蕎麦とつまみ

Journal 26.8,2024


あれだけ「寂しい、寂しい、、。」って言ってたのに、2日も経たないうちに、周ちゃんのいない生活を満喫してる自分がこわい。まるで梃子じゃないか。薄情?いや、私たちは女だから。

女ってのは、私に限らず男が思うほど柔ではない。その10倍は図太いと思っていい。それぐらいに、カラッとした生き物だと思う。女をめんどくせぇーっていう男が時々いるけど、それは、きっと気のせい。実際のところ、大体はぶってるだけだ。美味しいアイスクリームか、イケた男を目にした途端、すっと気は変われるのだから。

そういうわけで、周ちゃんが帰ってくるまで後1週間ぐらい。きっと、あっという間なんだろうと思う。私も梃子も新居で通常運転、元気いっぱいだ。それに、この時間を使って、来年のスケジュールを立てたり、残った引越しの片付けをやったりと、やることリストを書けばあっという間に、紙は真っ黒になる。

そして、結局、今年は夏をしてない。だけど、言うほど不満でもない。それよりも、今はもっと大事なことがあるから、それどころじゃないと心のどこかでわかってること。

今朝、ミオちゃんから “いつ死ぬかわからないからね” と、LINEが入った。本当にその通りだなって、電車に揺られながら、しばらく、ふんふんと頭の中で色々をこねくり返して考えてた。「どうせ死ぬなら、、。と言って、写真を初めたり、「どうせ死ぬなら、、、」と大学に入った。あの時も、あの時も、死にそうだったけれど、結局、死ぬことを理由にしなければ、実際には始められないようなことだった。

そう、いつだって、そのタイミングは全部自分で勝手に決めたことに過ぎない。

夏が来ようが、冬が来ようが、なんでもいい。今っていうのは、誰かや何かのタイミングじゃなくて、私の今が今なんだ。花火がどんどん鳴ってたって、私の今が違うなら、別に見なくてもいい。みんなが見ていたとしても、私だけが見れなくても、それが私の今だ。

恋と一緒だな。私の胸が熱いから、したい。ただ、それだけのこと。だって、私が好きだからやってる。私が好きで選んだこと。あんな男やめなよっていう友人とは、結局、今は仲良くない。その人と、例え離婚したとしても、それが不幸かどうかなんて私が決めることだ。それに、離婚しなかったら周ちゃんとも出会えなかった。夏、さよなら。私は、このまま今を走っていくよ。読み途中の参考書を片付けて、納品も終わらせなきゃ!

明日はやっちゃんとネギがくる。そのあとは、周ちゃんが帰るまで追い込みだ。

トマトのポトフ

洋食 20.8,2024


今日も私は照明の話ばっかりしてる。朝から、横で聞かされてる周ちゃんだけど、ちょっと嬉しそうに見える。私は別に、誰でもよかった。そもそも、結婚なんて考えていなかったし、周ちゃんのことは、そう好きではないままに結婚した。

多分、周ちゃんも同じだと思う。それに、もう全部なんだって良かった。ただ、今よりも苦しいことが起きなければ、いや、私が知ってる苦しいことを越えることなんて、そう日常で出会うことはないって信じ切っていたし、周ちゃんがもし暴力を振るったり、暴れたりしたとしても、対処の方法は知ってる。人が壊れることを見るのは、慣れっこだったし、嫌ならまた別れたらいいだけだ。

けど、思いの外、。たまたま街角で出会ったような私達だったのに、最近、周ちゃんじゃなきゃ嫌だと思うようになった。梃子が好いてるからとか、怒らないからとか、私の我儘を聞いてくれるから、じゃなくて、顔が好きだっていう理由も間違ってはいないけれど、違う。

くだらない事で喧嘩したりもするけれど、なんだかいいなと思う。それに、最近、周ちゃんが私に似てきた。早起きなところや、物はすぐ捨てるとか、照明や椅子が好きとか、
寿司は赤身の鮪から食べるところもそうだ。けど多分、私も周ちゃんに似てきたと思う、気づいていないだけで。

なんだか、今日は勉強や仕事をサボって、午前は久しぶりにぼーっとしてた。なんだか、暮らしっていいなって、家族っていいなって、リビングで考えてた。

新しい家は、古い。ボロボロだ。だけど、同じものを長く使うって、同じであるって、すごくいいなって思った。どうか、今日がこのまま今日を繰り返して、繰り返して、ずっとここにいてくれますように。

