鰻重

Journal 02.11,2023


ひとりでワインでも飲もう。いや、けど咳が酷くてそれどころじゃないかな。とにかく仕事へ行こう。そう思って部屋を支度をしてると周ちゃんが部屋をノックした。

「俺はよしみが好きだから、一緒に誕生日を祝いたい。」そう言い放った周ちゃんに抱きしめられたら涙が溢れた。あれ、私って悲しかったんだっけ。胸はさらっとしてるのに、玉葱を切った時みたいに涙が勝手に頬をつたっていく。

「わかった。じゃあ18時に帰る。」「うん。」周ちゃんも私も仕事へ出かけた。我慢してた?いや、そういう感じじゃない。強がってるつもりもない。じゃあどうして泣いたんだろう。

夜は結婚記念日に行った鰻屋へ行った。鰻もそこそこ美味しいけど、この店で一番好きなのは、店の内装とBGMがないこと。高い天井。庭に広がる竹林。調度品はオーナーの趣味なのか、インテリアデザイナーのセンスなのか、古い民藝品が飾ってある。離れにあるトイレのお香の匂いもいい。洒落たスパイスだのハーブだのって匂いじゃなくて、シンプルに白檀の匂い。平日の夜は大体空いていて、今日も貸切状態だった。

昨日までの喧嘩が嘘みたいに、また平穏に戻った私たちは、白ワインを片手に沢山の鰻を食べた。今年の豊富は5つ。前は写真の話をよく聞いてきた周ちゃんだったけれど、最近は心理学の話を聞いてくる。私もだんだんと答えられるようになってきた。

11月1日

Journal 01.11,2023

なんだかやっぱり怒涛の10月を終えて11月。ぜんぜん息つく暇もないし、内科で処方してもらった薬が全然効かずに今日は朝から耳鼻科。先生は「ちょっとまずい」みたいな事を言って、たくさん薬を出してくれた。なんでこんなに忙しい時に体調が悪いんだと思うけれど、この色々は自分で選んだことだし、と、ここ最近はどう楽しむかの方が先決。ここから2月までは多分、本当にきっとやばい。だけど、ここをどうやるかで、大学の卒業も、仕事もかかっているような気がしてる。なんだろう、やばいのにわくわくしてる。

午後から1本撮影で千葉まで行った。久しぶりの乾さん。乾さんは私が結婚してた時に何度かご一緒していたから「きくち」だった私しか知らない。撮影したカレーを食べながら少しまえに転職したマガハの話をしてくれた。それから、「ずっとマガジンハウスの本読んでましたしね。」と言ってた。なんかいい言葉だなと思って聞いていた。私もそう。マガハと言えば、Oliveが一番の愛読書。だけど、マガハだけじゃない。雑誌がどういうわけかとにかく好きだった。毎月、毎月、何冊も買ったし、本屋に立ち読みしにいく時間も好きだった。渋谷のPARCOにあった地下の本屋なんて一時は毎日のように通った。

夜は周ちゃんとプールに行く予定だったけど、スーパー銭湯へ行った。なんとなく、一年の垢を落としたくなって、急遽提案して車で銭湯へ向かった。お風呂からあがってから、ここ数日気まずい周ちゃんに「この感じ、やめない?」と言うと、「頭ではわかってるけど、心が追いつかない」と返ってきた。どうやら私の言い方が悪いと主張しているけど、私にだって十分に言い分はある。けど、喧嘩なんてそんなもんだよなと思って、黙って聞くことにした。

明日は誕生日。誕生日前日にもめたり、もめごとを長引かせたり、面倒な女みたいなことをしないでくれと心の中で呟きながらも、いや、誰かの心のことを勝手に決めつけちゃいけないともう一人の自分が私に言い聞かせた。私は私で周ちゃんは周ちゃんだ。

それに、なんだか話を聞いていると、なるほどなと思うこともあった。周ちゃんは私を責めながら責められるのが苦手なんだと何度も言ってたけど、「私も責められるのは嫌いだし、周ちゃんは今私を責めてるよ。」と言いかけてはやめた。

子供の頃から威圧的な人や強い言葉を使う人が苦手で、そういう人から逃げるように生きてきた。理由はひとつ。小さい頃、散々姉に強く言われてきた。強迫的な言葉や態度、八つ当たり、無視。大好きな姉だったけれど、すごく怖かったのは大人になるまで続いていたし、今でもまだちょっと残っている。結局、その記憶がただ「怖い、怖い」と一人歩きをし続けてるだけなのかもしれない。周ちゃんにすごい剣幕で責められても、心は終始さらっとしていた。睨む周ちゃんから目をそらして気づいた。あ、私って、実を言うと怖い人に慣れてる。だって、数えきれないくらいにそういう経験をしてきてるんだもんなと冷静に考えていた。

帰りの車は黙ることにした。あなたにとっての今は今日しかないけど、私にだって同じ。だから、面倒な誕生日イブも面倒な誕生日も送りたくない。それだけ。私もわがままであなたもわがままなんだよな。けど、誰にとっても、今はハッピーであって欲しい。

10月22日

Journal 22.10,2023

結局、今日も咳であまりよく寝られなかった。「私が那須まで運転するから。」誰かといると、どんどん甘えていく、どんどん女みたいになっていく自分が最近嫌で仕方がなかった。「だって、よしみは昨日寝てないでしょ。薬も飲んでるし。」「大丈夫。」少し強がってるくらいの方が丁度いい。放っておいたって甘え出すのだし。

黒磯でざおーと落ち合って、チャウスでランチをして、私と周ちゃんは買い出しへ向かった。キャンプ場に着いたのは15時過ぎ。

1年ぶりに会ったざおうやガッちゃん、ことはちゃんは、昨年よりも一層に家族って感じだった。だけど、そう思ったら、私や周ちゃんもまた昨年よりずっと家族になってる気がした。

日をまたぐ前に寝袋に入って寝たけれど、結局、咳で寝たんだか寝てないんだかよくわからないままに朝が来て、朝方にひとりで散歩へ出かけた。辺りはまだ薄暗い。朝の空気を吸い込んだからか咳も止まった。まるで何かから開放されたかのように、辺りをどんどん歩き続けた。川へ行き、森林を歩き、また川辺へ。光の方へ。朝の方へとどんどん歩く。

帰りの車で周ちゃんとガッちゃんの話をした。「ガッちゃん。すてきだったね。剪定がおもしろいって話もよかったよね。」ガッちゃんは果物農家で働いてる。毎日畑へ出て、自然の中で働くことは大変なこともあるけど、それが楽しいって。話はいたってシンプルで清々しかった。

「なんか、自分の人生が恥ずかしいとまでは言わないけど、ガッちゃんの生き方とゆうか、。いい仕事だよね。」車を走らせる周ちゃんに言った。「うん。よしみもやってみたい?」「違う。そうゆう話じゃなくて。私もそうゆう人でありたいとゆうか、憧れたっていうか。」周ちゃんが大きく頷いて言った「人はどこかで諦めなきゃいけないんだよね。」「そう。」

周ちゃんは沢山の事を知ってる。博学だ。だけど、それがただ読んだだけの知ってるだけの生きてない言葉なことが多い気がして、そんな風にして食べ物の話をされると、無駄に腹がたつ。口先だけで情報をこねくり回して何が楽しいのだろうかと苛立つ。だけど、今日の言葉は余りにぴたりとはまっていた。

