豚キムチ

エスニック 18.2,2021

やっぱり嫌な夢でうなされて朝が来た。昨晩に聞いた話でまた過去にトリップする。映画みたい、同じシーンが巻き戻されて何回も何回も流れてる。

誰かに聞いて欲しかったけど、友人にメールしようって思って携帯を開いたけど止めた。不幸を撒き散らしても誰も、私だって幸せにならない。代わりに姉におはようと一緒に、ささっと昨晩に起きた事と、気にしないで今日も頑張るって伝えた。

今日は集英社のスタジオ。初めてだから楽しみ。私はライティングが組めないけど、スタジオにはスタジオさんがいるから大丈夫。立派に組んでくれたセッティングで気持ちよく撮れる。それに写真をしてる人とお喋り出来る事が嬉しい。

撮影の合間にスタジオさんに聞く。何のカメラ使ってるの?とか、何撮ってるの?とか、誰の写真が好き?とか。

それから、「多感な年齢の中にいて、こういうよくわからない時代に生きる事になって、今を過ごす事や、それで写真を撮るって、何を撮るの?」そんな感じの下手くそな質問を聞いたと思う。返答はすごく良かった。

色々と感じて、自分でもよくわからない。周りには想わない人も多いけど、自分は想う事が何だかある。今しか無い事は感じてます。色々と撮ってます。みたいな回答だった。スタジオさんだからきっと20代だと思う。話してる全てが溢れてて気持ちがいい。

撮影の帰り、携帯を見ると姉からのLINE。「大丈夫?」って。姉は私より感情的になる所がある。色々を知ってるから、姉もきっと過去にトリップしちゃったんだろう。少し怒って、そして悲しそうだった。追いかけてくるように未だに私に降りかかる何かがあっても、あっても、走って逃げればいい。離れればいい。厭だから避ければいいだけ。「大丈夫だよ。私は自分で今を選べるから。それから即興で何か曲を作って送って。」とメールを返信した。

豚キムチ
豚肉
にんにく すりおろし
豆もやし
よく発酵が進んだ酸っぱいキムチ
ごま油
魚醤
みりん

2月17日

Journal 17.2,2021

たまちゃんが作ってくれた鍋を食べてる途中だった。一瞬で全身が硬直した。心臓が今にも破れそう。夫と関わる全てから離れた筈なのにどうして。

夫の友人に会ったんだそう。私を心配してるだの、なんだのって。そのまま、夫についての話は続いていたけど後はあまり覚えて無い。とにかく器の中の何かを口に運んで、運んで、「その人は嫌いな人だから。」と伝えた。

その友人は暴力の事はずっと知ってた。だけど、それ以上は何も考えたくない。今までの人生で酷く傷つく事は沢山あっても、人を信じたく無いと思ったのは初めてだと思う。平穏な毎日が一瞬でまた真っ黒に襲われる。二度と関わりたくないし名前を出すだけで吐きそう。あの世界には二度と関わりたく無い。共依存の本をぽつりぽつりと読んでる。夫婦や親子関係における共依存は、日本の文化背景がある事。それは生きる為に必要だったから備わった感覚なんだと。

いつも夫の名前や、子供の話ばかりを続ける友人達の顔が数人思い浮かんだ。中には私に共依存を教えてくれた子もいる。母であり妻であるから耐える事が、家族の幸せになる。女性がそうしないと生きられない時代があって、そうゆう親を見て育った女の子達は自ら我慢とゆう選択を選ぶようになるのだそう。

「病気だから仕方ない。」「子供の為だから仕方ない。」「私は妻だから。」それが共依存の答え。その言葉の上澄みからは平和な音が聞こえる。父親に殴られて育った男の子は、暴力を権力として、自己表現の一つとして、親から学んだ生き方を自分もやる。弱者を殴る。女や子供を。

彼もそうだった。お酒が入った深夜、強そうな人には悪態でさえつかなかったけど、タクシーを乗ると直ぐに運転手に激憤した。家につくまで私は通りに光る街灯を見ながらじっと黙った。翌朝に話せば、空のごめんねだけ。いつも。

私は自分の世界を捨てたんだ。依存したくなかったから、捨てた。本を読んでわかった。それに共依存は生きる術だって事も。決して非難するような事じゃない。世界は、生のある全ての物は、明日を生きるために今がある。病気でもそうじゃなくても、それは問題じゃない。その人にとって生きやすい方を選んだって事。お酒を飲み続けて死んじゃったら、そう生きたかったから。可哀想なんじゃない。やめられないのも生きる為。そしてそれを支えるのが役目だと信じるのも生きる為。

よく誰かが、私は夫の世話を焼いてばかりいると言ったけど、本当はそうじゃない。私は、フェアになりたくて、自立して欲しくて、彼を放った。その度に彼は私に助けてとお願いしてきた。子供みたいに立ち上がる私の裾にしがみつく。何度も何度も、断った。誰も知らない事。どうして助けたの?と聞かれるけど、べったりと助けてきたわけじゃない。何百回と悩んで突き放した。

明日は朝が早いからと家路についたけど、帰り道は寒くて真っ暗だった。すごく厭な夜。お風呂に入って、髪を乾かしてる時に思い出す。「よーよは、幸せな家庭に育った人なのだから、幸せになって。」雑誌の編集長をやってる兄の親友、栗さんが言った言葉。うちの家族の事をよく知ってる。全てじゃないけど私が苦しんでた日々を知ってる。離婚する前はこの言葉に後ろめたさがあったけど、今は私に勇気をくれる。朝になったらきっとこの暗闇は明けるはず。

明太子と昼食

和食 16.2,2021

明太子を買うと、ご飯炊かなきゃ!って気持ちになる。昨晩サミットで買った明太子。昼食にご飯と一緒に食べる。夕方に二子玉に用事があって、そのまま若菜さんと三浦さんがいる事務所に遊びに行った。

なんだかおかしいのだけど、世界っていうのは穏やかの連続で不思議な気持ちになる。こんなに穏やかな人達が周りにいて肌に触れても痛くないような時間が流れて、朝は明るく太陽が上って、時間や誰かの声が私の背中を押さない毎日。私がやらなきゃって歯を食いしばる事もやめたし、なんだか気分が乗らない日はベッドに潜って、お腹が空いたら出てくればいい。そんな事が許される毎日。それで生きてる。なんか不思議。