8月19日

Journal 19.8,2024


まだ引っ越したばっかり、と思っていたけど来週で1ヶ月。色々があまりに慌ただしく過ぎて、沢山を感じたり、思ったりしているはずなのに、日記を書く暇もなく夜がきて朝が来て夜が来た。今日もまたスコールみたいな雨が降ってる。さっきミオちゃんとメールしていて、全く夏らしいことをしてないって言ったら、ミオちゃんは一応フェスだとかなんだとかは行ったと返信があった。

夏が終わるのか。海に行かない夏は久しぶりかもしれない。多分。家のことで頭がいっぱいだし、今日は最後のレポートをに取りかかった。大学最後のレポート。友人と同じ大学に入ったのだけど、彼女とは私が大学に入ってから連絡が取れなくなった。私が悪いのかなとも思うし、関係ないかなとも思う。離婚しちゃえばいいじゃんって私が思ったから悪かったのかな。それとも、私が大学を彼女より早く卒業してしまうからだろうか。でも、私の方が多分ずっと馬鹿だと思うんだけどな。人って何が良くて何が嫌なのか誰にもやっぱりわからない。

昨日、周ちゃんがまた麺つゆを薄めずに出してきた。周ちゃんは人の話を聞かない。悪気はないと思うんだけど、薄くした方がいいよって言っても、聞いてくれない。多分、周ちゃんにとって、私っていう存在は薄いんだろうなって思う。結局、人ってそんなもの。

周ちゃんのことは大好きだけど、別にそれでいい気もする。私だって適当で、私の見え方でしか世界を見てないのだから。

そば

Journal 13.8,2024


引っ越してから、食費は毎月4万円までと、切り詰めることにした。

ポキ

Journal 10.8,2024


試験が終わったらイッチーとなちちゃんと3人で北千住の銭湯へ行く予定だったけれど、昨晩の地震のことを考えて、やっぱり今日は早めに帰ろうとなった。なちちゃんは、夜のデートも無くなったし、「じゃあ、私は東大に行ってくる。」と、それぞれがまたそれぞれの場所へと戻ってゆく感じがした。

2ヶ月前のスクーリングで声をかけてから、二人とは急激に仲が縮まった。あの時も試験が終わってからで、かなりディープな居酒屋で恋話なんかをしていたけれど、二人は、正直、私が今までの人生でまったく触れたことのないタイプの人種だ。

私の人生を後悔してるわけじゃない。だけど、無知は不自由だったのかもしれない。結構な大人になるまで、いつからかわからないけれど、中学受験を終えて、生理もだいぶ慣れてきた頃だろうか、長いこと生きづらいなと、誰に言うことなく黙って黙々と歳を重ねてきたように思う。ようやく自分らしく、というか、好きなように好きな方へ歩きだせるようになったのは30歳ちょい前ぐらいで、そこからは馬鹿みたいに生きた。

私が右往左往と道なき道を彷徨っていたとき、彼女たちは一体どこで何をしてたんだろうか。正直、羨ましいなと思った。それに、なんだか考えれば考えるほどに惨めにさえ感じた。

ここ数年で読書デビューしたような私が、彼女たちと、同じ土俵で同じように次の進学を目指していいのだろうか。2人が1回でわかるところを、私は20回、、30回やってようやく少し理解できるようなものだ。それなのに、こんな私でも研究なんてできるのだろうか。

講義の合間に先生に声をかけると、色々を丁寧に聞いて、たくさんを教えてくれた。なんだかちょっと写真に似てる気がした。写真家になるにはどうしたらいいのかわからない。どうやってそれで食べて行ったらいいんだろう。なんだか、写真を始めたときと同じ気持ちとゆうか、あの時の不安や戸惑いに似てる。

先生は、わからないことはとてもいいことで、わからないことを続けて、わかるになってくる。そうやってあなただけの答えが見つかるから、頑張ってください。それから、と、付け加えて、私が興味のあること、写真や記憶のことについて、ヒントをくれた。

「音象徴仮説について調べてみると、何かわかるかもしれません。」

先生はオノマトペの研究をしてる。先生の論文をいくつかネットで拾ってきて読み漁ったけど、面白かった。形にならないけど、ここにはしっかりと感じることができるものがあること。それは、先生の研究してるオノマトペの一つだ。