たぶん、周ちゃんは誰よりもずっと早く若い時に諦めることを知ったからかもしれない。家族の事で自分を犠牲にしなきゃいけなかった時間を送った日々がある。その時は、もう自分の人生は終わったと思った。と言ってたけど、今となってはいい経験だったとも言ってる。

私が諦めるようになったのは最近になってだ。離婚して、ああ、私は全てを失ったんだと思ったら、世界を受け入れるしかないのだとという事もわかった。「嫌だ」じゃなくて、そうなんだって。大体はもうどうにも出来ないことで出来ている世界に向かって、自分の思い通りに征服してやろうなんて思いながら生きるのは虚しい。だけど、そんな虚しさを沢山重ねて大人になっていくのだとも思う。夢はいい。だけど、夢は夢で、世界はだから世界だ。

いい時間だった。大切なものや大切にしたいこと、これから諦めていく世界のことを考えたりした。強くなろう。

10月18日

Journal 18.10,2023

咳が止まらない。周ちゃんは早朝に千葉へ向かった。まだ外は真っ暗で、わたしはもう一度ベッドへ潜った。最近は早朝の勉強はしてない。病院の先生に「寝なさい。」と言われたから。頑張ることは簡単だけど、頑張らないっていうのはちょっと難しい。月末まで忙しいのに、睡眠も削れない。完全に板挟み状態。

携帯なんて殆ど見ないのに、今日は一日中、周ちゃんから返ってこないメールを何度もチェックしてうんざりした。全部捨ててやろうかと思ったりもしたし、とにかく心が忙しくて苛々する。ここが東京なら、適当な夜の中に消えたい。公園でもどこでもいいから、冷えたビールを飲んで、全部なかったことにしたい。結婚も今も全部を全ての時間を。知らない人と話して二度と合わない人と笑ってバイバイして、また飲んで。

どうしたらこんなに真面目になってしまったものかと後悔するけど、あのまま適当に生きていたらと思うとゾッとする。気づけば、いい加減になれなくなる日がきて、思っている以上にかちこちになった。だから、せめて男くらいは適当に遊んでおくべきだったのに。滑り込むように結婚して、寂しくて1日中携帯がそばにある日が来るなんて。うざったいし疲れる。嫌な女。ダサい女。

星野源さんを聴きながら日記を書いてる。周ちゃんはまだ帰ってこない。昔、豪くんと一緒に住んでた時によく星野源を聞いてた。豪くんがかせきそーださんの事務所から帰ってくるまで。恵比寿の駅前のマンションで今は下の階に有名な火鍋屋がある。夜になると、よくベランダに座ってタバコを吸った。豪くんのことは朝から晩までとにかく大好きだった。

豪くんと数年前に会った時、どうして会ってくれたんだろうって思ったけれど、きっとちゃんとバイバイを言えなかったからだろう。いい男なのか、そうじゃないのかよくわからないけど、私は豪くんが考えてるほどあの日のことを想ってない。結局、サヨナラなんてそんなもんだし、だから、久しぶりに会おうだなんて言える。

周ちゃんとは恋愛せずに結婚したけど、もし、恋愛してたら結婚してなかったかもしれない。

夕飯

Journal 17.10,2023


周ちゃんとの久しぶりの夕飯。連日、周ちゃんは忙しくて帰りが遅い。昨日はたまたま私がいなかった。”夕飯はもう支度しない。” だの、なんだのって、酷いメールを沢山打ったくせに支度した。周ちゃんは、私も、終始よそよそしかった。「きのう何食べた?見てもいい?」「うん。」珍しくyoutubeなんかを流しながら黙々と食べた。

昨日は殆ど寝てない。寝れなかった。今夜は死んだように寝るかと思ったけど、周ちゃんの寝息が聞こえてもしばらく寝れなかった。少ししてから周ちゃんにくっついて寝た。

周ちゃんが仕事で帰りが遅くなると、このまま帰らないんじゃないかと思う。もしかしたら、女性と飲んでるんじゃないかなんて思う。前の夫は夫で、周ちゃんは周ちゃんだ。全然違うのに、そう思うことをやめられない。夜が長くなると不安になる症候群になってる。だけど、少し前では、もっと遅くまで遊んできてよと思っていた。

それに、。あんなに酷いことを言ったのは私だ。ある日、突然に爆弾を投下する女。よく耳にする話だし、女ってのはわからないよと言われる所以だろう。だけど、女である私も私のことがわからない。

10月14日

Journal 14.10,2023

“18時にラジオキッチンでお願いします。” 角田さんからメールが入ったのは午後。急いで読んでいた参考書をノートにまとめて、車でプールへ出かけた。最後に会ったのは夏の撮影。あれから何度もメールでやりとりをしているせいか、あまり久しぶりな感じがしなかった。

お店まで歩きながら話して、食事をしながら話した。角田さんはカボスサワーを私は冷えた白ワインを数杯おかわりして話は続いた。映像の話だったはずだけど、そもそもやっぱり角田さんとはいつも、物の原型、その物質みたいな話になる。わたしたちの全てはそもそも同じ成分で出来た仮面を被ったなにか。もうその上っ面みたいなのは面倒だし、そんなのはまたコロコロと季節みたいに変わるのだから、あなたの血は何色でそれがどこにどう通ってるのかの話をしましょうよ。みたいに、私には聞こえる。ちょっと変だけど、前の夫との会話に近い。夫としては最悪だったけれど、人間としてはとても魅力的な人だった。それは病気の特性の一つなのだけど、病が進行すると特に脳の回転が早くなったり、異常な動物的な嗅覚を現した。

プールで少し疲れた身体に染み渡るワインと角田さんの声。話を聞きながらぼんやりと思った。アートセラピーについて勉強しようか迷っていたけど、やっぱりやめて良かったって。これをやろうなんて決めるのはやめよう。不安だから答えを直ぐに見つけたくなって、身近なもので着地したがるのは人の性みたいなものなんじゃないか。けど、結局、こんなんじゃないと飽きるのは自分だ。せっかく、少し変わった業界で、角田さんのような素敵な大人に出会えるのだから、安心して泳いだらいいと思う。写真やって心理学やっての曖昧な先のなにかが、周ちゃんのよく言う、そのかけ合わせが面白いって場所にいつか出会える日が来るかもしれない。

帰りがけに角田さんと写真の話を少しした。こないだ撮った写真のことを褒めてくれた。別のライターさんと、いい写真だと話していたと言っていた。とても嬉しかったけれど、それ以上に、その写真や私の写真の撮り方について、ずばりと言い当てていて驚いた。

「私は、角田さんを見てたんです。」思わず言ってしまった。なんて事を言ってしまったんだと思ったけど、本当にそうだった。野菜が好きだ。20年くらいベジタリアンして体を壊すくらいに好きだ。vegan料理家の先生と本を作るくらいに好きだ。けど、畑に行くのは、角田さんを見たいからで、野菜を見に行っているというよりも、料理家の角田さんを追いかけて行った。角田さんが純粋に野菜が好きだと想う姿に胸を打たれたから。

