
撮影が夕方までだったから、夕飯はUberにした。
せっかく泊まりに来てくれたのにごめんね。何だか頑張って作る気力が今日は出なかった。「私、初Uberだよ。」嬉しそうなやっちゃん、良かった。
本当は映画を見る筈だったんだけど、お喋りして早めに寝た。心療内科の結果を話したら、びっくりした顔してた。多分気を使ってくれたんだろう。薬の副作用なのかな、吐き気と胃痛で食欲が無い。ずっと世界に麻痺してるような感じでぼんやりしてる。誰かが側にいてくれるだけでほっとする。

撮影が夕方までだったから、夕飯はUberにした。
せっかく泊まりに来てくれたのにごめんね。何だか頑張って作る気力が今日は出なかった。「私、初Uberだよ。」嬉しそうなやっちゃん、良かった。
本当は映画を見る筈だったんだけど、お喋りして早めに寝た。心療内科の結果を話したら、びっくりした顔してた。多分気を使ってくれたんだろう。薬の副作用なのかな、吐き気と胃痛で食欲が無い。ずっと世界に麻痺してるような感じでぼんやりしてる。誰かが側にいてくれるだけでほっとする。

夕方に後藤さんが来てくれる。
ベッドで泣いて目をつぶった。起きてお風呂に入って食事の支度をする。
やっぱりずっと頭の中をぐるぐるしてる。どうして、夫と話せなかったんだろう。
「俺の好きなようにさせろ。うざったい。言う事を聞かないなら離婚でいい。」夫から出る言葉はCDをリプレイしてるみたいに聞こえた。何ヶ月も同じ言葉が流れ続ける。
ダメだってわかってるけれど、未だにどうしてって思う。
私を救ってくれた友人や兄弟が言う。「もう絶対に戻っちゃ駄目だから。絶対に駄目。」わかってる。戻り方もわかんないから大丈夫。だけど、あんなに酷い事があっても、私は今でも答えを探してる。
後藤さんはいつも笑顔。
もう、一人じゃ解決出来ないから弁護士に相談したいって話をした。「とにかく早く幸せになんなよ。」「優しすぎるんだよ。そういうの捨てて。どうしたいのか決めないと前へ進まないよ!」笑顔で言う。いい笑顔。昔からそう。
餃子、焼きすぎちゃって失敗した。だけど、楽しい夜だった。明るい夜だった。
「私はお兄ちゃんの味方だからね!」って言ったの。大好きなお兄ちゃんの話を嬉しそうに話してる。
アカリちゃんのこういう所が好きだ。彼女は自分の身の回りにいる人をとことん守る。フランケンシュタインみたいな風貌の極悪人を目の前にしたって、小さな体で立ちはだかる。そんな果敢な彼女の姿に心打たれて悪い奴は退散してしまうだろう。「ごめん。悪かった。」って。
夫の友人の奥さんだった。
カメラマン同士で、何となくお喋りするようになって、少しずつ少しずつ、気づいたらすごく仲良しになった。彼女の前で何十回と泣いただろう。私ってこんなに人前で泣けるんだ。びっくりした。いつも冷静な私が、ぽろぽろと落ちる涙をぐちゃぐちゃになってゆく顔を見て、彼女はうんうんって聞いてくれる。夫のお陰だ。夫に出会わなかったら、彼女に出会う事は無かった。
「私、すーちゃんの写真が本当に好きだよ!すーちゃんは愛があるから大丈夫!」いつも励ましてくれる。夫が言ってくれなかった言葉を、彼女は私の目を見て言ってくれた。
「深呼吸。深呼吸。」LINEにメールが入る。
深呼吸。そう深呼吸。私には大切な人が沢山いる。深呼吸、深呼吸。大丈夫。ゆっくりと前へ進もう。夫はもう帰って来ない。私が怖いのは、私が見ている世界なだけ。
もう戦わなくていいんだ。だから怖く無い。だって出ていっちゃたから。もう助けちゃいけないんだ。