正直、全然わからないことだらけだ。だけど、たぶん、今写真を撮ってるのと同じで、ただ、ひたすら歩き続けていれば、きっと何処かへ行き着くはず。

8月5日

Journal 07.8,2024


梃子はまだ新しい家には慣れてくれない。なんだかずっと不安そうな顔をしてる。なんだか、なんだろう。可哀想なことをしてしまったのかもしれない、と今更、もう遅いのだけれど、少し悲しくなった。梃子は田舎での暮らしがきっと好きだったと思う。山を走ったり、湖に行ったり、苦手だった車にも乗れるようになって、それこそ人生がガラリと変わった。

月末にやっちゃんが泊まりに来てくれると言うけど、それまでに片付けの整理を終えられるのだろうか。そして、私たちの生活がここに、ぴたりとはまってくれる日はいつ来るんだろう。陽が暮れるころの空がピンク色で窓辺が綺麗だった。

煮浸し

Journal 06.8,2024


来週とか、少し時間ができたら新しい暮らしのことを考えてみようと思う。とりあえず、今は今が過ぎていくだけで、想うことは膨大にあったとしても、日記にはゆっくりと書く暇もなく、フランスに住む友人が「赤ちゃんが産まれたんだけど、いまだに実感ない。」っていう言葉にだって、言葉はたくさん溢れてくるのに心の中だけで「わかるよ。」と頷いてる。

少し忙しい日々は続くし、不安なこともある。だけど、しっかりとやっていこう。出来るだけ、沢山の今までを捨てて新しくしながら。せっかく引っ越したのだし。ここでの暮らしをちゃんと好きになろうと思う。

夕飯

Journal 04.8,2024


朝は庭と駐車場の片付けをして、そのまま引越し関連の書類の手続きや、カーテンをつけたりして、周ちゃんと忙しなく家の仕事をした。昨晩は深夜手前まで大学の友達と麦酒を飲みながら研究課題について意見交換、とは言っても、なんだかんだと私のレポートの考察を話して、そこからモール信号の心理的影響みたいな超難しい論文の話で終わった。なので、今日はしっかりと睡眠不足。

結局寝坊して、週末に終わらせるはずのレポートが2本。明後日は映像のプレビューがあるのに、まだ途中までしか終わってない。わかってる。私が安直過ぎたことぐらい。それなりに、いや、考えてなかったからこうなる。多忙を超えて、余裕というか意識外に到着した模様。とにかく疲労困憊で、口の中の上と下に口内炎ができてるのは確か。

ああ、疲れた。2LDKぐらいの、いわゆる東京の小さなマンションに引っ越す予定が、倍以上の一軒家に出会い不動産屋に直談判し、バタバタと引越してしまったのだから、この家はいくつ窓があるんだって数えてもいないけれど、どう考えたって、色々が超えすぎてる。だんだん、わかってきたけれど、私は本当に馬鹿なんだなと思う。こうやって後先考えずに、超えた場所にきて、やっちまったなって。後悔はしてないけど、どう考えたって時間が足らないし、仕事も大学も、引越しの片付けも、終わってない。

引越して1週間ぐらい経ったけれど、毎日適当な食事が続いてる。今日もやっぱり適当な夕飯だった。そして、どうやら8月も勝手に始まったようで、ああ、もう今年も終わるんだなって。

昨日、今日で思うこと。梃子と周ちゃんのことを大切にしなくちゃダメだ。仲が良くなればなるほどに近づける距離が思っている以上に狭くなればなるほどに、私は勘違いをはじめる。思い通りの今日をやりたいと考えるようになって、思い通りにならないとイライラしたり、疲れた顔をしはじめる。日常なんてものは、うまくいかなくて当たり前なのに。

だから、ちゃんと考えようと思う。これでいいんだってこと。私の人生だけを生きようなんて夢は、そもそも幻想なんだってこと。世界は膨れていくほどに、私の好き勝手から離れていくものなのだから。

大丈夫。どこまでも諦めなくていい。さ、がんばろう。

餃子

中華 02.8,2024


毎日、とりあえずで何かを作って、とりあえずお風呂に入り、とりあえず寝てる。そんな日々が続いてる。

寿司

Journal 21.7,2024


とにかく疲れた。くたくたで、もう、心身ともに目一杯なのがわかる。昨日は寝たんだか寝てないんだか、今朝は9時から大学のオンライン試験。すごい大事な試験で、webのシステムがいつもの挙動と違くて、心配になって事務局に問い合わせてしまうくらいにセンシティブな試験だった。卒業がかかってる。