ふたりとのお喋り、本当に本当に楽しかったな。
昨年と全然違う顔してるねって言われて嬉しかった。

昼食

Journal 14.2,2021

昼前に駅前でひとみちゃんとルイちゃんと待ち合わせをして、みんなで近所の神社に参拝。辺りが暗くなるまで、美容の話か恋の話とか、永遠にお喋りは続く。

何も考えずに、わっと友達と騒ぐ時間って大事だなって。楽しかったな。

昼食
カリフラワー、カブ、人参のぬか漬け
人参のドライの柿の和え物
ウドのフルーツ漬け
菜の花の醤油麹和え
豚キムチ
台湾風煮物
塩豚と大根
雑穀米


ひとみちゃんが持ってきてくれたワイン。
ルイちゃんが持ってきてくれたメルシーベイクのケーキをデザートに。

2月13日

Journal 13.2,2021

夕方、アカネちゃんに会いに家からバスで20分くらいの所にあるSISTER MARKETに行く。店ではやっちゃんと待ち合わせをしてる。数年振りのアカネちゃん。嬉しいな。バス停から小走りして店に向かった。久しぶりの買物。嬉しいからお金なんて気にしないで好きなものを買おう。別にいいや。楽しい時に買物するといいって聞いたし、嬉しい場所で買った物はその先もずっと嬉しい物になる。

店に併設してるカフェで三人でお茶をした。アカネちゃんの上の娘が未だ赤ちゃんで腕の中にいた時、上原のマンションの一室にあるお店で出会った。あれから13年だねって盛り上がる。13年前の私は、師匠に就いてアシスタントをしながらNHKでバイトみたいな事をしてて、自転車で家に帰る途中に時々遊びに行った。ちょっとだけ私の報告をすると、アカネちゃんが自分の話をしてくれた。初めて聞いた話。アカネちゃんの子供時代の苦しかった事。それから、ずっとその苦しみが大人になっても残ってたけど、ここ数年は本当に幸せだよっていう話。だからどんな事があろうとも、時間っていうのは解決してくれる。これは本当だからねって。

それに、私はよっちゃんの選択が良かったと思う。向き合うのは自分だから、それは彼にしか解決出来ない問題。今、一緒にいれなかったっていう事はお互いに違う場所に行ったっていう事だよ。

久しぶりに会ったのに、言葉がよく聞こえてくる。何でだろう、すごく嬉しい。

L.Aのブランドのピンクのパンツと、カーキのコーデュロイの帽子、NYのデザイナーの赤いビーズのブレスレットを買って、ブレスレットはそのまま着けて帰った。最近はinstaでラジオをやってるんだそう。私の番組はすっごいくだらないんだよーって笑ってた。

ありがとうね、アカネちゃん。

アネモネ

Flower 13.2,2021

「私は覚えてるよ。彼が向き合うことから逃げたんだよ。」

何だか毎日の中に埋もれてしまって、離婚を後悔してるみたいって事をメッセージすると春名さんが教えてくれた。私の記憶は断りもなく勝手に色々を忘れようとしてるみたい。そしてストーリーを上書きし始めてる。あの日々の事を彼女は覚えてる。全てじゃないけど、殆どを知ってる。口には出せない様な事も。春名さんの言葉がずんと身体に響いた。そうだった。彼は逃げた。通り魔みたいに人を刺して逃げた。顔を隠して、私しか知らない顔を隠して逃げて行った。

夜中に姉から電話が来る。ポールさんのアビュースについて苦しんでた。今、結構ダウンしてる。ずっと私に同意を求めてくる。「わかるよ。」何度もそう返した。

何だかどっと暗い気持ちでベッドに潜った。よくわかるから聞きたく無いって思ったけど、姉と話して良かった。それに、友達に感謝してる。私の不幸を覚えていてくれて、ありがとう。

気持ちの良い朝。過去を思い出したら、何だか強くなれる気がした。昨日買ったアネモネが朝陽の中で気持ち良さそうに開き始めた。強く生きるっていうのはこういう事な気がする。

トマトスパゲッティー

洋食 12.2,2021

金曜日は新月だから新しい事をするといいよってひとみちゃんが言ってた。ずっと出来なかった事をやろう。起きてすぐに戸棚に閉まってたお土産を出した。あかりちゃんに送ろう。LINEを開いて昨年に聞いた住所を探す。あの時の事がぽろぽろと出てきた。なんて酷い毎日の事を彼女に話てたんだろう。だけど、何だか、ほっとする。

一緒に幸せになりたかったな。
普通の夫婦だった毎日の事を思い出してほっとしてる。喧嘩だって嫌に思った事は無かった。病気さえ無かったら、今日の日だって一緒にいれたのに。どうかな、どうなんだろう。私はいたかった。何だか最近の自分が嫌で嫌でたまらなくて、世界に色々に否定的だった。前に進んでる筈なのに、一向に元気になれない。嫌気がさし始めた私は世界に悪態をつき始めた。だけど、こういうのよく無い。危うく彼に渡された真っ黒な何かを誰かにパスしようとしてた。家族や友人だけじゃない、知らない人にだって一欠片も渡せない。親に大事にされなかった子供が自分の子供にまた虐待をするように、負を連鎖する事に意味なんて無い筈。私の所に回ってきた真っ黒。せっかく死ぬ思いで決断したのだから、悪い事に使うなんて絶対に嫌だ。それに、死ぬ思いで決断する事を頑張れって背中を押してくれた人達に私が黒くなっちゃ申し訳ない。

今日から始める新しい事は、明るく生きるって事にしよう。
また直ぐに真っ黒がじわりとやってくるだろうけど、そしたらまた同じ事を思い返すだけ。微々たる前進でも前進する。明るく。元気に。どうか明るい場所が少しでも増えますように。それは私だけじゃなくって彼にも。

フレンチトースト

Journal 11.2,2021

昨日は久しぶりにメイムさんに髪を切ってもらった。半年ぶり。毎月のように美容院に行ってたのに、変な感じ。まるで髪の毛の存在を忘れてたみたい。朝目覚めて、ベッドの中で携帯を見る。L.Aの姉から庭で採ったグレープフルーツでジュースを作る動画が送られてきてた。Parisにいるまゆみちゃんからは、雪が降った街と鳥と散歩してる犬のお尻の動画。ベッドの中で、世界の今を見る。平和だな。