シミルサン、たまちゃんカップル。今むが遊びに来てくれた。楽しくて、楽しくって沢山笑った。みんなが来るまで上手に笑えるか不安だったけれど、笑うって結構簡単。直ぐに出来た。
私はずっと夫の歌が好きになれなかった気がする。人を叩いた手でギターを鳴らして、人を傷つける口から出る言葉、なんだかいつもちゃんと歌ってよって思った。最低でも弱くてもいいのに、格好ばっかりつけるのは止めたらいいのに。あなたが最低なら最低な歌を歌えばいいのに。どうしていつも違うっぽい人になって歌うんだろう。それはファンが喜ぶから?10数枚のチケットをソールドアウトさせたいから?
夫との距離が離れれば離れるほどに私は何かに気づいてゆく。あの鼻歌の理由もわかった。
夫は家族から逃げたんじゃなくって好んで出て行く事を決めたんだろう。女と毎晩のように遊んでたのもそう、現実から逃げるためじゃなくって、本当に楽しくて仕方なかったんじゃないか。だって、鼻歌って気分のいい時に唄う歌でしょ。そんなに楽しいなら、翌朝に謝ったりしないで。それがあなたの歌だよね。
三茶の病院へ行くまでの10分、246を歩きながら姉と電話で話す。ここ数日、姉に電話が出来なかった。話をしたかったけれど、したくなかった。姉に言ったら現実になっちゃう。声は聞きたかったけれど、出来なかった。
話を一通り聞いた姉は穏やかだ。いつもは私よりも声を荒げて怒るのに今日は違う。優しくて落ち着いた声で言った。「あのさ、とりあえず離婚とかいいから、もう頑張らないでいい。とにかく休もう。」涙がどっと溢れた。暑い太陽の下でしくしくと泣いた。
もう私、頑張らなくっていいんだ。そっか。
うん。わかった。人生をお休みしよう。
もう全部お休み。とにかく、お休みする。

夜の22時。デスクにいる。
健康診断で引っかかった胃ガン再検査が気になってる。父は胃ガンだった。まさこおばちゃんは乳ガンで40歳を過ぎた頃に亡くなった。今夜ははキッチンじゃなくってミントティーを持ってここに座ってる。外は雨。音楽はStevie WonderのOverjoyedがリビングから。 明日、料理王国の副編集長浅井さんと、ライスプレスの成田さんに、パドラーズで作品を見てくださいってお願いしていて、準備してる。eat LOVEっていう作品。男と男のカップルの食卓。料理は彼氏の伊藤通洋さん。それを私が撮る。そして彼氏の野村浩平さんの文章を書く。
プリントはずっとまとめていたんだけど、文章は久しぶりに読んだ。読んでなかった文章も読んだ。ごめんなさい。文章読むのが苦手だから読んでるようで読んでなかった。思ったよりも自分の事が書いてあってびっくりする。それにしたって野村さんの文章は素直で可愛くて、ぎゅっと胸を掴まれる。ぎゅって。とっても柔らかく、ぎゅっと。冷えた身体が温まってくような。
2年前の夫の酒乱の時期、彼らが私を救ってくれたんだった。彼らの食卓で温かい食事を食べ、ほっと安堵して家路に着く。それを何度も何度も繰り返した。作品を撮るプロジェクトで通っていたのだけど、彼らの食卓に私は愛を食べに通った。eat LOVEのタイトルの通り、私はあの場所へ愛を食べに行った。そんな事をふいに思い出したら、何だか気づいた。
さっきまで泣いていた。そのちょっと前も泣いた。哀しくて哀しくて仕方ない。急にそれがやってきて、家でも街でもスーパーでも写真を撮っていても人と話していても急に来て急に去っていく。eat LOVEをまとめていたら、私が今やる事は悲しむ事じゃないかもしれないって思った。
生きていると辛い事が結構ある。小さい事から大きい事まで。時にはあまりに大きすぎて前へ進めなかったりして、だけど、そんな事に構っていたら前へは進めない。私にはあの時にたっぷり補充した愛がある。大好きなふたり。大好きな作品、eat LOVE。作品が私を助けてくれる。作品をまとめながら思う。私を救ってくれたように、誰かの事を助ける作品になって欲しい。