終わって、つか沼、慌てて来週の撮影の絵コンテの続きを終わらせてメールして、ああ、終わった。と、胸を撫で下ろして、そのまま、駅までダッシュして閉店前のお店に新居のカーテンの手配をしに走った。わたし、何でこんなに頑張ってるんだろうか。ぼろぼろで、今、自分がどんな顔でどんな髪型をして、Tシャツのヨレヨレ具合がどれくらい酷いかもわからない。

そんな時に周ちゃんからLINE。 ”高橋くんが隅田川の花火に行かないかって。引っ越した次の日なんだけど。” LINEを一回閉じて、とりあえず全身の力がドバッと抜けた。私と周ちゃんはあまりに違いすぎる。周ちゃんは頭がいいし、色々知ってるけど、実際は、この人スーパーバカだなって思う。いい加減にしてくれと腹が立つくらいに思う。結構有名な会社でディレクターっていう仕事をしてるけど、家では120%、私の方が頭がキレるし、ここが会社ならば完全に経営者と平社員だ。逆を言えば、私たちの職業は逆の方がいいのではないかと思うくらい。

ああ、腹が立つ。どうして私は恐ろしく忙しいのに、こいつはコロナを移してそのまま出張に出かけて能天気に花火とか誘ってるんだろうか。しまいには、カーテンの採寸を間違えたかも?と言い出してる。もう、何も言うことがないし、どんなに酷いことをされようが「わかった、有り難う。」とだけ伝えて、湧き上がる何かを必死に堪えるやつだ。

けど、こないだ周ちゃんに「俺はよしみのお母さんみたいにはなれないから。」って言われて、は?って思った。いや、はっとした。いつ、そんな事言ったんだろうか。いや、言ってたんだろう。なんだか、こいつうざったいこと言うなって腹が立ったけれど、全面的に私が悪いと思う。申し訳なくて可哀想になった。周ちゃんの言うとおりだ。多分、何かを押し付けてるんだろう。そして、それは私にも同じようにきっと押し付けてるものだ。

年末に姉と喧嘩して、こないだ姉と会って、もちろん、姉が大好きだなと思った。だけど、きっと大嫌いでもある。母のことも同じで、大好きで大嫌いだった。私にはできない。子どもの頃に思ったことが今でもきっとずっとあるんだろう。今でもずっときっと憧れてるのだろう。正直、そんな気はないのだけど。アメリカが好きだって言うのも、結局、私が姉が好きなだけだと思う。13歳とか14歳とか、ティーンになる頃に出会ったアメリカに憧れていたんじゃなくて、きっとずっとアメリカに行った姉に憧れてた。だって、私が好きなのは姉が住むLAオンリーなのだし。

大学に入って勉強をするようになってから待望することが失くなってきたように思う。たぶん、予測できるようになって、待望する必要がなくなった。夢を見なくなった。現実に確実に知ってることが増えていくと、できることと、できないこと、あの人やその人が何をやっているのか、どこに向かってるのか、が見えてくる。自分だけのことを考える人、人のことやもっと多くの人のことを考える人、調子がいい人、適当な人、投げやりな人、優しい人もいるし、経験が深い人もいる。大体は年長者は懐が深いけど、そうでもない人もいる。若い人は自分探しで精一杯な印象だけど、それが若い人の仕事だ。むしろ若いうちから大人ぶってる人は誤るように思う、人生を。色々な人がいる。心理学を勉強してるからカテゴライズしやすくなったってわけじゃなくて、きっと自分の感情と他人との関係を分別できるようになったんだと思う。

昼に今だと慌てて書いたPARISのまゆみちゃんへの手紙。なんだかちょっと人生のことを書いた。何ってわけじゃないけど、不意に思ったこと、例えば、人生って簡単に変わるんだよねって。まるで嵐のようにきて去っていくような内容で、ほんの数分で書いた。体調はどう?とか、バカンスはどこへいくの?みたいな話は一切書いてない。だけど、今日もまゆみちゃんは私の心のオアシスだった。PARISには私を責める人は誰もいないと信じてるのだろうか。誰にも言わないこと、私自身にだって言わないようなことを不意に書いて驚くことがある。

7月も、もう終わる。梅雨はいつ始まっていつ終わるんだろう。今年のことは全然知らない。ちょっと疲れすぎてる。今日はとにかく寝よう。

トマトとバジル

Journal 15.7,2024


今日も雨、だけど、日に日に身体が宙に浮いてるんじゃないかってくらいに、体調は良くなってくる。色々が軽快にすすんでる。

すきやき

和食 14.7,2024


力のつくものでも食べようととなり、牛肉を買ってきて夕飯はすき焼きにした。引越しまで二週間。週末に家に周ちゃんがいるのは今日で最後。来週はまた出張だ。体調は全快してない、けど、明日から色々が立て込んでる。とにかく、全部しっかりとやりきらなきゃだ。

