達は暮らしてるけれど、もしかしたら違うのかもって思える今や未来や過去を自由に行き来出来るこの文通がとても気に入ってる。ポストから受け取った手紙をワクワクしながら開封する。今日はelder berryのお茶が入ってた。私は前に味付け海苔を送った事がある。前回は5年前くらいにパリで撮った写真を送った。マユミちゃんがシッターしてたファミリーの子供の写真。
手紙に、”6月1日、誕生日が来たよ”って書いてある。10日前の今日のパリで彼女は誕生日を過ごしたんだ。とても嬉しい。すごく幸せな気分。メッセージで「おめでとう」と、「嬉しい」って送った。後はまた手紙に綴ろうと思う。
昼に姉からマルコスの卒業式の写真が送られてきた。家族で笑顔の写真。あ、姉は幸せの回収が始まったなって。電車の中で、目がじんわりした。嬉しい。すごく嬉しい。二人姉妹揃って聞いた事が無いような悪夢を見た。酷い現実に「お前らなんなんだよ!」って兄が愚痴をこぼしたのが今年の初め。私を救ってくれたのは兄でもある。家族みんなでもある。本当に兄の言う通り、死霊のはらわたに呪われた姉妹。そろそろ呪縛から溶けてきたかな。
撮影のちょっと前、早く到着して時間を潰してたら姉からLINE。「最近さ、脳と対話してるんだよね。トレーニングしてる。」「どう言う事?」「今、よしみの脳はどこにいる?」「今、高尾の方。」「それは感情ね。」「いいえ、今高尾にいて、お腹が痛い。撮影前なのにお腹がゴロゴロ。」「感情が言ってるから無視して。」「だから、私は今高尾。」「お腹は痛く無い。絶対に大丈夫。」「ありがとう。トイレに行ってくる。」
私も実は最近、脳のトレーニングをしてる。姉が読んでる本とは別だけど、感情をコントロールする事をしてる。姉は感情は悪いって言う本を読んでいるらしい。それにしても、アメリカは沢山の知識がある。何か一つの事でも膨大に文献があって、こっちには片手くらいしか無かったり、古かったり。沢山の人が生きている国なんだなって感じる。お互いに別々の場所で、同じような事を考えながら、全然違う世界で感情と脳のトレーニングをしてる。

暑い。暑くて最高。
だけど日中の部屋の中はヌメッとしてて眠くなる。今日は朝からクーラーを入れてみる。身体が間違って11時になる前にランチを食べ始めた。嗚呼、美味しい。残り物ってなんでこんなに美味しいんだろう。トウモロコシの炊き込みご飯に、揚げ茄子と蛸の和え物、ジャスミン茶の煮卵。温かいご飯に冷たいおかず。しみしみおかず。パクパク食べて、午後はテスト撮影。明日はちょっと遠くにパンを撮りに行く。

ぼんやりと過ごしたまま夜がきて、夕飯を食べて大豆田を見て寝た。
最近、淡々と色々を毎日こなしてる。夕飯に作った蛸があまりに美味しくって箸を置くのに時間がかかった。「ねぇ、蛸、食べ過ぎだよ。」大きな蛸だったのにパクパクの勢いが止まらない。頭の中で「ねぇ」と、こだまする声をようやくキャッチ。エライよ。私。
ラップして冷蔵庫に入れる。明日また食べよう。

今日は家の近くで撮影。憧れの料理家、大先生のアトリエでの仕事だった。ADのシミルさんと一緒だったから、気持ちはリラックスしてる。だけど、やっぱりどこか緊張。自然光を活かしたかったけど、ライティングを少しだけ使うことにした。
料理が簡単そうに見える。切る、煮る、混ぜる。所作がすっとしてる。長年キッチンに立って淡々と料理を続けてきたのだなぁ。惚れ惚れと見てた。撮影は予定より2時間早く終わった。暑い。アトリエを出ると強い日差し。夏の強い太陽。
帰ってお茶をして、作業を始める。マウスを握りながらうとうと寝てた。あ、寝よう。ベッドにテコと一緒に横になるとあっという間に夕方。1時間くらい寝たのかな。何だか沢山夢を見た。幼馴染が電話で怒ってた。初めて彼女が怒るところを見たけど、これ、あのトラウマだ。彼女は怒らないし、怒られるような事はしてない。半年前に仲が良かった友人が私にした事。きっと脳がリプレイしてるだけ。あの時の突き刺さった何かが今も刺さったままなんだろう。また眠りについて1時間くらい経った頃に目が覚める。今度は元夫が出てきた。内容は覚えてない。どちらにせよ怖い夢を二つ見た。
ぼんやりした身体でサミットに行ったけど、これって物が見つからない。安くなってた豚の挽肉と酎ハイを買って帰宅。冷蔵庫にあるワンタンの皮があったな。そうだ、ワンタンを作ろう。
先生、すごく素敵だった。帰りにシミルさんと話してたけど、素敵だから人気の先生なんだよねって。私達が若い時は大人が怖かったし、怖い事をされた経験がある。それは当たり前で、中には修行だからと言って暴力を振るわれていた人もいた。上司や師匠や先輩は神様みたいに何でもしていい存在みたいで、嫌な経験を機に業界や仕事を辞めたっていう話も聞いた事がある。昔は仕事や会社を辞める事は良いイメージが無かったから、我慢して働き続ける人が多かった。私も一度、正社員で入った制作会社である時いきなり減額。その時は徹夜で帰らない日も続いてた。理由がよくわからなかったので私はブチ切れた。だけど、社長が言うなら仕方ないよねっていう社内の雰囲気もあって、一人で行政に相談しに行き、後から社内の経理のおじさんに「君はなんて事をしてしまったんだ!」と小言も言われた。私を軽蔑する目をよく覚えてる。今思うと、会社っていう場所が合わなかった理由は仕事じゃなくって人間関係だったんだろう。誰が嫌とかじゃない。一人で解決をする事も出来ない人間的にも未熟な私はその会社をとっとと辞めて、写真の世界に行く事に決めた。あれから11年。短いような長いような。
色々とあるけど、みんなどんな人もそれぞれに世界も社会も色々とあるけど、やっぱり私は怖いの全てが厭。怖い世界きらい。怖い反対!とは言わないけど。アンチ怖い。素敵な人がいる世界が好きです。