やっちゃんが泊まりにきてくれた。
最近、テコが元気が無い。8年一緒に暮らした家族がある日突然いなくなったら、寂しいと思わないわけが無い。テコは夫と寝るのが好きだった。いつも夫にくっついて寝ていた。正確に言うならば、へばりついて寝ていた。
やっちゃんが来てテコが喜んでる。私も嬉しい。誰かとの食事が嬉しい。嬉しくて飲み過ぎた。死んだように眠りについて気づいたら朝が来た。しっかり二日酔い。やっちゃんとバイバイして梃子とずっとベッドで寝てた。
テコがいてくれて本当に幸せだ。梃子をくれた太郎ちゃんありがとう。ある日突然に太郎ちゃんが「ヨッシー。犬 欲しいって言ってたよね?」って電話が来てテコを連れて来た。東北地震の後の事。あの時もテコが私を救ってくれた。毎日不安で仕方無かった日々。てこの原理にちなんでテコっていう名前に決めた。こーんなに小っちゃいのに、おっきな愛がある。だからあなたの名前はテコね。って。
最近、突然に恐怖がやってくる。
youtubeを見てた時、街を歩いていた時、仕事の最中に、目の前の世界とは全然違う恐怖が頭の中に起こって、悲しみの発作が起きる。テコが死んだとか、夫が浮気した女といる所に遭遇するとか、目の前の現実とは全然かけはなれた映像が頭の中を流れ出す。振ったコーラみたいに急にそれが放出して、3分くらいすると、あっという間に消える。目の前の世界に、ああ、助かった。って、胸をなでおろす。
多分、心がまだ来ない筈の恐怖に怯えてる気がする。大地震があって、ああ怖かった。終わった。こっから復興だって思って、次の日にまた大地震があって、そしてまたその次の日も、また次の日も、そしてその次も次も次、次、ずーっと続く。家を立て直したのにまた壊れて、今日も立て直したのにまた壊れる。今日も。今日も。また今日も。また。そのうちに、今、自分がどこにいるのかわかんなくなって、そのうちに、来ない明日でさえ怖くなる。
「そんな男やめなよ。」「早く離婚した方がいいよ。」「人生を選んだ方がいいよ。」そんな風に言い放つ友人がいても、何て応えていいのかわからない。簡単じゃないよ、裏切られるって。たった1度の不倫じゃない。たった1度の暴力でも無い。今、私は私が今どこにいるのかもうわからない。

昨日は友達が家に遊びに来てくれて皆んなで餃子を巻いて食べた。
食べる音、食器の音、話す音、笑う音、人の動く音、色々な音が絶え間なく聞こえる。テーブルの上の食べ物がどんどん人の中に入ってく。新しい食べ物や飲物がテーブルの上に入れ替わり立ち代わり、食卓が活き活きしていた。嬉しくて仕方なかった。夫が帰らない食卓を、友人達は一瞬で華やかにしてくれた。
堂々と声を大にして言える。売れない音楽をやってる夫を精一杯支えてきた。8年間、決して短く無い。本当に苦労した。夫が悪い事ばかりして沢山の人が離れた時も、全くお金がない時期も、仕事はたいがいよくわからない。だから、とにかく頑張った。人づたいに飲み友達に出資して貰って会社を作ったと聞いた時はもう遅かった。その頃にはやめていたお酒を始め自分をコントロール出来なくなってた。今日は帰ると言って、今日も朝方まで帰らない。悪魔みたいなのが帰る朝は地獄。作った食事は毎日、毎日、冷蔵庫の隅に溜まってゆく。夫の好物たちは静かにゴミ箱へ向かって行った。爆発事故みたいに私達の平穏が一瞬で飛び散る。一つ一つの大事なピースを私ひとりで探し求めるような日々がもうすぐ半年。もう何がどんな形だったのかもわからないくらい。きっと今日もどこかで楽しくしているんだろう。外に出て、地方で音楽をやったり酒を飲んだり隠れて女と遊んでも、俺が楽しければいい。そういう人だった。嘘も上手だった。それは私にも私以外にも。世界を平和にする為の嘘なんだと思うけれど、あまり好きじゃない。
土曜日の昼を過ぎた頃、キッチンで煮卵を作ってると、ドアがちゃんとなり7月から家出してた夫が帰宅した。何も言わずに家中をばたばたと漁ってる。一ヶ月ぶりで会った夫に言いたい事は山ほどある。だけど、口が閉じたまま。「ねぇ、何やってるの?」ようやく出たのがそれだった。「今、作ってる渋谷の店に置きたいから。」新婚旅行で買った置物だとか、思い出の何かとか、私達の生活の色々を持ってあっという間に出て行った。大切なもの達が一瞬でなくなっていく。呆然と立ち尽くす、煮卵のタイマーがずっと鳴ってる。涙は一粒だって出ない。いつもそうだ、俺が楽しければいい。
皆んなで食べた冬瓜と手羽元のスープの余りにカレールーを入れて、カレーライスにした。とろとろのカレー。すっごく美味しい。幸せを独り占めするのって、私は楽しくない。