メロン

Journal 13.7,2024


母にコロナになった。とメールしたら、直ぐに段ボールいっぱいの野菜と果物が届いた。母は何かあると、必ず食べ物を送ってくれる。だけど、結局、メロンが食べれるようになったのは大分良くなってからだった。よく完熟していて、今年一番のメロンだったと思う。姉がLAに帰ったら、二人で中華食べに行こうって約束してる。

焼きうどん

夕飯 11.7,2024


結局のところ、ただの夏風邪はコロナだった。初コロナ。もう、今や誰がなってもおかしくないと言うけれど、結構頑張ってからないようにしてたコロナ。これだけ当たり前になってるコロナだけど、いざ自分がかかるとなると、小さくショックを受ける。

勿論、発症元は周ちゃん。出張で貰ってきたんだろう。金曜日から土曜日の朝にかけて、急に容態がおかしくなってきて、寝起きの周ちゃんに直ぐに病院へ連れて言って欲しいと頼んだ。喉の激痛で、耳や肩、身体全身の神経がおかしくなりそうだった。この時点で周ちゃんは既に発症から5日経過していて、体調も良さそうだった。

あれだけ、仕事を休んでってお願いしたのに、出張から深夜帰って直ぐに実家の用事、そして夜中に帰宅して朝から仕事。そんな事を続けていたら身体を壊さないわけがない。高校生の頃から野菜ジュース飲むような健康オタクのわたしが、食べ物だけじゃなくて睡眠時間にだってうるさい私が、どうしてこんなに苦しんでるのに、家族のことを考えずに好き勝手やる周ちゃんは飄々と仕事してるんだろう。なんだか、妊娠の時のことを思い出す。この人は、というか男性はなんだろうか。自分は大丈夫だから、と颯爽と出かけていく姿は苛立ちしかない。心配そうな顔をして「早く帰る。」と言い、冷蔵庫の中が空っぽなことも忘れて遅くに帰ってくる。そして、脂っこいラーメンをどんとだされって、そういえば、優しさって何だっけって。油がだらっと浮いた茶色い液体の表面を見ながらなんどもなんども考えた。なんなら、もうあの時から味覚はどこかへ行ってくれたら良かったのかもしれない。

周ちゃんへの苛立ちは一向に消えないけれど、それに反して、私の身体は刻々と回復していった。まだ完全とは言えないけど、もう「辛かったな」と過去のことのように振り返れるくらいに。

夜はたぶん、気持ちの行場をなくしたんだと思う。ひたすらYouTubeを見続けた。アメリカンゴッズタレントという番組。小さな少女たちが、震える身体を震える声を捨てて、ステージの中央にただポツンと立ち、腹の底から心の声を、すべてを界に向かってさらけだす。圧倒されっぱなしで、気づいたら泣いてた。周ちゃんの事なんて、どうだっていいや。そんな事よりも、私も強く生きたい。朦朧としながら、ベッドに転がりながら、見続けた。

ポテチとスパークリングワイン

夕飯 27.6,2024


周ちゃんが出張になると、夜が遅くなりがちだ。多分、それは、電話のせい。全く電話しない時もあるけれど、電話する時もある。なんとなく、お互いに寂しくなってかけるのだろう。気づけばもう、周ちゃんは私の恋人みたいな存在そのもの。正確に言えば、夫だけど。

今日は江戸川橋の内見が急遽延びて、昨晩の仕事や周ちゃんとの電話で今日は寝不足のままに仕事へ出かけた。14時過ぎ。池袋の丸の内線のホーム。15分は寝たと思う。撮影の内容を確認した後に単語帳を開いたけれど、直ぐに睡魔に襲われて気持ちよく寝て、起きた矢先のことで、たぶん、違うと思う。そんな事は絶対にないと思う。

不意に目の前に現れた人が、横を向いた。さっきシャワーから出てきたような黒髪で、だらしなくTシャツやズボンを揺らして歩いてる、背は私と同じくらい。小柄な割に背中はがっしりとしてる。左を見たり右を見たり、忙しなく動く顔とその先にある視線。

私は仕切りにアトピーのあとを探して、頭のてっぺんから足の先の隅々まで、その身体がなす動きを全部、本当にそうなのかじっと追いかけて、離れて、そして、目が勝手に涙をこぼそうとしていた頃に、すぐにその視線に交わらない場所に動物的に素早く逃げた。