自閉症スペクトラムは、人間的なコミュニケーション、人としての営みを働かせている機能に不具合がある脳の病。症状のひとつに、クレーン行動というのがある。それは、物を取りたい時に大人の手をもち、それをクレーンのように使って、物を取ろうとする行動。そこで見えている世界は、大人の手だけがぬぼっとあるらしく、人としての存在は見えない。手は温度のない、ただの物になる。仕事で料理を撮りまくっていると、時々似たように思うことがあった。皿だけがぬぼっと出てきて、一体これはどこからやってきたのか、誰が作ったのか見えない。ただ、流行ってるとか、人気だとかいうことだけが皿の上で光ってる。

料理写真を撮るのは好きだけど、そういう料理を撮ると寂しい気持ちになる。画面だけが、キマってる写真がどこまで語れるかなんて、正味1ヶ月が限界じゃないか、なんて意地悪く思ったりもする。昔のように、その頁を破いて壁に貼りたいなんて思う写真がすくなくなってしまったのはきっと、写真がただキマってるだけのものになったんじゃないかって。

駅に着くと、少し雨がふり始めていたけど歩いて帰った。楽しくて、少し飲みすぎた。だけど、よかった。まとまらない気持ちを日記に書いても結局まとまらない。四方八方から溢れていくだけ。それでいいや。

明日から忙しくなる。時間がぜんぜんない。

冷麺

夕飯 10.10,2023


周ちゃんがふるさと納税で購入した六盛の冷麺。この世で一番すきな冷麺であり、一番すきな拉麺。周ちゃんと出会った日に付き合って結婚の約束をして、入籍したのは3ヶ月後。入籍する2週間前くらいに行ったのが大分。周ちゃんの前職時代に住んでいた大分。周ちゃんが婚約者と別れて、人生を変えようと思ったところ。わたしにとっては縁もゆかりもない場所。

「婚約者です。」お世話になった民芸店で丁寧に紹介された。まだ、婚約者なんて名乗れるほど、周ちゃんのことは知らない。そう思いながら軽く会釈した。

周ちゃんに会わなかったらたぶん、大分には一生行かなかったかもしれない。後から聞くと、兄は将来大分に住みたいと考えているほどに大分が好きで、大分の知人から毎年かぼすを送って貰ってると言ってた。それでカボス胡椒を作って、わたしは毎年食べていた。なんて、人生とは自分の知らないところで、勝手にどうにか回っていたり、繋がっていたりするものらしい。

大分、少し特別な場所。柳家という旅館で入ったお風呂が忘れられない。夕陽の中で入る湯船はキラキラしていてとてもきれいだった。

10月9日

Journal 09.10,2023


周ちゃんは祝日だけど出勤。ちょっとありがたい。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと時間に追われてる中での家事は辛い。一人暮らしだった時、こんなに家事って辛かったっけ?と思うくらいに億劫だ。

周ちゃんを車で駅まで送ってから、夜まで勉強した。昨日のこと、吐き出したらスッキリしたというか、自分でもわからない気持ちを肯定してもらって楽になったというか、驚くほどにあっけらかんとしてる。離婚後によく人に言われたけど、落ちるのもすごいけど上がるのも早いって。心はそのギャップにヒリヒリするけれど、物語のひとつのページを閉じたかのように過去の事になってる。

出来ることなら、外国にでも引っ越せたら話が早いんだと思う。そこで写真を撮ってもいいし、撮らなくてもいい。今、全く異なるふたつが私の中に流れてる。今までの世界が嫌いなわけじゃないし、寧ろ大好きだった。だから、寂しかったんだろう。「過去に戻りたい?」周ちゃんの言葉に返答は早かった。「そうは思ってない。」あれは強がりだったのか、いや違う。過去には感謝してるし、大好きな人が沢山いる。それは事実で間違ってない。

とにかく今は前だけを見よう。全部を考え出すとキリがないから、”煩悩”って書いて紙を引き出しに入れた。わからないことは考えない。全部、煩悩のせいにしてしまえ。今までじゃないところへ行こう。やったことがない事をやってみよう。会ったことがない人に会おう。もっともっと勉強しよう。

寄せ鍋

夕飯 08.10,2023


朝は少し二日酔いで寝坊した。「マック行く?」寝起きの周ちゃんが言った。水でも飲んで直ぐに勉強を始めたかったけれど、梃子を連れてマックへ行くことにした。体調は日に日に良くなって夜も寝られるようになった。ここ数日は、体調のせいで夜に起きることが無くなった。

だけど、昨日の気持ちを引きずっているのか、その気持ちがなんなのかわからないままだ。車はどんどんマックへ向かっていく。周ちゃんには話さない。そう決めていたけど、湖の側にある公園に着いて、いつからなのかわからないけど、歩きながら話し始めた。「虚無感だね。」「あ、それ。それだ。虚無感。」失くした大切なものが戻ってきたような感じだった。そう。虚無感。それから、押し込めていた「寂しい。」が声と一緒に何度も何度もでてきた。ベンチに座ってエッグマックマフィンを齧りながら、大きな木々の間を歩きながら、何度も。

「それはさ、よしみが今、変化してるからだよ。俺はだけど、変化することはいいと思う。辛いだろうけれど、変化するってそういうことだから。これから、どんどん自分だけじゃなくて、周りの世界も変わっていくよ。いく場所も、会う人も。それは、とても楽しいことだよ。今まで会えなかったような人に会えるようになったり、そういう人と肩を並べて話ができるようになる。」

家に帰宅して、庭の掃除や家事を済ませて温泉にいく事にした。もう少し周ちゃんと話がしたかったから、遠くへ行きたかった。「いいよ。今日はプールじゃなくて温泉に行こう。」

山奥にある温泉に浸かってぼーっとした。三連休だったからか、温泉は脱衣所も露天までもぎゅうぎゅうで芋洗のようだったけれど、隅の方で目を瞑って湯に浸かった。行き詰まっていた色々のことは今日は全部忘れてしまおう。夜は鍋。何も考えずに寝た。深く深く落ちていくように寝た。

パンケーキ

朝食 07.10,2023


午後に銀座のトリコロールでリリさんとブライダル写真の打ち合わせ。私はエクレアと紅茶を、リリさんはエクレアとコーヒーを頼んだ。白いお皿に小さいエクレアが二つ。一つはチョコレートがかかってる。口に含むと、一瞬で実家にトリップしたようだった。母の作ってくれるシュークリームの味だ。ついでに姉や兄の顔も浮かんだ。それから、母が好きだった洋菓子の本のシュークリームの頁も。あの頁には、スワンのシュークリームが載っていて、いつだったか似たようなものを作ってもらったことがある。頁の中を泳ぐスワン。食べれるスワン。まだ色々な世界が分断されていない子供の私の頭の中は一体どうなっていたんだろうか。想像するだけでも楽しそうだし、あの頃の思い出と言えば、いい思い出しかない。

夜は編集の成田さんが予約してくれたダバインディアで大人数でご飯を食べた。カメラマンの太田さんとは写真の話がしたかったけど、結局全然話さなかった。神保町の駅前のロイホでパフェとワインを飲んで帰った。

帰りは参考書を持っていたけど勉強をしなかった。電車に揺られる身体。気持ちも同じように揺れ続けてる。夜中にこんな気持ちになるのは苦しかった。掴めそうで掴めなくて、だけどどうにもならなかった。