「俺は帰らない。」家出した夫が言った言葉。
泥酔した夫が夜中の3時にに玄関で怒り狂ってる。帰ってきた。

青山のファーマーズで芽キャベツを買った。こんな沢山の芽キャベツどうするんだろうって思ったけれど、このシルエットを見てしまったらもう欲しくて欲しくて「葉っぱもたべれますよ。」ってお兄さんが言った瞬間「ひとつ下さい!」。と、買ってしまった。500円。安いんだか高いんだかよくわからない。帰宅して洗ってキッチンに立てかけて置く。ふと、遠くから見た時、いい佇まいだなぁと思わず見惚れてしまった。
かまどさんが割れた。ベランダの台に干そうとした時に手を滑らせて、真ん中からパカーンと綺麗に割れた。お見事って感じ。夜に仕事から帰った夫に土鍋が割れた事を伝えると「不吉な予感だ。」とビビってる。「もう10年以上使ってきて、沢山米も炊いたし、冬は鍋に使ったり、本当にご苦労さまだよ。もう寿命だったんだよ。不吉でも何でもない。」散々お世話になったかまどさんに向かってなんて失礼な事を言うもんかとカッとなってしまった。
20代はじめ、真面目なマクロビ二ストだった私は玄米を炊く為にかまどさんを買うか、カムカム鍋を買うかすごく悩んだ結果、かまどさんを購入した。本当に今日まで大変 にお世話になった鍋だ。
考えてみると、調理器具には思い出が沢山詰まってる。そこそこ値段のした物もあれば、IKEAで数百円で買った物もある。あと何年料理ができるんだろう。そう考えたら欲しい道具はすべて買い占めたい。だけど、この小さなマンションに沢山の調理器具を置く場所もないし、観賞用になってしまうような買い物はあまり乗り気がしない。だからきっと、今日みたいなタイミングが来たらサヨナラだけど吉日だ。未来の私の料理道具を想像すると少し楽しくなった。未来っていうのは、明るくなるようにきっと出来てる。

数日前に買っておいた年越し蕎麦は、どうしてもカレー蕎麦が食べたくなって、大晦日がくる前に食べてしまった。実家から帰宅したのが21時過ぎ、どん兵衛をコンビニで買って帰った。
今年はあっという間だったな。新婚じゃないけど新婚旅行に行ったり、お仕事も写真も十分にやったし、作品も作ったし、初めて金髪にもした。私は自分の事で泣かなくなった。だけど、友人が泣くのを何度も見た。毎日に大切なものが増えれば増えるほどに強くなっていく気がした。
みんながそれぞれの席についてグラスを持つ。兄家族と兄嫁の母、父と母、夫と私。今年もお疲れ様〜とか、家族の健康に乾杯〜とか、きっと誰もが年の瀬を味わう言葉を待っていたと思う。皆が父をみる。威勢よく「やるぞ!!」と、父。今から武道館で唄うかのような、ロックな乾杯で年が終わった。来年もやろう!

テコの好物、ラテールのシュークリーム。テコの誕生日はいつからか、シュークリームになった。夫よりも家族歴が長いのだから、信頼関係だってなかなかのもの。テコ、お誕生日おめでとう。

帰り道に、オーバカナルで食パンを買った。
何も思わずに買ったけれど、よくよく考えたらちょっと高かった。
翌朝にトーストにした。
「このトースト1枚100円するから!」夫に言うと
「えーーー!!」驚いていた。「味、別に普通じゃんねぇ。」もぐもぐ。もぐもぐ。
「けっこう美味しいよ。」もぐもぐ。「美味しいねえ。」けっこう美味しくって、目を見合わせながら味わって食べた。