私、何を期待してたんだろうか、元夫かどうかを一生懸命に知ろうとしてた。もし、ここで大声を挙げられて詰められたらどうする?違う。そんなこと。私には、彼にかけられる言葉なんてない。もう、二度と私達は目だって合わせられないを合わせられないはずだ。まるで嘘みたいな、ドラマにでも出てきそうな最低の別れをしたのだから。

頭がショートしそう。停車していた電車へ飛び乗った。イヤホンからは英単語が流れてるけれど、全く聞こえてこない。振り返らない。下を向いて、私という人の気配をしばらく消した。電車が閉まっても、次の駅がその次の駅が来ても、ずっと下を向いていた。

あれは本当に元夫だったのかはわからないけれど、久しぶりに生きてるような気がした。まるで今が夢で、あれが現実みたいに見えて変だった。そして、絶対に周ちゃんがいるこの生活を守ってやるんだと思った。おかしいでしょ、私って思う。今が現実であれは過去なのに、何を言ってるんだか、だけど、本気でそう思った。ここは私にとって夢だ。

梃子はもう、すっかり周ちゃんに慣れてる。結婚して2年半。まだ、当ててはめ込んだみたいな夫婦だと思っていたけれど、過去から離れるために、こんな遠くまできたのは、そうでもしないと生きていけなかったからなんだ、そうだった。いま、記憶を勉強してるけれど、記憶って怖い。こんなに怖いものだなんて知らなかった。だって、自由に書き換えることが出来るし、書き換えたことを現実にすることもできるのだそうだ。

過去が溢れてくる。あの瞬間がトリガーになって、ぐちゃぐちゃだった世界のことが、
嘘みたいな毎日のことが、見たこともない景色が予想もつかない出来事が起きる、今とは180度違う元夫の世界のことが蘇ってくる。

6月19日

Journal 19.6,2024


朝6時半に梃子を膝に乗せて、車で周ちゃんを駅まで送った。今日から3日間の大阪出張。そのあとは、直ぐにシンガポール。最近、周ちゃんの一言に腹が立つ。その度に、元夫を思い出してしまう。まさか戻りたいなんて思う訳でも、今でも好きだなんて思う訳でもないけれど、あの人ならこんなちっちゃいこと言わないし、絶対にしない。って、思ってしまう自分がいる。正直、うざい。どうしてこんな気持ちになるのかわからないけど、そうやって元夫が日々私の中でいい男みたいな顔をしてやってくる。

そもそも、周ちゃんの態度に腹が立つのは、私が周ちゃんへの態度が悪いからだ。私の口の悪さや身勝手な行動に比べたら、周ちゃんのなんて可愛いもんだ。別に庇うわけじゃなくて、どう見たって私が悪い。

もし、20代で、いや30代だったとしても、周ちゃんとは絶対に結婚しなかったと思う。今じゃなきゃ結婚しなかった。こんなに素敵な人はいないって思うけれど、私が好む男じゃなかった。真面目で絵に描いたような、普通で退屈でどこにでもいそうな、かっこよくて背が高くて、仕事ができて、私にとってはとびきり冴えない男だった。元夫と比べ物にならないくらいに平坦でまっさらで安全な男。傷一つない、SEXだって十分過ぎるくらいに上手い。

一昨日も聞いた気がする。「私のこと好き?」これは、もしかしたら自分への問いなんだろうか、とも思う。結婚をすると、どういうわけか、鳥籠の中の鳥のような気持ちになる。ここからは二度と出てはいけないんだよって。そんな事、誰も言ってないのに、ついついそうだと信じ切ってしまう。

だからだろうか、余計に好きがどこにあるのかわからなくなっていく。というか、好きじゃなきゃいけないような気になって、それが少し、苦しくなる。いや、罪悪感のような、間違えた今日を選んでしまったような後ろめたさだろうか。

正直、好きとか嫌いなんて、歳をとればとるほどにどうでもいいことだ。家族でも友達でも、好きか嫌いかじゃなくて、大切かどうかの方がずっと大事。それに、大人になると、いちいち好きとか嫌いに振り回されてるほど暇じゃない。周ちゃんに想うこと、今日も一緒に生きてくれてありがとう。巷に転がってるようなありふれた言葉だけど、今のところ、これがしっくりときてる。