冷蔵庫に賞味期限が昨日までの卵が入ってる。朝ごはんはフレンチトーストにしよう。

今日は何も考えない。

フレンチトースト
6枚切の食パン
バター
テン菜糖
卵2個
蜂蜜

朝と昼の間のご飯

Journal 09.2,2021

午後から日本橋で仕事。何だか今日は穏やか。天気がいいからかな。終わったら、近所のたまちゃんも誘ってみんなでBASEMARKのAWの展示会に行こうって話してたけど、たまちゃんがお腹が痛くなって、ミオちゃんも仕事だったし、私も何となく図書館に予約してた本を取りに行こうって思ってやめた。

この街に帰ってくると、ほっとする。あたりは真っ暗だけど、踏切の途中に立ち止まったサラリーマンが今にも終わりそうな夕陽を携帯で写真を撮っていた。こんなにも毎日が平和なんて、ちょっと不気味なくらい。おかしい感覚だと思うけど、少し物足りない毎日に未だ慣れない。よくわからない何かを必死に解読しようとしてた毎日に、思い通りには全くいかない毎日に、途方の暮れる毎日に、何かを置いてきたみたい。夜なのに真っ暗なのに、深く深呼吸するみたいにべたっと身体が安心してこの街に落ちていく。

予約してた本は二冊。スティブンショアーの写真集と、臨床心理士の信田さよ子さんの共依存についての本。なんだか、なんでだかわからないけど、臨床心理士みたいな心理学に関する仕事か、写真の仕事か、17才の時に未来に希望を抱いた私は二つの選択肢で人生を考えた。心理学ならアメリカに行きたいとも考えてた。フロイトに憧れて左腕にフロイトの言葉を入れたのもその頃だったと思う。あれから何回恋をして、何回引っ越しをしたんだろう。時間がこんなに経ったのに同じような事を考えてる。

心理士の夢はさっさと捨てたけど、手にしている本を借りたのは8年も依存症の人と過ごせた自分が共依存だったんじゃないかって気になったから。誰もがしない選択を敢えてした自分に後悔しているし、もし病気への知識があったら彼を救えたんじゃ無いかと後悔してる。だから、苦しむ時間がここに未だあるのなら、もう少しだけ、どうしてなのか知ろうと思った。私はこの先、きっと一生、後悔し続ける。だから逃げたく無い。

雑穀米
ポークカレートパクチー
えのきとわけぎの味噌汁
納豆
蒟蒻の炒り煮

キャベツの春巻き

和食 08.2,2021

私の記憶が忘れたくないって言ってるようにしか聞こえない。まただ。どうして、こういうニュースを目にしちゃうんだろう。マックの元会長の暴力事件。暴行を受けた奥さん自ら警察に通報をした。

彼の周りの人は誰もが彼を好きで、誰もが彼を慕って、誰もが彼は優しいと言った。彼は可愛い、彼は素敵。いいアーティストで才能があるからって。私だけが知ってる彼を、彼じゃない彼を、誰かや世界に言う隙なんてこれっぽちも無かった。それに、言いたくなかった。妻だから、想ってるから、世界に言えない日々だけが積み重なっていった。

人に相談し始めた時に、誰もが我慢する事無いとか、あなたの人生を考えてとか言ってくれたけど、24時間我慢してたわけじゃない。24時間平和な日も、普通の夫婦だった日も沢山あった。

ニュースの奥さんは今どういう気持ちでいるんだろう。私みたいに、後悔と不安と安心の中にいるのかな。

菜花と塩豚の水餃子

エスニック 06.2,2021

リリさんと成田君が家に遊びに来てくれた。
歳は10以上離れてる友人。2人共編集者。近況報告や、真面目に言葉や編集の話とか、下らない話とかを6時間くらい。気づいたら深夜12時を過ぎてた。夕飯は、塩豚と大根の花椒煮、焼長芋の炊き込みご飯、菜花と豚の水餃子、手羽中と南瓜のアニス風味煮を作った。後は成田さんのお土産の麻婆豆腐とポテサラ、ザーサイに、リリさんが持ってきてくれた微発泡のワインと焼き菓子。

朝が来て少し未だお酒っぽい感じ。最近ちょっと飲み過ぎてて体調が悪い。ミオちゃんと駅前の喫茶店で打ち合わせがある。洗濯をすませて、バナナとベリーと豆乳でジュースを作り、一気に飲み干してから家を出た。

ミオちゃんのお姉ちゃん家がちょっと大変っていう話とか、私が最近企画で始めたマッチングアプリの事とか、価値観とか男の人の年収とか色々な話で盛り上がった。結局、お喋りがつきないまま、コロナだからと店を追い出されて、別のカフェで打ち合わせを始める。帰宅したのは昼頃、疲れたな。天気がとてもいい。このままどこかに消えてしまいたいような気分。誰か困ってる人がいたら私を貸してあげたい、そのまま返さないくてもいい。

芋煮

和食 04.2,2021

彼の夢を見た。私達はお互いに謝ってた。
今でも、毎日の中にどうして、は転がってる。だけど、ようやく、だんだんと、怒りとか苦しみとか恐怖とか、そういった何か、言葉や誰かや何かでは片付ける事が出来なかったものが取れていってるのかも。花瓶にある枯れた花がぽろっとテーブルに落ちるみたいに、急に姿形を失ってゆく。

どうしてなんだか、最近は出会った頃の事を思い出す。あの時は、双極性障害の躁状態が酷かったんだと思う。今、思うとおかしかった全ての理由がわかる。だけど、あの時の疑問は、最期に心に残った疑問と同じ。人間が人間じゃない形になる事を見た時の戸惑いと不安。これが本当に現実なのかなって、私の目を何度も何度もこすった。

夫だった男には、躁状態の時には沢山の肩書きがあった。ミュージュシャンの他に、デザイナー、プロデューサー、オーナー、ディレクター、クリエイター、バーの経営、他にも沢山あったように思う。俳優もそのうちやりたいって話してた。知らない人に急に話しかけて自分の凄さについて語り出したり、一緒に仕事をしようとか、俺に頼って欲しいとか、とにかくずっと話して忙しくて、変だった。出会ったばかりでよく未だどんな人なのかわからなかったけど、全ては本当だと思ってた。常に苛々と誰かに当ってるのは、ストレスの所為だと聞いてたけど、それもストレスじゃない。病気の症状そのもの。病院の先生と話していた時、どうして先生達はそんなにも簡単に私の夫だった人の事を見捨てるのだろうって思ったけど、先生達が声を揃えて「あなたの人生を考えて下さい。」って言ったのは、この病気の難しさを考えて出た私への言葉だろう。だけど、私は私の事じゃなくて、今直ぐにあなたの夫をここに連れて来て下さいって言って欲しかった。