しらすとセロリのスパゲッティ

パスタ 06.10,2023


夜から周ちゃんの仕事の付き合いで寺田倉庫で開催されるMEET YOUR ART FESTIVALへ行った。別府プロジェクトでご一緒したアーティストの西田さんの誘いだそう。西田さんは金髪の陽気なおじちゃんって感じだったけど、すごい人らしい。11月は渋谷のハチ公でインスタレーションをするという話をしてた。私のことを色々と紹介してくれてたけど、少しでも作家として活動していたことがあるからだろうか。なんだか自分の不甲斐なさを感じてしまう。

会場で3年ぶりにIDEEの時のバイト仲間だったヒデオに会った。相変わらず可愛くて、少し心が癒された。それにビールをご馳走してくれた。帰りは駅ビルの中華を食べて帰った。

周ちゃんはやっぱりアートの業界の人で、私はそうじゃなくなった人。商業カメラマンは一過性の仕事。作ってもすぐになくなって、また作るの繰り返し。

せいろ蒸し

野菜 05.10,2023


ここ数日、メルカリで古い機材を沢山売ってる。新しいカメラがきたから、どんどん手放してる。何十万とするものを売ってしまうのは勿体ないかなと思う反面、使わないものを手元に置いておいても仕方がない。それに、新しいカメラにしたのだから、もっともっと映像も撮りたいし、スチールでも新しいことを始めたい。なんだか気持ちまで一掃されたみたいで気持ちがいい。

夜は遅い夕飯だった。周ちゃんは初出社から3日目。大分疲れが溜まっているようだったけれど、仕事の話をするのは楽しそうだった。少しアドバイスをしたら、どんどん話が膨らんで、勝手に私の友人の編集者も加えて一緒に仕事したいねとなった。薄々気づいてるけど、多分、私はプレイヤー体質じゃない。人の背中を押したり引っ張ったり持ち上げたりする方がずっと得意だと思う。

心理学で性格のことを勉強し始めてから、人がどうして悩むのかがだんだんとわかってきた気がする。心理学をベースにした性格診断なんかを受けてみても、大体どれも同じような結果が出るのも同じことだろう。自分に合う事というのは、スムーズに出来ること。それが、その人の性質であり、他人とは異なる能力であり才能となる。

だからって、才能を活かした方がいいとは思わない。一度きりの自分の人生だし、持って生まれた性質や、生まれた環境で備わった性質に振り回されなくたっていい。歌が下手でも歌手を目指したっていいし、なれなくたって楽しかったらそれでいい。下手には下手な人にしか見えない世界がある。だけど、才能を活かすと、人生が楽に生きれるし、誰かを幸せにしてあげられる回数も増える。

他愛もない普通の夜。何気なく話た食卓での話が、実現したらそれはそれで楽しい。

朝食

朝食 04.10,2023


結局5本目のレポートは出すのをやめた。あれやこれやと詰め込み過ぎて、後になってヒーヒー言うのは自分だ。それに、このバタバタの最中に月末にキャンプの約束をしたのもある。休みなんて取ってる時間はないはずなのに、やっちまったなと思ったけれど、きっとキャンプに行く頃にはもう絞った雑巾みたいになってるはず。息抜きにいいかもしれない。

来週からは映像の制作がしっかりと入ってくる。こんなに長い時間かけて企画を考えたのは初めてだ。仕事だけど、仕事とは言い切れない料理家の角田さんからの依頼。私が出来ることは何か、周ちゃんに聞いてもらって、何度も何度も話を重ねてコンセプトを作り上げた。仕事ならきっと答え合わせは簡単だったと思う。だけど、今回は、前提に角田さんとの関係を大切にしたい。丁寧に関わっていきたい。この気持ちが一番にあった。

ぼんやりと来週のことを考えながら、春までの勉強のスケジュールを立てた。それから撮影データーを送って、午後は試験勉強をした。夕方になる前に新宿に向かって、キタムラで機材の相談をしてから、ルミネの無印で勉強用の文房具を買った。そうこうしているうちに強い雨が降ってきて逃げるようにスタバに駆け込みティーラテを注文。夕方のスタバはなんだか落ち着かなかった。

丁度雨が小降りになってきた頃に六本木へ向かった。今夜は、ライターの柳澤さんと、リンネル編集部の藤本さんと吉野さんと4人でザリガニを食べる約束をしてる。スウェーデンでは、ザリガニ料理は夏の風物詩らしく、どこの家庭でも友人同士でも、夏の間に数回、ザリガニパーティをするのだそうだ。こないだ撮影に来たときに知り、じゃあ食べにこようとなった。10月の頭ならまだ食べれるらしい。

子供みたいに夢中に貪り、ベチャベチャになった手でワインを飲んだ。味は蟹みたいで、頭の部分は蟹味噌そのもの。お酒は二杯だけ飲んだけど、体調はむしろ良かった。きっと楽しかったんだろう。柳澤さんはいつものように沢山飲んで顔を赤くしていた。帰りがけに藤本さんが持ってきてくれた色校を見せて貰った。秋らしくて素敵なページのデザイン。雑誌って今よりも少し先の月の話となる。これからくる近未来のことを想像するのはわくわくする。来月の発売が楽しみ。

帰りは三つ先の駅に住む柳澤さんと本を売る話とか戦争の話とか、いろいろな話をした。駅を降りると夜はすっかり冷え込んでいたけど、秋の匂いが肌に触れると、思い出がどんどん身体に浸透していくみたいだった。最近、過去の記憶がどんどん塗り替えられていってる。悪いこともあるのは知ってるけど、夜は果てしなく夜でいい夜も沢山あった。夜中は大体タクシーで家まで帰る。

夜中の246だとか、山手通りが好きだった記憶はちゃんと残ってる。

鮪丼

和食 03.10,2023


1年半も田舎暮らしをすると、もういい加減に昔のようには行かないのだとわかってくる。最近は、現場には待ち合わせより早く到着するようになった。田舎は1本乗り遅れると大変なことになる。30分前に到着して朝のまだ今日が始まったばかりのロビーでレポートを書きながら待った。

今日は新しいカメラを持ってきた。使い方はまだ完璧じゃない。メインカメラを回しながら、途中でサブで使おうかな。軽い感じで考えていたけど、ちゃんと勉強してきたらよかった。前のカメラよりもずっと使いやすくてよかったのに、メニューボタンがどこにあるのかわからなくてモタモタした。

撮影が終わってから、編集の花沢さんと京橋の駅でさっとランチを済ませてバイバイ。駅前で鮪とA4の印画紙を買い、急いで帰宅した。息つく暇もなく書斎へ。途中、脱ぎ捨てた服を散らかしたまま、半分下着みたいな姿でレポート提出の準備を進める。間に合うのかな。間に合わせたい。今日起きたのは4時過ぎ。いい加減疲れてきた。目はかすむし、頭が働かない。声に出して何度もレポートに不備がないかチェックした。

急いで脱ぎ捨てた服をまた着て郵便局へ。16時50分。なんとか間に合った。帰宅すると周ちゃんからメールが入っていた。”今日はイベントで遅くなります。夕飯は先に食べていてください。” イベントって?” 周ちゃんが刺身が食べたいって言ってたから買ってきたのに。いつもなら、”わかった〜。” って返信できるのに”イベントって何?” と、突っかかるようなメールを戻した。もうこうなった時の私は完全にキレてる。スーパーへ直行してビールと缶チューハイを買った。お酒はしばらく断酒してる。病院の先生にお酒は控えて下さいと言われてるから。