実習先が全く決まらなくて、鬱々としてた先月。もうダメだ、もう嫌だと、朝も夜も周ちゃんに話を聞いてもらってたいつかの夜に、私、毎月、まつ毛パーマして、ネイルして、美容院行って、週末は友達と話題の店で食事して、好きな服を買って、残業がない仕事して、給料は別にそこそこでもいい、それで、十分に幸せだと思うんだよね。実は、すごく、そういう生活に憧れてるって話したら、周ちゃんはとびきり変な顔をして、曲がった口で「本当に?」って言った。

驚いたけど、周ちゃんには周ちゃんなりの理想の女がいるらしかった。知らなかった。私たち、いい感じですれ違っている。もしかしたら、思っている以上に、ここには恋のような愛があるのだろうか。

夕飯

Journal 18.6,2024


周ちゃんは明日から出張。正直、やっぱり毎度のことで、小さくうれしい。

鯵の干物

おかず 17.6,2024


夕方に駅前のスタバで仕事をしてると大学から電話があった。「熊谷さん、実習の内諾を正式に頂きましたので。」ようやくだ。春から探し始めて、ようやく受け入れてもらえる病院が決まった。まさか、本当に私が病院で働くだなんて、信じられない。本当に人生って何があるかわからないや。

嘘みたいだけど、自分で選んでやってきたこと。この一年半、勉強頑張ったじゃないか。夏が終えたらもう殆ど卒業したようなものだ。秋には単位を取り終える。そして病院での実習に入る。もう、仕事も思いっきり出来るし、そして、受験勉強も本格的に始めるつもり。そして、引越しももうすぐ。けど、家はまだ決まってない。

ワンタン

中華 08.6,2024


「楽しみなさい。よしみの人生なんだから」アンメットを見ていた時に、母に年末を言われたことを思い出した。L.Aは夜中の3時。隣の部屋で戦闘もののゲームの音が鳴り響く中、電話の向こうにいる母に気づかれないように泣いた。

別に、姉が悪いとは思ってない。100万回くらい思ったけど、本当はそうじゃないことも知ってる。そういえば、大体、いつも、姉に限らず「あの人には悪気はないだから。」と、ことあるごとく、私は私に説得してきた気がする。

本当に悪いかどうかなんて多分、どうでもいいこと。大人になって知った。そして、離婚してからもわかった。真実、正義、何がよくて悪いかなんて答えを現実は別に知りたがってなんていない。結局、それで痛いと胸のあたりが、ズキっと、いやズキズキと、いや赤く腫れて腫れ上がってそれを隠そうとして、そのうちに痛みに耐えられなくなって、本当にもう痛いのだと誰かが悲鳴をあげたらゲームオーバーになる。それが答え、かもしれない。

これは私の性格の問題ってこと。どうしてなのか、よくわからないけれど、我慢しなきゃいけないと、ぐっと口をつぐんで成長しなきゃいけなかった。

元夫のことだって、私がムリです。と、早く言えば良かっただけだ。多くの人に助けを求められたら、彼の病を救えたかもしれないし、離婚してなかったかもしれない。「どうして、こんなことになるまで、我慢したの?」やっぱり母に言われて気づいた。え、あ。心配かけたくなかったから。ただ、それだけで、あとは、私なら何とかなると過信してんだろうか、よくわからないけど、まるっと大きくて真っ黒な布で包み隠していた。

人の所為にすれば簡単だし、その悩みは一方通行ですむ。自分の所為にすれば、現実を変えることなく、明日を迎えられる。なんでこんな大人になってから、母は私にあんな事を言ったのだろう。もっともっと、子どもの時に言ってくれたらよかったのに。

塩豚とサラダと

おかず 04.6,2024


LAから姉が帰ってきてる。母からテコのことで何度も電話がある。なんなんだろう。母はなにかわかってるんだろうか。

醤のニラ餃子

Journal, 中華 01.6,2024


5月31日。初恋の人の誕生日。夕飯は醤のニラ餃子。

結局、実習先は決まってない。だけど、なんだか吹っ切れてきた気もする。世の中うまくいかないこともあるってことだ。死ぬほど勉強したって、実習にいけない。これが現実だとしても、私は死なない。今日も美味しくビールを飲んで、大好きな餃子をたらふく食べれる。人生なんてそんなもんだ。こんだけ頑張ったのだから、とか、どうして私だけとか、可哀想な自分を見つけたって悲しさは減らない。だったら、無視すればいいんじゃないかと思った。今、目の前にある現実を。