「この病気は、家族も一緒に病に陥る事があります。だから、よく考えて下さい。最近、死にたいって思う事はありますか?」先生は私に変な質問をする。数ヶ月後、先生が言った通り私も病を患った。心療内科はどの病院も人が思った以上にいたのに、この病気はそんなに珍しい病気じゃないのに、私の周りに誰か、友達の友達だって誰か、この病気の事で苦しんでる人を聞いた事が無い。いつだったか、ネットで調べたら鬱は社会的に認知度が高いけれど、躁は知られていないから難しい病気だって書いてあった。

私が昨年、夏の間に行った病院は3つ。3人の先生は口裏合わせたみたいに同じ話を私にした。滑稽に見える。可哀想に思った。どういう可哀想なのかわからないけど、虚しい。私はまた今日も思い出しても仕方の無い事を思い出してる。

大根の皮と人参の金平
大根の皮 厚く剥いて干しておく
人参
ナンプラー
ごま油 多めに

ポークカレー

カレー 01.2,2021

あっという間に1月が終わった。さぁ、気合い入れて行こう!そう思った矢先に朝から寝坊した。もう光の中にいる事はわかってるんだけど、しばらくベッドに潜っていよう。昨晩見た映画が辛くて、嫌な夢も見て、気分はどんよりしてる。LINEを開くと姉からココがソファーで気持ち良さそうにしてる写真。メッセンジャーにはまゆみちゃんから犬の動画。マッチングアプリを開くと、映画と本のメッセージ。今日はだらだらしようかな。

ポークカレー
豚肉 200g
玉ねぎ 1個
林檎すりおろし 1/3個
にんにく・生姜
砂糖 小さじ1
クミン 大さじ1
バーモントカレーのルー 2片
ケチャップ・ソースを少々

目玉焼き

Journal 31.1,2021

雪が溶けるように、少しずつ少しずつ何かが消えていく気がした。そして隠れてた何かが見えてくる気がしてる。出張続きで身体がずっと重かったけど、ようやく普通の毎日になってきた。やっぱり心と身体は繋がってる。身体が辛い時は心も一緒にダウンするみたい。人間って本当に単純。

料理家のみなくち先生のところで買ったフライパン。すごく可愛い。ガチャガチャとすぎて行く時間を失った毎日がなかなか慣れない反面、道具をじんわりと愛でるような時間が出来た事が嬉しい。

塩鱈のポトフ

和食 30.1,2021

「『わたしを選んでくれる人』企画のタイトル、よしみさん、日記が面白いから企画の日記も書いて。」編集の山若くんからメッセンジャーが入る。変なタイトルに思わず声を出して笑った。山若くんが編集長を務めてる雑誌の企画で始める事となったマッチングアプリ。これは誰かを騙すわけじゃなくて、自分の持つ世界を失くして生きてみるっていう企画らしい。多分。

「とりあえずKWに会ってきて。」「わかった。」仕事柄、知らない人に会うのは慣れてるから全然問題なし。会うくらい朝飯前。KWさんはいい人そう。ラクダに乗ってる写真をプロフィールに選ぶセンスがいい。それに蓮沼くんの音楽が好きな所もちょっといい。あと、離婚も経験してる。私が一番知りたいのはそこ。さよならを選んだ男の気持ちが知りたい。だけど、今回の企画の趣旨とズレちゃうから私はそういう事を詮索しちゃいけない。詮索したら私探しみたいになってしまうから。

昨晩にパリのまゆみちゃんとメッセンジャーでお喋りした。結婚って何?みたいな話。一度くらい子供を産んでみたいし、いいパートナーとフェアな結婚生活を送ってみたい。だから、自立しよっていう所で話は片付いたけど、そもそもフェアな夫婦関係ってなんだろう。よくわからない。私が大変だった時期に一番側で支えてくれた友人は、私が離婚届を出す前夜に電話があったきり話をしてない。毎日の様に連絡をくれてたけど、朝から晩まで側にいてくれたけど、もう何ヶ月も連絡は無い。友人は私の夫の事をいつも可哀想って言った。「病気ですごく辛いんだよ、だからあなたは耐えて。」って。友人の夫も病を持っていた。

最近、一つだけ希望を見つけたかも。私は離婚を後悔してる事に気づいた。もっともっと早くに逃げれば良かったんだ。私が逃げたら私達はフェアになれたんじゃないかって。私が逃げたら辛いから逃げたら彼は気づけたかもしれない。彼は病気だったからこそ、私は耐えちゃいけなかった。私を助けようとしてくれた友人の事が大好きだったし、心優しい子でとても感謝してるけれど、耐える選択が彼女にとっての未来でも私にとっての希望にはなれなかった。私はきっとフェアになりたかったんだと思う。誰が可哀想かなんて事はどうでもいい。妻や夫の役割なんてものも要らない。ただ、一人の人間として、悲しいとか辛いって、彼に言いたかったんだと思う。

わたしを選んでくれる人はどういうつもりで私を選ぶんだろう。嘘は書かないようにしてるけど、プロフィールは殆ど載せてない。少しの情報を妄想して私に興味を抱く誰か。まるでおみくじ。夫の持っていた双極性障害は500人に1人と言われてる。もし500人とマッチングしたら、その中の一人はアレになる。その確率にどこかで怯えてる自分がいる。どうかどうか来ないで。それに、企画を受け入れたものの、恋愛を全身が拒否してる。星の王子様と恋に落ちるみたいに一生来ないその日を待望してるみたい。だって、本の世界の人だから。同じベッドで肌が触れる日は永遠に来ない。まず、私の頭をトンカチで割って中身を全部だして、そこに甘い綿飴でも詰めたらいいのかも。