周ちゃんにたまに「ビールを飲みたーい!」って言ってみると、苦笑いされる。ストレスで逆に病気になるよと思うけれど、ノンアルや炭酸水とかでどうにか我慢してきた。米を炊き、鮪のさくを切り、缶チューハイを一気に飲んだ。喉を流れてゆくアルコールはイライラも一緒に流してくれるようだったけれど、思ったほど美味しくなかった。全部飲み切らないうちにビールも開けて、やっぱり美味しくなくて捨てた。

馬鹿だな私は。だけど、なんだか嬉しかった。そう。私は馬鹿なんだった。今日は周ちゃんは帰りが遅いのだし、好きにしよう。お湯を沸かして日本茶を入れて、最近、ハマってる工藤静香さんのyoutubeを見た。工藤静香さんの何が好きかって笑顔がいい。犬みたいな顔になるから。

茄子のラザニア

Journal, 洋食 02.10,2023

周ちゃんの初出勤日。朝はなんだかソワソワしながら送り届けた。今夜はラザニアにしよう。冷凍庫にあった挽肉をキッチンに置いた。

朝の8時、朝陽がカーテンから差し込んで、テコはソファーで気持ちよさそうに寝てる。周ちゃんには申し訳ないけど、1人の朝がなんて最高なんだろうとミルク多めのカフェオレをすすった。ダイニングテーブルで日記を書いて、夕方までレポートをまとめた。明日は朝から撮影。レポートは17時までに出さなきゃいけないけど間に合うんだろうか。

ラザニアのミートソースはいつも通り甘め。砂糖を多めに入れると、少しひつこくなるけどコクがでていい。子供の頃に食べた味になる。

10月1日

Journal 01.10,2023

7月のハードな試験を終えてから駆け抜けるように暑い日々が過ぎ、念願だったバリでは青い海で泳ぎ、ようやくって感じで日常が帰ってきた気がした。ゆるゆるとクラゲのように何色だかどんな形だかわかんないようなままに夏は終わったけど、思ってた以上に人に会ったし、ストレスが溜まっていたんだろう、それなりにダラダラと過ごせた。そして、ホルモン治療に入らなかったことがきっと原因で体調はあまり良くなかった。そして、極め付けは細菌性胃腸炎。免疫力低下のせいで2週間近く苦しんだ。

人生において、こんなに体調が悪いことってあっただろうか。年齢の問題もあるかもしれないけど、生粋の健康オタクの私が、風邪だってまずひかない、昨年の健康診断がオールAだった私が、こんなにまで体調を崩すなんて。だけど、実際には身体のことよりも、前から降ってくる生きづらい日々にノックダウンされたのは心だ。

そして、体調不良の原因の一つが菜食だったからということもショックを受けた。否応なく、20年間続けたベジタリアンをやめた。肉食になったことで子供にピーマンや人参を騙し騙し食べさせるように、どうにかこうにかして肉を食べはじめた。これが思っていた以上に辛い。口にする度にうぇーと心で小さく叫ぶ。身体のためとは分かっていても、思っていないことをするというのはやっぱり苦しい。

今宵も肉をうぇーと思いながら食べていると、どんな話の流れからだったのか、周ちゃんが大学での勉強のことを褒めはじめた。夏は全然ダメだったし、体調も悪くてとにかく苦しかったと伝えると、「40歳を過ぎて大学へ行こうなんて思うだけですごいよ。」「え、思うだけで、勉強は全然できないよ。」「半年前はどうだった?」

半年前は4月。まだ大学に入学してほやほやだった。あの頃は、教科書を1日20頁くらい読まなきゃいけないのに、1頁読むのに1時間かかっていた。専門用語だけじゃない、普段聞いたこともないような日本語が山のようにやってきて、圧倒されっぱなしだった。出来る事と言えば、怯む身体をどうにかこうにか倒れないようにと踏ん張ることくらい。夏までの数ヶ月間の記憶がほとんどない。絶対に逃げない。全身の中でその言葉だけが山びこみたいにこだましていた。

周ちゃんは明日から新しい会社での仕事。学芸員という肩書では無くなるけれど、コミュニケーションデザインとか、アートと暮らし、地域、、。よくわからないけど楽しそうな仕事が始まる。今日一日、何度も「明日の支度しなきゃ。」と言ってた。緊張しているんだろう。周ちゃんのことだ、前日に支度を始めるなんてありえない。

「もっと自分を褒めてあげていいんだよ。」夕飯の最後に周ちゃんが言った言葉だ。周ちゃんは勉強の事となるといつもの1.25倍くらい目が真剣になる。今日もそうだった。それは周ちゃんが苦労してきたからだし、沢山勉強して、イレギュラーな道で学芸員になって、今度はずっとやりたかった仕事に就く。勉強が周ちゃんという人の人生を作ってきたからだろう。好きと消去法だけで生きてきた私とは大違いだ。

どうしてだろう、がむしゃらに走ることは出来るのに、自分を褒めてあげる?そんなの難しい。だけど、褒めてくれる人が隣にいるんだと思うと、今までとは違う感じがした。

頑張りたい。

炒飯

Journal 27.9,2023


「心理学と写真の両立をしようとするから難しいんじゃない。それは、出来ないんじゃなくて、やったことがないからなんだよ。」周ちゃんが作ってくれた炒飯がまだ熱々のままで口の中にいる。「うん、わかってる。そうだよね、そうなんだよね。」周ちゃんに言葉を返した。

「あのね、ちょっと悩みがあって。」昼食の途中で急に悩みを打ち明けた私に、周ちゃんは少し笑を浮かべた。私、悩みたいのかもしれない。言い訳したかったのかもしれない。周ちゃんの言葉もその優しい笑顔も、私の悩みではなくて私が求めてることを叶えてくれたようだった。考えてみれば、そりゃ周ちゃんが笑うわけだ。周ちゃんに「悩みがある。」と打ち明けたのは出会ってから10回や20回じゃきかない。

一昨日に今むに会って、少しだけ褒めてもらって嬉しくなった。だけど、ちょっと情けなくもなった。「よしみちゃんは勉強やっててすごいよ。」って。正直、私はぜんぜんすごくない。ここ最近は、全然上手く進んでない。それに、写真や映像を撮ることと、心理学を勉強することは、頭や心が別のところを使うみたいで、どうしてもどっちかに偏ってしまう。

どっちかが上手く進むと、どっちかは止まる。最近はとくに撮りたいから、勉強ができない。来週もその次の週もレポートがあるのに、制作で忙しくなればなるほどに、参考書を開く時間はなくなっていく。勉強が嫌いじゃない。だけど、頭の中がそれどころじゃなくて、色々が沢山あって、何処かに消えちゃう前に形にしたくて忙しない。撮って、作って、撮って、作っての連続。

だけど、周ちゃんと話していて気づいた。答えはとっくに出てる。ただ、苦しいことから逃げてるだけなんだって。

「写真と心理学が行ったり来たり出来るようになるといいよね。」周ちゃんが言った言葉の通りだ。今、この場所にいることが苦しい。それはどっちつかずで、わからないことだらけだから。

見たいものはずっと先にある。だから、しばらくはずっと苦しんで、だけどそうやって前に進むしかないんだと思った。いつか、きっと、今まで出会えなかった景色を眺める日がくる。