実は日記とか、夢を手帳に綴ってる。ずっと前にほぼ日のお仕事をさせて頂いてから、綴る楽しみを覚えた私は夜な夜なこそこそと綴っている。手帳の後ろに100の夢リストというのを作り、なんでもかんでも夢を100個書いてる。「大切な人とアイスランドへいきたい。」ユルゲンテラーが撮影したビョークがブルーの水の中で子供と幸せそうに写っている写真がすごく好きで、どこかもわからなかったその地球の果てかのような場所へ本当に行っちゃうとは一ミリだって思わなかった。
早朝にLondonのLuton空港から、Reykjavík行きのLCCに乗ってIcelandeまで数時間。昼過ぎに到着した空港には人が全然いなかった。直ぐにBluelagoonへ直行。青い空の中で、青いラグーンにたっぷりと浸かった。天国気分でビールを飲み、夫と楽しく戯れた。少しすると「滝に打たれたいな。」とか、「あっちの丘の方へ探索へ行きたい」とか、何だか夫がそわそわしだした。何なの?って聞くと「痛い。」と。夫はアトピー持ちで、ラグーンの成分が濃いのか、皮膚が痒痛いと訴えてくる。最悪だ。仕方ないから、先に出てと伝え、飲み干したビールカップを渡した。広大な湯船の中を施設の入り口へと向かって歩いていく夫。途中、マダムとか、マッチョな男に声をかけられてラグーンから一向に出れない。みんなビールが飲みたいみたいで彼にどこで買ったのか聞いている。あわあわしてる夫を見ていたら、何だか不憫になって私も出る事にした。私の夢は一時間で終えた。

長旅から帰ってきた。どこの国へ行ってもなんでも美味しく楽しく食事をできるタイプではあるけれど、今回の旅では毎日のように「日本食が食べたい。」そう呟いていた。帰国して直ぐにスーパーへ走り食材をたんまりと買い込んで、浅漬けやらピクルスやらの瓶詰めやタッパを作って空の冷蔵庫をパンパンにした。そしてカレーを作って、ようやくほっとひと安心。さぁ、次は何を作ろう?気持ちも落ち着いたところで大事なことを思い出した。あ、先日仕事で美味しい餃子の皮が成城石井に売ってるって聞いたんだ。決めたら私はとにかく早い。成城石井に買い物へ行って、たねを仕込んで、お風呂に浸かってほやほやになった身体に麦酒を流し込みながら餃子を巻く。この一連の流れだって美味しさのひとつ。やっぱり日本食を愛してる。
高野豆腐の煮物
ジャコのグリーンサラダ
パイタン風卵のスープ
ニラと白菜の餃子
夫は酢醤油と、辛い豆豉醬のタレ
私は酢胡椒と、黒酢のタレ
夕方に明太納豆卵かけご飯を食べたばかりだから軽めの餃子夕飯となった。日本食を愛してる。今夜も最高だったよ。











ちょっと経由しようくらいの気持ちでコペンハーゲンに行った。ふらふら街を散歩する。住宅街に入ると家の窓にカーテンが無くてどの家も丸見えだった。それに何だか人がみんなにこやかだ、スーパーのレジの店員さんだって笑ってる。道を急いでる人なんて一人もいない。それに、こんなに寒くて空も青くないのに、みんな穏やかだ。カフェに入ると、家族連れだとか、カップルがゆっくりお茶してる。大声で喋る人も、頼んだ料理の写真を携帯で一生懸命撮ってる人もいない。不思議だった。何だかすごく好きになりそうな予感がした。次はゆっくり来よう。
20代はじめ、沢山旅に出た。
私には勿体ないくらいに、可愛くてオシャレで面白くって、東京!って感じの元気な友達に恵まれ、十分に刺激的で満足のいく毎日だった。青山や渋谷のクラブに行って、流行りのお店で食事して、流行りの洋服を来て、みんなでフジロックへいく。どれも嫌じゃないけど、当時の私にはなんだかちょっとしっくりこなかった。小銭を貯めてはエアチケットを買って成田へ向かった。バックパックを背負って色々な場所を旅した。どこかの国へ行っては、マッチ売りの少女みたいに温かい場所で食事をしてる誰かの窓を覗いては、私なにやってんだろ。って悲しくなったりして。だけど、気持ちよかった。そうやって何回も何回も旅を続けて、毎回のように後悔して、毎回のように怖い怖いってどきどきしながら、新しい国を歩き、新しい何かに出会って、そうこうしているうちに25歳くらいになって、旅はやめた。「いつか立派になったら、またヨーロッパを旅しよう!」そう胸に決めてから、あっという間に10年がすぎていた。
夫との10日間のヨーロッパ旅行。一応新婚旅行だ。「100回新婚旅行に行こう!」と夫が言い出したのが数年前。結局どれが新婚旅行なのかわからなくなったが、きちんと旅行として手配した今回の旅を私は新婚旅行だと思ってる。久しぶりのヨーロッパ放浪。思い出に残る旅にしよう。
日本から17時間くらいかけてLondonへ到着。カタコトでさえ英語を喋ってくれない夫のお守りみたいな日が続き、写真を撮る余裕もなくって、Londonで早々に大喧嘩。Londonは夫のために経由したようなものだったのに、おんぶに抱っこ状態な夫にいい加減耐えられなくなった。「もう日本帰れ!」つい口走ってしまった。Oxfordあたりを過ぎた頃だった。とにかく一人で旅したい。切実にそう思った。夫も私の態度にブチ切れて何か酷い事を大声で言っている。強い雨が降り始めていた。もう一緒にいたくない。このまま街へ消えてしまおう、早足で通りへさっと入って歩き始めた。清々しい気分だ。私の旅が今始まった!みたいな気持ちでわくわくする。しばらくして後ろが気になって振り返る。逆ギレしたはずの夫が、子供みたいに小さくなって私の後をついてきていた。なんだか、ごめんねって思った。そうやって私達の旅はLondonから始まった。
Londonで食べたもの。
EastLondonのカフェでカフェオレ
パブのフィッシュアンドチップス
パブのビール
レストランのフィッシュアンドチップス
スーパーのかちかちご飯のスパイシーロール
バナナ
REGENCY CAFEのイングリッシュブレックファースト
Sohoのカジュアルなイタリアンでマルゲリータ
ベーグルサンド
スーパーでスナックとビールとヨーグルトとスコーン


