この企画、きっと適任。流石、山若くん。
だって、私は甘い夢だけを見たいから。

塩鱈のポトフ
美味しい鱈を塩漬けしたもの
昆布
キャベツ
人参
きのこ
玉ねぎ


アニスの煮物

エスニック 29.1,2021

花屋へ行こうと商店街を歩いてたら向こうから朋子ちゃんがベビーカーを押して歩いてきた。「おはよう!」近所で朝から友達と会うって何だか嬉しい。パン屋の前で昆布の佃煮の作り方と、蜂蜜屋の前の花屋の話をしてバイバイした。そのまま朋子ちゃんが教えてくれた商店街の入り口の方にある花屋に行って、桜の枝とチューリップを4本買った。そのまま上町のオオゼキに野菜と魚を買いに行き、帰りに大根を買いにサミットへ寄る。レジで並んでると、りょーこちゃんからのメール。昨晩は帰宅が遅かった。お風呂上がりにビールを一缶飲んだら何だかとってもりょーこちゃんと話したくなってメールをした。深夜12時過ぎ。最近の事、何だか湖にいるみたいな毎日だって事を伝えた。静かでしーんとしてるって。りょーこちゃんからのLINEが何通か携帯を鳴らしてる。昨晩はお腹が痛くて寝ちゃって、私の最近の気持ちがわかるよって書いてあった。

“人と会いたくないとき、湖みたいにしんと冷たく静かなとき、あっていいと思う。きっと大事な時間だと思う。”

この子はどうして、どうしたら、こんなにも私にいつもフィットしてくれるんだろう。エコバッグいっぱいの食材と大根と花束を抱えてスーパーを出た。冬空、綺麗だな。青い空がすごく気持ちがいい。誰かにわかってるよ。って言って貰えると嬉しい。だけど、それが誰でもいいわけじゃない。今の自分がよくわからないけど、独りはとても寂しいけど、独りでいたい。

何だかすごくほっとした。
アニスの煮物を作ろう。今日は黒糖を使おう。

アニスの煮物
鶏肉の手羽元
大根 真ん中の部分10cmくらい
しいたけ 3つ
生姜 1片
アニス 1個
オイスターソース 大さじ 1
醤油 大さじ3

黒糖 大さじ1強くらい

チーズ餅と甘露しょうゆ

和食 28.1,2021

今日は夜に撮影が入ってるから、午後に少し昼寝をする事にした。ベッドでLINEニュースを開くと、AAAっていうグループだった方が女性に暴力をふるって活動自粛をした。そして、一年ぶりに再復活するタイミングで、ファンから賛否両論の声が上がってるというニュースだった。

嫌な事を思い出した。夫だった人のファンから、何度か私を非難するメールが届いた事があった。お酒が最悪になった時期、夫が帰らない夜中に私は独り深酒をして夫の事をSNSで哀しみを吐露した。ずっとずっと隠していた事を。そして夫のツィッターで夫が誰とどんな女と遊んでるのか知ろうとした。本当に馬鹿な事をやってしまった。翌朝に何通か、夫のファンだと名乗る女性達から、私が最低な事をしてるみたいなメッセージが入って、1ヶ月過ぎてもそのメールは届いた。男が女に暴力をふるい、夫という立場の人間が働かずに毎晩朝まで飲み歩く事は、女と遊び歩く事は、私にメッセージを送った女性達の生き方として、正しい事だったんだろうか。こんな事を今思い出したって仕方ないのだけど、急にまたあの時の記憶が蘇る。崖から落とされたような気持ちだった。私は間違った事をした。それに、とにかく辛かった。私が感じた事を強烈に覚えてる。この人達は、私に死ねって言ってるのかな。本気でそう聞こえるメッセージだった。

半年以上前の事なのに未だに鮮明。夫だった男がもし今でも有名だったら、私達を救ってくれる人はいたのかな。あの時に変な事を思った。私が死ねば、夫の酒を誰かが止めてくれるんじゃ無いかって。

あの時の私はどうかしてた。だけど、人の声に耳を塞ぐ事が出来なくて。だけど、私を救ってくれたのは友人。友人の声。その日のこともよく覚えてる。夏の暑い日にキッチンでしくしくと泣き続けた。

思い出を封印したい。だけど、似たようなニュースを開く度に時々思い出すんだろうな。仕方ない。道に落ちたタバコの吸い殻を見過ごすみたいに、次の瞬間にはもう忘れるしか無い。何も感じちゃいけない。

和食 27.1,2021

久しぶりの我が家。出張続きの泥のように重い身体を引きずって実家に預けていた梃子と帰宅。家のドアを開けるのが何だかとっても嬉しかった。荷物を片付けて、恵比寿に撮影へ向かう。

今日は何だかちょっと気分がいい。身体はへとへとだけど、気持ちがいい。前の取材がおしてて、アーティストの入りが遅れた。ライターの古川さんとたわいもない話をして待つ。撮影が終わったのは8時前。撮影時間は予定よりずっとおしたけど、古川さんとお喋り出来て良かったな。

渋谷からバスで帰る事にする。だけど、これはいつも後悔する。昨年に住んでた駅を通らなきゃ行けないから。いつも乗った後に後悔するけど、今日も後悔したけど、今日はみうらじゅんさんのyoutubeに夢中だった。見たく無い通りはずっとyoutubeの画面を見てた。梃子がお腹を空かせて待ってるから、早く帰らなきゃ!バス停から家は直ぐだけど、小走りで帰る。私、この街が本当に好きだな。家の直ぐ側に路面電車が走っていて、天気のいい日にベランダで植物に水やりをしていると、踏切の音が聞こえてくる。誰かが暮らしている音が聞こえるみたいで、小さな街で生活をしてる事に何だかとっても嬉しくなる。3階にある私の部屋を見上げた。

「梃子ただいまー!」部屋のドアを開けると、リビングでさっきまで寝ていた梃子がしっぽをふってる。暖かい部屋、準備しておいた夕飯も待ってる。梃子が嬉しそうにベッドルームへ走って行った。私も梃子もベッドルームがとにかく好き。ベッドしか無い部屋。お気に入りのコアラマットレスが部屋を占領してる。ワイングラスを置いた直ぐ脇でジャンプしても倒れないCMのマットレス。私はこのベッドに助けられた。このベッドのお陰で世界から消えずに済んだ。重力からも逃れて世界の下へ沈んでいこうとする私の全てを全身全力で受け止めてくれたベッド。真っ白な大小サイズ違いの枕が4つ。真っ白な大きな毛布と羽布団。一人にしては少し大き過ぎるけど、奮発して買った。とにかく生きながらえる為にベッドだけは譲れなかった。梃子とベッドで少し遊んでから、キッチンへ行く。梃子にご飯をあげて、お風呂へ入った。この家のお風呂は少し古いけれど、窓があって、そんなに大きくないバスタブが実家みたいで、とても気に入ってる。今夜は疲労回復ってパッケージに書いてある入浴剤にした。緑色の湯船に浸かって、「最高ー!」って叫んだ。