朝から姉と電話。気づいたら11時を過ぎてる。NPD (自己愛性パーソナリティ障害)の話で盛り上がっていたらすっかり出かける時間を忘れてた。「ごめん!今から逗子で仕事なの。」慌てて電話を切り、カメラの入った鞄を持って家を飛び出た。
昨日、似たような話を近所に住むライターの石塚さんと喫茶店で話した。石塚さんはライター業とは別に精神科デイケアのアートプログラムのお手伝いや、セラピストとしてのお仕事もしてる。集英社のお仕事を沢山されているから、師匠の事もよく知っているし、歳も師匠と同じくらい。だからか、どこか勝手に親近感があった。お仕事をしたのは二度。精神疾患についての話から、お互いの離婚や女性の人生についての話。あっという間に時間が過ぎていった。話たい事が沢山あるし、聞きたい事も沢山ある。私が何十年と鞄の中に入れておいた何か、恋愛や仕事、自分や、自分の身の回りへの興味はどんどん薄れてゆくのを感じる。むくむくと綿飴みたいに膨張してゆく。
逗子は快晴。夏そのものだった。通りを歩く人はビーチに向かってる。フジモン家族と昼食をしながら打ち合わせをして、車で取材先へ向かった。いい街だな。何度来ても思うけれど、穏やか。久しぶりのフジモンも嬉しい。元気そうなのも嬉しい。話したい事は山ほどあるけれど、東京での打ち合わせがあったので早々に帰る。
なんだかとても気分がいい。だけど、久しぶりに遠出をして疲れた。
シミルさんと三茶の喫茶店で打ち合わせ。シミルさんはコーヒーを、私はカフェインレス生活だから焙じ茶を頼んだ。小さな湯のみで一杯¥1100。お喋りしてる合間に飲んでしまった。味は殆ど覚えてない。週明けの撮影の打ち合わせをして、後はお喋りをした。私が雑誌の企画でやってるマッチングで恋愛をするから、誰かいい人を選んでとお願いする。男性と女性の目線って違うんだな。「自分の写真が多いね。自分に自信がありそう。ちょっと怖いかも。」「夜景は嫌だな。」「ボタンが開け過ぎてて嫌だな。」シンプルな意見だなぁと関心。考えてみると女は女の事がよくわかる。優しい笑顔と良い人間性がイコールしない事を知ってるように、男は男の事を知ってる。

朝6時に家を出た。料理家さんの中島ふみえさんの料理を撮りにアトリエに行く。少し眠いけど、楽しみ。嬉しい。不思議なのだけど、最近どこかに行く事や、誰かに会う事が楽しみで仕方ない。ワクワクしてる。早く帰らなきゃ、スーパーに行かなきゃ、その間に仕事のメールを返さなきゃ、彼からのLINE電話がずっと鳴り響く。毎日を追いかけられる様に過ごしてた日々の中に、私って本当にいたんだろうか。最近のワクワクがとても不思議。
中島さんとの出会いは、元夫の店。正確に言うと、きちんと保健所に申請を出してやってる店じゃなく、バーだったり珈琲屋だったりスナック、居酒屋、雑貨屋と、その時々で業態が変わる祐天寺の駅から少し歩いた所にある3坪程度の小部屋。大きな看板の威圧感は少し異様で、平穏な街から浮いてる。中島さんとは珈琲屋だった時に出会った。そこで彼の勧めで仲良くなれた。
彼には感謝してる事がある。一つに、結婚が料理を撮ろうと思うきっかけになった事。もう一つに、人に出会えた事。そんな事をアトリエからの帰り道に思い出した。
お土産に頂いたお弁当。帰宅して早々にほうじ茶を淹れて食べる。中島さんはヴィーガン料理の料理家。料理を作ってる姿は今日初めて見た。料理がどうして面白いのかって考えると、美味しいからは理由じゃなくって、その人の知恵を知るのが楽しい。どんな食材をどこで買ってきて、どうやって切って煮て焼いて、どう調味するか。その人の身の上話を聞くみたいに、静かに関心をして頷いて、ただただ嬉しくなる。料理って生きる希望だなぁってつくづく思ってしまうし、だから作っても作っても飽きない。その人の生きる知恵が詰まってる。見た目よりも中身が知りたい。綺麗よりも味が食べたい。中島先生のお料理。とても素敵だったな。