桃トースト

朝食 24.9,2023


午後に原宿でパーマをかけて、歩いて渋谷のキタムラまで向かってフィルムを一本だけ買った。それから、渋谷のオルというビアバーで今むに会って、少しだけビールを飲んで、暗くなるまで話した。たったの数時間だけど、あっという間にたくさんの話をした。そして、今むは、今を変えたいんだろうなと思った。

もしかしたら、私たちの年頃になると、色々が飽きてくるのかもしれない。それは周りに見える風景だけじゃなくて、自分自身にも。「少し制作に集中しようと思って。」と言ってた。仕事をしばらく休んで絵の時間に使いたいらしい。だけど、どうにもなんだか進まない。なんだかわかる気がした。

想像以上にすいすいと泳げる時代もあれば、自分がどうしてここまできちゃったのか、これから何処へ行けばいいのか、不意に立ち止まってしまうことがある。止めることもできるのに、当たり前のように足は前へ向いてる。誰も何も言ってないのに、もう進んでる。

身体と心は分離するとは言うけれど、そうやって幽体離脱みたいなことが起きても、この歳になると、どういうわけか驚かなかったりもする。それはまさに、アイデンティティの崩壊じゃなくて、アイデンティティの離脱だ。自分が誰でもどこにも所属できるような気がしてくるし、それは大体どこでもいいような気にもなる。多分、本当にスライムみたいにどうにでも何色にでもなれる。

今むちゃんはこないだ40歳になったらしい。5ヶ月で別れた彼女の話をしていた。結婚みたいな話になって、私はどうしてか元気になって直ぐに結婚しちゃったけれど、本当はもっと遊びたかったし、過去を後悔したって仕方ないのだけど、彼氏だか彼氏じゃないBFがいたり、年下の男の子を持ち帰ったりして、もっともっと今を遊びたかったよと話すと、大笑いしてた。

楽しかった。それに、勉強のことで少し悶々としていたから嬉しかった。友達にちょっと会ったり話すだけでも楽になる。頑張ろう。

夕飯

夕飯 21.9,2023

ちゃんとした夕飯は1週間ぶり。周ちゃんは明日の晩に帰るらしい。たぶん、深夜になるのだろう。

プチひとり暮らしは呆気なく終わる。もっと楽しみたかったな。家族がいることは、楽しいけど、私みたいな末っ子体質の甘えん坊はひとりでいた方が丁度いい気もした。

昨日、撮影帰りに柳澤さんと話していて知ったのだけど、柳澤さんは三姉妹の末っ子らしい。柳澤さんはずっと私よりも大人だけど、歳が離れた姉が2人ならば、さぞかし自由奔放に生きてきたのだろうと想像した。隣にいてその居心地の良さに安堵する時がある。その理由が少しわかって嬉しかった。

姉とも久しぶりに電話した。胃腸炎で死ぬかと思ったと言うと、姉がエジプトで胃腸炎になった話をしてくれた。いつもの通り、むちゃくちゃな話で大笑いして電話を切った。Helenaが秋にポルトガルに行くそうで、「先日、母から日本に来る事を聞いてたけど。Jean家はいつも行く行く詐欺だよね。」と伝えると「それは、あなたもね。」と姉。

確かに、今年、そっちへ行くからと何度言っただろう。人って、本当、勝手なもんだなと思った。人には言うのに、自分のことは全くわかってない。ため息をつきたくなる。なんだか、もっともっと適当に生きなきゃ駄目な気がした。毎日はいろいろがあり過ぎる。全部上手にやりたいけど、全部ぜんぶをきちんと考えて、未来やなんなら過去のことまで溢さずに目をかけていたんじゃきっと動けなくなる。憶測をすることで自分の身を守りながら生きていくことも大事だけど、そう簡単には人は死なないのだから。もっともっと、適当でいいんだ。

なんだろう。私は幸せなフリでもしたいんだろうか。周ちゃんに出会ってからより一層に安心や安全を手に入れてからというもの、外に出るのが億劫になってしまったんだろうか。怖いんだろうか。袋を逆さまにして全部を出してしまうみたいに今持っているもの全部を放り投げてしまいたい。

鯖缶とトマト缶

18.9,2023


いつもなら帰宅して風呂に入ったあとはビールだけど、今日はサイダーを飲んだ。そもそも炭酸を飲むのだって久しぶりだ。もちろん、魚も。お粥や経口飲料以外のものは、ここ1週間口にしてない。

帰宅してとりあえず目についた鯖缶。無性に食べたくなって油をひいたフライパンに身を乗せて、蓋をして、少し焼き目がついたところでホールトマトの缶詰を入れてまた蓋をして放置。しばらくして、あ、やばいかもって、焼けた音がジリジリしてきたら出来上がり。少し焦げたトマトと、勝手に出来上がったとろとろのトマトソース。

熱々は胃に良くないから、できるだけゆっくりと、だけど夢中になって口に運んだ。こんなに食べることに真剣になったのはどれくらいぶりだろう。まるで無人島から帰ったばかりみたいな気分だ。皿の中のすべてはあまりに鮮やかで目一杯で瑞々しくて、それと同時進行に私の中に入っていく食物がそのライブ感になんだかとても感動した。それから何も入ってない感じのラーメンを作って、スープにカボスを並べて食べたけど、案の定、強い腹痛に襲われて横になった。その後はトイレの往復を重ねて、そのまま気を失って寝ていた。

今日の現場は久しぶりの花沢さんと、ミカちゃん、編集の成田さんだった。なんて私のお腹に優しいメンバーだろう。ミカちゃんとはかかんのMVみたいなものを撮影して以来の現場だし、花沢さんとだってキリンの仕事以来。こういう仕事をしていると出会ってもう2度と会わないような人にも出会う。だけど、会って別れてまた会ってみたいな人もいる。

それぞれの人生がそれぞれに交差して、またそれぞれになっていく時間に出会う度にそれは飽きることなく純粋にまっさらな気分で嬉しくなる。私が死ぬときに残るのは、もしかしたら写真ではなくて、こういう時間なんじゃないかと思うくらいに。

ミカちゃんは京都へ行くかもしれないそうで、次に会う時はどんな形で会うのか全く想像できない。そんなミカちゃんの未来は、まるで自分の未来を想像するかのようにわくわくする。花沢さんとだって、成田さんとだってそうだ。花沢さんとの出会いは料理家の先生が開いたキムチ作りで、毎年キムチを漬けているどこかの年に子供を産み、みんなでキムチを漬けてる横で転がっている年もあった。今ではもうその子は3歳で、花沢さんが旦那と喧嘩をすると「やめようよ。」と止めてくれるらしい。そして、成田さんと出会ったのはまだ成田さんが大学生の時だったのに、今では副編集長となった。それに、最近じゃモテ期到来で大体はいつもふたりで恋の話をしてる。少し前に終わった恋の話はまだ聞いてないけど、次の始まってもない恋に勝手に胸をときめかせている。

誰かの人生は誰かのもの。だけど、人生は私のものばかりを見てたって面白くない。人の人生と自分のそれがくっついたり離れたりして、明るかったり温かい気持ちになったり、時に摩擦された皮膚が痛かったりしたとしても、どちらにせよ、その光景はまるで映画のワンシーンのように美しくて、やっぱりそういう時間が愛おしい。