夕飯は野菜たっぷりの鍋。風呂から上がってビールを飲みながら支度する。外食続きで野菜不足だった干からびた身体に染み渡る野菜。「ああ、最高!」家に帰ってきて、何度、最高ー!って叫んだんだろう。ベッドルームでお風呂でキッチンで、あちこちで「最高!!」と叫んだと思う。この街に引っ越してきて本当に良かった。この家が本当に好き。

「いい事の次は悪い事が来る事は世の中の常なので、先回りして嫌な事があったらラッキー!って言わないと。もの凄くいい目に合いたい人は、もの凄く悪い事に合う事は決定ですから、嫌な事がある人生が嫌だって人はそこそこの人生を努めなきゃですよね。これはルールですからね。なので、自分がどういう風に生きたいか考えないと。」バスの中で聞いてたyoutubeでみうらじゅんさんが話してた事。可笑しかったな。

今夜は久しぶりに私のベッドで寝れる。嬉しい。

高知県の朝

Journal 24.1,2021

目を開いたらいつも、新しい。そうしよう。何だか、ホテルで目覚めた時にそう決めた。疲れたら目をつぶろう。そして開いたらまたスタート。

茄子とトマトとモッツアレラと鮭のスパゲッティ

Journal 23.1,2021

出張で数日間、家を空けてた。
久しぶりの我が家、明日からの出張で梃子はずっと千葉に預けてる。家の中がとにかく静か。いつもの私がやってる独り言は、独り言じゃなくって梃子と話してたんだって気づいた。独りで話すのが何だか寂しくなった。私の声が壁に跳ね返ってくるみたい。

旅に出ると、気持ちが私から離れるのに今回は離れてくれなかった。山口県はとても自然豊かで、沢山素敵な場所や人を訪ねた。同行したライターの船橋さんとも色々お喋りして楽しかったし、ご飯も美味しかったし、新しい何かに触れる度に心が弾んだ。だけど、私はいつになったら楽になれるのかな。ゴールの無いゴールに向かって、急ぐことも無く淡々と歩いているみたいって、山道を揺られて走る車の中で何度も何度も思った。

「もう本当にいや。」

最近、私の心の口癖になってる。頑張ろう、とはもう何だか思えない。頑張っても変わらないから。逃げてもいいから、辛くてもいいから、弱くてもいいからあの場所にいても良かったんじゃないか。前に進む意味がよくわからない。進む事は出来るし、どうして進まなきゃいけないのかもわかってる。離婚して180度、世界が変わった。本当に良かったんだろうか。生活も友達も私がやろうとしてる事も私自身も変わった。山若くんに頼まれてるマッチングアプリも相変わらず、プラスチックな気分で続けてる。どういうつもりでこの人は私に「ご飯作って欲しいです。」ってメールしてるんだろう。会った事も声を聞いた事も無い。気持ち悪い。返信するのをやめた。

ポストにパリに住むまゆみちゃんから手紙が届いてた。まゆみちゃんの字を初めて見た。こういう字を書くんだ。彼女の筆跡は私の知らない一面でちょっとびっくりした。いつもクールだし、このコロナの中でもフランスで一人堂々と生きてる女の子だ。だけど、今日はずっとずっと子供に見えて、可愛いって思った。

冒頭に、2020年12月31日の夜に書いてるって記してあった。カードにぎっしり詰まった言葉は、まるで私へのラブレターみたいに感じて何だかすごく嬉しい。初めて会った日の事が書いてある。うふふって私が笑うのが良かったんだそう。2021年はうふふって笑ってね、って。私は自分がガハハって笑うのかと思ってたけど、うふふって笑うんだ。彼女が見ている世界は優しい。どうか、私はその場所にいれますようにって思った。カードは土に埋めると植物が生えてくるとフランス語のイラスト付きで書いてあったけど、しばらく側に置いておこうと思う。大事にしたい。

もう何も失いたく無い。誰も、誰かも、知らない人でも、もう哀しい世界は見たくない。溜息みたいに出てくるこの世の果てみたいな気持ち。こんなのはよく無いから、これが出る度に違う言葉を吐き出そうかなって考えてる。全然関係の無い言葉。「hello」とか。「would you like something to drink?」とか。心が拍子抜けしちゃような全然違う何か。

今日はちょっとだけ泣いてから寝よう。明日は朝一で羽田空港。こないだは、ターミナル間違えちゃったから、明日は間違えないようにしよう。

京都風たまごサンド

Journal 20.1,2021

昨日、上原にある永井さんの事務所にお邪魔した。写真を見てもらったり、永井さんの新しいプロジェクトのお話しを聞いたり、たわいも無い事をお喋りしたり。

人って、それぞれだなって。当たり前なのだけど、何年経っても何度会っても変わらない。穏やかな人、静かな人、楽しそうにしている人、真面目な人、真っ直ぐな人、優しい言葉を使う人、強い言葉を使う人、不安そうにしてる人、直ぐに怒る人、いつも誰かの話ばかりする人、自慢する人。永井さんは夢を叶える人。遊ぶみたいに夢を叶える。

考えてみたら、そうだ。永井さんの周りで哀しんでる人を見たことが無い。誰か困ってる人がいたら「哀しんでないで、僕らと遊ぼうよ!」って仲間にいれてくれる感じ。そういえば、15年くらい前に永井さんと仲良しメンバー5人くらいで一緒に幕張に写真を撮りに行ったな。人と写真を撮りに行ったのは、あれが最初で最後だったと思う。楽しかったな。

永井さんの家には8年飼ってる猫がいて、こないだ写真が3000枚もある事に気づいたんだそう。絶対にペットロスになるって言ってた。写真って辛いよねって話をした。写真って記憶を忘れさせてくれない。いいんだけど、時々すごく辛い。写真をやってない人が羨ましくなる。