年末に家出して、L.Aと、San Franciscoへ行ったのを忘れてた。もう写真をやめようって思った3年前が嘘のように、毎日毎日来る日も来る日もカメラを持って写真を撮りに出かけることが増えた。自分でもびっくりするくらい毎日写真を撮ってる。ここ数日、急にぱたりと仕事が無くなって、家出した日を思い出した。
どんなに辛い事があっても、たとえ涙を流しながらだって、美味しいご飯はパクパク食べれる。そして、それは心とは裏腹に美味しかったりして嫌になっちゃうほど。そんな事を思い出した。東京を離れて思い切りに頬張ったピザは最高に美味しかった。いつものようにピザを作るchichiのお父さん。chichiはダイニングでクリスマスパーティのために作ったDJブースで踊ってる。姉も一緒に踊ってる。
レンティルのスープ。お父さんのピザ。いっぱいいっぱい食べた。












どこか当たり前になってしまったeat LOVEの活動。ふたりとの関係はだんだんと家族のようになっていく。ふたりの生活の中で撮る料理は、仕事のあれやそれや、家で撮る食べ物とは全然ちがくって、なんだか色っぽい。のむらさんはお兄ちゃんで、みっちーは弟みたいな気がしてるけれど、やっぱり私はふたりの愛の生活にお邪魔してるのだ。ふたりの食卓に座る。ちょうど良い温度でだされた食事は今食べてって感じでお皿の上にいる。愛には賞味期限があるみたいな言葉があるけれど、愛が食べれるならほんとうにそうだと思う。
色っぽい食事と春うららかな午後。3人で作ったeat LOVEのZINEの増刷作業をしてる。けど、正確に言えば、のむらさんはひとりでぼーっとしたり、絵を描いてた。みっちーは、すこし斜め上を見て宇宙と交信して、時々私たちと会話を交わしてくれる。そういういつも通りの午後だった。
みっちーの初めての展示が今週末にある。とてもみっちーらしい素敵な作品。
たったの一年で色々な事が目まぐるしく変わっていった。
だけど、なんだかな、こうして三人で食卓を囲む事を続けてる。わりと自然に。食べる事と生きる事と、幸せになろうっていうのが、どうやらまだまだ、まだまだ重ねていきたいみたい。そうして私たちの作品がどんどんと膨らんでいく。アーティストの野村浩平さん。刺繍作家のイトウミチヒロさん、わたし。今日も一緒に食べてる。







最近、お腹が空かない。時々こういう時がやってくる。朝食に、夫の分だけバインミーを作って、寝癖で頭が爆発してる彼が食べるのを横に座ってコーヒーをすすりながら見てる。たぶん、我儘を言わなければこういう時間もそう悪くは無いのかもしれない。いや、もしかして、数年前の私ならいい時間だったのかもしれない。

夫を無理やり病院へ連れて行ったら、インフルエンザだった。仕事の人に迷惑をかけたくないから、私は健康だから自費で注射を打った。何で私は自費なんだろう。