9月17日

Journal 17.9,2023


今日は朝から試験。この試験の後にも沢山試験はあるけど、いくつかの関連する試験の最後。半年以上時間をかけて勉強してきた心理学研究法。体調は少し良くなりつつあるけど、細菌性胃腸炎の治療法は対処療法だそうで、病院の先生が出してくれた薬も整腸剤やら胃薬。身体は強い方じゃないから、その分健康には気を使ってる。だから、昨年の健康診断だってオールAみたいな結果だったのに、最近の体調ときたら、曇り空みたいにぼんやりとしてはっきりしない。病院にかかってからもうすぐ1週間。とはいえ、ふらふらになりながら現場へ向かう日もあったけれど、そのまま駅で倒れて仕事を休んだ。この仕事について初めてだ。どんな日だって撮ってきたのに、何があってもいつだって当たり前の顔をして撮ってきたのに、目の前が一瞬にして真っ暗になって歩けなくなった。

バリから帰ったら色々とやろうと思っていたのに、結局、勉強も思うようにできないままに、トイレとベッドの往復でまた数日が経ち、今日。昨日は少しだけ体調がよかったから、勉強をしたけど、胃の辺りがどうにも気持ちが悪くて集中できない。だけど、夜は久しぶりに人らしい食事をして寝た。試験の出来栄えはまぁまぁ。試験前の数日やバリでも勉強ができなかったけれど、過去の私のお陰でなんとか乗り切った様子。だけど、なんだろう。やっぱり勉強の仕方が下手くそだ。どこまで頑張っていいのかわからない。今回だって、やり過ぎていたから良かったけれど、そもそもそこまで深掘りすることはなかったようだった。

周ちゃんが秋田に帰ってから2日経った。「俺が帰ったら、楽しむんでしょ〜。」「そんなことないよ〜。」あの会話だって、いつもなら、冗談半分、本気半分だ。周ちゃんのいない夜といえば、スーパーに行って色々を買い込み、早い夕方からひとり宴会が始まる。調子に乗ってワインを買うことだってある。だけど、なんだろう。ふと思った。淋しい?いや、違う。

同じ場所にある椅子やテーブルと同じで、周ちゃんだって数日もすればまた帰ってくることを私は知ってる。私だけじゃなくて、この家や梃子だってわかってるかもしれない。そんな風にもう、私達はもう同じパズルの一つと一つみたいになってる。2階へ上がる階段に足をかけた時にふと思った。そして、その先のことはもう考えなかった。

今がいいなら、きっといいんだと思う。絶対に私は私達だなんて言葉を使いたくなかったけれど、もういいや。周ちゃんには、私のひとりの時間を失くしたくないとあれだけひつこくお願いしてたのに、もう完全に殆どはひとりじゃない。1度目の結婚の時はいつも寂しかった。あの寂しさはあの空しさ、ざわつき、混沌とした時間は満たされない事をわかっていても、長い時間、手放すことが出来なかった。それに、それが愛っていうものだと信じていた。

9月1日

Journal 01.9,2023


久しぶりにヨドバシへ行った。私は人生で何個カメラを買うんだろうか。今までそんなこと考えたことなかったけど、不意に思った。今日みたいな季節の変わり目に、気分や勢いで買うことが殆どで、あとさき構わずに買った。おかしいと思うけど、全く後悔していないのもすごいものだ。若い時は、お金がないのにどうにかして買っていた。

好きなことは後悔しないなんて、人間ってほんとによく出来てる。大学に行き始めてから、写真から離れることが寂しい気もした反面、もう嫌な写真を撮らないですむかもしれないとも思ったけど、私が知っている以上に、私って写真が好きなのかもしれない。何度通ったかわからない新宿のヨドバシ。なんだか、すごく嬉しくて楽しかった。

好きと言うと、好きが世界からへる気がして、あまり好きは口に出して言いたくない。勝手にそう決めていたのに、写真を仕事にしてしまってからは、もう好きから逃げられないんだと、苦しいな、やりづらいなって時々窮屈になることもあった。

けど、そうじゃない。私、やっぱり好きなんじゃん。好きだからグチグチ言うんだろう。好きだから傷ついたりもするんだろう。ちまちま言ってる私はうざったい。新しいカメラを買おう。

退職祝

夕飯 31.8,2023

周ちゃんが3年半勤めた会社を退社した。「洒落た花じゃないのだけど。」帰宅した周ちゃんにお菓子の入った袋と一緒に渡された花束は、街の花屋が作った色とりどりの花束。かすみ草みたいな小さい花や赤と黄色のバラに白地の花弁にまだらな紫色の柄みたいなものが入っていた。「私はこうゆう花束、花束らしくて好きだよ。」と返した。花は誰になにをされようが素敵なのだ。

周ちゃんと出会えたのは、周ちゃんが食べ物の展示をキュレーションしていたから。出会いはマッチングアプリで、正直、そこまで本気じゃなかった。テレビ電話をしようと、初めて顔を見た時、40歳、イケメンで、バツなし、いいとこの学芸員と聞いて、え、無理って思った。いい男はさっさと誰かのものだ。それが自論だった。

展示を見にいくと約束した日も気が乗らなくて、”仕事が終わらないかもしれないし、オープン初日にお邪魔するのは申し訳ないので。”と適当に断りのメールをすると “僕の方は大丈夫ですので、待ってます。” と戻ってきて、まじかって面倒に思った。結局、ささっと仕事を終わらせてミュージアムへ出かけた。

待ち合わせのエントランスにいた男はやっぱりイケメンで想像よりも背が高くて、それでいて私よりも顔が小さい。やっぱり絶対に無理と心の中で小さく呟いた。それが、周ちゃんの第一印象。ミュージアムの中や展示を丁寧に案内してくれて、帰りに小さな木の破片をジャケットから取り出し「昨日が誕生日ですよね。」と、私の手にのせてくれた。

それで、好きになった。私は案外、恋に落ちやすい。プレゼントも花束とか、残るようなものを貰っていたら困ったと思う。全部が丁度よかった。だけど、あの時は恋をする予定はなかった筈だ。気が向いたときに少しお酒を飲んで、手も繋がずに明日は早いからと帰ってくる。そんなデートが丁度良くて、デートをリハビリと言い、自分勝手に遊んでいた。誰かを好きになれるほどの余裕もないし、私だけの幸せを守ることで精一杯。だけど、恋が不思議なものだというなら、あの日のことを言うのかもしれない。

ミュージアムは、周ちゃんにとってたくさんの思い出が詰まった場所だろうけど、私が周ちゃんに恋に落ちた場所でもある。それも、今までのように崖から落ちるみたいにじゃない。ふわりとすぐにどこかへ逃げてしまえるくらいに軽い恋。だから、結婚も簡単に選んだ。ドラッグストアで新発売のシャンプーを買うくらい簡単に。もう、愛ほど重いものはいらなかったから。

夕飯はいつもよりも頑張って作った。

かぼちゃグラタン

洋食 29.8,2023


たったの一年前は妊娠したのに、もう生理が終わるかもしれないと先生は言う。あれだけ嫌だった生理が終わると思うと、寂しい気もした。

いや、そんな風に思ったらかっこいい感じがしたけど、本当のところ、わからない。今日はいつもと違う坂道を通って帰ることにした。本当はこっちの道は好きじゃないはずだったけど、道を間違えたから戻らずに自転車で走った。遠くに青すぎる空に入道雲、そして森の緑が鮮やかに見える。今からまた夏を始めたい気持ちになった。暑くて肌がじりじりする。坂道をぐんぐんとスピードにのって降りていくのはあまりに気持ち良すぎた。