だけど、実は、いいこともあった。色々な病院やクリニックと連絡をとるうちに、電話がそんなに苦手じゃないってことに気づいたこと。長年苦手だった電話。番号を押して相手が出るまでの時間。今か今かと、待つ間に、じわじわと手に汗をかく。あの時間が大嫌いだと思っていた。だけど、私が苦手なのは、たぶん、電話じゃなくて、うまく話そうと頑張ること。電話、そのものじゃない気がした。

それに、もうひとつ。病院はみんな一緒だと思っていたけど、全然ちがうってことを知った。まるで会社みたいにそれぞれ方針ややり方が異なっていて、いい会社もあれば、やばい会社もある、みたいに。今まで家の近くだからっていう理由で病院を選んでいたけど、美容院を選ぶくらい慎重になってもいい。それぐらいに違うし、万一、ハズレを引いたら、変な前髪とかになって、帰って泣くのは自分だってことだ。

周ちゃんは昨日も少し帰りが遅かった。最近、むちゃくちゃ忙しそう。6月の半分は出張だし、仕事がどんどん軌道に乗ってきているんだろうなと思う。私は私で新しい仕事が始まりつつある。それに、病院に連絡していく中で、なんだか、歩き始めてる気がした。

それに、写真を撮ってる時が一番さらさらと進めるってこともわかった。きっとすごく合ってる。周ちゃんに言うと、同じことを言ってた。どうしても好きで、20代最後に諦めきれずに始めた仕事だと思っていたけれど、右往左往、色々とやってきて就いたんだ。これが、私ならできる仕事だったんだって。

冷やし中華

Journal 25.5,2024


おーいハンサムの中で食べてたしらたき入りの冷やし中華が食べたくなって、家にあるものでっぽいものを作った。

台湾の唐揚げ

Journal 21.5,2024

右と左の子宮が痛い。そんな事ってあったっけ?普通は右か左、どっちか片方が痛むよね。もう、なんなんだろう。イレギュラーな毎日ばっかりがすぎていく。引越しも一旦ストップ。正直、それどころじゃない。

今日は散々だった。昨日も確かそうだったけれど、ソファーに倒れ込んだのは17時くらい。もっとすぎていたかも。もう、本当に無理。いや、ぜんぜん無理じゃない。どっちなんだかわからないけど、下腹部は痛い。なんだっていいけれど、とにかく実習先の病院が見つからない。もう無理だよ。

周ちゃんが一昨日言ってた。こないだ、高橋くんとご飯した時に私のことを褒めていたんだって。高橋くんは、今やってるアートのことで第一人者らしく、今の仕事をやめて早く本を書いて、アメリカだかヨーロッパだかの大学院へ行って、もっとしっかりと研究を深めた方がよいのだそう。だけど、そう簡単にはできないんだって。だから、よしみのことを褒めてたよって。

「え?」驚いた。褒めてくれるのはすごく嬉しい、だけど、。うーん。どうなんだろう。自分でも思うけれど、私ってバカなんだと思う。嫌なこととか、苦しいこととか、散々な目にあった筈なのに、また同じことを繰り返しちゃう。結婚なんて最たるもので、二度と結婚しないって誓った一年後に結婚した。離婚届を出したピッタリきっかり1年後に。そう、私はバカなだけ。大学だってそうだ。なんで、こんなに苦しい思いをしてまで勉強続けてるのかよくわからない。このまま実習先が決まらなかったら、単位は殆ど取れてるのに、卒業が延びる。

今夜は周ちゃんは立川で研修だから帰りが遅い。夕方にコンビニに行ってビールを買ってきた。そして、台湾風の唐揚げを作って、ビールでグゥーっと喉を潤した。こないだ野澤さんにいただいたスパイスセット。鶏胸肉にスパイスを揉み込んで揚げるだけなのにまさに台湾。

ああ、もう限界。こんな毎日から逃げ出してしまいたい。絶対に逃げたりしないけど、。いや、逃げたいよ。けど、勉強は絶対にやめたくない。やめる気もない。なんで頑張ってきたのに、実習先が見つからないんだろう。もう嫌だ。このやろう。

やることなすこと、上手くいかない。いや、ただ、そう見えてるだけなんだよ。わかってるけれど、そう信じきってる私がそこにしっかりとしがみついて離れてくれない。

ケーキ

Journal 19.5,2024


周ちゃんの誕生日。なんだか、周ちゃんが急にもっと好きになった。前々から思うけれど、誕生日って、その人がもっと好きになる日だって思う。