キャベツの餃子

Journal 19.1,2021

いつもは白菜の餃子だけど、明日から出張だし冷蔵庫に残ってるキャベツで餃子を作る事にした。それに、昨日はお酒を我慢したから、今日は麦酒を気持ちよく飲もうって決めてたので絶対に餃子一択。作りながら、和え物をつまんで麦酒。餃子を巻きながら麦酒。私の餃子はたねに、ごま油をたっぷり入れるので黒酢だけで食べる。

ひじきご飯と目玉焼き

Journal 17.1,2021

「マッチングアプリして!」
編集の山若君から相談を受けたのは、小豆島のレストランで。あれから数ヶ月、本当にマッチングアプリをする事になった。私は私じゃなくなって、誰かと出会う。そういう企画。

何だか抵抗あるなっていう気持ちと、どんな世界なんだろうっていう興味。だけど、いいよって返事したからにはやろう。勇気を出して登録。写真が苦手だから、私の顔写真が携帯の中には殆ど無い。昨年に伊勢神宮に行った時の写真を思い出した。友達とのライングループからダウンロードして登録。

「自分じゃない人になって欲しい。」そういうオーダーだったけど、そもそも、今の私は自分が誰なのかわからない。ついこないだまで、私は別の姓をなのって、死んだら入る墓は大阪だったのに、今はまた別の名前だ。マイナンバーカードは、次の更新まで新しくならないみたいで、大きく表示されてるのは今の私の名前じゃない。備考みたいな箇所に米粒より小さな文字で、今の名前が書いてある。きっとあと6年間、マイナンバーカードを出す度に、私の名前は違うんですって備考欄の本当の名前の事を説明しなきゃいけない。だけど、一体、本当の私ってなんなんだろう。

午後、山若君と駒沢のスノーショベリングに中村さんに会いに行った。「マッチングアプリで誰かになって、と言われても、今の私は空気みたいなもんだから、既にもう誰だかわかんない。」って、二人に言った。だけど、その意味が理解出来ないって言われた。そりゃそうだと思う。私だって今の自分がわからないんだもの。上手く説明出来ないよ。

「今の私を例えるなら、理科室の端っこにある人体模型。半分出てて、ヒリヒリするでしょ。不安でしょ。半分無いよね。」中村さんは、それいいねー!って喜んでたけど、結局、二人には理解されないまま話は終えた。

マッチングアプリでメッセージが来る人との私との会話もよくわからない。私は誰と対話してるんだろう。よくわからない見えないメッセージのやりとりを続けてる。

ホットサンド

パン 16.1,2021

さくらももこさんの本を昨晩に読み終えた。最後のストーリーは、カッとなって、頭をぶってしまったクラスメートの話。その時の微妙な気持ちが綴ってあった。今でも彼を殴った感覚が残ってるって。掴めない朝陽みたいな温かい何かが心に残ったまま、本を閉じて寝た。

自分にしかわからない感覚とか、言葉では上手に説明出来ない事とか、沢山の整理のつかない記憶が自分の中にある。その曖昧な部分を大切にしたい。苦しい事や哀しい事は忘れてしまいたくなるけれど、それは今日の自分を作ってるんだって。

最近、友達が変わった。
曖昧な部分を放棄しない人が好きになった。

夕飯

Journal 15.1,2021

「今夜は仕事が遅いから、電話できるよ。」元気が無い姉が気になって、夕方にメールした。いつもは私が早く寝ちゃうから、時差の関係で中々夜は電話出来なかった。

23時ちょっと前。帰宅して、缶ビールとポテチを食べてたら、姉からのLINE電話が鳴る。今日撮ったデーターをPCにダウンロードしたり、少しレタッチしたり、麦酒を呑んだりして、お風呂に入って、歯を磨いて、お喋りはずっと尽きないままにベッドに潜った。そこからしばらく話は続いた。

ジェニファーロペスとか、ケイティーペリーとか、著名な女性が苦難を乗り越えたドラマをまとめた番組のyoutubeが一昨日にメールで送られてきた。

「見た?」
「見たけど、悲しそうな事しかわからない。」
「単語を拾えばわかるでしょ。」
「早すぎてわからないし、とりあえず悲しそうな事はわかったから。」

姉は最近になって気付いた事があるんだそう。

「皆が同じ事を言ってて、すごくわかるんだよね。絶望的な瞬間が来て、その時に一人ぼっちになって、孤独になって、恐怖の中に落ちてしまったって。ケイティーはコンサートの直前に夫から “離婚しよう” ってメールが入ったんだよ。ジェニファーは、家庭環境があまり良くなくて、子供頃から自分の居場所を探し続けて2度離婚を経験した。彼女達は、自ら一人ぼっちを選んだ事で、人生を変える事が出来たって。孤独はあまりに恐怖だった。だけど、行動を起こした。簡単じゃなかったって。自分の道を見つけるまで本当に苦しくて、大変だったって。お金や名誉があったから出来たんじゃ無い。皆と同じ様に孤独は恐怖なんだよ。だけど、そこに立ち向かった。だからね、悲しまないで。よしみは強かったよ。強さが無いと、選べない事なんだよ。」

急にそんな話を言われて、声が詰まって目が熱くなった。本当にそうなのかな。

妻だから、経済的に心配だから、子供がいるから、家族だから、もういい歳だから。自分の周りで、そういう声を沢山聞いてきた。その気持ちがとってもわかるし、納得してた。それが答えだって思ってた。私もそうだったから。

もしかして、夫を、彼を好きだから離れたくないと言わなかったのは怖かったの?一人になる事が不安だっていう気持ちが潜んでたのかな。怖い。私と同じ、怖かったの?