先生は、不妊治療をするか、生理を起こすためのホルモン注射を始めるかどちらかにしましょうって。それは正反対の治療になるから、どちらか選んで下さいとのことだった。先生は忘れているようだったけれど、私が妊娠した時に初めて見て貰った先生だった。あの時はなんてぶっきらぼうで怖い先生なんだろうと感じたなと思い出した。

大学で臨床のことも勉強し始めてから、また一つ世界が広がったように思う。病院がちょっと知ってる場所になった。採血をされながら見える景色。壁に何かの当番表があるとか、棚の乱雑具合や、あそこで看護師が世間話してるなとか。今まで見えなかったものが見えるようになると、先生も怖くなくなった。ただ、ぶっきらぼうな性格なだけ。この人は私のことを威圧的に扱ってやろうなんて思ってない。先生は何十年この仕事してるのかな。とか、ものすごい勉強したんだろうなとか。休みの日は孫と遊んでるのかなとか、先生じゃない時の先生を想像した。脳の視床の話は勉強したことがある話だった。

帰り道、何となく私が可愛そうな気がしてジャイアントコーンを買って帰った。だけど、本当にそうだったのかはわからない。クーラの下でジャイアントコーンを食べながら思った。いつものオールチョコーレート味。いつものように甘くて、いつものように最後のコーンの先っちょを食べる瞬間が嬉しかった。全てはいつも通りだ。もしかしてまた強くなったのかなと考えたりもしたけど、多分、そもそも子供が欲しいとか欲しくないとか興味がなかったからかもしれない。ただ、周ちゃんとそういう話をしてただけ。周ちゃんのせいにするわけじゃなくて、家族になりたい。それだけだ。

私は流産のせいもあったし、たまたまそうゆう病気らしく早く生理がなくなるらしい。だから、治療しなきゃいけないんだけど、別にホルモンの薬を飲むくらいで、なんてことはない。数ヶ月来なかった生理の理由を聞けて、ほっとしたような気もするし、そうじゃない気もするし、自分の気持ちがよくわからない。

夕飯は久しぶりにカボチャグラタンにした。なんか、今日はちゃんと料理をした気がする。ホワイトソースも作った。

ピザトースト

朝食 28.8,2023

昨日、夢で石井ちゃんに会った。「よしみちゃん。久しぶり!」「石井ちゃん!久しぶりだね。何やってたの?」って聞くと、「私ね、赤ちゃん産んでたんだよ。」って。

石井ちゃんとは3年ぶりだった。最後に会ったのは埼玉のどこかの街の葬儀場。石井ちゃんは、いつ会っても笑っていたのに、あの日はずっと目を閉じていた。私の横でやっちゃんが涙をすすり、後ろにゆうやくんが静かに立っていた。あと、当時はまだ友達じゃなかった藤原さんがいた。あの日は終わってからみんなで話したけど、電車でやっちゃんが隣に座っていてくれて良かったと思う。やっちゃんが隣にいて、向かいにゆうや君と藤原さんが座ってる。みんなで同じ場所にいるんだと肌に触れる温もりを感じるだけで、日常になれた気がした。

久しぶりに会った石井ちゃんは少し派手になっていた。だけど、相変わらず華奢で、その身体には不釣り合いなぐらいに大きい赤ちゃんが胸に当たり前のように抱かれていて、そして、やっぱりいつもの笑顔だった。赤ちゃんの名前を聞くと、確かアトムとかロマンみたいな感じの名前で、どうやって書くのかなと想像したりした。

そして、もうひとり誰か友達がいたけど、誰だったかは覚えてない。皆んなは先に歩いていき、赤くて大きな神社に入り、私は追いかけている最中に岩の隙間に携帯を落として、綺麗に真っ二つに割れた。私の携帯は何故か赤色。一瞬、げって思ったけれど、まぁいっかと思った。綺麗で面白かったからそう思った気がする。それから本屋の中村さんが出てきて、いつものようによくお喋りをしていた。そして、なんだかとにかく楽しくてはしゃいだ。みんながその場所がとにかく全てがハッピーだった。

目を覚ましたのは周ちゃんの声。「よしみ?さっき「携帯壊れました!」って大声で言ってたよ。」周ちゃんが隣で笑ってる。2人で大笑いした。時間は夜の12時半過ぎだった。石井ちゃん、元気だったな。夜中なのに無性にみんなに連絡したくなった。「石井ちゃんに会ったよ!」って。

それから、吉本ばななさんの “はーばーらいと” を読んだ。夜中に本を読むなんて珍しい。普段なら絶対にしない。それに、明後日はレポート提出日で忙しい。けど、どうしてだか無性に読みたかったし、そうしたかった。熱も少し下がっていたからか、夢中になって読んで、辛くなって、嬉しくなって、本は途中で閉じた。怖かったから時計を見ずに寝た。

吉本ばななさんは、哀しい話が上手だ。作家さんに上手だなんて失礼な話なのだけど、どうしてあの場所のことを知ってるのだろうと前にも同じように思ったことがある。あのことを知ってないと書けないような描写があまりに鮮明で苦しくなる。

あの一年は色々あった。私がひとりになって、親友のように慕っていた友人とは縁を切った。そして、石井ちゃんがいなくなって、梃子が癌になった。数ヶ月毎に起きる色々に翻弄されるなか、世田谷のマンションにしがみついた。とにかく日常に戻れるようにと必死に。本の中にも同じようなことが書いてあった。不幸に遭った家族が日常に戻るために、日常をまた取り戻したことを。

日常にいれるようになってから時々、そのことを忘れてしまうことがある。結婚しておいてこんな事を思うのは酷いけど、周ちゃんがいきなり酷い事をしてくるんじゃないか。手をあげたり、殴ってきたり、怒鳴ったりするんじゃないか。はじめの頃はそんな変な幻想がまとわりついて離れなかった。だけど、日常が日常になる頃にはそんな事も忘れるようになった。そうやって日常は当たり前のような顔をいつしかしていた。

けど。ここは今なだけで、いつかまた消えるもの。だからって何というわけでもない。それが生きてるってことなのも知ってる。

石井ちゃんに会えてよかった。あの時間は一生ここにある。

いろいろ饂飩

和食 27.8,2023

一昨日から熱。夏風邪だなんて小学生以来。絶妙な辛さ。熱が高いわけでもないけど、下がってくれない。レポートは案外いいスピードで進んでる。だけど、身体がだるい。辛い。鼻水が止まらない。午後からは布団の横でレポートを進めながら、時々転がって、また書いてを続けた。昼は周ちゃんが饂飩を作ってくれた。かぼすを絞って、最高だったな。

カボス味噌汁

和食 26.8,2023

周ちゃんの退職まであと1週間くらい。週明けのレポートをだして、翌週から夏休みを急遽とることにした。エーゲ海ではなくて、バリへ。今一番見たいのは青い海。それはバリでも叶いそうで、周ちゃんは民族学的な興味で行きたいのだそう。エーゲ海は遠いいけど、バリは近い。安い。それに、帰って直ぐに試験も受けれる。私にはとても好都合だった。

けど、一番の理由は、今すぐにどこかへ行きたかった。レポートの準備をしながら、バタバタとチケットやホテルの予約を急いだ。