姉の友人のアッコちゃんが日本への移住を決めた。コロナで半年くらい日本に帰国してた。アッコちゃんは、20年前に姉とはモデル仲間として知り合った。数年後にL.Aに移り住んでチャイニーズアメリカンと結婚した。こないだ、四人の子供達と旦那さんと家族会議をしたんだそう。「ママは日本に住みたい。ここがママが暮らす場所だってわかった。だから、ママはこのまま日本に残りたい。皆んなはアメリカに帰ってもいいし、日本にいてもいい。だけど、どうしてもママとアメリカで暮らしたいって言うなら考える。」アッコちゃんにとって家族はとっても大切な存在。本当にいつも仲良しな家族。だけど、家族の前に、彼女は自分の選択を尊重したんだそう。

「私達には出来ない選択だよ。だけどさ、もう変えよう。自分にいつだって選択肢を与えないといけないよ。」


「実はさ、私、一回、キッチンで包丁を握ってる時に、このまま殺したら楽になれるかなって頭をよぎった事があるんだよね。」私の打ち明けた小さな秘密に、姉は大爆笑した。

「わかるー!私も、凶器そうな物を家に見つけては、これで殺せるかな。って考えた事あるよ。こりゃ一発でダメだなぁとか。」

「実は、もう一つあって。もう本当に耐えられなかった時、彼は病気だから怒っちゃいけないって友達に止められてた時、勿論、暴力なんて絶対にふるえないし、とにかく私は耐え続けなきゃいけなかった。どんな事をされても。病気が最悪だった大地獄の時期の事。夜中に泥酔して帰宅した彼のリュックが玄関に転がってて、そのリュックにはPCが入ってて、リュックを手に取って足元に何度も何度も真っ暗闇の中で落とした事があるよ。PC壊れてしまえって思って。今、考えると相当にイっちゃってるよ。」

姉は声をあげて笑ってる。

「相当やばいね!だけどさ、そこまで自分を追い込んで耐えないで良かったんだよ。逃げたら良かったんだよ。ずっとずっと早くに逃げるべきだった。自分が選んだ事。もう、これからは楽に生きようよ!」

私達は似てる。全然違うけど、似てる。夢中になったり、頑張りすぎて、誰かの為に自分を見失う事がある。なんだかすっごくスッキリした。夜中の2時。むちゃくちゃ笑い続けた。

楽でいよう。
ぐーたらしたり、頑張らないとかじゃない。不安を放置したり、今から目をそらす事でもない。楽しい方を選ぶ。自分が楽かどうかって事。もし、傷つけられたら許さないでいい。だけど、心に負った傷が、同じ様に誰かを傷つけない為に、そこから離れる勇気を持つ事も大切かもしれない。笑うだけが人生じゃない。だけど、笑う為の決断はできる。

東京で一緒に住みたいって姉が言った。
私の家には、デンマーク製の丸いテーブルに椅子が三つ。もう一つ欲しい椅子があって、それを買ったら、私と姉家族と一緒に食卓を囲める。ちょっと値段が高い椅子。欲しいな。今日はマグロ丼。三茶に破格な八百屋があって、その前にいい魚屋があって、先ず人がごったがえした中で野菜を買って、次にゆっくりと魚を買う。とっても楽しいコース。美味そうな若芽と、立派な鮭を2枚、夕飯用にネギトロを買って帰った。

夕飯
マグロ丼
セロリとワカメとはんぺんなどの味噌汁
小松菜とひじきのオイルとコレーグース煮
大根と柚子の浅漬け
納豆

1月14日

Journal 14.1,2021

当たり前の事なんて無い。

「マックのドライブスルーに並んでる時に悲しい事があった。」姉からLINEが入った。

「ドラッグや酒を買って欲しく無いから、浮浪者にはお金はあげないけど、食べ物を渡すようにしてるの。それで、好きなものを頼んでって言ったら、彼は小さなハンバーガーセット一つだけ頼んだ。話を聞いたら、41才で、もう家族とは4年会ってないって。何台もの車に邪魔だから、どけって言われてて、車で戻って声をかけたの。それに、今日、ヘレナの学校の仲が良かった用務員のおじさんがコロナで亡くなった。今日は辛い。」

「いい事したんだから、気を落とさないで。」って伝えると、「当たり前の事をしただけ。」って。それに、「最初は彼がいるのを知ってたのに、直ぐに声をかけてあげられない自分がいて、何だか情けない」って。

当たり前に人を傷つける人がいるように、当たり前に人の為に思い遣れるわけじゃない。「その行動は、今日、その人を生かす食事となったんだよ。悲しまないで。」ってLINEした。

丁度、昨晩にベッドで考えてた。
どんな事をしようが、人に酷い事をしようが、人は幸せに生きれる。考えても仕方ないんだけど、行き場の無い何かが夜中に留まった。人を殴っても、人を裏切っても、今、楽しく笑って酒と女と遊んでると考えると、寝れなかった。きっと夜が悪い。いい加減にして欲しい。こんな事を考えてる私がいやになる。

どうして、姉は辛かったんだろう。どうして、姉が傷つかなきゃいけないんだろう。世界って間違ってる。当たり前の優しさなんて無いのに。少し泣いてから、もう一通LINEした。「私は神様を呪ってるよ。」

「うん。けど、きっと、それは違うと思う。」

うん、わかってる。

アニスの煮物

和食 13.1,2021

2年前、ミッチーが作ってくれたアニスの煮物を思い出した。家中がアニスの匂いたっぷりで、とっても贅沢な時間だったな。何月だったか忘れたけど、寒くて暗い夜だった。

ミッチーの料理は彼氏の野村さんの為の料理。二人は男。二人は普通のどこにでもいる様な仲良しのカップル。時々、三人で食卓を囲んでいると、この皿を独り占めしたい!って夢中になって食べてしまう事があった。あまりに美味しくって、あまりに羨ましくって、全部を私の物にしたいって。アニスの煮物も夢中になった内の一つ。

サミットで大根が1本138円。特価だった。
浅漬けを作って、下の方は買ってきた手羽元と一緒に何となくストゥブ鍋に入れて煮る事にした。お風呂に入って、チューハイをあける。ことこと煮込んでる。醤油とみりんを入れて、黒酢を入れよう。あ、アニスの煮物にしよう!

続いて、アニス、甜菜糖を入れる。しばらく、ことこと。部屋中がアニスと醤油の匂い。美味しい。匂いを嗅ぎながら、ビールを開けた。全然飲むつもりは無かったのに、匂いが美味しすぎて止まらない。美味しい。匂いが美味しい。美味しくって飲んじゃう。お酒は3杯で止めて、いよいよ炊きたての米と一緒に食べる事にした。

夜中まで美味しい匂いは続く。部屋を出ては入っては、何度も美味しかった。

楽しい日と楽しくない時間が交互にやってくる。小さい事で落ち込むかと思えば、小さい事で驚くほど嬉しくなったりする。とにかく、目の前の道を行くしかない。ダッシュしたり、止まったり、ゆっくり歩いたと思ったら急いでみたり、好きなスピードで、上手にやればいいんだなって思った。きっと、そのうちにそれが毎日になっていく。

アニスの煮物
大根
人参
手羽元
黒酢
醤油
みりん
甜菜糖